二次創作小説(映像)※倉庫ログ
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- 東方双魔使
- 日時: 2018/09/15 11:51
- 名前: レヴァニラ (ID: 9Mczrpye)
※注意!※
・東方project二次創作
・駄文
・やや原作崩壊
それらが許せる方のみ閲覧して下さい
プロローグ
∟ >>1
第1話 博麗の巫女と魔法使い
∟ >>2-3 (vsルーミア)
∟ >>4-5 (博麗霊夢と会話)
∟ >>6-7 (寺小屋にて)
∟ >>8-9 (永遠亭へお見舞い)
∟>>10-11 (vs鈴仙・優曇華院・イナバ)
- Re: 東方双魔使 ( No.2 )
- 日時: 2018/08/05 06:22
- 名前: レヴァニラ (ID: 9MGH2cfM)
【第1話 博麗の巫女と魔法使い】
誰もいない静かな夜の森。
入るには勇気がいる暗い森の中に誰にも気付かれる事なく空間が裂けスキマが出現し、そこから2人の男が出てきた。
片方は愛染。 白いコートをはためかせながら彼は迷彩柄のパーカーを着た男の方へ向き直った。
「妙なところに出ちゃったねえ……混世」
混世。 そう呼ばれた男は頭をガジガジと掻きながら木々の間から見える月を眺めた。
満天の星空と共に儚く輝く満月を暫く眺める。 この世界の事は何も知らない2人はさてどうするかと考えると近くの草むらがガサガサ、と音を立てながら揺れた。
「おや……誰がいるようだね? 出てきてくれ、道に迷ったんだ」
愛染が何者かに呼びかけると、草むらから黄色の髪のボブヘアーに赤いリボンをつけた赤い目の少女が現れた。
「わはー、こんな所に人間だなんて珍しいのだー」
「……」
ニコニコと嬉しそうな表情を浮かべる少女の発言に何か引っかかるところがあったか、混世はパーカーのポケットに手を入れながら目を細める。 その間に愛染は少女と同じくらいの目の高さに合わせるよう屈んで人の良さそうな笑みを浮かべた。
「実はお兄さん達迷子になっちゃってね、此処が何処だか分からないから道案内してくれるとありがたいなあ」
愛染の言葉に「そーなのかー」と笑顔のまま答え、そして少女は月を見上げながらポツポツと話し始めた。
「ところでお兄さん達、此処は人間を襲う妖怪がいるって知っていたー?」「ん? んーん、お兄さん達、此処に来るの初めてだから知らなかったよ」
「じゃあ外来人なのかー」「外来人……?」
愛染と少女の遣り取りに不自然さが目立ち始め、混世はポケットから小瓶を取り出すと蓋を開け銀色の液体を足元に垂らした。
それに気付かない少女は愛染の肩に手を置くと、先程の笑顔から一転して……捕食者の目でニヤリと笑った。
「それじゃ……いただきます」
動くのはほぼ同時、だが速さは混世の方が上だった。
彼の足元の銀色の液体が意思を持ったかのようにうねり口を大きく開き尖った歯をギラつかせながら愛染を喰おうとした少女の下顎を打ち上げる。
だが少女はまるで効いてないように捕食者の笑みを混世に向け、今度は混世を対象に変更した。
「面白い事をしてくるね!」
「魔法使いだからな」
少女が振り下ろした拳をいつのまにか足元に戻していた銀色の液体が渦を巻くように混世の周りに展開して受け止め、化物少女と魔法使いとの戦いが幕を開けた__
- Re: 東方双魔使 ( No.3 )
- 日時: 2018/08/06 22:50
- 名前: レヴァニラ (ID: DTQ3vDnC)
いきなりだが化物少女と混世が戦っている場所は『幻想郷』内にある『博麗神社』が近くにある森の中である。
その博麗神社では博麗の巫女・博麗霊夢が1人で過ごしている。
