二次創作小説(映像)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【完結】提督「死んだふりドッキリ」【艦これSS】
- 日時: 2018/07/25 19:33
- 名前: エボルト (ID: x40/.lqv)
提督「何だってこんな時期に……大本営は何を考えてるんだ」
手には大本営から送付されてきた書類。
書いてあることは支離滅裂でよく分からないが、
艦娘との繋がりを深めるためにドッキリ企画を、ということらしい。
……逆に傷つけやしないだろうか。
ああでも、しまった興味が湧いてきた。
確かに、いつも凛々しくしている娘や陽気に遊び回っている娘が涙を流す姿……見てみたい気もする。
提督「……やるなら本格的にやらないとな」
どんな手を使おうか。自殺でもいいし、時間はかかりやすいが病死でもいい。他殺は……ちょっと難しいか。
……とりあえず、明石に協力させとくか。あいつならノリそうだし。
————
明石「ドッキリですか!? もちろんやりますよ!」
提督「おぉ、随分乗り気だな」
明石「楽しそうですからね。妖精さんも乗ってくれると思うので、何か必要でしたら言って下さい」
提督「助かるよ」
明石「でも、急に何の前触れも無く死んだら不自然じゃないですか?」
提督「自殺ならな。少し前、少し大きな作戦に失敗したろ? それを引きずってることにでもすればいい」
明石「なるほど」
さて、誰から行こうか。
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
- Re: 提督「死んだふりドッキリ」【艦これSS】 ( No.20 )
- 日時: 2018/05/20 21:15
- 名前: エボルト (ID: x40/.lqv)
【朝潮】
提督「駆逐艦が連続してるが、俺は気にしない」
提督「今回は朝潮だ。普段真面目だが、どのように反応するかな」
朝潮は子供というよりは大人びた子供だ。やや反応が読めない。
————
提督「明石ー」
明石「お久し振りです。今回は何ですか?」
提督「また艤装の遠隔操作をしてほしいんだが、頼めるか」
明石「お安いご用です。で、誰のですか? また戦艦とか言わないでしょうね」
提督「安心しろ、朝潮だ」
明石「はー、朝潮ちゃんですか……もしかして提督、ロリコンですか?」
提督「断じてそのようなことはない」
明石「そうですかー。分かりました、ご武運を」
————
コンコン
朝潮「司令官、遠征の報告に参りました」
提督「朝潮か、開いてるぞ」
朝潮「失礼します」ガチャ
提督「じゃあ、報告を聞こうかな」
朝潮「はい。全員目立った損害も無く、順調な資源回収ができました」ピシッ
提督「そうか、良かった。よくやったな」ナデナデ
朝潮「し、司令官……その、あまり撫でられると、朝潮、困ってしまいます……」
提督「まあいいじゃないか、たまには」ナデナデ
朝潮「はぃ……司令官……」ガコンッ
よし、ナイスタイミング明石。
提督「え、朝し……」
朝潮「ふぇ?」
パァンッ
提督「……お」ドクドク
朝潮「え、しれい、かん……」
朝潮「しっ、しっかりしてください! 司令官! 司令官!」
朝潮「司令官! 大丈夫ですか!? 司令官!」
朝潮「司令官! ……あ、ぁあ、私が、司令官を」
朝潮「やだ、こんなこと、有り得ない、だって、だって」
朝潮「……」
お、黙ったぞ。何をするつもりなんだ?
朝潮「……司令官、申し訳ありません」
朝潮「この不肖朝潮、あちらまでお供させていただきます」ガコンッ
ええええええええ!?
