二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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Pocket Monster -Legend-
日時: 2018/03/22 03:16
名前: 田中 ◆15lIZBDwz6 (ID: yU3pc2AF)

初カキコ記念作品。 第一世代から第六世代までのポケモン出していきますよ。
感動長編ストーリー目指してるのでよかったら泣いてってくださいね。

投稿速度保つようにしてるけど万が一の時があったらごめん。

追記:書き溜めなくなってきた…つらぁ

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●目次●
Prologue ——>>01
Episode1 ——>>02 Episode2 ——>>03 Episode3 ——>>04 Episode4 ——>>07
Episode5 ——>>08 Episode6 ——2018/03/23投稿開始

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Re: Pocket Monster -Legend- ( No.4 )
日時: 2018/03/20 01:37
名前: 田中 ◆15lIZBDwz6 (ID: yU3pc2AF)
参照: Episode3

レッドとグリーンの前に立ちはだかる赤い髪の少年。
少年は不敵な笑みを浮かべ言葉を続ける。

?「そいつ等の身柄は俺に預けてくれないか?」

レッド「……何故?」

?「聞きたい事が山ほどあってね。今警察に預けられたら困るのさ」

少年はグレーンの袖を、少女はレッドの袖を引っ張る。

?「ああ。俺が怖いかい君達」

少女「あの……黒い服の男と、雰囲気が似てる……」

レッド「だってさ」

?「へぇ? 君、将来は超能力者になったら? ナツメなんかより優れた能力者になれるんじゃないかな」

グリーン「てことはお前もロケット団なんだな」

?「正確に言えば仲間、だね。俺はロケット団員ではない」

レッド「どうだか」

?「ン? もう口を開いていいんだぞ。下っ端共」

下っ端A「うぐっ……申し訳ありません、シルバー様」

レッド「俺達と年が変わらなそうなのに様付けで呼ばれてるのか」

シルバー「まあね。コイツ等は俺を呼び捨てでは呼べない」

グリーン「んなこたぁどうでもいいけどよ。コイツ等の仲間だってんなら俺はコイツ等の身柄は渡せねえぞ?」

レッド「(かといってポケモンバトルの連戦はキツイ……逃げるしかないか?)」

シルバー「そうだろうな」

レッド「(コイツの余裕そうな表情を見る限り、今の俺達じゃ到底勝てないだろうな……)」

シルバー「あぁ……じゃあさ。左の下っ端だけは俺が預かっていいかな?」

下っ端B「は!?」

グリーン「何故だ?」

シルバー「だって、ソイツはポケモンの自爆を使ってお前らに危害を加えただろ?」

レッド「さっきの勝負を見てたのか!?」

シルバー「もちろん。いい連携だったな? んで、ソイツはお前らに危害は加えてないし犯罪を犯してない」

下っ端B「んなっ……ふっざけん——」

シルバー「黙れよ」

——ギロリ。
ゾクッっと背筋を凍らせるような睨み。

シルバー「どうだ? 君達も今の俺とポケモン勝負の連戦なんて無理だろう?」

グリーン「ぐっ……確かに……」

レッド「まるで一人渡せば見逃してやるような口ぶりだが。いいのか?」

シルバー「何がだ?」

レッド「一人捕まるって事は、アジトが割れる可能性もあるんじゃないか?」

シルバー「あぁ、そんな事か。全然問題ないよ。探せるものなら探してみればいい」

何かを察したレッドは次に、こう言った。

レッド「……わかった。一人返そう」

グリーン「いいんだな?」

レッド「あぁ。無駄なバトルをするよりかは安全に帰してやらないといけないからな」

