二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- どうぶつの森〜ひなたと森の仲間たち〜
- 日時: 2018/07/15 17:40
- 名前: とまちゃん (ID: .TBODMPV)
今までに何回も投稿してきましたが完結させたことのないとまちゃんです。
飽きて放置するかもしれませんがよろしくお願いします。
文章下手だったり誤字脱字あるかもしれませんがご了承下さい。
その日、一人の少女が駅を訪れた。
肩のあたりまでのばした栗色の髪、その髪を留める月の髪飾り、深海のような深い緑色の瞳、その少女の華奢な体を包むのは丸襟の白い半袖シャツ、真っ赤なスカート、黒のタイツに茶色のローファー。
そして、その小さな少女の手には大きなトランクが握られている。
私の名前はひなた。十九歳の女の子です。
私は今、田舎のじいちゃんのところへ向かっているところです。
遡ること、一週間前・・・。
部屋にいると、母さんが入ってきた。
母「ねぇ、ひなた、じいちゃんに会ってみない?」
私は目を見開いて驚き、興奮しながら問いただした。
ひ「じいちゃん!?じいちゃんに会えるの!?」
私はじいちゃんに一度も会ったことがない。
じいちゃんはなかなか会えないくらい遠ーい場所に住んでるらしい。
写真が嫌いだったらしく一枚たりとも撮らせてもらえなかったらしいので写真でもみたことがない。
母「えぇ、ひなたももう十九歳だし、就職もしなきゃでしょ?そこで、じいちゃんの住んでいる村に一人暮らしして、じいちゃんの元で働いてみたらどうかなーって。」
ひ「私、じいちゃんに会ってみたい!母さん、じいちゃん家どこにあるの!?」
母「えぇ、今簡単な地図を作るわ。」
ひ「それにしても一人暮らしかぁ・・・。緊張するなぁ・・・。」
母「ひなたなら大丈夫よ、あと、ちゃんとじいちゃんにご挨拶しなさいね。」
ひ「はーい!よしっ!早速準備しなくちゃ!まずは・・・。」
私は張り切って準備を始めた。
・・・そして、今に至るというわけです。
じいちゃん・・・どんな人なんだろう・・・。
早く会いたいな・・・。
そんなことを考えていたら電車が来た。
私は電車に乗り込んだ。
よーっし!待っててね、じいちゃん!
・・・この時は知らなかった。
この後大変なことが起こることを・・・。
- Re: どうぶつの森〜ひなたと森の仲間たち〜 ( No.1 )
- 日時: 2018/07/14 14:49
- 名前: とまちゃん (ID: .TBODMPV)
私は電車に乗り込むと奥の席に座り、トランクから母さんの書いてくれた地図を取り出した。
後で母さんに聞いたんだけどじいちゃんが住んでいる村の名前は『カミキ村』ってとこなんだって。
えーっと、母さんが書いてくれた地図だとここからあと五駅かぁ・・・。まだ結構先だなぁ・・・。
じいちゃん、孫が急に遊びに来てどんな顔するかなぁ。
ああ、早くじいちゃんに会いたいなぁ。
初めての一人旅とじいちゃんに会える喜びで私は窓からの景色を見ながらワクワクドキドキしていた。
そして、どれくらい経っただろうか。
私は気がつくと眠りについていた。
私はでじいちゃんと仲良く踊っている夢を見ていた。
?「・・・み・・・君!」
という声で目が覚めた。
あ・・・私、寝ちゃってたんだ・・・。起こしてくれた人にちゃんとお礼言わないと・・・。
私は目をこすり、お礼を言おうと上を向いた。
ひ「あの、ありがとうご・・・。」
その瞬間、私は凍りついた。
あれ?私まだ夢の中なのかな?
私の目の前には赤いアーガイルの服を着た猫だった。
二本足で立ってて・・・。しかも言葉を・・・。
私の思考回路はショート寸前だ。
そんなことを思っていると猫が話しかけてきた。
?「君、名前は何ていうの?」
え、何故名前を・・・。新手のナンパとか?
