二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 【完結】提督「死んだふりドッキリ」【艦これSS】
- 日時: 2018/07/25 19:33
- 名前: エボルト (ID: x40/.lqv)
提督「何だってこんな時期に……大本営は何を考えてるんだ」
手には大本営から送付されてきた書類。
書いてあることは支離滅裂でよく分からないが、
艦娘との繋がりを深めるためにドッキリ企画を、ということらしい。
……逆に傷つけやしないだろうか。
ああでも、しまった興味が湧いてきた。
確かに、いつも凛々しくしている娘や陽気に遊び回っている娘が涙を流す姿……見てみたい気もする。
提督「……やるなら本格的にやらないとな」
どんな手を使おうか。自殺でもいいし、時間はかかりやすいが病死でもいい。他殺は……ちょっと難しいか。
……とりあえず、明石に協力させとくか。あいつならノリそうだし。
————
明石「ドッキリですか!? もちろんやりますよ!」
提督「おぉ、随分乗り気だな」
明石「楽しそうですからね。妖精さんも乗ってくれると思うので、何か必要でしたら言って下さい」
提督「助かるよ」
明石「でも、急に何の前触れも無く死んだら不自然じゃないですか?」
提督「自殺ならな。少し前、少し大きな作戦に失敗したろ? それを引きずってることにでもすればいい」
明石「なるほど」
さて、誰から行こうか。
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- Re: 提督「死んだふりドッキリ」【艦これSS】 ( No.60 )
- 日時: 2018/07/01 20:57
- 名前: エボルト (ID: x40/.lqv)
【菊月】
提督「長月に似たのか、菊月も話し方だけ聞いたら全く駆逐艦っぽくない」
提督「もうちょい子供っぽくてもいいのに。前世で何かあったのか?」
————
コンコン
菊月「司令官、菊月だ。入ってもいいか」
菊月「……司令官、返事くらいして欲しいのだが」
菊月「……もしかして、いないのか……?」ガチャ
提督「」ハラキリ
菊月「うぉっ……!?」
菊月「司令官! 嘘だろ! 嘘だろう!?」
菊月「こんな別れ方無いだろう!」
菊月「何なんだ! 何のつもりだ! 司令官!」
菊月「……」
菊月「……落ち着け、落ち着け……」
菊月「なあ、司令官」
菊月「菊月はこう思っていた」
菊月「ずっと、一緒にいたいと」
菊月「……おこがましいだろうか?」
菊月「でも、もしそうだとしたら、菊月は……菊月は……っ」
そう思ってるならそう言ってくれればいいのに。
まあ誰しも面と向かっては言いづらいことがある。特に感謝の念や信愛の念は中々口に出せないものだ。
今回はそれが聞けただけでもよしだ。
提督「そういう言葉が聞けて嬉しいよ」
菊月「なっ、あ、司令官……」ポロ
提督「あれ、泣いてる?」
菊月「なっ、泣いてなどいないっ、この菊月が泣くものかっ」ゴシゴシ
————
提督「なあ菊月」
菊月「何だ、司令官」
提督「菊月って何でそういう話し方なんだ?」
菊月「別に話し方など自由だろう。それとも、菊月の話し方は不満か?」
提督「いやそういう訳じゃないんだが……もうちょっと子供っぽくても」
菊月「……司令官は子供が好きなのか?」
提督「どういう意味だそれ」
————
- Re: 提督「死んだふりドッキリ」【艦これSS】 ( No.61 )
- 日時: 2018/07/02 22:14
- 名前: エボルト (ID: x40/.lqv)
【天津風】
提督「ぼっちの島風が天津風によく絡んでいるのを見る」
提督「天津風は島風のプロトタイプだからな。どことなく姉妹っぽく感じるのは気のせいではあるまい」
————
島風「待て待てー!」タタタッ
天津風「ちょ、何であたしなのよー!」タタタッ
提督「天津風ー」
天津風「な、何?」キキッ
提督「後ででいいから、執務室に来てくれ」
天津風「……? 分かったわ」
提督「……」チラ
島風「……」ムスッ
提督「……まあ、あれだ、今は島風と遊んでやってくれ」
島風「よーし!」ダッ
天津風「だから何でよ!?」ダッ
————
提督「二人とも無垢で可愛い」プラーン
提督「早く天津風来ないかな」
コンコン
天津風「あなた、呼んだでしょ? 一段落したから来たわよ」
天津風「……開けてくれたっていいじゃない」ガチャ
天津風「ひぃッ!?」ビクゥ
天津風「あ、あ……え、あ?」ガクガク
天津風「なん……で?」
天津風「や、やだ、やだやだやだやだぁ……」ウズクマリ
