二次創作小説(新・総合)
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- 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い
- 日時: 2021/08/29 13:48
- 名前: シュンP (ID: IJ2q7Vk/)
普通の大学生、新成桜夜はある日異変を感じ、そして仮面ライダーと出会う。
世界を超えて、正しい物語を取り戻せ!
目次
物語の始まり
第1話 >>01
とある魔術の禁書目録編
第2話 >>02 第3話 >>03 第4話 >>04 第5話 >>05
ラブライブ!サンシャイン!編
第6話 >>06 第7話 >>07 第8話 >>08 第9話 >>09 第10話 >>010 第11話 >011
魔法少女まどか☆マギカ編
第12話 >>012 第13話 >>013 第14話 >>014 第15話 >>015 第16話 >>016 第17話 >>017
- Re: 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い ( No.8 )
- 日時: 2020/02/02 18:42
- 名前: シュンP (ID: IJ2q7Vk/)
第8話 ダブルホッパー、クロックアップ!
アナザーフォーゼとの戦いから一夜を明かした。善子と花丸は浦の星女学院へ向かっていた。
花丸
「善子ちゃん、昨日はお手柄だったずら」
善子
「そんなことないわよ。私はただ、桜夜のサポートをしただけ」
花丸
「そんなことないずら。あのとき善子ちゃんが来てなかったら、マルは今ここにいないずら」
善子
「そうかしら」
善子は照れてしまったのか少し頬を赤らめた。
ルビィ
「おーーい!善子ちゃーん、花丸ちゃーん!」
善子と花丸の後ろから、ルビィが走ってくる。
花丸
「おはよう、ルビィちゃん」
善子
「おっすー」
ルビィ
「うん、おはよう!」
3人は学校へ向かって行った。
その頃、浦の星女学院では…
鞠莉
「はい、はい。分かりました。生徒たちにも注意喚起をしておきます。それでは、失礼します」
鞠莉は理事長室で政府からの電話の対応をしていた。珍しくマトモな口調だな、と同じく理事長室に居た桜夜とウォズは思った。
桜夜
「どうした?なんかあったか?」
鞠莉
「ええ、だから2人をここに呼んだのだけど」
「エイリアンが、現れたわ」
ウォズ
「エイリアンだって?」
鞠莉
「なんでも、どの個体も地球に存在しない生物らしいのよ。おおむねドイツもコイツも緑色のマシッブなフォルムらしいのだけど。地球外生命体ってとこね」
桜夜
「それってもしかして隕石から?」
鞠莉
「ザッツライト!どうやら隕石に付着した卵から孵化したことが調査の結果判明したわ」
桜夜
「まさか…な?」
ウォズ
「いや、そのまさかかもしれない」
鞠莉
「何か心当たりが?」
桜夜
「ちょっとね。まあ、また情報が入ったら教えてよ」
桜夜とウォズは部屋を出て、とある教室へ向かう。
桜夜
「嫌な予感がする。さっき一年生の教室から悲鳴が聞こえた」
「行ってみるしか、ない!」
2人は走る速度を上げた。
数分前の事。
善子ら3人は教室に入った。
浦女の一年生の人数は12人。つまり一クラスしかない。3人が教室に入るとその場に居た全員が異変を感じた。
生徒A
「あ、津島さん、花丸ちゃん、ルビィちゃ、あれ?」
生徒B
「あれれ?ルビィちゃん、もう来てるよね?さっきお話ししたはずだもん…」
奇妙なことを言い始めるクラスメートたち。
ルビィ
「え?」
しかし、もっとも奇妙だったのはルビィの席だった。
赤い短い髪、ツーサイドアップ。彼女の席には既に、黒澤ルビィが着席していた。
善子
「ルビィが、二人?」
黒澤ルビィは2人、その場に居た。一人は善子たちと登校した方、そしてもう一人は、既に席に何食わぬ顔で座っている方。
ルビィ
「そこをどいてよ!そこはルビィの椅子だよ!」
ルビィ?
「なにを言ってるの?私の偽物はどっかいってよ!」
二人のルビィが口論を始める。
それを見ていた生徒のうち一人が、錯乱のあまり悲鳴を発する。
花丸
「どうなってるずら…」
桜夜
「大丈夫か!」
桜夜とウォズがパニックに陥った教室に入ってきた。
生徒C
「ルビィちゃんがルビィちゃんで、ルビィちゃんが…」
桜夜
「みんな落ち着け。おい花丸、窓開けてこい」
花丸
「わ、分かったずら?」
唐突な桜夜の命令に困惑しながらも、花丸は窓を開ける。
ルビィ
「桜夜さん!助けて!」
ルビィ?
「ニセモノをどうにかして!」
2人のルビィが桜夜とウォズの元に駆け寄ってくる。
ウォズ
「分かった。答え合わせの時間と行こうか」
桜夜
「ちょっと失礼」
桜夜は2人のルビィの髪の毛を掴み、そして。
スンスン
髪の匂いを嗅ぎ比べ始めた。
善子
「ちょっと!こんなときになにご堪能してるのよ!」
ウォズ
「静かにしてくれ」
ヒートアップする善子をウォズが制止する。
桜夜
「どっちが本物で、どっちが偽物が分かった」
花丸
「今ので!?」
善子
「どっちなのよ?」
桜夜
「こっちが偽物だ、よっ!」
桜夜は片方のルビィに全力で腹パンをする。あまりに唐突過ぎたため、吹っ飛ばされて校庭に出てしまった。
ルビィ
「え?」
ルビィ?
「痛ったぁ…」
殴られたのは、席に座っていた方のルビィだった。
桜夜・ウォズ・善子・花丸・無傷のルビィは、殴られたルビィの元へ向かう。
ルビィ?
「どうして…私が…」
桜夜
「簡単だよ。お前からは匂いがしなかった」
「お前、擬態したワームだろ」
ワームと言われたルビィは口角を上げた。
ルビィ?
「良く分かったね。私はワームだよ。そこのガキに擬態したね!」
花丸
「どういうことずら?」
ウォズ
「ワーム。仮面ライダーカブトが戦った地球外生命体。人間に擬態し、オリジナルを殺害することで社会に紛れ込む。擬態した人間の記憶や人格・性癖・内部構造や所持品まで完全にコピーする」
桜夜
「だけど、匂いまではコピーできない」
善子
「なるほどね。髪の匂いがしなかった方が偽物って訳ね」
擬態ルビィ
「オリジナルを混乱の中で始末したかったんだけどね。まあ、できないならこの場でやるだけ」
彼女がバックルを腰に装着すると、バッタ型のメカが飛び跳ねがら彼女の手の中に納まる。
桜夜
「ホッパーゼクター!?」
擬態ルビィ
「変身」
ホッパーゼクターをバックルに装着すると、彼女の体はバッタを人型にしたような戦士へと姿を変えた。
【Henshin Change Punch Hopper】
パンチホッパー
「殺す!」
ルビィ
「偽物のルビィが、変身しちゃった…」
桜夜
「ウォズ!ルビィと花丸と下がってて!」
ウォズ
「了解した」
彼は二人を連れて後ろへ下がる。
善子
「まさかまた戦うことになるとはね」
【メテオ Ready?】
【ジオウ!】【フォーゼ!】
桜夜・善子
「変身!」
【アーマータイム!3・2・1 フォーゼ!】
桜夜と善子もそれぞれ変身を完了する。
メテオ
「おりゃぁ!」
メテオはパンチホッパーに飛び掛かり、拳を繰り出す。
パンチホッパー
「遅い」
【Clock Up】
その場からパンチホッパーの姿は消え、メテオの拳が空を切る。
メテオ
「あれ?」
ルビィ
「消えた?」
ジオウ
「いや、違う!」
メテオ
「グッ!アァッ!」
突然メテオが苦しみだし、その場に膝をつく。
メテオ
「痛たたた…どうなってんのよ…」
【Clock Over】
そして再びパンチホッパーは姿を現す。
パンチホッパー
「説明してあげるよ。クロックアップはタキオン粒子を操作して時間流を自在に動けるようになる」
メテオ
「訳が分からない…要約して」
パンチホッパー
「お前らじゃ絶対に私には追いつけない」
ウォズ
「それはどうかな?」
今まで見ているだけだったウォズが間に入ってくる。
【ビヨンドライバー】
【シノビ!】
ウォズ
「君がスピードの概念を変えるなら、私はそのスピードに追い付くとしよう」
【アクション!】
彼の背景に巨大な画面が現れる。
ウォズ
「変身」
【投影!フューチャータイム!】
右手でハンドルを前に向け、データを投影する。
【誰じゃ?俺じゃ?忍者! フューチャーリングシノビ!シノビ!】
彼は仮面ライダーウォズフューチャーリングシノビへの変身を完了する。
パンチホッパー
「1人増えようが関係はない!」
【Clock Up】
再びパンチホッパーはクロックアップによる高速移動を始める。
メテオ
「何度も使えるのはおかしいでしょ!」
ウォズ
「問題ない」
それに呼応するかのようにウォズもその場から姿を消す。
次の瞬間。
パンチホッパー
「くぁっ!」
【Clock Over】
パンチホッパーが倒れこみながら視界に現れた。
メテオ
「何があったの?」
ジオウ
「フューチャーリングシノビはスピードに長けた姿だ。クロックアップにも対応できるさ」
ウォズ
「そういうことだ」
ジオウ
「畳み掛けるぞ!」
???