ひ「ひ、ひなたです・・・。」
?「ひなたさんかぁ!いい名前だね!俺はみしらぬねこ!あ、前失礼するよ。」
へ、変な名前・・・。しかも前失礼されちゃったよ・・・。
み「ところでひなたさんはこれからどこに行くの?」
ひ「あ、私のじいちゃん家です。カミキ村って言うんですけどここにじいちゃんの家が・・・。」
私はみしらぬねこに地図を見せた。
み「へぇー、良いところだね。この場所なら次の駅で着くよ。」
ひ「あ、ほんとですか?ありがとうございます。」
ってことは私四駅寝てたってことか・・・。
すると、車内にアナウンスが流れ始めた。
アナウンス「まもなく、カミキ村に到着します。降りる際にはお忘れ物のないよう、お願いいたします。」
み「着いたみたいだね。じゃあね、お話してくれてありがと!」
ひ「は、はい、こちらこそ・・・。」
私はみしらぬねこに手を振りながら電車を降りた。
電車を降りると、駅には猿の駅員が!
こ、今度は猿・・・?一体どうなってるの?
駅員「カミキ村での生活をお楽しみください!ウッキー!」
マジで猿じゃん・・・。
この後、駅を出た後、またさらに大変なことが起こるのだった・・・。
- Re: どうぶつの森〜ひなたと森の仲間たち〜 ( No.2 )
- 日時: 2018/07/15 06:11
- 名前: とまちゃん (ID: .TBODMPV)
不思議な事は立て続けに起こるもので・・・。
駅から出ると、たくさんの動物たちが私を取り囲んでいた。
ひ「・・・・・。」
驚きすぎてもはや声も出ない。
私が唖然としていると一番真ん中にいた礼儀正しそうな犬がみんなにコソコソと何かを言っている。
?「じゃあ皆さん、いきますよ!カミキ村へ〜・・・。」
村人たち「よ〜こそ〜!!!」
な、なにこれ・・・。引っ越してきた人ってこんな盛大に歓迎されるものなのかな・・・?
すると、さっきの犬が私の方に近づいてきて・・・。
?「村長!お待ちしていましたよ!」
・・・え?そ、村長?
私は周りを見渡すが誰もいない。
ひ「そ、村長って誰のことですか?」
?「も〜、なに言ってるんですか!ちゃんと今日この時間に来るって約束したでしょ!村長!」
犬は私の方を見て『村長』とはっきり言った。きっと私を誰かと勘違いしているんだろう。
ひ「あ、あの、人違いです・・・。人違い・・・。」
?「とにかく!後で役場に来てください!これ、カミキ村の地図です!」
犬は私の話を遮り地図を渡して来た。
ひ「は、はい・・・。」
私は勢いに押され、『はい』と答えてしまった。
?「じゃあ、私は役場で待ってますので!」
そう言うと犬は颯爽と去っていった。
私が呆然と立ち尽くしていると、猫の女の子が話しかけて来た。
?「ねえねえ!あんたが新しい村長さん?名前は?」
彼女は顔をぐいぐいと近づけてきた。
ひ「ひ、ひなたです・・・。」
?「ひなたちゃんか〜!アタイはブーケ!このカミキ村のアイドル的存在だよっ!」
彼女・・・ブーケちゃんは外見はまだあどげなさが残っているものの、愛らしい顔立ちに見るものを惹きつける魅力があった。
ひ「は、はい・・・。よろしくお願いします・・・。」
するとブーケちゃんはほっぺたをぷっくりと膨らませた。
ブ「ひなたちゃんっ!敬語じゃなくていーのっ!アタイ、ひなたちゃんとは親友的存在になりたいから!」
言い切ると、ブーケちゃんは得意げにウインクしてみせた。
ひ「う、うん・・・。じゃあ、よろしくね、ブーケちゃん・・・。」
ブ「うんっ!よっろしく〜♪」
そう言うとブーケちゃんは去っていった。
かなり積極的な子だったな・・・。
親友、か・・・。ちょっと嬉しいかも・・・。
?「ガールズトークは終わったのかな?」
後ろから声が聞こえた。
振り返るとそこには綺麗な青色の毛並みをした馬が立っていた。
?「君が新しい村長さんだね?」
ひ「は、はい、なんか、そう言うことになってるみたいで・・・。」
?「僕はジュリー・・・。君は、ひなたさんだね?」
ひ「え?何故私の名前を・・・。」
ジ「さっきのガールズトークの内容を聞いてしまったからね。」
そう言うと、ジュリーさんはポケットから何かを取り出し、私に差し出した。
ひ「バ、薔薇の花束・・・?」
それは真っ赤な薔薇の花束だった。
ジ「ちょっとした、プレゼントさ・・・。」
するとジュリーさんはそのうちの一本を抜き取り、
ジ「君の美しさには・・・この薔薇すらも勝てないね・・・。」
ジュリーさんは私に爽やかスマイルを向ける。
ひ「ジュリーさん・・・。」
ジ(決まった!この『必殺!ジュリースマイル』に落ちない女の子はいない!これで新しい村長さんも僕の虜に・・・。)
ひ「嬉しい!ありがとうございます!こんなに綺麗な薔薇・・・。もらっちゃって良いんですか?」
ジ(あ、あれ?僕のスマイルが効いてないだと!?)