シルバー「いい判断だ。では、預からせてもらおう」

下っ端A「シルバー様……」

シルバー「あ? 無駄口叩くんじゃねえよ」

下っ端A「申し訳ありませんでした」

シルバー「……それじゃ二人とも。俺は帰らせてもらうよ」

シルバーは一人の下っ端を連れて歩く。
残された下っ端は見限られた事に絶望し、口を開く事は無かった。

レッド「——さて、研究所に戻るか」

気を取り直し、再びマサラタウンを目指す。
レッド達が戻った頃には既に夜になっており、辺りは真っ暗だった。

グリーン「んじゃ俺はこの子らの親に伝えに行くから先研究所向かっててくれ」

レッド「わかった」

グリーン「んじゃ。後でな」

一度グリーンと別れ、レッドは一足先に研究所へ向かう。

少年「お邪魔しまーす」

研究所に到着し、入口の扉を開く。
レッドが見た先には、研究員が全員倒れ部屋は荒らされている様子だった。

レッド「博士!」

少女「ひゃぁ……」

博士と慕われる老人の元に駆け寄る。

レッド「ッ! これは……麻痺か?」

横たわる博士に触れようと手を伸ばした瞬間、ビリッという電流が流れる。

少年「なんで博士に電気が流れてるの……?」

レッド「わからない。あぁくそ! 何がどうなってんだ!」

少女「いやぁ!」

少女はレッドに抱き着く。

少女「レッドお兄ちゃん……うぇっ、ぐずっ」

レッド「! ……ふぅ。ごめん。心配いらないから、ね?」

少女は抱き着いたままコクリと頷いた。

レッド「他の研究員も皆同じ症状か……時間経過で落ち着くだろうが、今は時間が惜しい」

少年「ナナミ姉ちゃんに言えばなんとかなるかな!?」

レッド「この際だ。相談してみよう」

少年「僕グリーン兄ちゃん呼んでくる!」

レッドはポケットのポケギアを取り出した。
連絡する相手はナナミという女性。グリーンの姉である。

ナナミ『もしもしレッド君? どうしたの?』

レッド「ナナミさんっ! オーキド博士や他の研究員が麻痺状態で……!」

ナナミ『えっ!? それ、どういうこと!?』

レッド「説明は後でします! 何とかなりませんか!?」

ナナミ『わかった。すぐ準備して行くから!』

通話終了。これで麻痺の件はどうにかなりそうだった。

少女「これ、誰がやったのかな……」

レッドは考える。
研究所を荒らし、博士や他研究員全員を麻痺状態にした相手の犯人。

レッド「さっきの男だろうな」

少女「赤い髪の?」

レッド「ああ。まんまとやられたよ」

ロケット団員は最初に言った。「研究所に近付けるわけにはいかない」と。
つまり、あの二人はシルバーがここを襲撃するまでの時間稼ぎをしていたに過ぎなかった。

レッド「参ったな。考える事が多すぎる」

一旦頭を整理するべく、レッドは腰を下ろした。

レッド「眠くないかい?」

少女「ん。……大丈夫」

レッド「無理しないでいいよ。おぶってあげるから寝なよ」

今日は色々な事が起こり過ぎて、レッドでも眠りにつきたい気分なのだ。
小さい女の子が起きていられるはずもなかった。

Re: Pocket Monster -Legend- ( No.5 )
日時: 2018/03/20 10:19
名前: D8車 (ID: Nf/7T0hn)

初めまして。D8車です。

田中さんのポケモン小説、見させていただいています。

完結目指して頑張ってください。

Re: Pocket Monster -Legend- ( No.6 )
日時: 2018/03/21 02:28
名前: 田中 ◆15lIZBDwz6 (ID: yU3pc2AF)

>>5

D8車さんはじめまして
コメント励みになります!
一日一話投稿なのでゆったり感動していってくださいね

Re: Pocket Monster -Legend- ( No.7 )
日時: 2018/03/21 02:32
名前: 田中 ◆15lIZBDwz6 (ID: yU3pc2AF)
参照: Episode4