「そうはさせませんわ」
ジオウ達が再び攻撃の態勢に移ろうとしたとき、どこかから声がした。しかも、よく聞き覚えのある声だ。
するとウォズの目の前に赤い怪物が現れ、彼に回し蹴りを食らわす。
ウォズ
「くっ…」
不意打ちを食らい、ウォズの変身が解除される。
そしてその赤い怪物は気付かないうちにパンチホッパーの隣に居た。
ウォズ
「アナザーカブトか…」
メテオ
「まだアナザーライダーが居たのね…」
Aカブト
「大丈夫ですか?ルビィ?」
パンチホッパー
「うん!大丈夫だよ、お姉ちゃん!」
メテオ
「お姉ちゃん?」
2人の会話に疑問をメテオが抱いた時、玄関から5人の影が現れた。
梨子
「騒ぎを聞いて駆けつけてきたけど…」
曜
「凄いことになってる…」
鞠莉
「あれ!あれよ!目撃されたエイリアンの一体デース!」
果南
「うわぁ…グロい…」
千歌
「なんか、兜みたいだね」
Aqoursの面々だ。そこにルビィと花丸が合流する。
しかし、そこに違和感を感じた。
ルビィ
「あれ?お姉ちゃんは?」
花丸
「朝はどうしたずら?」
ルビィ
「分かんない。お母さんは朝早く出て行ったって」
ウォズ
「まさかね…」
ジオウ
「あの口調、擬態したワームへの呼び方、完全に一致してるな」
メテオ
「貴方、ダイヤでしょう?」
メテオはアナザーカブトを指差す。
曜
「嘘でしょ?」
果南
「ダイヤが、私と同じようにアナザーライダーな訳ないよ」
ルビィ
「冗談だよね?お姉ちゃんは、ルビィが本物だってこと分かるよね?」
一同は唖然とする。
Aカブト
「よくわかりましたね…」
アナザーカブトは変身を解除する。
醜いマスクの下から現れたのは、黒澤ダイヤだった。
ダイヤ
「私がアナザーカブトの正体ですわ」
千歌
「そんな…ダイヤさんまで…」
鞠莉
「ダイヤ…どうしてなの?」
ダイヤ
「答えは簡単です。皆さんは、桜夜さんとウォズさんに騙されていますわ」
花丸
「ずら!?」
メテオ
「何言ってんのよ!コイツらが私たちを騙すわけないでしょ!コイツらが居なかったら果南は!」
ダイヤ
「果南さんも私やルビィと同じ、この地球を守るためにアナザーライダーになったのですわ。一時的に記憶を失っているだけですの」
梨子
「どういうこと…ですか?」
ダイヤ
「私にこの力を授けてくれた方が言っていましたわ」
ジオウ
「やっぱまたあの男が絡んでくるのか…」
ダイヤ
「彼は言っていました。あの隕石には侵略者が乗っていて、あなたたちはその手助けに来た」
ウォズ
「そんなくだらないデタラメを信じたのか」
パンチホッパー
「デタラメなんかじゃないよ!私たちから対抗策を奪うために善子ちゃんを仲間にして、果南ちゃんを倒したんでしょ!」
ルビィ
「それこそデタラメだよ!お姉ちゃん!ソイツとその男の人の話を信じちゃダメ!ソイツは私の偽物なんだよ!」
ルビィは腹の底から声を出す。その声には、怒りと悲しみが詰まっていた。
ダイヤ
「お黙りなさい!この偽物が!」
しかし、彼女の声は黒澤ダイヤにはもう、届かない。
ルビィはその場に崩れ、泣き出してしまう。
ジオウ
「お前って、最低だな。最低な姉だよ」
ダイヤ
「私がですか?私は正しいことを行っているだけですわ」
「つまり、私自身が正義です!」
ジオウ
「いや、お前は悪だ。嘘に踊らされ、自分の妹を見抜けず、力に溺れてさ、最低最悪だよ」
ジオウ、いや、桜夜の口調は淡々としていた。が、その声には怒りが込められていた。
ウォズは初めて桜夜が怒る姿を見たが、どこか見覚えがあった。
ウォズ
(彼からは、我が魔王と同じオーラを感じる…)
メテオ
「そうよ!目を覚ましなさいよ!」
ダイヤ
「目を覚ますのは皆さんですわ」
彼女もまた、バックルを装着する。そして、もう1体ホッパーゼクターが跳んでくる。
メテオ
「アンタも持ってるの!?」
ダイヤ
「変身」
【Henshin Change Kick Hopper】
ダイヤは仮面ライダーキックホッパーへ変身する。
キックホッパー
「行きますわよ、ルビィ」
パンチホッパー
「うん、お姉ちゃん」
【Clock Up】
【Clock Up】
再び戦いは起きてしてしまった。彼女たちの平穏は戻ってくるのだろうか?
同時刻 とあるスクールアイドルは練習をしていた。
アイドルA
「こら、少し遅れていますよ」
アイドルB
「分かってるわよ!」
2人は険悪なムードだった。
アイドルA
「どうしたら良いのでしょうか…」
アイドルB
「いっそのこと二人で一人になれたらいいのに」
???
「ホントにそう思ってる?」
2人が練習している部屋にある少年が入ってくる。あの男だ。
アイドルB
「そりゃそう…ってアンタ誰よ」
謎の男
「名乗るほどのもんじゃないさ。まあ、俺ならアンタらの願いを叶えられる」
アイドルB
「二人を一人にするって奴ね」
アイドルA
「どうするんですか?」
謎の男
「こうするんだよ」
勝ては右手に持っていたアナザーウォッチを起動させ、Aの体内に入れる。
すると旋風が起き、AとBの体が一つになる。異形の存在として。
A???「ハァァ…」
この世界にまた新たにアナザーライダーが生まれてしまった…
ダブルホッパーの攻撃できないジオウとメテオは、ただ耐えることしかできなかった。
【Clock Over】
【Clock Over】
キックホッパー
「これで私たちの強さが分かっていただけたでしょうか。今回は一度ひかせていただきますが、また戦うことになるでしょう」
パンチホッパー
「バイバーイ」
キックホッパー
「皆さん、どちらが正しいか、よく考えておいてくださいね」
【Clock Up】
【Clock Up】
2人は誰にも見えないスピードでその場を離れて行った。
ルビィ
「グスッ…お姉ちゃん…」
鞠莉
「ダイヤ…」
善子
「どうして、どうしてこうなるよの!」
彼女がアナザーカブトになった影響は非常に大きかった。
桜夜
「クソッタレがぁっ!」
桜夜は拳を校庭に叩きつけた。
次回予告
擬態ルビィ
「千歌ちゃんを奴らの所に行かすわけにはいかないんだよね」
ジオウ
「確か、ディケイドのウォッチは無事なんだよな?」
千歌
「変身!」
ジオウ
「俺は既に未来を掴んでいる。そして、これからも…掴み続ける!」
次回 ネクストステージ カブト
天の道を往き、総てを司る。
- Re: 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い ( No.9 )
- 日時: 2020/02/09 13:13
- 名前: シュンP (ID: IJ2q7Vk/)
第9話 ネクストステージ カブト
アナザーカブト及び仮面ライダーキックホッパー、黒澤ダイヤ。
そして、仮面ライダーパンチホッパー、擬態ルビィ。
2人との戦いを終え、各々自分の教室へ戻っていく。
校庭に残ったのは、桜夜とウォズのみ。
ウォズ
「取り敢えず、ここを離れるとしようか。ここでは授業の邪魔にはなりかねない」
桜夜
「ああ、そうだな」
桜夜は校門に向かって歩き出した。
ウォズ
「待て!桜夜君!鞠莉君から空き教室を使えと…」
桜夜
「ここには居たくない」
ウォズ
「全く…」
授業を終え、放課後となった。
Aqoursの面々は部室へと集まっていた。
善子
「ねえ、これからどうするのよ。それに桜夜たちも居ないし…」
鞠莉
「桜夜たちは授業が始まる前に校門から出て行ったわ。どうするからは知らないけど」
善子
「ったく。ライダーに関してはアイツが便りなのに…」
花丸
「しょうがないずら。桜夜君だって悪者扱いされて辛かったんだよ」
曜
「ねえ、私たちにも何かできないのかな?」
梨子
「そうだよ、善子ちゃんにばかりに任せるわけにもいかないし…」
千歌
「私、行ってくる!」
突然、千歌が部室を飛び出す。
果南
「千歌っ!?」
反射神経の高い曜と果南が部室を慌てて出るが、彼女の姿は無かった。
曜
「追いかけよう!」
ダイヤ
「そうはさせませんわ」
突然曜たちの前にダイヤとルビィが現れる。
擬態ルビィ
「千歌ちゃんを奴らの所に行かすわけにはいかないんだよね」
善子
「御出ましね、ダイヤ、ルビィの偽物!堕天使ヨハネの裁きを与えてやるわよ!」
【メテオ Ready?】
ダイヤ
「あまり戦いたくはないのですが…」
善子
「変身!」
ダイヤ・擬態ルビィ
「変身」
【Henshin Change Kick Hopper】
【Henshin Change Punch Hopper】
メテオ
「千歌、何するかは知らないけど、時間稼ぎは任せなさい!」
3人はあまり大きくはない体育館で戦闘を始めた。
その頃、千歌は十千万の前にある浜辺に向かっていた。
千歌
(きっと桜夜君たちなら!)