ジ「あ、ああ、もちろん!村長さんが来るこの日のために育てたんだからね!」
ひ「ほんとですか?ありがとうございます!おうちができたら飾りますね!」
ジ「あ、ああ・・・。じゃあ僕はこれで・・・。」
私はジュリーさんに手を振りながら去っていく彼の背中を見送った。
ジ(・・・ひなたさん・・・いつかきっと君を僕の虜にしてみせるーーー!)
いや〜、それにしてもみんないい人達だったな〜。
あっ、そうだ、役場に行かなきゃ行けないんだった!
私はあの犬にもらった地図を見ながら役場に向かった。
私はこの後も衝撃的な出会いをすることになるのだった・・・。
- Re: どうぶつの森〜ひなたと森の仲間たち〜 ( No.3 )
- 日時: 2018/07/16 12:20
- 名前: とまちゃん (ID: .TBODMPV)
ここが役場か・・・。結構立派な建物だなぁ。
・・・ていうか私じいちゃんに会いに来たよね?なんで村長やることになってんの?
疑問に思いつつも役場のドアを開ける。
ひ「こんにちは〜・・・。」
中に入るとさっきの犬が入り口のところに立っていた。
?「お待ちしておりました!村長!」
ひ「は、はあ・・・。」
?「私はあなたの秘書を務めさせていただきます、しずえと申します!よろしくお願いします!」
そう言うと、犬は深くお辞儀をした。
し「まず、手続きをさせてもらいます!お名前は?」
ひ「ひなたです。」
し「ひなたさん・・・っと。お誕生日は?」
ひ「一月二十六日です。」
し「一月二十六日、・・。はい!ありがとうございました!さて、次はおうちの場所を決めないとですね!村の 北のほうに商店街があるんですが、そこにある『たぬきハウジング』という建物にいるたぬきちさんに相談してください!」
『たぬきハウジング』・・・。絶対経営者たぬきでしょ・・・。
そう思いつつ商店街に向かった。
ひ「えーと、たぬきハウジング・・・。あった!これだ!」
ひ「こんにちは〜・・・。」
中に入ると案の定たぬきが・・・。この人がしずえさんの言ってたたぬきちさんかな?
た「どーもどーも!ひなたさんだもね!しずちゃんから話は聞いてるだも!僕はたぬきちだも!」
だ、だも?変な口癖・・・。
た「おうちを建てる場所はもう決めた?」
ひ「いえ、まだです。」
た「まあ、まだ村に来たばっかりだし、そう簡単には決められないよね。じゃあこれから外に出て家の場所を決めるだも!」
ひ「は、はい・・・。」
私は家を建てる場所を探したが中々良いところが見つからない。
探していると、海が見えた。
ひ「うわぁ・・・。綺麗・・・!」
た「ここは、眺めも良いし、波の心地良い音が聞こえて来るからおすすめだも!どうだも?ここに決めちゃう?」
ひ「はい!」
私はここが一発で気に入ってしまった。
初めて見る景色のはずなのに、なんだか昔何度も見たような景色のようだった・・・。
私がその景色にうっとりしていると、
た「じゃあ、頭金として『一万ベル』いただくだも!」
い、一万ベル!?