ナナミ「取り敢えずクラボの実を塗して飲ませたけど……」

グリーン「何だって研究所が襲われなきゃならないんだよッ!」

レッド「ロケット団……」

グリーン「アイツ等が爺ちゃんを!?」

レッド「それしかないだろ。奴等研究所に用事があったんだろ?」

グリーン「あのシルバーって奴の仕業か……!」

ナナミ「待って。ロケット団ってなに?」

レッド「よくわかりません。けど、今日俺等もロケット団に襲われました」

ナナミ「襲われた!? レッド君とグリーンも!?」

レッド「はい。俺とグリーンでそいつ等は倒しましたけど」

ナナミ「どうしてお爺ちゃんの研究所を?」

グリーン「研究室がかなり荒らされてたけど、戦ったのか?」

レッド「……いや。博士達が麻痺状態で見つけたってことは、争ってはいないんじゃないかな」

グリーン「野郎ォ……次あったらタダじゃおかねぇ」

レッド「そういやグリーン。あのロケット団はどうした?」

グリーン「アイツ等家に帰した時に警察に渡したよ」

レッド「そうか」

研究室内を見回すレッド。ふと、ある事に気が付いた。

レッド「そういや博士って。ポケモン図鑑を作ったんだっけ?」

ナナミ「そうよ。今ではカントー地方だけでなく全国のポケモンを記録できる図鑑を作ったの」

グリーン「それがどうしたんだよ?」

レッド「——ない。奴等の目的はポケモン図鑑か……!」

グリーン「ッ! そうか——」

ナナミ「! それだけじゃなく、ポケモンもいないわ!」

真ん中の机に置いてあるモンスターボールは2つ。
本来であればそこには3つ置いていた筈のモンスターボールが1つ消えていたのだ。

レッド「ポケモンと図鑑が目当てだったのか?」

グリーン「俺、他に何か盗まれてないか探してくる」

ナナミ「私も探すわ。レッド君はお爺ちゃんを看ててくれる?」

レッド「わかりました」

グリーンとナナミは立ち上がり、研究所を歩き回った。

オーキド「む……おぉ、レッドか」

レッド「博士! よかった。目が覚めましたか」

オーキド「ワシとした事が情けない。珍しいポケモンに目が眩んで電磁波を喰らってしまったわい」

レッド「相当な威力の電磁波ですね。研究員全員が同じように麻痺状態になってました」

オーキド「そうか……して、犯人は何が目的だったのかのう」

レッド「俺達が今知っているのは博士のポケモンと図鑑を盗まれてました」

オーキド「なんじゃとッ!? ぐっ」

レッド「無茶しちゃダメです博士」

オーキド「警察に連絡はッ!? 相手を知っているのかレッド!?」

レッド「警察に連絡はしてますし、相手も知っています。俺とグリーンも帰り道襲われました」

オーキド「相手はどんな奴じゃ!?」

レッド「ロケット団と名乗ってました」

オーキドはこれ以上に無いくらいの興奮状態だった。

グリーン「爺ちゃん! 目を覚ましたか!」

ナナミ「よかったお爺ちゃん」

オーキド「お、おぉ……ナナミ、グリーン。迷惑をかけたな」

グリーン「ヘッ、本当だぜ。らしくねえんじゃねえの?」

オーキド「うむ。……」

レッド「ところでグリーン。他に何か被害はあったか?」

グリーン「ん。いや、図鑑とポケモンだけだったな」

オーキド「そうか。図鑑は1つ盗まれたのか?」

ナナミ「1つだけだったよ」

オーキド「そうか……」

レッド「博士——」

オーキド「……レッド、グリーン。話がある。大切な話じゃ」

グリーン「! はは。いいぜ、聞いてやるよ」

レッド「はい」

オーキド「危険な事じゃ。決して無理にとは言わん。じゃが、ロケット団から……」

オーキド「ロケット団から図鑑とポケモンを取り返してほしい」

頭を下げられ、困惑する2人。

ナナミ「お爺ちゃん……」

オーキド「ワシは最低じゃ。10歳の子供に頼む事でもないだろうに」

レッド「俺は全然気にしてないです。寧ろ、俺からそれを進言するつもりでしたから」

グリーン「そうだぜ爺ちゃん。大体あんな奴等、俺とレッドがいりゃ十分勝てるっつうの」

オーキド「引き受けてくれるか! 本当にありがとう」