いつものようにやる事を終え空の賽銭箱の中を確認して溜息を吐き、月を暫く眺めてから寝ようかと思っていた。
……その時、境内へと続く階段の下辺りが何やら騒がしい様子を見せていた。
「もう……こんな夜中にどんな馬鹿が暴れているのよ……」
面倒事が舞い降りた、その程度の認識の彼女は階段を一つずつ、真っ暗な夜道を月が照らしながら下りていった。__
「__ぐう!?」
その頃、化物少女は木々を倒しながら階段の方へと勢いよく押し出され、ボロボロとなっていた。
化物少女が見つめる先、其処にはまるでアメーバのように蠢く銀色の液体を従える混世と、その混世の後を追って階段へと出てきた愛染の2人組が月に照らされ姿を現した。
「混世! 確かに僕は喰われそうになったけど彼女を痛めつけるのは良くないよ!」
「黙れ、お前の為ではなく俺に歯向かう存在を完膚なきまでに叩きのめしているだけだ」
2人が何でもないように駄弁り、化物少女は今のうちに逃げ出そうとするが混世は右腕に銀色の液体を纏わせると一つのドリルへと変化させ突撃、化物少女の右肩を容赦無く抉り取った。
「うぐっ!?」
ズシャア、とその場に崩れ落ち混世は勝ち誇った笑みを浮かべながら化物少女を見下した。
「俺の勝ちだな? さあどう料理してやるかな……」
「まだ……負けてない!」
完全に気を抜いていた混世に化物少女は何かの塊を撃ち込むが、先程混世を守ったように銀色の液体は渦を巻くように混世を守り、その隙に化物少女は闇を纏い逃げ出した。
「……逃げられちゃったね……」
「……チッ、最後の最後までしぶとい化物だな……」
逃げられた方向を見ながら混世は銀色の液体を小瓶の中へと戻しポケットに入れ、階段を見上げた。
……其処から紅白を基調とした斬新なデザインの巫女が飛んできたのを見て思わず2人揃って「はぁ?」と声を上げてしまった。__
__霊夢は驚いていた。
外来人が来ていたのはさほど珍しくはない。 それはスキマ妖怪である八雲紫がよくやるミスだからだ。
だが化物少女……ルーミアを圧倒し、更に謎の能力を使用している時点で唯の外来人ではない。
もしかしたら侵略者の類かもしれないと霊夢は内心思いながら此方を見上げ惚ける2人組……混世と愛染の方へと能力を使用して飛んだのだった……__
- Re: 東方双魔使 ( No.4 )
- 日時: 2018/08/09 22:27
- 名前: レヴァニラ (ID: h/hwr32G)
草木も眠る丑三つ時。 夜も深まって妖怪が活発化するこの時間帯に三人の男女が神社の中でそれぞれ座りながら対面していた。
博麗の巫女である霊夢の前に座る2人の男、愛染と混世にジト目を向けつつ話し合う事にしたのだ。
「もう夜遅いから今回は紫の奴を呼べないけど……アンタ達何者? ルーミアを一方的に叩きのめすって唯の外来人じゃないわよ?」
「ちょっと待て、その外来人ってのに説明してもらいたいんだが」
外来人。 先程の化物少女ルーミアも言っていた言葉。 霊夢はうーんと腕を組み唸ってから顔を上げて2人を見ながら簡潔に説明した。
「詳しい事は紫に話してもらうとして、要するに外来人ってのはこの幻想郷の外から来た人間の事を指すわ」
簡単な説明を聞いて「成る程」と混世は納得するが、霊夢は先程『ルーミアを一方的に叩きのめせた理由』についての説明を受けていない。
混世の代わりとして愛染が自分達の事について話す事にした。
「実は僕達は外の世界の魔法使いでね……彼は魔法でそのルーミアって子を相手に一方的な戦いをしたってところだね」
「魔法、ね……」
魔法の説明は必要かと霊夢に問いかけるが「知り合いの魔法使いがいるから大丈夫」と素っ気なく言い、そうそうと言い居住まいを正して2人の方へ向き直った。