ベルは多分この世界でのお金の単位のことなんだろう。
一ベルがどれくらいの価値なのかは知らないが一万つくぐらいだから相当な値段なんだろう。
ひ「いやいや!そんなにお金持ってません!」
た「頭金がないとおうちは建てられないんだも!」
な、なんですって!?
ひ「じゃ、じゃあその間寝るところはどうするんですか!?」
た「その間は、このテントで寝るんだも!」
そういうとたぬきちさんは私の指定した場所にテントを張った。
た「支払いはゆっくりで良いからね。じゃあ僕はこれで!」
そういうとたぬきちさんは去っていった。
ひ「・・・・・。」
一人取り残される私。
私はテントで寝るのは嫌だった。
たぬきちさんからもらったテントはボロかったし、そこかしこに穴が開いていて夜になれば絶対に虫が入って来る。
だから私は村にあるフルーツや貝がらを一生懸命売り、お金にして、なんとか一万ベル払い終えた。
しかし、完成するのは明日らしい。
ひ「どうにか今日完成しないんですか!?」
私はたぬきハウジングに押しかけた。
た「いくらお金を払っても、半日じゃ限界があるだも。最低でも一日は必要だも。」
ひ「そんなぁ・・・。」
仕方ない・・・。今日だけだし、テントで寝るか・・・。
しかし、やはり虫が入ってくる。
プ〜ン、プ〜ン。
・・・うるさい。
ひ「ああもう!これじゃ寝れないじゃないっ!」
私は思わず飛び起きた。
私は起きて散歩に行くことにした。
村中を歩いてみるが、さすがにこんな深夜じゃ誰も起きてないか。
ザッザッザ・・・。
それにしても、村長に間違われちゃったよ・・・。私にあんな大役、務まるのかなぁ・・・。
ザッザッザッザ・・・。
はぁ・・・。明日からどうすれば良いんだろうか・・・。
バッスーン!!!
ひ「!!?」
後ろから何かを被せられた。
な、何!?不審者!?誘拐!?
ひ「な、に・・・するのよーっ!」
私は強烈なキックをお見舞いした。
?「がはっ・・・。」
どさっ。倒れる音がした。
せ、正当防衛だよね・・・。いきなりこんなことされたら誰だってこうするしかないもんね・・・。
?「お前・・・。もしかしてひなたか?」
後ろから渋い声が聞こえた。
えっ?私の名前・・・。
私は被せられたものを取り、後ろを向いた。
そこには私と同い年くらいの男の子が気絶していて、その横には年老いたおじいさんがいた。
ひ「え、な、何故私の名前を・・・。」
?「やっぱりひなたか!わしじゃ!お前のじいちゃんの仙太郎じゃよ!」
ひ「えぇっ!?じいちゃん!?」
この人が・・・私のじいちゃん?
じ「ああ、今日はお前が来ると聞いとってな、盛大に歓迎してご馳走を作ろうと思ってな、朝からこいつと一緒に海で魚やら海の幸やら取ってたんじゃよ!」
じいちゃんは気絶している男の子を見やりながら言った。
じ「気づいたらすっかり暗くなってしまっててな、これを料理しようとうちに帰ったらこいつが何か動いたっていうから追いかけたらその正体がお前だったというわけじゃ。」
ひ「そ、そうだったんだ・・・。いきなり後ろからなんか被せられるからびっくりして・・・。」
じ「まあ、無理もない。あんないきなり来られたらな。」
ひ「あ、ねえねえじいちゃん!今日じいちゃん家に泊まっても良い?私、たぬきちさんにテントもらったんだけどボロくって寝られそうにないの。明日にはおうちが完成するんだけど・・・。」
じ「ああ、もちろん、わし、お前と話したいことがたくさんあるんじゃよ。」
ひ「私も私も!じいちゃんに話したいことたっくさんあるの!」
?「うぅ・・・ん・・・。」
私とじいちゃんが喋っていると男の子が目を覚ました。
?「はっ!し、師匠!あの大物はどこへ行きました!?」
し、師匠?じいちゃんそんな風に呼ばれてんの?