「いた!」
千歌の予想通り、桜夜とウォズは浜辺に居た。
桜夜
「ん?千歌か。どうした」
千歌
「お願い!ダイヤさんを…元に戻して!」
千歌は頭を下げる。
桜夜はその頭を掴む。
桜夜
「そんなにお願いすることでもねーだろ。俺にだって戻さなきゃいけない理由があるんでな」
千歌
「桜夜君…」
♪~♪~♪♪~
突然音楽が流れ始めた。
千歌
「あ、梨子ちゃんからだ」
千歌はスマホを取り出し、耳元に当てる。
千歌
「もしもし梨子ちゃ」
梨子
『千歌ちゃん!今何処!?』
千歌の社交辞令も梨子の声で遮られてしまう。彼女の声は桜夜たちに聞こえるくらい大きな声だった。
千歌
「どうしたの?」
梨子
『ダイヤさんとルビィちゃんの偽物が来たの。今善子ちゃんが戦ってるけど、だいぶ不利みたい。桜夜さんとウォズさんを連れてきて!』
千歌
「分かった。必ず連れて行く」
千歌は電話を切り、スマホをしまう。
千歌
「みんなが危ない。ダイヤさんたちが来たって」
桜夜
「行くか」
3人が浜辺から出ようとすると、それを遮るかのように怪物の集団が現れた。
千歌
「なにあれ…」
ウォズ
「隕石に居たワームだね」
【ビヨンドライバー】
【シノビ!】
桜夜
「そう簡単には行かせてくれないってことか」
【ジクウドライバー】
【ジオウ!】
【アクション!】
桜夜・ウォズ
「変身」
【フューチャータイム!】
【ライダータイム!】
2人は変身しワームの集団と戦い始める。ジオウがクロックアップができないサナギ体を倒し、ウォズが成虫の相手をする。
ジオウ
「くそ!キリがない!」
ウォズ
「しょうがないさ。相手は虫なんだからね」
ジオウ
「そうだ!」
突然何かを思い出したかのようにジオウは声を上げた。
ジオウ
「確か、ディケイドのウォッチは無事なんだよな?」
桜夜は覚えていた。ソウゴはディケイドを除くウォッチが消えたと言っていたのを。
ジオウ
「ディケイドウォッチは持ってないの?」
ウォズ
「少し待ってくれ!」
ウォズはジカンデスピアカマモードでワームを払いのける。
ウォズ
「あった、これだ!」
ジオウ
「サンキュー」
ウォズが投げつけたマゼンタを基調とし、スロットがもう一つが付いたウォッチをジオウは受け取る。
【ディ・ディ・ディ・ディケイド!】
ジオウ
「行っくぜー!」
【アーマータイム!カメンライド!ワーオ! ディケイド!ディケイド!ディーケーイードー!】
ジオウディケイドアーマー。仮面ライダーディケイドの力を宿した姿だ。
ジオウ
「さっさと終わらせるか」
ジオウはディケイドアーマーの武器、ライドヘイセイバーを取り出し、時計の針を模したハンドルを操作する。
針が指しているのは、仮面ライダーカブトのライダーズクレスト。
【ヘイ!カブト!】
ライドヘイセイバーの刃にエネルギーが集まる。
【ヘイ!カブト!デュアルタイムブレーク!】
ジオウの背後に複数体のワームが迫ってくるが、彼は気にしていない。
千歌
「桜夜君、後ろ!」
ジオウ
「ライダースラッシュ」
ジオウは振り向き、光子を纏った剣でワームたちを斬る。
【フィニッシュタイム!一撃カマーン!】
ウォズもエネルギーを纏った刃でクロックアップした成虫を切り裂く。
ジオウ
「全部倒しきったか」
ウォズ
「時間がない。急ごう」
3人は浦女に向かって走り出した。
メテオ
「クッ、強い…!」
キックホッパー
「どうやら、まだまだの様ですね」
パンチホッパー
「きっと千歌ちゃんもワームに倒されてアイツら呼べないんじゃないの?」
ジオウ
「そうでもないぜ」
【ヘイ!龍騎!デュアルタイムブレーク!】
突然炎がキックホッパーを包み込む。
キックホッパー
「ッツ!桜夜さんですか」
体育館にジオウとウォズ、千歌の3人が入ってくる。
千歌
「間に合った…」
パンチホッパー
「ッチ。来ちゃったか」
ジオウ
「さてと、行くか」
2人は構える。
千歌
「ちょっと待って!」
しかし、その体制も千歌の声で遮られる。
梨子
「千歌ちゃん?」
千歌
「私も戦う!見てるだけなんてできないよ!」
パンチホッパー
「変身もできないお前に、何ができるっていうんだ?」
千歌
「ううん。私だってもう分かってるんだよ」
千歌は右手を天に向かって伸ばす。
その時、突然何かが体育館の中に入っている。
ルビィ
「クワガタさん!」
青いクワガタを千歌は右手で掴む。
そして、左手はには黒いバックルが握られている。
ジオウ
「それって…」
ウォズ
「ガタックゼクター…」
パンチホッパー
「バカな!お前のような奴がゼクターの資格者になるなんて…!」
千歌
「変身!」
【Henshin】
千歌は青いクワガタのライダー、ガタックへの変身を遂げた。
メテオ
「リーダーまで、仮面ライダーだなんてね…」
ガタック
「キャストオフ」
【CAST OFF!Change Stag Beetle】
ガタックの装甲が剥がれ、四方八方へ飛んでいく。
キックホッパー
「私に任せなさい」
【Clock Up】
ガタック
「クロックアップ」
【Clock up】
二人のマスクドライダーはクロックアップし、常人の数千倍の時間が流れ始める。
キックホッパー
「どうしてあなたは分かってくれないのですか!」
ガタック
「分かってないのはダイヤさんの方です!ダイヤさんは、あの偽物のルビィさんに騙されてるんです!」
ガタックの拳と、キックホッパーの脚がぶつかり合う。
キックホッパー
「今、引導を渡しますわ!」
【Rider Jump!】
キックホッパーは高く跳びあがる。
ガタック
「ダイヤさん…」
【1・2・3】
ガタックもゼクターのスイッチを3回押す。
キックホッパー
「ライダーキック!」
【Rider Kick!】
ガタック
「ライダーキック!」
【Rider Kick!】
キックホッパーは跳び蹴りを放ち、ガタックは跳び回し蹴りを繰り出す。
空中で二人の脚がせめぎ合う。
ガタック
「ハァッ!」
キックホッパーは吹っ飛ばされる。
【Clock Over】
ガタック
「よし!」
メテオ
「これが、クロックアップ同士の戦い…!」
ルビィ
「お姉ちゃん!」
ルビィはキックホッパーの方へ向かおうとするが、それを鞠莉が制止した。
パンチホッパー
「千歌なんかに…負けた?」
ウォズ
(ワームめ…ようやく本性を現し出したか)
キックホッパー
「まだ…私は…」
【カブト…】
キックホッパーはそのままアナザーカブトへと姿を変えた。
ジオウ
「ようやくボスの御出ましか」
【ビルド!】【ファイナルフォームタイム!ビ・ビ・ビ・ビルド!】
ディケイドアーマーのモニターがビルドの物へ変わり、胸の部分には『ビルド スパークリング』の文字が刻まれる。
ジオウ
「ハァ!」
ジオウはアナザーカブトへ斬りかかった。
果南
「そういえば…」
果南はポケットからあるものを取り出す。
それは果南がアナザーフォーゼになる前に隕石から発見した物だった。
果南
(これがあれば!)