レッド「頭をあげてください博士」

オーキド「いや、本当に助かる……せめて、旅の最大限のサポートをさせてほしい」

レッド「有難いです」

オーキド「じゃが今日はもう遅いし、明日またワシの研究所に来てほしい」

グリーン「ん。わかったぜ」

ナナミ「——グリーン。レッド君」

グリーン「なんだ? 姉ちゃん」

ナナミ「レッド君。今夜は家に泊まりなさいな」

レッド「?」

ナナミ「私も2人の旅のサポートをするわ。それに、最後の日くらいお話ししたいもの」

グリーン「おいおい。別に最後ってわけじゃ」

ナナミ「でも明日から長旅が始まるでしょ?」

レッド「……そうですね。じゃあ、お邪魔してもいいですか?」

ナナミ「私は大歓迎。お爺ちゃんは大丈夫?」

オーキド「ワシか? ワシは今日研究所におるから気にしなくても大丈夫じゃよ」

レッド「あまり無理しないでくささいね」

オーキド「わかっておる」

グリーン「ンだよ今日はレッドも来るのか。まあいいか」

ナナミ「じゃあ2人とも。行きましょ」

ナナミに誘われ、グリーンの家で一夜を過ごす事になったレッド。
研究所を出る頃には辺りは真っ暗で、すぐ隣にあるグリーンの家の街灯の灯だけが辺りを暖かくした。

レッド「グリーンの家も久しぶりだな」

グリーン「そうだっけか?」

ナナミ「ふふ。グリーン前までタマムシシティにいたものね」

グリーン「なるほどな。姉ちゃんには会いに行かなかったのか」

レッド「なんでナナミさんに会う為にここにくるんだよ」

ナナミ「あら? 私は大歓迎よ?」

レッド「うっ、からかうのは止めてください……」

ナナミ「ふふ。……そう言えば2人ともご飯まだよね?」

グリーン「そういやまだだな」

レッド「色々起こり過ぎて飯を食うのも忘れたな」

ナナミ「うん。じゃあ今から作るから待ってて?」

グリーン「あいよ」

レッド「楽しみにしてます」

ナナミ「えぇ」

ナナミは笑顔で台所に立った。

グリーン「——さて」

レッド「帰ってきて早々だったな。グリーン」

グリーン「本当だな。積もる話もあったんだけどなぁ」

レッド「それどころじゃないってのも残念だな」

グリーン「しかしお前、またしばらく見ない間に腕上げたんじゃねえの?」

レッド「グリーンこそ」

グリーン「さすがマサラタウン一のポケモントレーナーだなァ」

レッド「俺とグリーンの実力なんて大差ないだろ」

グリーン「ハッ。俺はタマムシシティでポケモンを学んだよ。それで世界が広い事を思い知らされた」

レッド「そっか。……俺は今日ロケット団と戦って世界の広さを思い知らされたよ」

グリーン「俺は絶対にロケット団の野望を阻止するぞ」

レッド「グリーン?」

グリーン「大切な家族に手を出したんだ。俺を甘く見た事を後悔させてやる」

レッド「俺も同じ気持ちだよ。でもな」

グリーン「わかってる。今の実力じゃ俺達は勝てない」

レッド「あぁ。悔しいけどな」

グリーン「俺は各地のジムを巡りながら旅をしようと思ってるんだ」

レッド「へえ。ジムバッジを集めて実力をつけていくのか?」

グリーン「まあな。レッドもそうしたらどうだ?」

レッド「そうだな……確かに実力をつけるには十分すぎるよな」

グリーン「だろ? 今から楽しみになってきたぜ」

レッド「はは。随分楽しそうじゃん」

グリーン「おうよ! 何ならチャンピオンにだってなってやるぜ!」

ナナミ「なになに。グリーンチャンピオン目指してるの?」

グリーン「うおっ! なんだよいきなりビックリするな」

ナナミ「ご飯出来たからきただけよ」

レッド「うまそー」

ナナミ「ふふふ。じゃあ食べましょ?」

グリーン「いっただきー!」

食事中、3人の楽しい時間を過ごし沢山話をした。
これまでの事。そして、これからの事。レッドは思い出を胸に刻み、明日の旅に備え布団に入った。

Re: Pocket Monster -Legend- ( No.8 )
日時: 2018/03/22 03:13
名前: 田中 ◆15lIZBDwz6 (ID: yU3pc2AF)
参照: Episode5