じ「ああ、あれはわしの孫じゃ。ほら、ここにおる。」
男の子はじっと私を見つめた。
?「あぁ〜!今日来るって言ってたお孫さんかぁ〜!なあなあ!お前名前は?」
ひ「ひ、ひなたです・・・。」
?「俺はそうし!よろしくな!ひなた!タメ語で良いよ、俺と同じ十九歳って聞いてるし!」
ひ「う、うん・・・。」
じ「そうし、訳あってひなたも今日わしの家に泊まるからな。」
そ「りょーかいっす!」
ひ「えっ!?そ、そうし君もじいちゃんと同じ家に住んでるの!?」
そ「ああ、俺は師匠の一番弟子で、住み込みで師匠のとこで働いてんだ!」
ひ「そ、そうなんだ・・・。」
だから師匠って呼ばれてるのかぁ・・・。
じ「よし、ひなた、ついて来なさい。じいちゃんの家に案内するからな。」
ひ「うん、ありがとうじいちゃん。」
私は暗い夜道をじいちゃんについていった。
- Re: どうぶつの森〜ひなたと森の仲間たち〜 ( No.4 )
- 日時: 2018/07/16 12:18
- 名前: とまちゃん (ID: .TBODMPV)
じいちゃんの後をついていくこと三分。しばらくすると大きな家が見えてきた。
ひ「わぁーっ!じいちゃん家、おっきいー!」
じ「だろう?さあ入った入った。」
わぁ・・・。中も広い・・・。
部屋もたくさんあって迷いそう・・・。
じ「よし、わしは取ってきたものを調理するからそうしはその手伝いをしろ。ひなたはその間にゆっくり風呂に浸かってこい。」
ひ「えっ、で、ても、私も何か・・・。」
そ「ダメだ!ひなたは今日はお客さんなんだからな!お客さんに手伝わせてたらおかしいだろ?」
ひ「そ、それはそうだけど・・・。」
そ「大丈夫!とびっきり美味いもん作って驚かせてやるからさ!」
ひ「そうし君、じいちゃん・・・。ありがと。じゃあお風呂入ってくるね。」
じ「ああ、風呂場はそこの部屋だからな。」
ひ「うん、ありがと、じいちゃん。」
私はお風呂セットと着替えを持ってお風呂場に向かった。
どんなお風呂なんだろう・・・。じいちゃんのことだからきっと銭湯みたいな感じなんだろうなぁ・・・。
と、思ったらまさかのジャグジーだった。
・・・意外。じいちゃんたちこんなお風呂入ってんの?
うわあ・・・。シャンプーも高そう・・・。
こ、こんなの私が使っちゃって良いのかな!?
そう思いつつ体を洗い終え、ジャグジーを覗くと、薔薇が浮いていた。
こ、これは薔薇風呂というやつじゃないですか!?
こんなの一生に一度しか入れないものだと思ってたよ・・・。
すっかり温まり、お風呂から上がると、フワンといい匂いが漂ってきた。
見ると、山菜の天ぷら、スズキのソテー、アジフライ、お刺身、舟盛りなどなどのご馳走がテーブルにずらりと並んでいた。
ひ「す、すごい!これ、じいちゃんたちが作ったの!?」
じ「ああ、どれも美味そうだろう。何せわしらが作ったんだからな。」
そ「よしっ!ひなたが風呂から上がったところで早速食べよーぜ!いただきまーす!」
そうし君はすごい速さでスズキのソテーにかぶりついている。
は、早く食べないとなくなっちゃうかもっ!
ひ「い、いただきますっ。」
私は山菜の天ぷらを口に運んだ。
ひ「んっ!衣がサクサクしてて美味しい〜!」
こうして食べ続け、あっという間にご馳走は無くなった。
ひ「あ〜、美味しかった!もうお腹いっぱい!」
じ「ひなたが満足したなら良かった。さて、もうこんな時間だ。後片付けはわしがやっておくからお前たちはもう寝なさい。」
ひ「あっ、ま、待って、じいちゃん!」
そ「? どーした?ひなた。」
ひ「あ、あのね、相談したいことがあるの・・・。」
じ「なんだ?なんでも話してみなさい。」
ひ「うん、あのね・・・。」
じ・そ「村長に間違われた?」
ひ「うん・・・。村長って村で一番偉い人でしょ?そんな大役が私に務まるのかなーって・・・。そう思ったらどんどん不安になってきちゃって・・・。」
じいちゃんたちは黙って私の話を聞いてくれてた。
やがて、じいちゃんが口を開いた。
じ「ひなた、お前はどうしたい?」
ひ「え・・・?」
どう、したいか・・・?