果南はそのデバイスをジオウに向かって投げる。
果南
「桜夜!」
ジオウは声を掛けられ、そのデバイスを受け取る。
果南
「アナザーフォーゼになる前で隕石で見つけたんだ。使って!」
ジオウ
「分かった!」
【カブト!】
ウォズ
「カブトウォッチか!」
パンチホッパー
「何!?」
ガタック
「よそ見するなんて、すっごい余裕みたいだね」
パンチホッパー
「くっそォ…」
Aカブト
「なるほど、それで私を倒すつもりですか」
ジオウ
「もちろんだ」
【ファイナルフォームタイム!カ・カ・カ・カブト!】
モニターがカブトの物へ変わり、胸の文字も『カブト ハイパー』へと書き換えられる。
ウォズ
「祝え!全ライダーの力を取り返し、世界を超え、真実を取り戻す正義のヒーロー。その名も仮面ライダージオウディケイドアーマーカブトフォーム。天の道を往き、総てを司るライダーの力を取り戻した瞬間である」
ジオウは右手の人差し指を天に向ける。
ジオウ
「おばあちゃんが言っていた。本物を知る者は偽者には騙されない」
Aカブト
「どういうことですか?」
ジオウ
「お前が…お前が。ルビィのことを、なんもわかっちゃいねぇってことだよ!」
ジオウはライドヘイセイバーでアナザーカブトに斬りかかろうとする。
しかし。
Aカブト
「クロックアップ」
【Clock Up】
クロックアップで躱されてしまう。
ジオウ
「無駄だ」
ジオウも同様にアナザーカブトと同じ時間に移行する。
Aカブト
「なっ、どうして!?」
ジオウ
「俺がカブトの力を使っているからな」
Aカブト
「かくなる上は…」
アナザーカブトはクロックアップしていないガタックの元へ走る。
Aカブト
「これで始末します!」
アナザーカブトは跳び蹴りをガタックに喰らわす。
【Clock Over】
ガタック
「ウワァァァァァァァァ!」
クロックアップが解除されると同時に、ガタックが爆散する。
メテオ
「嘘…」
曜
「どうして…」
そこには、ガタックはおろか千歌の姿は無かった。
梨子
「千歌ちゃんが…」
Aカブト
「アッハハハハ!やりましたよ!これも正義です!」
パンチホッパー
「やったねお姉ちゃん。あとは、アイツだけだ」
アナザーカブトはケラケラと笑う。仲間を殺めたいうのに。
ジオウ
「クソッタレが…」
メテオ
「ダイヤァァァァ!」
戦線離脱していたメテオがアナザーカブトに飛び掛かる。
Aカブト
「諦めなさい」
メテオも振り向きざまの回し蹴りを受ける。綺麗なカウンターだった。
メテオ
「ルビィ…花ま…ごめん…」
変身が解除され、善子はその場に倒れこんでしまう。
花丸
「善子ちゃん…」
ルビィ
「うっ、こんなの、ひどいよ…」
果南
「ダイヤ…!」
果南は拳を強く握りしめる。それは、親友への怒りだった。
ジオウ
「テメェ…」
Aカブト
「今更悔やんでも仕方がありませんよ?」
ジオウ
「いや、残念だったな」
「俺は既に未来を掴んでいる。そして、これからも…掴み続ける!」
気づくと、Aカブトがガタックに向かって走っているのが見えた。
Aカブト
「これで始末します!」
ジオウ
「そうはさせない!」
【フィニッシュタイム!ファイナルアタックタイムブレーク!】
ジオウは高く飛ぶ。
ジオウ
「ハイパーキック!」
Aカブト
「ライダーキック!」
ジオウのキックとアナザーカブトのキックがひしめき合う。
ジオウ
「オォォォ!!」
Aカブト
「ハァァァ!!」
闘いを制したのは。
Aカブト
「アァァァァァ!」
ジオウだった。
パリンッ
吹っ飛ばされたダイヤの体からアナザーウォッチが現れ、破壊される。
ダイヤ
「あぅ…」
パンチホッパー
「こうなったら…」
パンチホッパーはアナザーカブトが負けたのを見て、即座に逃げの態勢に移る。
ガタック
「そうはさせないよ」
【1・2・3】
ガタック
「ライダーキック!」
【Rider Kick!】
パンチホッパー
「ま、待て!話し合えば」
ガタックの飛び回し蹴りが炸裂する。
パンチホッパーの変身が解除され、ホッパーゼクターはどこかへ跳んで行った。
擬態ルビィ
「この私が…」
拳を体育館に叩きつける擬態ルビィにダイヤが駆け寄る。
ダイヤ
「すいません、ルビィ!姉の私が不甲斐無いばかりに…」
擬態ルビィ
「私は、ルビィなんかじゃない」
ダイヤ
「へ?」
擬態ルビィ
「アンタには、悪いことしたな。私はワームだ。アンタの妹に化けて、アンタを利用していたに過ぎない」
ダイヤ
「それでは…私は…」
擬態ルビィは真実を淡々と告げ続ける。その姿はもう、ルビィの物ではなく、ワームとしての姿だった。
ワーム
「最後1つだけ。アンタの妹は、アンタの事を誰よりも愛してる。これは嘘じゃない」
ワームの体は青い炎に包まれて消えていった。
ダイヤ
「私は…一体何のために…。これから私はどうすれば…」
ジオウ
「お前のやることなんか、もう決まってるだろ」
ほら、といいジオウは後ろを指差す。その先に居るのは、2人のライダーと6人の少女たち。
ダイヤ
「皆さん…ご迷惑をおかけしました…!」
ダイヤはその場で土下座をする。
果南
「顔を上げなって、ダイヤ」
果南は手を差し伸べる。ダイヤの顔は涙でグショグショになっていた。
ダイヤ
「果南さん…ですが私は…」
鞠莉
「貴方は許されないことをした。だけど、誰も怒ってないわよ」
ルビィ
「お姉ちゃん。また一緒に頑張ろう?」
ダイヤは8人の元に走り、泣いた。とにかく泣いた。
千歌
「ダイヤさんも、地球を助けたいって気持ちは一緒だったみたいだね」
善子
「そうね。まあ、ずいぶんと大変だったけどね」
桜夜
「行こう、ウォズ。ここからは彼女たちの話だ」
ウォズ
「ああ、そうしよう」
2人は体育館を出ていく。
ウォズ
「1つ、聞きたいことがあってね」
桜夜
「なに?」
ウォズ
「どうやって千歌君と善子君の死を回避したんだい?」
触れられたくないことを触れられた、と桜夜は思った。たとえ現実にならなかったとしても、自分の好きなキャラクターが死ぬのを見るのはそれなりに辛かったのだ。
ウォズ
「まさか我が魔王の様に未来予知でもできるようになったのかい?」
桜夜
「違う。カブトの力だ。カブトのハイパーフォームは過去や未来に戻ることができる。だから、過去に戻って未来を変えた。それだけのことだ」
ウォズ
「なるほどね。ライダーの力を最大限発揮する、君らしい闘い方だ」
2人は十千万へと戻って行った。
桜夜
「そろそろ、他の世界に行くことになるのかな」
ウォズ
「情が沸いてしまったかい?」
桜夜
「まあね。もともと俺はこの世界が好きだったしね」
ウォズ
「そうか…」
この世界での彼らの戦いは、まだ終わらない…
次回予告
鞠莉
「スクールアイドル連続失踪事件の映像よ」
桜夜
「二人で一人の仮面ライダーだ」
理亜
「あんなに楽しかったときの、記憶が…っ!」
アクセル
「さあ、振り切るよ!」
次回 Aの誕生/ダブルが来た!
これで決まりだ!
- Re: 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い ( No.10 )
- 日時: 2020/02/16 16:56
- 名前: シュンP (ID: IJ2q7Vk/)
第10話 Aの誕生/ダブルが来た!
アナザーカブトを撃破してから、2週間が経った。
善子
「ねえ、まだ私たちのライダーの力消えないんだけど?」
千歌
「まだこの世界にライダーの力があるってこと?」
二人から疑問の声が上がる。
ウォズ
「そういうことになるね」
果南
「そのわりにはここ2週間なんにもないけど」
花丸
「バッタさんたちもルビィちゃんとダイヤさんに付きっきりずら」
キックホッパーのゼクターはアナザーライダーとしての力を失ったダイヤの元に居続けていた。パンチホッパーの方は本来の資格者である擬態ルビィが消滅した結果、本物のルビィを資格者として認めらしい。
桜夜
「そろそろなんか来る気がする…」
鞠莉
「ええ、来たわよ」
鞠莉はパソコンを片手に、部室へ入ってくる。
曜
「今度はどうしたの?」
鞠莉
「これよ」
彼女はパソコンの画面を見せる。そこには、3人の女子高生が旋風に包みこまれ、跡形もなく消えた映像が映っていた。
梨子
「これは?」
鞠莉
「最近起きてる、スクールアイドル連続失踪事件の映像よ。私も昨日の夜知ったばっかだけどね」
ルビィ
「犯人は分からないんですか?」
善子
「あと警察も何で動かないのよ」
鞠莉
「犯人はどの映像を見ても写ってないわ。警察も、ただのイタズラとしか見てないみたい」
桜夜
「だいぶずさんだな。行方不明であることには変わりないのに」
ダイヤ
「同感ですわ」
鞠莉
「最初に起きたのは2週間前。ちょうどダイヤを倒したあたりね。北海道で起きたの。そこから南下してきて、おととい山梨でこのvideoが撮られたみたいね」
果南
「てことは、このままだとここに来ても…」
ウォズ
「おかしくはないね」
部屋の雰囲気が一気に重たくなる。
曜
「でも、待ってればいいんだよね?探しに行く手間も省けるんじゃ…」
桜夜
「そうでもないぞ」
曜の思ったことを桜夜は遮る。
ダイヤ
「どういうことですか?」
桜夜
「向こうから来るってことは、タイミングが分からない。もし変身できる奴が誰もいないときに来られたら、行方不明になるぞ」
善子
「なるほどね」
花丸
「でも、どうするずら?」
桜夜
「探しに行くんだよ、アナザーライダーを」
彼らは3つの班に分かれた。その内訳はこうだ。
Aグループ
桜夜・善子・梨子・鞠莉
Bグループ
ウォズ・ダイヤ・花丸・曜
Cグループ
千歌・ルビィ・果南
果南
「アナザーライダーを探しに行くなんて、なかなか大胆なこと言うね。桜夜」
桜夜
「お前らの為だ」
ウォズ
「決行は放課後だ。それまでは、しっかりと勉学に励むように」
はーい!、という元気な返事が返ってきた。
放課後。
3つの班に分かれた彼らは、アナザーライダーを探しに行く。当然、部活は休みだ。
桜夜
「見つかるといいんだけどな…」
善子
「何アンタがクヨクヨしてんのよ!」
鞠莉
「そうデース。しっかりと守ってくださいね!」
梨子
「わ、私もお願いします」
桜夜
「はいはい」
鞠莉
「はいはonceデース!」
Aグループの面々は見つけられそうになかった。
ダイヤ
「しかし、アナザーライダーとの戦い…緊張します…」
花丸
「ダイヤさんが言えたことじゃないずら」
ダイヤ
「お黙りなさい!」
曜
「あはは…」
ウォズ
「果たして本当にこれで見つかるのだろうか…」
ウォズは不安でいっぱいだった。
千歌
「よーし、頑張るぞー!」
ルビィ
「頑張ルビィ!」
果南
「でも、そんな簡単に見つかるかな?まだこの街に居るとも限らないわけだし…」
千歌
「でもやってみるしかないよ!」
彼女たちは駅へと向かう。
ルビィ
「人が多い所なら居ると思ったけど…」
千歌
「案外いないもんだね」
千歌の声は二人に届かない。何故なら、突然強風が吹き、声をかき消されたからだ。
果南
「何あれ!?竜巻!?」
緑色の竜巻が起こると、渦の中心を通って何かが降りてくる。
ルビィ
「もしかして!アナザーライダー!?」
アナザー???