「アンタ達、今日は此処に泊んなさい。 それで明日慧音にルーミアの事で謝りに行くわよ」
「は? 何でだ?」
「アンタ達がルーミアを痛めつけたからよ……あの子、慧音のとこで学んでる生徒の1人だからね」
その言葉に混世はうへえと苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、愛染は「まあ怪我させちゃってるし仕方ないね」と苦笑しつつも霊夢の言葉に頷き、話の続きは慧音を交えてからという事で一眠りする事にした。__
__朝になった。
季節は夏なのか蝉の鳴き声が聞こえ、混世は深い眠りから目覚めた。
鼻腔をくすぐる味噌汁の匂いにフラフラとつられて部屋の一室に辿り着くと自分と自分達の分を作った霊夢に遭遇した。
「おはよう、取り敢えずもう1人の外来人の方も起こしちゃってくれる?」
「ん……」
混世は寝ぼけたままコクリと頷くとポケットからルーミアを叩きのめした銀色の液体が入った小瓶を取り出して中身を庭先にぶち撒け、解き放たれた液体は愛染の方へ向かい起こしに行った。
……暫くして愛染と液体が戻ってきて液体を小瓶に戻すと静かに朝食をとり、全員が食べ終えれば皿や茶碗を水に浸しながら人里へ向かうと霊夢は2人に言った。
「いい? 慧音はちょっと頭が堅いけどちゃんと説明をすれば許してもらえると思うから余計な事は言わないようにね?」
「「分かった」」
2人とも頷いたのを確認すれば霊夢は境内へと出て宙へと浮かび上がった。
「ほら、魔法使いなら飛べるでしょ?」
「まあ確かにね」
そう言って愛染と混世も境内に出ると愛染は霊夢同様宙に浮かび上がり、混世は液体を足に纏わせてジェット噴射のように宙へと飛んだ……__
- Re: 東方双魔使 ( No.5 )
- 日時: 2018/08/10 23:55
- 名前: レヴァニラ (ID: ZVqxEqci)
空を飛び人里へと向かいながら霊夢の案内の元混世と愛染の3人は其々の能力について話していた。
「霊夢さんの『空を飛ぶ程度の能力』……聞くだけでは飛ぶだけとしか思われないですがね……」
「それは解釈次第だろ。 飛ぶ=浮くと考えると『存在が浮く』だのになって最悪触れる事すら出来ないとかなりかねん」
霊夢の右側を飛ぶ愛染の言葉に左側にいた混世は何事もなかったかのように言いのけ、霊夢はその鋭い考察力に舌を巻いた。
「私としては2人の魔法にちょっとした興味があるけどね、愛染の魔法はアリスに似ているけど……混世のは、その『魔法生物』ってのを作り出すって感じ?」
つい先程案内の途中でそれぞれ自己紹介していたからかそれぞれ名前を知っている。
霊夢の言葉に混世は「概ねあっている」と答え、更に付け加えるならばと簡単な説明を始めた。
「より正確には『金属のスライムしか作れない』な、才能が全くないから自力で飛ぶ事すら出来ない」
「ふうん……才能、ね……」
才能。 その単語を呟いた霊夢は何か思うところがあったか押し黙り、暫く沈黙が続く中人里が見えてきた。
霊夢の指示で入り口の方に降り立てば、其処には屈強な男が長槍を持って霊夢達をジロリと睨め付けてきた。
「今日もご苦労様。 今日は慧音に用があるから通してくんない?」
「慧音先生に用があるのは分かりましたが……」
男達の視線の先、コートを脱いで腕にかけるように持って口元を緩めている愛染と魔法生物を小瓶に戻してポケットに手を入れて此方を見る混世を訝しむように見た。
霊夢はそれに気付くと「慧音とちょっとしたいざこざがあるから謝らせる為に呼んだ」と簡潔に説明し、何とか人里の中へと入り込む事が出来た。
人里は賑わっているのか、大通りは様々な店が並び人々は忙しなく動いていた。
「賑わっているな……」
「そりゃ勿論。 此処は数ある人里の中でも一番大きい所だからね」