じ「やりたいからやる、やりたくないからやらない。村長だけじゃなくて、それはなんでも同じじゃないか?」
そ「そうだぞ!ひなた、務まるか務まらないかじゃなくて、やりたいかやりたくないかなんだ!」
やりたいか、やりたくないか・・・。
じ「やるもやらないも、ひなたの自由じゃ。だから、お前はどうしたい?」
私は・・・。
ひ「わ、私に務まるか分からないけど・・・。やれるだけやってみようと思う・・・。村長・・・。」
そ「おー!よく言ったな、頑張れよ!新米村長!」
ひ「うん、じいちゃん、そうし君、話聞いてくれてありがと。」
じ「ああ、また困ったことがあったらいつでも相談しなさい。さて、じゃあ今度こそお前たちは寝なさい。」
そ「師匠ー、寝る場所どうします?」
じ「おお、そうだったな、どうしようか・・・。」
ひ「私、じいちゃんと同じ部屋でいいよ?」
じ「いや、わし、同じ部屋に誰かいると寝れないんじゃよ。」
ひ「えっ、そうなの!?」
じ「仕方ない・・・。そうし、ベッド半分貸してやれ。」
えっ!?ちょ、ちょっと待って!そ、それって一緒に寝るってことでしょ!?そうし君と同じベッドで!
ひ「あ、あああああの、私、床で良い・・・。」
そ「りょーかいっす!」
了解しないでーーーー!!!
じ「よし、じゃあそうし頼んだぞ。」
頼まないでじいちゃん!!!
ひ「あ、あの・・・じいちゃ・・・。」
呼び止めたがじいちゃんは台所の方へ入っていってしまった。
取り残される私とそうし君。
そ「じゃあ寝るか!来い、ひなた!」
ひ「う、うん・・・。」
そして私とそうし君は同じベッドを半分ずつ使った。
ドキドキドキ・・・。
わ、私今、そうし君と同じベッドで寝てるんだよね・・・。
そうし君は恥ずかしくないのかな・・・。
ぐかー・・・。ぐかー・・・。
やがて、隣から大きないびきが聞こえてきた。
・・・うるさい。
そ「んー・・・。」
ドゲシッ!
蹴られた・・・。寝相悪い・・・。
大きないびきに寝相の悪い男が隣で寝てるなんて・・・。
こんなことならテントで寝れば良かったかも・・・。
今夜は寝れそうにない私だった・・・。
- Re: どうぶつの森〜ひなたと森の仲間たち〜 ( No.5 )
- 日時: 2018/07/16 16:44
- 名前: とまちゃん (ID: .TBODMPV)
翌日
ガチャ・・・。
じ「ひなた、そうし、そろそろ起きなさい。」
そ「んー・・・。あ、師匠!おはようございます!」
じ「ほら、ひなたも起きなさい。」
ムクリ・・・。
じ・そ「!!!」
じいちゃんとそうし君が私を見て驚いていた。
鏡を見ると、目の下にはクマがべっとりとはりついていて、頭には大きなたんこぶができていた。
ひ「・・・・・。」
じ「ひ、ひなた・・・。どうしたんじゃ・・・。そのすごいクマは・・・。」
そ「し、しかもどうしたんだよその頭のたんこぶは・・・。」
ひ「あは、あはは・・・。」
全部あんたのせいだよ!あんたの!