「ハァァ…」
千歌
「ど、ド、ドウブ…」
果南
「ダブルね」
果南はアナザーライダーの胸元に刻まれた英語を読み取る。
千歌
「なんで分かるの~!」
ルビィ
「それはあとで!果南さんは桜夜さんに連絡を!」
果南
「オッケー!」
千歌
「行くよ!」
千歌は右手を天に突き出し、ルビィも右手を構えると、二人の右手にはゼクターが収まる。
千歌・ルビィ
「変身!」
【Change Stag Beetle】
【Henshin Change Punch Hopper】
ガタック
「ここで倒す!」
二人のマスクドライダーはアナザーライダーへの攻撃を始めた。
桜夜
「ああ、分かった。ウォズにも伝えておく」
桜夜は携帯電話をポケットへしまう。
梨子
「どうしたんですか?」
桜夜
「アナザーライダーが千歌たちのところに出たみたいだ。特徴を聞く限り、仮面ライダーダブルのアナザーライダーだ」
善子
「そいつはどんな奴なのよ」
桜夜
「二人で一人の仮面ライダーだ。話はこの辺にして行くぞ」
4人は駅の方へ向かおうとする。しかし。
???
「行かせねぇーぞ」
突然誰かに呼び止められる。
桜夜
「お前は…!」
パンチホッパー
「えい!おりゃ!」
ガタック
「ダメだ、全然効いてない!」
かれこれ二人は10分近く戦っていた。しかし、一向に勝ち負けは決まらないし、増援が来るわけでもない。
Aダブル
「まだまだですね」
パンチホッパー
「ハァ…ハァ…もう、無理…」
パンチホッパーがその場に膝をついて倒れると、そのまま変身が解除される。
ガタック
「ルビィちゃん!」
果南が倒れたルビィを抱える。
ルビィ
「ごめんなさい、ルビィ…」
果南
「良く考えたら、ルビィはこれが初めての変身だもんね」
Aダブル
「やっぱり、ルビィは駄目なのね」
アナザーダブルは黒い左手をポキポキと鳴らす。
ガタック
「うるさい!あなたがルビィちゃんの何を知ってるの!ていうかなんでスクールアイドルを襲うの!」
Aダブル
「こうするればわかりますかね?」
アナザーダブルは変身を解除する。
ルビィ
「嘘…」
桜夜
「お前は…こないだの!」
彼らを呼びとめたのは、学園都市で白い魔法使いに変身した男だった。
善子
「知ってるの?」
桜夜
「前居た世界でアナザーライダーを生み出してた奴だ」
鞠莉
「じゃあ、果南やダイヤもコイツに…」
男はパチンッ、と指を鳴らす。
謎の男
「大正解。まあ、あの二人はお前らのお友達だったから、あんま期待してなかったけどさ。今回は違うよ?」
梨子
「それが、アナザーダブル…」
謎の男
「とりま、お前らに邪魔されちゃ困るんだよね」
男は赤いバックルを取り出し、腰に装着する。
善子
「また新しいドライバー!?」
そして、彼はもう一つデバイスを取り出すと、起動する。
【エターナル!】
エターナルメモリを赤いドライバー、ロストドライバーに装填する。
桜夜
「嘘だろ…」
謎の男
「変身」
【エターナル!】
彼の周りに純白のボディが纏わりつくように形成され、腕には青い炎のグラデーションが入り、エターナルマントと呼ばれる黒いマントが装着される。
その名を仮面ライダーエターナル。
エターナル
「さあ、地獄を楽しみな!」
善子
「下がってなさい、二人とも。行くわよ、桜夜」
【メテオ Ready?】
桜夜
「ああ!」
【ジオウ!】
桜夜・善子
「変身!」
【仮面ライダージオウ!】
ジオウのジカンギレードとエターナルのエターナルエッジがぶつかり合う。
エターナル
「お前らに、アイツらの邪魔はさせない!」
メテオ
「アイツらって、どういうことよ!アナザーライダーは一人のはずよ!」
ジオウ
「いや、ダブルは二人で一人の仮面ライダー、それはアナザーダブルも同じだ」
エターナル
「今頃、そっちの連中は、驚いて、るだろうなっ!」
剣と剣のせめぎ合いはエターナルが勝利し、ジオウを押し返す。
ジオウ
「クソっ、やっぱり強い…!」
鞠莉
「驚くって?Aquorsのメンバーはアナザーライダーじゃないわよ?」
梨子
「それでも驚くってことは…」
メテオ
「まさか…!」
エターナル
「そう、そのまさかだよ」
聖良
「お久ぶりですね、千歌さん」
果南
「SaintSnow…どうして!?」
ガタック
「どうして、一つの体から二人も…」
聖良
「あの人が私たちに力をくれるのです」
理亜
「二人で一人になる力をね」
ルビィ
「どうして…理亜ちゃん!」
ルビィは鹿角理亜に向かって叫ぶ。
理亜
「うるさい!これは私が選んだ道なの!ルビィは黙ってて!」
お互いの思いをぶつけ合う彼女たち。しかし、そこにある違和感を感じる。
ガタック
「あれ?」
果南
「ねえ、ルビィ。いつからそんなにあの子と仲良くなったの?」
そう、今まで二人はまともに話したこともない。ちゃん付けで呼べるような仲でもない。
聖良
「では、どうして…」
理亜
「あんなに楽しかったときの、記憶が…っ!」
理亜は手をこめかみに当てる。頭が痛むのだろうか。
ウォズ
「歴史が無理矢理書き換えられた影響だね」
果南
「ウォズ!」
ダイヤ
「私たちもいますわ」
曜
「桜夜さんから電話があったけど…」
花丸
「すごいことになってるずら」
ガタック
「それよりも、歴史が書き換えられたって…」
ウォズは逢魔降臨暦を見ながら説明を始める。
ウォズ
「AqoursとSaintSnowはそう遠くない未来、友好な関係を築くはずだった。しかし、この世界にライダーの力が流れ込み、歴史は変わってしまった。その結果、本来、未来で起きることの一部が君達の記憶に現れてしまったようだね」
理亜
「そういうことなのね…」
ダイヤ
「でしたら、その歴史を戻すためにも!」
どこかからか跳んできたホッパーゼクターがダイヤの左手に収まる。
ダイヤ
「変身!」
【Henshin Change Kick Hopper】
聖良
「でしたらこちらも。行きますよ、理亜」
理亜
「ええ、姉様」
【ダブル…】
SaintSnowの二人は旋風に包まれ、右半身はターコイズ、左半身はブラックの怪物へと姿を変える。
Aダブル
「「かかって来なさい!」」
ガタック・キックホッパー
「クロックアップ!」
【【Clock Up】】
ガタックとキックホッパーの二人は別の時間軸へと移動し、常人ではついていけない速度で攻撃を始める。
曜
「出た!クロックアップ!これならいける!」
ウォズ
「いや、そうじゃない」
Aダブル
「フフフ…」
アナザーダブルは攻撃を受けているにも関わらず、体制すら崩さない。
【【Clock Over】】
そして、別の時間軸からガタックたちが帰ってくる。
ガタック
「ハァ…やっぱり駄目だ」
キックホッパー
「クロックアップしても通用しないとは…」
花丸
「どういうことずら?」
ウォズ
「アナザーライダーに通用するのは同じライダーの力のみ。アナザーダブルと対等に戦うには、仮面ライダーダブルか、その仲間のライダーの力が必要だ」
ルビィ
「じゃあ、ルビィたちや善子ちゃんじゃ…」
Aダブル
「私たちには勝てないということです」
「あっはっは!」
アナザーダブルは満身のあまり、高笑いをする。
果南
「こんなときに桜夜はどこに居るの!」
ウォズ
「彼らが来るまで、時間を稼ぐしかない」
【ウォズ!アクション!】
ウォズ
「変身」
【仮面ライダーウォズ!ウォズ!】
ウォズ
「行くぞ!」
まだまだ戦いは終わらない。
メテオ
「あの二人がアナザーダブル!?」
メテオはエターナルに攻撃を仕掛けるが、あまり効いた様子はない。
ジオウ
「ダブルの力さえあればこんな奴…」
【ユニコーン!】
エターナルはメモリを起動すると、ドライバーの横にあるスロットへ装填する。
【ユニコーンマキシマムブレイク!】
エターナルの拳にドリル状のエネルギーが纏われる。
エターナル
「これで終わりだ!」
強烈な拳がジオウとメテオに炸裂し、二人の変身が解除される。
善子
「つ、強い…」
エターナル
「ここでお前らには消えてもらう」
エターナルはエターナルエッジの切っ先を彼らに向ける。
鞠莉
(どうすればいいの…このままじゃ…)
鞠莉は打開策を考えるが、何も思い浮かばない。何かが思考を遮ったからだ。
梨子
「そうはさせません」
それは梨子の声だった。
彼女は倒れた桜夜達の前に、盾になるように立つ。
エターナル
「ほう…」
桜夜
「かはっ…梨子、やめ、ろ…」
梨子
「あなたが何を目的として、こんなことをしているかは分かりません。もしかしたらあなたの方が正しいことをしているのかもしれません」
彼女はエターナルを指差しながら淡々と話しかける。
梨子
「でも、私の友達をいじめるような人は、絶対に許しません!」