翌朝、研究所に向かう前にナナミはレッドとグリーンに声を掛ける。

ナナミ「はい、これ」

今日から長い旅の始まりということもあり、2人に袋を渡した。

グリーン「何も入ってねえじゃん」

ナナミ「木の実袋よ。採った木の実をその袋に入れて持ち運びすると長持ちするわ」

レッド「ありがとうナナミさん」

ナナミ「えぇ。それと、ジムを目指すなら最初はニビシティへ向かいなさい」

レッド「ニビシティ? 確かこの先のトキワシティにもジムありますよね?」

ナナミ「あそこのジムはまだ閉まってるのよ。ジムリーダーが不在でね」

グリーン「そんな職務放棄していいのかよ。まあ、あの辺にもポケモンいるし多分そっちには寄るけど」

レッド「ニビシティか……トキワの森抜けなきゃいけないかぁ」

ナナミ「レッド君やグリーンならやり遂げられるって信じてるから。いつでも帰ってきなさいね」

グリーン「へへ。まあ立ち寄れそうならまた寄るよ」

レッド「色々お世話になりました。また今度」

ナナミ「うん。元気でね」

旅の前に挨拶を済またレッドとグリーンは研究所に向かう。

オーキド「来てくれたか2人とも」

グリーン「なんだ? 逃げたと思われたのか?」

オーキド「そんなわけなかろう。じゃが逃げてもワシは文句を言わんよ」

レッド「逃げませんよ。これは俺達が決めた事ですから」

オーキド「本当にありがとう。どれ、ではワシから最大限の贈り物じゃ」

研究員「連れて来ました」

レッド「えっと、ヒトカゲと——」

グリーン「ゼニガメだな」

オーキド「昨日盗まれてしまったフシギダネを取り戻すためにその子らも一緒に連れて行ってくれんかの?」

グリーン「いいのか? 爺ちゃん」

オーキド「構わんよ。それに旅に着いていくというのもその2匹の決めた事じゃ」

レッド「そっか。……俺と一緒に行くか?」

ヒトカゲ「カゲッ!」

グリーン「元気がいいなお前」

ゼニガメ「ゼニゼニッ!」

レッド「ヒトカゲ……これからよろしくな」

レッドはヒトカゲの頭を撫でる。

グリーン「頼りにしてるぜ? ゼニガメ」

グリーンもまた、同じようにゼニガメの頭を撫でた。

オーキド「その子達を頼んだぞ。では次に、これを君達にやろう」

レッド「これはポケモン図鑑……」

オーキド「うむ。それも1つは昨日盗まれてしまったが2人になら問題なく託せるからのう」

グリーン「これは非常にありがたいな。大事にするよ」

オーキド「それとこれはサービスじゃ」

レッド「空のモンスターボールですね」

オーキド「これからカントーを巡る旅じゃ。仲間は多い方がいいぞ?」

グリーン「確かカントーには151匹いるんだよな、ははは!」

オーキド「(具体的にはもっといるんじゃが……バカな孫じゃ……)」

レッド「今は他の地方のポケモンもカントーで発見されたりするからもっと多いよ」

グリーン「そうなのか? 爺ちゃんもっと研究しろよ」

オーキド「じゃからポケモン図鑑の全国版を作ったんじゃが」

レッド「これが全国図鑑ですか?」

オーキド「そうじゃ。自動的に記録していくハイテクな道具じゃよ」

グリーン「へえ、便利だな」

レッド「博士。ありがとうございます。必ずポケモン図鑑と、ポケモンを取り戻します」

オーキド「ああ。じゃが、旅は楽しむものじゃ。図鑑とポケモンは旅の副産物でいいぞ」