髪を整え、着替えてリビングに行くと、じいちゃんがテーブルにトーストを並べていた。
ひ「わーっ!美味しそう!いただきまーす!」
私はパンにバターを塗って食べ始めた。
そ「美味い!さすが師匠!あ、なあなあひなた、食べ終わったらひなたん家見にいって良いか?」
ひ「うん、もちろん!じいちゃんもきなよ!」
じ「ああ、そうだな。」
そうして食べ終わり、後片付けをして、三人で家を見にいった。
テントがあった場所には赤い屋根の小さな家が建っていた。
そ「おー!できてんじゃん!」
じ「ほう、なかなか立派な家じゃなぁ。」
ひ「ここが・・・私の家・・・。」
そ「よしっ!早速中に入ってみようぜ!」
ガチャ・・・。
わあーーー・・・狭い。
さっきのじいちゃんの家を見た後だと本当に狭い・・・。
しかも三人入るとかなりぎゅうぎゅう。
そ「ま、まあ、これから広くしていけば良いさ!」
じ「ああ、そう焦る必要はない。これから自分好みの部屋を作っていけば良い。」
ひ「うん・・・。ありがとうじいちゃん達・・・。」
そ「じゃあ俺ら帰るな!今日は師匠と山奥で修行すんだ!」
ひ「そ、そうなんだ・・・。頑張ってね・・・。」
じいちゃんたちは帰っていった。
しばらくして、
トントン。
ん?誰か来たみたい。開けるとしずえさんだった。
し「村長〜!おうちできたんですね!おめでとうございます!これ、新築祝いです!」
ひ「ありがとうござ・・・ってランタン!?」
し「はいっ!昔私が使っていたものですが!」
お古を新築祝いに持ってくるんじゃないよ!
・・・あ、でもちゃんとつく。
し「それとこれ、壁紙です。」
肉球の柄だ・・・。可愛い・・・。
し「あっ、そうだ!後で役場に来てください!話したいことがあるので!」
ひ「話したいこと?ここじゃダメなの?」
し「いえ、村長もおうちができて荷物の整理とかもあるでしょうし・・・。だから時間が空いたら来てください!では、私はこれで!」
しずえさんは去っていった。
話したいことかぁ・・・。何だろう・・・。
とりあえず持ってきた荷物の整理をしないとな。
荷物の整理を終え、私は役場に向かった。
し「村長!今から大事な話をします!村長は公共事業や条例制定というのはご存知でしょうか?」
ひ「ま、まあ一応・・・。」
し「それこそ村長の真のお仕事なのですが、それをするには住民の期待度を百まで上げる必要があります!」
ひ「住民の期待度はどうやって上げるんですか?」
し「掲示板に書き込みをしたり、住民の皆さんに話しかけることで上がりますよ。あ、掲示板は駅のすぐ横にありますよ。」
ひ「なるほど・・・。ありがとうございます!」
よし!頑張るぞ!まずは掲示板に何か書き込んでみようかな。えーと、駅のすぐ横って言ってたよね。
掲示板・・・。あった!
何を書き込もう・・・。ちょっと前の書き込みを見てみよっかな。
四月二日
今日は師匠と滝にうたれた。
ちょっとキツイけどこれも強くなるため!
次の日何故か鼻水とクシャミが止まらなかったけどな。
そうし
四月十日
今日は師匠と山でキノコ狩り。
怪しいキノコを見つけ、師匠は止めてくれたが俺は我慢できず食べてしまった。
すると、笑いが止まらなくなった。
師匠曰くワライダケに当たったらしく二十四時間ほど笑いが止まらなかった。
師匠にめちゃくちゃ怒られた。
そうし
・・・まともな書き込みがない。
仕方ない・・・ここは村長としての意気込みを書こう!
十分後・・・。
ひ「できたー!」
四月十六日
この度、このカミキ村の村長となったひなたです。
この村のことはまだあまり知れてませんが、これからこの村を良い村にしていけるよう頑張ります。
今後ともよろしくお願いします。
ひなた
うん、結構良い感じなんじゃないかな?