腹から声が出たというべきだろうか。とにかく彼女の声には力がこもっていた。
そして、その声に応えるかのように、彼女の制服のポケットが光り出す。
エターナル
「これは一体…」
梨子
「なるほど、そういうことね。分かった」
彼女はポケットから一つのバックルを取り出し、装着する。
鞠莉
「Oh…ビックリデース!」
そして、真っ赤なメモリを起動し、ドライバーに装填する。
【アクセル!】
エターナル
「おいおいマジかよ…」
善子
「リリー、アンタ…」
梨子
「変っ……身っ!」
彼女はバイクのハンドルを模したドライバーのスロットルを力強く捻る。
【アクセル!】
梨子は仮面ライダーアクセルへの変身を遂げる。
アクセル
「さあ、振り切るよ!」
次回予告
ダイヤ
「今まで、ありがとうございました」
千歌
「そっか、お別れか…」
ウォズ
「ギンガウォッチも消えてしまったんだ」
ジオウ
「さあ、お前の罪を数えろ!」
次回 Aの誕生/加速するココロ
これで決まりだ!
- Re: 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い ( No.11 )
- 日時: 2020/02/23 17:07
- 名前: シュンP (ID: IJ2q7Vk/)
第11話 Aの誕生/加速するココロ
アクセル
「さあ、振り切るよ!」
アクセルは走りだす。
エターナル
「速い!」
エターナルは攻撃を防ぐべく、エターナルエッジを振り回す。
アクセル
「残念だったね。そんなの、止まって見えるよ」
善子
「強い!リリーが強い!」
エターナル
「こうなったら!」
【アクセルマキシマムドライブ!】
エターナルもアクセルメモリを起動し、腰のスロットに装填する。
エターナル
「じゃあな!」
彼はアクセルが追えない速度でどこかへ逃げて行った。
アクセル
「逃げられちゃった…」
梨子は変身を解除すると、一つため息をつく。
鞠莉
「どうして、あのBoyが梨子と同じものを?」
桜夜
「あれはT2メモリと言ってな。まあ、ガイアメモリの改良版みたいなもんだ」
善子
「それじゃあ追いつけないのも納得ね。にしても、まさかリリーまで変身するとは思わなかったわ」
梨子
「でも、逃がしちゃったし…」
桜夜
「いや、今の目的はアイツを倒すことじゃない。アナザーライダーを倒しに行こう。梨子の力が必要だ」
四人はアナザーライダーがいる駅を目指し、走り出した。
【フィニッシュタイム!爆裂DEランス!】
ジカンデスピアの先端に緑色のエネルギーが溜まっていく。
ウォズ
「ハァッ!」
アナザーダブルの体をジカンデスピアが貫く。しかし、アナザーダブルは倒れない。
ウォズ
「もはや時間稼ぎにもならないか…」
万事休すかと思われた。しかし、まだ救いはあった。
桜夜
「ウォズ!みんな!」
桜夜たちが駅に到着したのだ。
善子
「あれが、アナザーダブルね」
桜夜
「行くか」
【ジクウドライバー】
ダイヤ
「少しお待ちを」
変身しようとする桜夜を、ダイヤは制止する。彼女が懐から取り出したのは、ライドウォッチだった。
ダイヤ
「これを使ってください」
桜夜はウォッチを受け取る。
桜夜
「どうしてこれを?」
ダイヤ
「私がアナザーカブトになる前、家で見つけた物です。渡そうと思っていたのですが、完全にタイミングを失いまして」
桜夜
「そっか、ありがとう。じゃあ、行こうか、梨子」
梨子
「はい!」
【ジオウ!】
【アクセル!】
千歌
「え?梨子ちゃん?」
桜夜は、ダイヤから受け取ったウォッチを起動する。
【ダブル!】
梨子
「変っ……」
桜夜
「変身!」
梨子
「身!」
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!】
【アクセル!】
【アーマータイム!サイクロン!ジョーカー!ダブル!】
Aダブル
「まさかあれが…」
「オリジナル!?」
ウォズ
「祝え!全ライダーの力を取り返し、世界を超え、真実を取り戻す正義のヒーロー。その名も仮面ライダージオウダブルアーマー。二人で一人の仮面ライダーの力を取り戻した瞬間である」
ジオウは左手の人差し指で相手を指差しながらあの言葉を投げかける。
ジオウ
「さあ、お前の罪を数えろ!」
アクセル
「さあ、振り切るよ!」
曜
「梨子ちゃーん、どうして変身できるの~?」
アクセル
「私に聞かないで!」
アクセルはメインウェポンとなるエンジンブレードを取り出すと、アナザーダブルに斬りかかる。
Aダブル
「強い…!」
ジオウとアクセルは入れ替わり立ち代わり、間髪入れずアナザーダブルへと攻撃を加える。
ダイヤ
「凄い!アナザーライダーに攻撃が通用していますわ!」
果南
「このままやっちゃえ!」
ジオウ
「行くぞ梨子!」
【フィニッシュタイム!】
【アクセルマキシマムドライブ!】
ジオウは竜巻を纏い上昇し、肩に装着されているメモリドロイドが変形し、両足に再装着される。そして、アクセルはアナザーダブルめがけ前方へ跳ぶ。
【マキシマムタイムブレーク!】
ジオウ
「オリャー!」
アクセル
「ハァァァ!」
二人は、同時にアナザーダブルへキックを喰らわす。
Aダブル
「うわぁぁぁー!」
パリンッ
アナザーダブルの変身が解除されると同時に、二人の体内から排出されたアナザーウォッチが砕け散る。
善子
「勝った…」
ジオウ
「メモリブレイク、完了…」
アナザーダブルとの戦いは終わった。
聖良
「すいません…私としたことが、力に目が眩み…」
理亜
「その、ごめん」
地面に膝をついた二人は反省の弁を述べていた。
ルビィ
「大丈夫だよ」
千歌
「そうだよ。聖良さんたちは悪くないですよ」
Aqoursの少女はSaintSnowに手を差し伸べる。
聖良
「ありがとうございます…」
その後、二人は函館へと帰って行った。そして、別れの時が来る。
ルビィ
「あっ!バッタさん!」
ダイヤとルビィのホッパーゼクターが二人の前に立ち、そのままどこかへ跳び去って行く。
ダイヤ
「今まで、ありがとうございました」
千歌
「そっか、お別れか…」
千歌の掌に居たガタックゼクターも飛び去って行く。
花丸
「ライダーの力が消えてるずら」
ウォズ
「この世界からライダーの力を持つものが私たちだけになったからだね」
善子
「ようやく、元の歴史が戻ってくるって訳ね」
善子の腰に装着されていたメテオドライバーとメテオスイッチも粒子となって消えていく。
梨子
「今まで、本当にありがとうございました」
梨子のアクセルドライバーとメモリも消えていく。
鞠莉
「うーん、名残惜しいデース」
曜
「もう行っちゃうんですか?」
桜夜
「ああ。まだ歴史を戻さなきゃいけない世界はたくさんあるはずだ」
果南
「もう少しくらい、居てもいいのに…」
桜夜
「ごめんな」
彼は夕日を指差す。
桜夜
「おばあちゃんが言っていた。どんなに離れていても心は繋がっている」
善子
「どういうことよ」
桜夜
「俺とお前らは、友達ってことだ」
タイムマジーンが飛んでくる。到着すると、ハッチが開く。
ウォズ
「では、君たちがラブライブで優勝できることを祈るよ」
桜夜
「頑張れよ」
千歌
「桜夜君もね」
それが最後の言葉となる。二人はタイムマジーンに乗り込む。
ウォズ
「時空転移システム、起動」
【タイムマジーン!】
タイムマジーンは時間の裂け目を開き、時空を跳躍する。
曜
「行っちゃったね」
梨子
「でも、なんだか楽しかったね」
花丸
「でも、これも全部忘れちゃうずら…」
果南
「でもさ、桜夜たちがいなかったら、私達、ラブライブどころじゃなかったんだよね」
ダイヤ
「二人に感謝しなければいけませんね」
Aqours
「桜夜!ウォズ!ありがとうございました!」
こうして、ラブライブ!サンシャイン!の世界での旅を終えた。
桜夜
「なあ、ウォズ」
ウォズ
「どうしたんだい?」
桜夜
「どうして俺達が来るまでの間、ギンガウォッチを使わなかったんだ。アレを使えば、もっと早い段階でアナザーダブルを倒せたはずだ」
ウォズ
「ああ、それについてはだね。実は、平成ライダーのウォッチが消えたと同時に、私のギンガウォッチも消えてしまってね」
桜夜
「なるほどな。じゃあ、それも取り戻さないとな」
ウォズ
「すまない…」
また一つ、目標が増えた。
まだまだ彼らの物語は、終わらない。
次回予告
桜夜
「アイツは銀の魔女!」
ウォズ
「時間遡行者、暁美ほむら…」
さやか
「なんで恭介の事を知ってんのさ」
イクサ
「その命、神に返しなさい……!」
次回 独走♪魔女と聖職者
ウェイクアップ! 運命の鎖を解き放て!!