レッドはオーキドに一礼し、研究所を出ようとした。

グリーン「おいレッド!」

レッド「ん?」

グリーン「せっかくポケモンを貰ったんだ。旅立ち前に1戦どうよ?」

レッド「いいね」

グリーン「うしっ! そうと決まれば早速ステージに向かおうぜ」

昔は恒例だったレッド対グリーン。
今日から長い旅立ちという事もあり、暫くはマサラタウンでの対戦はできない。

住人A「おぉ。レッド君とグリーン君のポケモンバトルか!」

住人B「これからあの子達旅に出るんでしょ? 寂しくなるわねぇ」

たくさんのギャラリーが集まる中、戦場に立つ。

グリーン「いいかレッド。勝負は2対2のシングルで、入れ替えは自由だ」

レッド「了解。んじゃ、初陣は任せたぞヒトカゲ!」

グリーン「ならこっちもゼニガメだ!」

ヒトカゲ「カゲッ!」

ゼニガメ「ゼニッ!」

少年「うわぁ! 新しいポケモンだ!」

少女「どっちも可愛い!」

グリーン「お互い貰ったばかりではあるが。相性はこっちが有利だぜ?」

レッド「そうだな。けれど、俺は負けるつもりないぞ?」

グリーン「それはこちらの台詞よォ! ゼニガメ、みずでっぽう!」

レッド「躱せヒトカゲ!」

ゼニガメ「ゼ……ニィィィィィ!!」

ヒトカゲ「フォッ!」

レッド「ヒトカゲ! ひのこ!」

ヒトカゲ「カゲ」

——ボッ!
小さな火の粉を吹き、ヒトカゲは尻尾をユラユラと揺らす。

グリーン「全然効かねえな! ゼニガメ、からにこもる!」

ゼニガメ「ゼニィ!」

レッド「チャンスだ。あなをほる!」

ヒトカゲ「ヒトォ!」

グリーン「はは! お前の十八番だなぁあなをほるは!」

レッド「まあな」

グリーン「ゼニガメ、真下にみずでっぽう!」

ゼニガメは指示通り自分の真下目掛けてみずでっぽうを繰り出す。
水の発射の勢いで空高く飛び上がったゼニガメを目で追うレッドはニヤリと笑い——。

レッド「ヒトカゲ! あなをほりまくれ!」

戦場の地面に穴を掘りまくるヒトカゲ。
あちらこちらの地面に穴が開いており、ヒトカゲは指示でずっと穴に篭っていた。

グリーン「このままじゃ落下ダメージがマズイ……! ゼニガメ、もう一度真下にみずでっぽう!」

ゼニガメ「ゼニッ」

ゼニガメは真下目掛けて再度みずでっぽうを繰り出す。
しかしその真下にはヒトカゲが掘った穴があり、みずでっぽうはその穴へと侵入。そして——。

ゼニガメ「ゼニイィ!」

また別の穴からゼニガメの繰り出すみずでっぽうが勢いよく発射された。
発射されたみずでっぽうはゼニガメに掠り、当たり所が悪くゼニガメは態勢を崩してしまった。

グリーン「ゼニガメ!」

レッド「今だ! ヒトカゲ!」

ヒトカゲ「カゲッ!」

タイミングよく穴から飛び出てきたヒトカゲは、ゼニガメ目掛け攻撃。
落下ダメージを合わせて、ゼニガメに大ダメージを与えた。

少年「ゼニガメを倒した!」

グリーン「ぐっ、やっぱ強いなレッド……」

レッド「そりゃ、どうも」

グリーン「だがコイツはどうかな。行けバルキー!」

レッド「俺も交代するぞ! 行けイーブイ!!」

2人は自慢のポケモンをそれぞれ場に出し、ギャラリーの歓声と共にバトルもいよいよ大詰めとなった。


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