何の事もないかのように霊夢は言いながら人混みの中を歩き、混世や愛染もぶつかりそうになれば謝りながら道を開けてもらいつつ霊夢の後をついていった。
……暫く歩いた先、寺小屋が見えた霊夢は「この先に慧音がいるから、あとは頑張んなさいよ」と適当に言って手をヒラヒラさせながら来た道を戻っていった。
2人は互いに顔を見合わせた後、愛染が苦笑し混世は溜息を吐いて寺小屋の方へと歩いていった……__
- Re: 東方双魔使 ( No.6 )
- 日時: 2018/08/13 22:44
- 名前: レヴァニラ (ID: Ba9T.ag9)
寺小屋だから当然生徒はいる。
慧音という人を探す為に玄関から履物を脱いで片手に持ちながらブラブラしていると、水色の髪のウェーブがかかったセミショートに透明度の高い氷のような羽根を生やした少女が2人を見上げていた。
「あれ? アンタ達見ない顔ね」
「「……」」
2人はこの少女と初見でありながら全く同じ事を……本当に失礼な事なのだが、この少女に対する評価が脳内で直感的に下された。
((此奴は⑨だ、間違いない))
「ちょっと! 聞いてるのか?!」
⑨がギャーギャーと喚き散らし愛染の衣服を掴んでグイグイと引っ張り、混世は……そんな⑨の友達だろうか……緑髪を左のサイドテールに纏め、鳥とも虫とも似つかない羽を持つ少女がオロオロと水色の髪の少女を窘めようとしているところを眺めていた。
「ち、チルノちゃん……やめようよ、その人達怖そうな人だよ……」
「大丈夫! あたいは最強だからこんな人間達をコテンパンにしてやるわ!」
「……コテンパン、ね……」
何かを思いついた混世はチルノ、と呼ばれた少女の目線に合わせるように屈み、一つの問題を出した。
「最強のチルノちゃんに問題だ。 コテンパンってどんなパンだ?」
「え? えっと……」
混世が出した問題ですらない問題に真剣な表情で考え始めたチルノに緑髪の少女は「チルノちゃん、コテンパンは……」と何か助言をしようとしたところで混世は待てとばかりに少女の口元に人差し指を添えて黙らせ、暫くしてチルノは自信満々に言った。
「コテンパンはきっと美味しいパンよ!」
「此奴は馬鹿だ! ⑨だ! 間違いねえ!」
自信満々に間違えた解答を出したチルノをぞんざいに扱い、馬鹿にされたチルノは憤慨。
「⑨って言うな! ⑨って言った方が⑨だぞ!」
「ハイハイ、可愛い可愛い最強最強」
憤慨するチルノの頭を撫でながら適当によいしょする混世。 愛染は何かに気付いたのか混世の肩を叩き背後を指差した。
「混世、混世。 後ろ後ろ」「あわわわ……」
「……?」
愛染と少女が後ろを見ている為視線を追うように後ろを振り返る混世。
……其処には怖い笑みを浮かべた女性が立っていた。
「あっ……(察し)」
「おー、けーね!」
側から見ればとんでもない現場だ。 幼女好きな悪兄さん(誤字にあらず)と勘違いされるその現場で、けーね……上白沢慧音に見つかったのだ。
慧音は混世の肩を叩き立ち上がらせ、上半身を仰け反らせてから一気にお辞儀をするかのように……ヘッドバット、俗に言う頭突きを混世の額へと叩き込んだ。
哀れ混世、その頭突きの威力が予想以上だったか意識を刈られて膝から崩れ落ちる際「慧音先生と呼べと言っているだろう!」という怒声と自分も聞いた鈍い音を最後に意識を手放した……。
「……えっと、慧音先生であってますか?」
「……? 私が慧音だが君は、いや君達は?」
気絶した混世に代わり愛染は取り敢えず話を進めようと混世と今の惨状を心の中で無かった事にして慧音と話し合った……__
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