誰か見てくれるかな、この書き込み・・・。
?「何を書いているの?」
ひ「ひっ!」
後ろから声が聞こえた。
振り向くと、そこには黒ぶちの犬が立っていた。
いかにもオトナなお姉さんみたいな雰囲気を漂わせている。
?「何よ、『ひっ!』ってアタシをバケモノみたいに・・・。
ひ「あっ!ご、ごめんなさい!いきなり後ろから話しかけられたのでびっくりしただけで・・・。」
?「ふーん、まあ良いわ、ところで貴女が新しい村長さんかしら?」
ひ「あ、は、はい!そうです!新村長のひなたですっ!よろしくお願いしますっ!」
?「ひなたちゃんね。アタシはブレンダ。よろしくね。」
ひ「は、はいっ!」
ブ「ところで、何を書き込んでいたの?」
ひ「あ、そ、村長としての意気込みを・・・。」
ブレンダさんは掲示板を覗き込んだ。
ブ「ふ〜ん・・・。悪くないんじゃない?」
ひ「本当ですか!?ありがとうございます!」
ブ「うふふ、じゃあアタシは用事があるから失礼するわ。」
ひ「あっ、あのっ!」
ブ「ん?なぁに?」
ひ「あの、この村の住民ってブーケちゃんとジュリーさんとブレンダさん以外にも誰かいますか?」
ブ「ええ、いるわよ、あともう一人。」
ひ「本当ですか?その人は今どこに・・・。」
ブ「う〜ん、この時間帯だったら今は村をお散歩してるんじゃないかしら。」
ひ「そうですか、ありがとうございますっ!」
ブ「うふふ、頑張ってね、村長さん。」
そういうとブレンダさんは去っていった。
私は村中を探し回ってみたが最後の住民が見つからない。
う〜ん・・・。いないなぁ・・・。
ふぅ、歩き回ったら疲れちゃったよ。ちょっとじいちゃんの家で休ませてもらおっかな・・・。
そう思った刹那、ポンと肩を掴まれ、
?「おい。」
と、背後から低い声が聞こえた。
私は凍りついた。
肩を掴んでいる背後から伸びる手は、黄色くて大きい鋭い爪が生えていた。
ひ「ひ・・・。」
振り返ると、そこには立派なたてがみ、大きな牙、鋭い目つきで私を見下ろす百獣の王、
・・・ライオンがいた。
ひ「あ・・・、あ・・・。」
怖くて声を出すことも攻撃することもできない。
どうしよう!どうしよう!
このまま丸呑みされて死・・・。
?「オメェが新しい村長か?」
ひ「え?あ、は、はい、そうですけど・・・。」
するとライオンは笑顔になった。
?「おー!オメェがひなたか!」
ひ「え?な、何故私の名前を・・・。」
?「ブレンダが新しい村長が俺を探してるって言ってたもんでな。俺はキング!見ての通りライオンだ!よろしくな!」
よ、良かった・・・。悪い人じゃなさそう・・・。
ひ「は、はい!よろしくお願いします!」
キ「おー!じゃーな!」
そういうとキングさんは去っていった。
よしっ、これで全員に話しかけたかな。しずえさんに今の期待度を聞いてこよっと!」
し「えー、現在の期待度は・・・。二十ポイントです!」
低っ!
その後も、私は住民の頼みを聞いたり、村のために尽くしたり・・・そしてついに・・・。
し「現在の期待度は・・・百ポイントですっ!おめでとうございますっ!」
ひ「あ、ありがとうございます・・・。」
バタッ!私は疲労が溜まり倒れてしまった。
し「そ、村長ーーーー!!!」
目がさめると、私は自分の家のベッドに寝かされていた。
じ「ひなた、気がついたか。」
ひ「じいちゃん?」
じ「お前が倒れたって聞いてな。慌てて駆けつけたんじゃよ。」
ひ「そうだったんだ・・・。ありがと、じいちゃん。でももうすっかり元気!」
私はベッドから降りた。
じ「もう、無理はするんじゃないぞ。」
ひ「はーい!」
トントン。
?「郵便でーす!」
ペリカンが手紙を運んできた。
ひ「ご苦労様です。」
それは差し出し人不明の手紙だった。
ひなたさんへ
村長就任おめでとう!
本当は私が村長をやる予定だったけど、
訳あって行けなくなったからよろしく!
ひなたさんならきっと良い村長さんになれるよ!
頑張ってね!
ひ・じ「・・・・・。」
私とじいちゃんは何も言えず、ただその場に立ち尽くしていた。
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