何が起こったのか理解できない、というよりしたくないという感じだろうか。
さっきまで至って元気だった人がいきなりこうなってしまえばその反応も無理も無い。
まだ幼げな天津風には些か重かったか。
提督「天津風」スルスル
天津風「!? い、嫌! 来ないで!」
提督「何言ってんだ、俺だ俺」
天津風「嫌だ! 誰か助け……」ダッ
提督「あ、そんな急に走ったら」
ゴツッ
天津風「いッ……あ、うぁ……」ドサッ
提督「あちゃー……気絶したか」
————
天津風「ん……んー、あたしは……」ムクリ
提督「目が覚めたか」
天津風「えっ!? だってあなた……え、あ、そっか」
提督「何に納得したかは知らんがそういうことだ」
天津風「ごめんなさい……あんなこと言っちゃって」
提督「謝られるようなことをされた覚えは無いな。どちらかと言えば謝るのはこっちかな……」
天津風「あなた……」パァァ
————
- Re: 提督「死んだふりドッキリ」【艦これSS】 ( No.62 )
- 日時: 2018/07/03 21:19
- 名前: エボルト (ID: x40/.lqv)
【伊168】
提督「失礼だがイムヤはスマホをいじっている印象しか無い」
提督「オリョクルの合間に息抜きとしてやってるんだろうな。いやそれはそれで現代っ子っぽくて良いんだけど」
ただイムヤはゴーヤに次いで旗艦率が高いので、話す機会はこれまでにいくらでもあった。確かな実力でいて、礼儀正しい良い子だ。
————
提督「……」カキカキ
イムヤ「……」ポチポチ
提督「……何でいんの?」
イムヤ「居心地がいいんだよね」
提督「そうか。まあ別にいいが」
イムヤ「……」ポチポチ
提督「……」カキカキ
イムヤ「……」ポチポチ
提督「……なあイムヤ」
イムヤ「何? 司令官」
提督「本、貸してやろうか? たまには活字をだな」
イムヤ「ありがとう! スマホばっかりだと目が疲れちゃって」
提督「理由はどうあれ、紙の本を読みたがるのは良いことだ……どれ、棚から取るか」
イムヤ「気を付けてね」
提督「おっと……脚立が不安定だな。こりゃ早く取って降りないと」
イムヤ「司令官、あんまり無理しないで……」ソワソワ
提督「大丈夫だ、心配は……」クルッ
イムヤ「あ……」ゾッ
提督「っ!?」グラッ
イムヤ「司令官っ!!」
提督「避けろイムヤ!!」
ガシャアン
イムヤ「痛てて……そうだ、司令官!」
イムヤ「司令官! 大丈……夫」
提督「」ドクドク
イムヤ「あぁ、あぁ、司令官! しっかりして!」
イムヤ「血、血を、止めない、と、はやく」
イムヤ「何で……何で、こんな時に手が震えるの?」
イムヤ「早く、早くしないと司令官が……」
イムヤ「……」
イムヤ「……やだ……もうダメだよね……司令官……」
途中まで正常な判断が出来ていたのに、早々に絶望して諦めてしまったか。
まあ目の前で脚立から転落する光景を見せられてしまっては、多少なりともパニックを起こすのは当然か。
提督「イムヤ、俺なら大丈夫だ」ムクリ
イムヤ「司令官! 良かった……じゃなくて、頭! 血が出て……」
提督「受け身なら取った。こいつは血糊だ」
イムヤ「血糊? ……てことは、ドッキリ?」
提督「正解だ」
イムヤ「もー、悪趣味なんだから……」
————
イムヤ「ねえ、司令官?」パラパラ
提督「何だ?」
イムヤ「さっきのドッキリのお詫びも兼ねてってことで」
提督「ふむ」
イムヤ「新しいスマホ、買ってくれません?」
提督「……まあ、いつも頑張ってくれているしな。それぐらいはいいぞ」
イムヤ「ほんと!?」キラキラ
提督「ああ」
イムヤ「やったー!」
————
- Re: 提督「死んだふりドッキリ」【艦これSS】 ( No.63 )
- 日時: 2018/07/04 20:45
- 名前: エボルト (ID: x40/.lqv)
【秋雲】
提督「秋雲が毎回締め切りに追われているのを目にする」
提督「手伝いがてらちょっと死んできますか。何、あいつの原稿は仕上げてみせるさ」
————
秋雲「提督ー!」バン
提督「ドアは静かに開けろ。で、何の用だ?」
秋雲「うー、ごめん……あのさ、締め切り近いんだけど、中々原稿上がんなくって! ちょっとだけ手伝ってくれない?」
提督「ちょっと待て。俺もこの頃報告書の類が多くてろくに寝てないんだ、ぶっ倒れてもおかしくない」
秋雲「そこを何とか! お願いします!」
提督「はぁ〜……分かった、少しだけだぞ」
秋雲「て、提督ー!」パァァ
————
秋雲「……」カキカキ
提督「……お前いつもこんなことしてんのか」カキカキ
秋雲「どういう意味かなー?」
提督「肩と腰が痛くなる」