朝潮「司令官……あちらでもどうか、ご一緒に」
提督「待てえええええ朝潮!!」ガシッ
朝潮「司令、官……え?」
提督「朝潮、落ち着け、これはドッキリだ。そう、全て俺の演技だ、だから早まるな」
提督「あと万が一俺が死んでも決して後を追うな。それは他の奴も同じだ。分かったか?」
朝潮「……」
提督「……朝潮?」
朝潮「……うぅ」ブワッ
提督「!?」
————
提督「大変だったよ、ある意味一番の泣きっぷりだったな、朝潮は」
明石「ああ、執務室から朝潮ちゃんが泣きながら出てきたのはそういうことなんですね」
提督「そういうことだ。しかし、いきなり自決しようとするんだからたまげたぞ」
明石「刺激が強すぎたんですよ。金剛さんならともかく、朝潮ちゃんは幼いんですから」
提督「そこは反省してるよ、悪ノリが過ぎた。だが、その精神は見上げたものだな」
明石「武人ですねぇ朝潮ちゃん」
————
- Re: 提督「死んだふりドッキリ」【艦これSS】 ( No.21 )
- 日時: 2018/05/21 20:12
- 名前: エボルト (ID: x40/.lqv)
【白露】
提督「俺がロリコンだという噂が鎮守府で蔓延している」
提督「そんなことはない、決してだ」
ふと時計を見る。そろそろ朝いっちばーんと言わんばかりに彼女が朝の挨拶に来るのだろう。
ならば、白露に仕掛けてみるか。
————
提督「よいしょっと……ちょっとシンプル過ぎる気もするが、朝にあまりキツいのも可哀想だからな」バタリ
タッタッタッ
おっ、来た来た。
白露「いっちばーん! 提督おはよー!」バンッ
提督「」チマミレ
白露「ひゃっ!?」
白露「て、提督、え、嘘、あ、あはは……あたし、まだ寝ぼけてるのか、なぁ」
白露「ほ、ほら、悪趣味なことしてないで、起きてよ、ほら」ユサユサ
白露「ねぇ、提督、提督……」
白露「うっ、うわぁぁぁぁぁぁぁ……」ポロポロ
朝一番に騒々しくやってきたかと思えば、今度は号泣か。
なんとも感情の起伏が激しい奴だ。
さあ、そろそろ皆起きてるし、他の娘に見つかったら不味い。
特に白露型には見つかりたくない。
提督「泣くな白露。朝から心配させてすまんな」
白露「え、てい、とく」
白露「生き、てるの……?」
提督「ああ。詫びといっては何だが、飯まだだろう? 一緒に食いに行くか」
白露「うっ、うん! 行く!」グスッ
————
白露「やった! 食堂いっちばーん!」
島風「おっそーい」
白露「んなっ!?」
夕立「ごっはんー、ごっはんー……あれ、白露ちゃん、目が赤いっぽい?」
白露「そ、そうかな、ちょっと、擦りすぎちゃって……」アセアセ
時雨「……」ジー
提督「……」ビクビク
白露「ほら、提督食べよ!」
提督「あぁ、そうだな」
————
- Re: 提督「死んだふりドッキリ」【艦これSS】 ( No.22 )
- 日時: 2018/05/22 20:22
- 名前: エボルト (ID: x40/.lqv)
【Z1】
提督「外国艦がどんな反応をするのかも気になるな」
提督「癖のない娘はレーベとマックスがいるが……レーベにしよう。気分だ」
ただ一つの懸念は、彼女らの日本観が捻じ曲がる可能性があること、だろうか……。
————
コンコン
提督「入れ」
レーベ「Guten Morgen. 提督、失礼するよ」ガチャ
提督「レーベか。どうだ、そろそろこの鎮守府には慣れたか」
レーベ「うん。まだ来て数ヶ月なのに、皆すごく良くしてくれてるよ」
提督「そうか。戦いだけじゃない、皆で和気藹々と過ごせている。それがこの鎮守府の良いところでもあるからな」
レーベ「Das ist richtig. それに皆強い。僕はまだ遠征要員だけど、きっと艦隊戦で戦えるようになってみせるよ」
提督「頼もしいな、期待してるぞ。ただ……」
レーベ「ただ?」
提督「これは私事、と言っていいのかな……なんだが……最近、鎮守府・泊地の提督不審死や行方不明が相次いでいるらしい」
レーベ「それは……どういうことだい?」
提督「大方、海軍全体の刷新を図ってるのかもな。お上のやることは想像の斜め上を行ってくれる」
レーベ「そう……なら、そんな状況で窓を開けているのは、不用心じゃないかい?」
提督「おっと、そうだな……ありがとう、すっかり失念していた」スタスタ
提督「鍵も掛けなくちゃな」カチャカチャ
パァンッ
提督「」ドサッ
レーベ「……うッ、提、督……」
レーベ「提督! 大丈夫かい!? ……まずい、血が……」
レーベ「こういうとき、どうするんだっけ……ああして……違う、そうじゃない、こうやって……いや」
レーベ「あぁもう、分かんないよぉ……」
レーベ「どうすればいいの……? 誰か教えてよ……提督が……」ポロポロ
……レーベはこの鎮守府に着任してからそれほど間がないから、もしかしたら泣かないかもと思っていたが……結構、信頼されていたことが伺える。
そんなレーベの為にも、早く起きてやるか。
提督「安心しろレーベ、泣くな。俺は生きてるぞ」
レーベ「……うぇ、提督……?」
提督「ドッキリっていうやつだ。心配させてすまなかったな」
レーベ「どっきり……それが日本での挨拶の一つなのかな。慣れるのが少し大変そうだ……」
提督「うん違うよね。あと慣れなくていいよ」
レーベ「そうなんだね……あと、提督」
提督「何だ?」
レーベ「Ich war besorgt……」ギュッ
提督「……Es tut mir leid, dass du dir Sorgen gemacht hast」