- Re: 仮面ライダージオウ 世界を超えた戦い ( No.12 )
- 日時: 2020/09/24 12:28
- 名前: シュンP (ID: jD0xijff)
第12話 独走♪魔女と聖職者
ウォズ
「この本によれば、普通の大学生、新成桜夜、彼は仮面ライダージオウの力を一時的に継承していた。彼は学園都市、浦の星女学院を舞台とし闘い、5つのライドウォッチを取り戻した。そして、新たに向かう世界では、魔法少女たちとの出会いが…。おっと、少し先まで読みすぎました…」
【タイムマジーン!】
時を超えるマシン、タイムマジーンが新たな世界に着陸する。
プシュー、という音と共に開いたハッチから桜夜とウォズが出てくる。
桜夜
「また世界を越えたのか。ようやく慣れてきたよ」
ウォズ
「ここがなんの世界かわかるかい?」
ウォズに言われ、桜夜は辺りを見回す。
桜夜
「いや、街並みだけじゃわかんないや。誰か登場人物に会うしかないよ」
新しく訪れた世界の時間帯は夜だった。時計の長針は11時を指している。
ウォズ
「こんな時間に、人が出歩いているとは思えないがね…」
謎の男
「さあて、誰と契約するかなー」
これまでの世界で、歴史を変えるためにアナザーライダーを生みだしていた男。桜夜たちが到着した世界で新たなる契約者を探していた。
謎の男
「ここにしよっかなぁ」
彼は近くにあった大きな病院に入る。警備は当然ながら突破するが、気付く者はいない。
謎の男
「アイツに決ーめた」
謎の男は病室へと入って行った…
桜夜はある違和感に気付いていた。周りにあった物が変化しているのだった。街灯に始まり、道路標識、信号、ありとあらゆる物が奇妙なデザインに塗り替えられていく。
ウォズ
「一体どうなっているんだ」
ウォズも桜夜と同じく異変に気付く。
桜夜
「ああ、意味が分からない…」
今度は、騒音が聞こえてくる。そして、彼らがたどりついたのは、夜の首都高の様な場所だった。
桜夜
「どこだここ?」
ウォズ
「少なくとも、普通じゃないことは確かだ」
ビュンッ!
突如風切り音がした。刹那、桜夜が吹き飛ばされる。
桜夜
「痛っ!どうなってんだ!」
ウォズ
「何かがいるのか?」
彼の問いはすぐに答えが出た。
彼らの目の前に、巨大な怪物が現れたからだ。
全身を金属の錆で覆われ、頭部と思われる部分には自転車やバイクなどにあるハンドルの様なものが取り付けられている。
ウォズ
「なんだアレは!?」
桜夜
「思い出したぞ!アイツは銀の魔女!つまり、この世界はまどマギの世界だ!」
桜夜が叫ぶと同時に、ウォズの逢魔降臨暦が光出す。
ウォズ
「『魔法少女まどか☆マギカ』。呪いから生まれた魔女たちを魔法少女たちが倒していくストーリー、だね」
ウォズは逢魔降臨暦を読み上げる。
ウォズ
「で、ヤツをどうするつもりだい?」
桜夜
「とりあえず、倒すしかないだろ!」
【ジクウドライバー!】【ジオウ!】
ウォズ
「君らしい答えだ」
【ビヨンドライバー!】【ウォズ!】
桜夜の背後には半透明の大きな時計が、ウォズの背後には逢魔降臨暦が映し出された画面が現れる。
桜夜・ウォズ
「変身」
【ライダータイム!仮面ライダージオウ!】
【投影!フューチャータイム!スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!】
二人の顔にライダーの文字が刻まれ、変身を完了する。
ジオウ
「にしてもデカいな…」
【ジカンギレード!ジュウ!】
【ジカンデスピア!ヤリスギ!】
ジオウ
「喰らえ!」
ジオウはジカンギレードジュウモードで連続して攻撃し、ウォズはジカンデスピアで攻撃を加える。
銀の魔女
「・・・」
ウォズ
「ダメだね。全然効いてない」
ジオウ
「アナザーライダーじゃないから、ウォッチを使うのも無駄か…」
意気消沈、二人は打開策を見つけることができない。だがしかし、そこで救いの声が。
???
「下がってなさい」
女の声がした、と二人は思った。
そして次の瞬間、爆発が起こり魔女は倒されていた。残っていたのは、魔女が落としたグリーフシードと、声の主だけだ。
???
「あなたたち、一体何者?」
左手に盾を装着し、右手には手榴弾のピンを持った少女が、二人を冷たい視線で捉える。
ジオウ
「お前は…」
ウォズ
「時間遡行者、暁美ほむら…」
魔法少女との出会いが、物語を動かす。
ほむら
「仮面ライダーにアナザーライダー、歴史改変。とても信じがたいけど」
あの後、3人はほむらの住むマンションの一室に行った。
桜夜
「別に信じなくてもいいけどさ、そうしないと、まどかと仲良く暮らす未来はないよ?」
桜夜は、悪役のような不敵な笑みを浮かべる。
ほむら
「どういうことかしら?」
ウォズ
「ライダーの力がある以上、この世界はライダーありきの世界に書き換えられてしまう。そうすれば、君が望む未来も訪れないし、場合によっては君が過去に戻ることすらできなくなるかもしれない」
桜夜
「どうする?」
彼はほむらに向けて右手を差し伸べる。
ほむら
「分かったわ」
彼女はその手を握る。
ほむら
「協力するわ。だけど、あの子には絶対関わらないで」
桜夜
「分かってるさ。こっちだって、歴史を変えるようなことはしたくない」
翌日。
早乙女
「今日は皆さんに大切なお話があります」
ほむらの担任である早乙女和子がいつにもなく真剣に話し始めた。
早乙女
「怪我で入院していた上条君が行方不明になりました。何か知っている人がいたら教えてください」
こうして朝のホームルームを終えたが、ほむらはどうしても気になることがあった。
ほむら
(上条恭介は交通事故で手足を負傷している。そんな状態で病院から出られるかしら?)