秋雲「あはは! 提督おじさんみたいだねぇ〜」
提督「言うなよ。まだおじさんって歳でもない」
秋雲「ふーん……まあいっか」
提督「いいのかよ……てか毎回こんなだけど、もう少し余裕は持てないのか?」
秋雲「外でもタブレットとかで描いてはいるんだけど……どうしても途中で気が抜けちゃって」
提督「まあ、分かるな。やる気ってのは長続きしない」
秋雲「そうなのよー……ふわぁ……」ノビー
提督「……」
秋雲「うーん……zzz」スヤスヤ
提督「……」ニヤッ
————
秋雲「ん……ふわぁ〜あ……」
秋雲「あれ、寝ちゃったのかな……やば」
秋雲「提督は……?」
提督「……」ツップシ
秋雲「何だ、寝てるんだ」
秋雲「寝てないって言ってたし、あんまり起こしたくはないけど……ここはやむ無しってことで」
秋雲「提督ー? そろそろ起き……」
提督「」グッタリ
秋雲「……て?」ゾッ
秋雲「ひッ……う、お、落ち着いて、落ち着け秋雲……」
秋雲「提督のことなんだからドッキリに決まってる、いやそうじゃないとおかしい、そうじゃないとダメなの」
秋雲「……ね? 今の聞いてたよね提督? 起きてよ、こんなことはやめてさ」
『ぶっ倒れてもおかしくない』
秋雲「……!」ハッ
秋雲「……あ、あぁ、秋雲の、せいだ」
秋雲「秋雲が、提督を、そんな、そんな」
秋雲「そんな……あんまりだよぉ……」
提督「これに懲りたら、原稿は早めに上げるんだな」
秋雲「ぴゃあっ!?」
提督「酒匂かよ。まあどうでもいい、そこに仕上げた原稿置いてあるぞ」
秋雲「え……?」
提督「ほらそこ」ユビサシ
秋雲「あ、あぁぁぁ……提督ぅ……」
提督「そんなにか……」
————
秋雲「それじゃあ提督、打ち上げだよ!」
提督「うん? 打ち上げの用意なんて何もしてないぞ」
秋雲「秋雲は準備がいいんですよー、ふっふーん」ジャン
提督「うわ、酒に食べ物に……つかお前駆逐艦だろ、酒いいのか?」
秋雲「響だってウォッカ飲んでるし」
提督「……解せないものだな、艦娘とは……」
————
- Re: 提督「死んだふりドッキリ」【艦これSS】 ( No.64 )
- 日時: 2018/07/05 21:26
- 名前: エボルト (ID: x40/.lqv)
【高雄・愛宕】
提督「高雄型は姉妹間での差が激しい」
提督「有り体に言えばイロモノ。金剛型に通ずるものがあるな」
同じように仲は良さそうだが、非常時にはどうなることやら。
————
コンコン
高雄「提督、入ってもいいでしょうか?」
愛宕「私もいるわよ〜」
高雄「……あら? おかしいわ……いないのかしら?」
愛宕「開けてみればいいんじゃない?」ガチャ
高雄「ちょっと愛宕……」
愛宕「ッ!?」ビクッ
高雄「? 愛宕、どうかした?」
愛宕「……提督……?」
高雄「提督が、どうかしたの?」
愛宕「……」ブツブツ
高雄「何よ……教えてくれたっていいじゃ……!?」
提督「」ハラキリ
高雄「提督っ!? 大丈夫ですか!?」
愛宕「慌てん坊ね、高雄……大丈夫な訳、無いじゃない」
高雄「……愛宕?」キッ
愛宕「何かしら?」
高雄「何でそんな態度なのよ。提督がこんな状態なのに、何で!?」
愛宕「そんなの当然でしょう? 確かに冷酷かもしれないけれど、本来私達はこういうものなのよ?」
高雄「……? 言ってる意味が」
愛宕「お互いにいつ死ぬかも分からない関係。こういうことも起こり得るのよ」
高雄「……そんなの、納得できない……!」
愛宕「長姉なのに、子供なのね〜……高雄」
高雄「提督がいなくなった途端にその態度? あなただって声が震えてるわよ、愛宕」
愛宕「……」
高雄「愛宕……あなた、本当は」
愛宕「ええ、分かってる。分かってるわ……」
高雄「……そう。なら、いいの」
自己解決しやがった。
喧嘩に発展するなら止めに入ろうと思っていたが、どうやら杞憂だったようだ。
姉妹の切っても切れない絆ということだろうか。実に美しい。
提督「慰め合ってるとこ悪いが、俺は生きてるぞ?」
高雄・愛宕「!?」ビクッ
高雄「い、生きてらっしゃったんですか……」
愛宕「あらあら〜……ドッキリってやつね〜?」
提督「そういうことだな」
————
提督「喧嘩になるなら止めようと思ってたけどな。良かった良かった」
愛宕「あら、原因を作ったのは提督よ〜?」
高雄「悪ふざけも程々にお願いしますね?」
提督「悪かったって……間宮で機嫌直してくれよ。俺の奢りだ」
高雄「ではありがたく頂きます。ね、愛宕?」
愛宕「うふふ、もちろんよ〜」
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