————
レーベ「そっか、ドイツ語勉強してたんだね」
提督「ああ。お前たちが来るときに、心細かったりしないようにな」
レーベ「でも、大変じゃなかった?」
提督「いや。お前たちの為を思えば、辛いことは何もないさ」
レーベ「そうなんだ……Danke」
————
- Re: 提督「死んだふりドッキリ」【艦これSS】 ( No.23 )
- 日時: 2018/05/23 19:42
- 名前: エボルト (ID: x40/.lqv)
【伊19】
提督「久しぶりに潜水艦に対してやってみるか」
提督「以前、ゴーヤに休暇を言い渡したが……あの後どうなってるかな」
今回仕掛けるのは泳ぐ18禁ことイク。たまに見かけることがあるが、休暇は満喫していたようだ。
————
コンコン
イク「提督! イクなのね!」
提督「おー、入っていいぞ」
イク「失礼するのね」ガチャ
提督「結構前の話だが、休暇はどうだった?」
イク「満喫したのね。潜水艦の皆で遊びに行ったのね」
提督「そいつは良かった。ここのところ、潜水艦の戦果が軒並み上がっているのも、その賜物か」
イク「そうだといいのね。で、呼び出したのは何の用なのね?」
提督「そうだった。最近頑張ってるから、これを渡そうと思って……あれ?」
イク「どうしたのね」
提督「間宮券をたっぷりと……と思ったんだが、引き出しの中身は切らしていたんだった。棚の上のを取るしかないな」
イク「感謝なのね」
提督「脚立を立ててっと。悪いイク、脚立を支えててくれ」
イク「分かったのね!」ガシッ
提督「よいしょっと。何かぐらつくなぁ」グラグラ
イク「……! 提督、金具が外れてるのね!」
提督「何っ……おわっ!?」ゴツッ
イク「きゃっ……うぅ〜、提督、大丈夫……」
提督「」タラタラ
イク「へ……提、督」
イク「頭、角に、ぶつけて」
イク「う、あ、あぁ、あ……」
イク「嘘、嘘なのね、夢なのね」
イク「は、早く覚めて欲しいのね、こんな夢」
イク「そう、イクはきっと疲れてるだけなのね」
イク「じゃないと、有り得ない、から」
泣きもしなければ叫びもしない、ただ取り乱しブツブツと何事か呟いている。
相当精神にダメージを受けたようだ。早く落ち着かせてやらなければまずい。
提督「イク」ガシッ
イク「やっぱり夢なのね、ほら、提督生きてるのね」
提督「しっかりしろイク。さっきのことは現実だが、俺は生きてる」
イク「どういう、こと、なのね」
提督「ドッキリだ。落ち着け、深呼吸だ」
イク「すっ、すー……はー……すー……はー……」
提督「よし、落ち着いたか」
イク「生きてる、のね」
提督「ああ」
イク「良かったのね……」フラッ
提督「っとと。……眠っただけか。やっぱり疲れてるのかな」
イク「……」スースー
————
提督「てことで、はいこれ間宮券。皆で分けろよ」サシダシ
イク「わ、いっぱい……ありがとうなのね」
提督「それと、無理はするなよ……と言っても、お前らをオリョールに差し向けてるのは俺だが」
イク「大丈夫なのね。提督の為なら、イク、いっぱい働けるのね」
提督「ああ、ありがとう」
————
- Re: 提督「死んだふりドッキリ」【艦これSS】 ( No.24 )
- 日時: 2018/05/24 20:17
- 名前: エボルト (ID: x40/.lqv)
【大淀】
提督「たまには、裏方の艦娘に仕掛けてみようかな」
提督「手始めに、まず大淀だ。事務仕事で世話になることも多いし、真面目で信頼してる」
何事も要領の良い彼女がどういった反応をするか、楽しみでならない。
————
大淀「本営への書類をまとめるのを手伝って欲しいとのことですが……珍しいですね、疲れてるんでしょうか」
コンコン
大淀「提督、大淀参りました」
大淀「……提督? お呼びでしたよね?」
大淀「入りますよー……」ガチャ
提督「……」ツップシ
大淀「あら、寝てらっしゃるのですか……」
大淀「やっぱり疲れてたんですね。今日の所はゆっくりお休みになって……」
大淀「ん、これは……一体何の空箱……?」
大淀「……っ、睡眠薬、こんなに……!? まさか!?」ゾッ
大淀「提督! 大丈夫ですか!?」ユサユサ
提督「」グッタリ
大淀「そんな……提督……」
大淀「どうして……誰にも相談しなかったんですか……」
大淀「悩んでたなら、言ってくだされば……」
大淀「それとも……」
大淀「私では、力不足でしたか……?」
大淀「……ふふ、もう、遅いですよね……」
さすがは巡洋艦、駆逐とは訳が違うか。
しかも大淀だ。精神が成熟してるかもと思ったが、まさにその通り。泣き乱すようなことも無く、ただただ絶望している。
さて、大淀が何かする前にネタバラシしておくか。
提督「そんなことないぞ。本当に悩んでたら誰かに相談するからな」
大淀「あ、提督……」
大淀「お恥ずかしい所をお見せしました……」
提督「察しが良くて助かる。まあ、何かあったらお前にも相談するかもな」
大淀「……ところで、提督」
提督「ん?」
大淀「例の書類、もちろん終わってますよね?」
提督「あっ」
大淀「……」ニコッ
————
提督「……」スースー
大淀「寝ちゃいましたか……ちょっと無理強いし過ぎたかもしれませんね」
大淀「……毛布くらいは、かけてあげます」
大淀「おやすみなさい、提督」ガチャ
————
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
この掲示板は過去ログ化されています。