彼女は疑念を抱いたまま席を立つと、少し離れた位置にある別の席へと向かう。
ほむら
「少しいいかしら?」
それは、彼女が魔法少女となるきっかけとなった人物、鹿目まどか、そしてその親友である美樹さやかに忠告をするためだ。
さやか
「何?」
さやかがほむらを睨みつける。さやかは、これまで幾度となく繰り返してきたどの時間軸でもほむらのことをあまりよく思っていない。
まどか
「さやかちゃん、さすがにそれは…」
さやか
「気を付けなさい。巴マミと一緒に居ると、命を失うわよ」
さやか
「やっぱアンタもグリーフシードを取られたくないんだ。そんなに大事なのアレ?」
グリーフシード。魔女の卵で、魔法少女が持つソウルジェムに近づけると穢れを取り除いてくれるものだ。
ほむら
「そうじゃないわ。そう遠くない内、魔法少女じゃ太刀打ちできない敵が現れるはずよ」
まどか
「それって、マミさんでも…?」
ほむら
「ええ、そうよ」
ほむらは彼女たちの元から離れる。
さやか
「なんなのよアイツ」
まどか
「魔法少女が倒せない敵…」
放課後になった。
ほむら
「待たせたわね」
ほむらは校門の外で待っていた桜夜とウォズと合流する。
桜夜
「こっちは特に有用な情報はない。魔女にすら合わなかったぞ」
ほむら
「こっちはひとつだけ」
ウォズ
「なんだい?」
ほむら
「上条恭介が、行方不明になったわ」
桜夜はえっ、という驚きの声を上げ、ウォズは逢魔降臨暦を開く。
ウォズ
「上条恭介。将来有望なヴァイオリン奏者だったが、交通事故で手足を負傷しヴァイオリンが引けなくなった少年。そして…」
ウォズの逢魔降臨暦を読み上げる声が頭注で遮られる。
さやか
「なんで恭介の事を知ってんのさ」
まどか、そしてもう1人緑色の髪をした少女を引き連れたさやかが口を挟んできたからだ。
仁美
「さやかさん、落ち着いてください!そんな見ず知らずの方に…」
緑色の髪の少女、志筑仁美がさやかを制止する。
桜夜
「ま、まあ落ち着けさやか」
さやか
「なんでアンタ、あたしのことまで知ってんのさ!転校生と一緒に居るってことは、アンタらそいつの仲間?まさか恭介が行方不明なのもアンタらの仕業じゃ…」
まどか
「落ち着いて、さやかちゃん」
まどかにも制止され、ようやくさやかは落ち着く。
ほむら
「この人たちはただの家庭教師よ」
桜夜
「そーそ、ただの家庭教師だ」
仁美
「暁美さんの家庭教師様でしたか。失礼いたしました。あ、今日は日本舞踊の稽古がありますので、お先に失礼します」
仁美は1人そそくさと帰って行った。
まどか
「ごめんねほむらちゃん。じゃあ、私達も行くね」
2人は家路に着こうとする。しかし、そう甘くはなかった。これも運命だろか、と桜夜は思った。
Aキバ
「ハァァ…」
ウォズ
「現れたか…アナザーキバ…」
ほむら
「あれがあなたたちの言っていた敵ね?」
桜夜
「その通りだ」
Aキバ
「ハッ!」
アナザーキバが爪を伸ばすと、そのまま近くに居た見滝原中学の生徒に突き刺す。
すると、その生徒の体がステンドグラス上になると、そのまま砕け散る。辺りからは悲鳴の声が上がる。
Aキバ
「ククク…いい気味だ!」
桜夜
「お前、どういうつもりだ。てか誰だ」
Aキバ
「言う訳ないだろう?」
怪物の声は、男の声にも、そして女の声にも聞こえる。
ウォズ
「どうする?ここで変身すれば相当目立つが」
桜夜
「やめておこう。ここにはまどかがいる」
桜夜の目線の先には驚きのせいか地面に座り込んだ少女たちがいた。
桜夜
「ここでアイツを巻き込むと厄介なことになるかもしれない」
Aキバ
「まさか君たちがあの人の言ってた敵ってやつかな?」
ウォズ
「あの人…やはり今回もあの男が関わってくるのか」
桜夜
「敵だと言ったら?」
Aキバ
「ここで潰す!」
アナザーキバが桜夜に飛び掛かる。彼は攻撃を腕でガードする。
桜夜
「メッチャ痛え…素面の戦いは初めてなんだよ!」
Aキバ
「知ったことか!」
アナザーキバは再び爪を伸ばす。それをを防ぐために桜夜は構えた。しかし、爪は彼の横を素通りしていく。
桜夜
「へ?」
間抜けな声が出た。そのまま爪は伸びていく。
ウォズ
「マズイぞ!」
まどか
「嫌ぁ…」
そう、狙ったのは桜夜ではない。
桜夜
「まどかとさやかか!」
ほむら
「危ないっ!」
ほむらは走り出すが、どうあがいても届くような距離ではない。このままではまどかとさやかの命はない。
ガキンッ!
鈍い音がした。怪物の魔の手は少女たちには届かなかった。
???
「あなたが例の怪物ですか?」
なぜなら、白き聖職者がそこに居たからだ。
イクサ
「その命、神に返しなさい……!」
桜夜
「仮面ライダーイクサ!」
ウォズ
「すでにこの世界ではライダーが誕生していたのか!」
Aキバ
「誰だか知らないけど、邪魔をするなら潰すまでだ」
イクサは爪を断ち切ったイクサカリバーを構え、アナザーキバはガルルセイバーと呼ばれる剣を手元に呼び寄せる。
イクサ
「行きます!」
互いの剣がぶつかり合う。
ほむら
「早く逃げるわよ!」
ほむらはまどかたちの手をひっぱりながら戦場を離れていく。
ほむら
「後は任せたわよ!」
桜夜
「了解」
ウォズ
「しかしあのライダー、一体誰が変身しているんだろうか」
キンッ!!
剣と剣がぶつかり合う。
イクサ
「っ!強い…!」
Aキバ
「どうやら、君、あんまり強くないみたいだね」
イクサ
「何を!」
Aキバ
「どちらかと言うと、戦いなれてないというべきか、な!」
アナザーキバがガルルセイバーを大きく振ると、その刀身がイクサに直撃、イクサは吹き飛ばされる。
イクサ
「うっ…」
大きなダメージを受けたからか、イクサの変身が解除される。
戦士に変身していたのは、緑色の髪の少女だった。
桜夜
「お前は!」
ウォズ
「志筑仁美…」
仁美
「あの方、とても強いですわ…」
桜夜は仁美の元へ駆け寄る。
桜夜
「おい!大丈夫か、しっかりしろ!どうしてお前が戦ってる!」
仁美
「早く、逃げてください…私が、あの怪物を倒さなくては、なりません…」
彼女は再びイクサベルトを腰に巻こうとする。
桜夜
「お前にはもう、戦わせられない」
桜夜は彼女のベルトと、変身に使うイクサナックルを取り上げる。
そして、ベルトを装着する。
仁美
「何を…?」
桜夜
「ウォズ、仁美を守ってて」
ウォズ
「了解した」
Aキバ
「今度はお前か」
桜夜はイクサナックルを左手の掌へ押し付ける。
【レ・ディ・ー】
電子音が鳴る。
桜夜
「変身」
【フィ・ス・ト・オ・ン】
彼の前にイクサのボディが現れると、彼の体に重なるようにスライドする。
イクサ
「なかなか良い着心地だ…。快・感」
ウォズ
「桜夜君が、別のライダーに…」
桜夜は仮面ライダーイクサセーブモードへの変身に完了する。
Aキバ
「君もそうやって力を手に入れるのか」
イクサ
「そのとおーりだ。ただ、お前を倒すために使うけどな!」
イクサはアナザーキバへと飛び掛かる。
Aキバ
「フンッ!」
アナザーキバはガルルセイバーを振りかざし、イクサを斬りつける。その衝撃でイクサは反対方向に吹っ飛ばされる。
イクサ
「痛タタタ…」
イクサはコンクリートの壁に叩きつけられる。
イクサ
「まずはその厄介な武器をなんとかしないとなぁ」
Aキバ
「どうするつもりだ?」
イクサ
「こうすんだよ!」
イクサは腰にあるスロットから一本の電子キー『フエッスル』を取り出す。そのフエッスルには、青い狼の意匠が見られる。
そして、それをイクサベルトのフエッスルリーダーに読み込ませる。
【ガ・ル・ル・フェ・イ・ク】
Aキバ
「何!?」
すると突然、ガルルセイバーがアナザーキバのから離れ、イクサの手に納まる。
イクサ
「いただき!」
奪った剣でイクサはアナザーキバを何度も斬りつける。
Aキバ
「ヴゥッ!アァ…!」
イクサは苦しむアナザーキバへの追撃を止めなかった。
ウォズ
「凄いな…」
仁美
「どうして使いこなせるのでしょうか…」
離れたいたウォズ達は桜夜を見守る。
イクサ
「オラァ!」
イクサはガルルセイバーを大きく振りかぶる。しかし、それが仇となった。
Aキバ
「今だ!」
アナザーキバがその隙に高く飛びあがったのだ。
イクサ
「はぁ!?」
そのまま飛び去って行くアナザーキバと、それを唖然として見るイクサ。
桜夜
「あーあ、逃げられちゃった」
変身を解除した桜夜は、一人呟く。
ウォズ
「大丈夫かい?」
桜夜
「ああ、大丈夫。そんなことより」
ウォズの気遣いを軽く返した桜夜は、仁美の方を見る。
桜夜
「お前に聞きたいことがある」
次回予告
桜夜
「ようやく御出ましか。悪魔」
ウォズ
「問題。君達の王に私の攻撃は通用する。○か×か」
???
「ティロ・フィナーレ!」
ジオウ
「キバって行くぜ!!」
次回 だけど俺は、お前を助ける
ウェイクアップ!運命の鎖を解き放て!