二次創作小説(新・総合)

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逃走中~狙撃者と逃走者たち~【完結!】
日時: 2020/03/08 11:57
名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)

モンブラン博士版逃走中の最新作!
嘗てミスターXとの最終決戦が行われたデパートではじまる新たなる逃走中。
本物の狙撃手を相手に逃走者達が逃げまくる!
1人、また1人と狙い撃ちされ牢獄送りになる逃走者達……
見えないハンター、どこから飛んでくるかわからない弾丸、命中すれば即牢獄行きで賞金は0となる圧倒的な恐怖と絶望感に打ち勝ち、逃走成功するのは誰だ!?

逃走者一覧


犬山まな(ゲゲゲの鬼太郎 6期)
ねこ娘
魔女アニエス
桜内梨子(ラブライブ! サンシャイン!)
国木田花丸
中須かすみ(虹ヶ咲スクールアイドル同好会)
優木せつ菜
花寺のどか(ヒーリングっどプリキュア)
平光ひなた
美樹原愛(ときめきメモリアル)
クロノスエボル(作者)
エイジア(作者)
新田(作者)
ウィオ(作者)

ハンター役 冥府神サイクロプス(魔法戦隊マジレンジャー)

応募用紙>>1

Re: 逃走中~狙撃者と逃走者たち~ ( No.17 )
日時: 2020/03/05 13:26
名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)

新田さんへ
怒らないのですね。ひなたは何をしでかすか全くわからないところがありますから新田さんの心配も当然ですね。感想ありがとうございます!

Re: 逃走中~狙撃者と逃走者たち~ ( No.18 )
日時: 2020/03/05 21:11
名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)

かすみ「ここのパンも中々ですね。かすみんには及びませんけど」

中須かすみは食料売り場のパンコーナーで置いてあるパンを頬張っていた。
エリア内の飲食物はどれだけ食べても無料ということになっている。
美味しそうにパンに舌鼓を打っていると、何やら遠くで騒がしい音が聞こえてくる。
その騒音に不快感を覚えたかすみは頬を膨らませた。

かすみ「これではせっかくのかすみんの可愛い食事シーンが台無しですよ!」

遠くを指差し注意をする。そんなことをしても何の効果も無いのだが、やらずにはいられないのだ。彼女は自分こそが逃走成功に相応しい存在だと思っていた。逃走成功できるのは自分以外にあり得ないとも。腰に手を当て、鼻を鳴らす。

かすみ「せいぜいハンターの恐怖におびえてください。ライバルが消えれば、その分かすみんの立ち回りが有利になりますから」

ところが土煙を上げて逃走者が彼女の方へ向かってくる。
黒いコートに灰色のズボン姿で帽子をかぶった少年だ。

新田「そこのあなた、どいてくださいっ」
かすみ「!?」

かすみは波打った口になって動揺するも、どうすることもできず少年と正面衝突。ふたりは転がり続け、少年がマウントポジションを取ったところで急停止。

かすみ「邪魔ですよ。どいてください! まさか、かすみんに気があるんですか」
新田「何を言っているんです。誰があなたなんかと」
かすみ「だったら早くどいてくださいよぉ、この変態男子っ!」

急所に一撃を食らい悶絶した隙にかすみは男から逃れると、腰に手をあて威張る。

かすみ「かすみんを甘くみるからこうなるんです。大体、あなたは外見と口調のミスマッチが凄いです。キャラの一環かもしれませんけど、かすみんに比べたら足元にも及びません」

嘲笑され少年はむっと感じたが、怒りを抑える。これくらいのことで感情を表に出すほど彼は幼稚ではなかった。素早く背後を振り返り、安堵する。

新田「どうやらハンターの追撃は止んだようだな」
かすみ「おっ、タメ口になりましたね。キャラがブレブレですぅ」
新田「そんなのどうだっていいだろう。それより、かすみ、お前は逃げないのか」
かすみ「逃走者なんて勝手に自滅するのを待てばいいだけですから、かすみんはここで待機していればいいんですよ」
新田「待機、できればな」
かすみ「え?」
新田「伏せろ!」

少年――新田に無理やり頭を抑えられ地面に這いつばらせる。すると前方から無数の弾丸が飛んできた。位置の低い2人には命中しないが、その代わり多くのパンに風穴が空く。

かすみ「パンを台無しにするなんて、ハンターの風上にもおけませんよっ、サイクロプス!」

手足をバタバタさせるかすみだが、サイクロプスからの返事は無い。
攻撃が止まると新田と同時に立ち上がるかすみ。そして鞄からコッペパンを取り出す。

かすみ「かすみん特製のコッペパンですぅ。おひとついかがですか?」
新田「おお、サンキュー。ご馳走様」
かすみ「早食いしないでもっとゆっくり味わってください!」
新田「悪いな。そんな状況じゃないんだよ。今から俺は撃たれる弾を全部弾き落すつもりなんだが、かすみはどうする?」
かすみ「しょうがないですねえ。かすみんも特別に協力してあげますよ」

ニッと笑うと、野球のヘルメットを装備し、鞄からフランスパンを取り出し、バットのように構えた。

かすみ「全弾打ち返しますっ」
新田「そうこなくっちゃな」

ふたりは背中合わせとなり、全方向に対応すべく神経を研ぎ澄ませる。そして弾丸の音から弾の方角を見切って、新田は拳でかすみはフランスパンで、弾を落としていく。無数の薬莢が散らばる中、会って間もないインスタントコンビとは思えない連携を見せる彼らにサイクロプスは苛立ちを募らせていく。新田は花丸を撃破すれば怒りで我を忘れると踏んでいた。だが我を失うどころか正気になり、しかも反撃をしてくるとは予想外だ。意外な奮戦にサイクロプスは吠える。

サイクロプス「こんのおおおおおおおお!!」

だが怒りがピークに達した瞬間、彼は顎を撫でで精神を落ち着かせた。無闇に弾を消費するのは止め、別の策に切り替える。新たに装填したのは白い弾丸。一発放つと、パンコーナー全体に白煙が蔓延する。

新田「ゴホゴホッ、これは」
かすみ「催涙弾ですぅ」

涙目になり、思わずフランスパンを持った手を下げる。
狙いすましたかのように撃ち込まれる赤い弾丸。
パンを貫通し、かすみの胴に命中。

かすみ「最後の足掻きです!」

細長いステックパンを槍のように鏡に目掛けて投擲する。
再び放たれる弾丸と同時にパンが鏡の中に吸い込まれていく。
スナイパーの攻撃は停止した。
だが、新田も凶弾を食らってしまった。

新田「仲良く消滅……ってか」
かすみ「かすみんと共闘できただけでも感謝するです」
新田「へっ、そういうことにしといてやるか。ありがとよ、かすみ。そして平光ひなた、俺はお前だけが心配でならない。苦手な奴だが、頼むから皆を困らせないでくれよ……」

中須かすみ 脱落
新田 脱落

サイクロプスは銃口に挟まったパンを苦戦しつつも引き抜き、呟いた。

サイクロプス「奴らを始末するのが楽しくなってきた。中須かすみに新田よ。パンを挟まれた礼は他の逃走者を骨の髄まで絶望させることで返してやる」

残り8人

Re: 逃走中~狙撃者と逃走者たち~ ( No.19 )
日時: 2020/03/06 20:23
名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)

ひなた「はい、めぐっち!」
愛「あの……ありがとうございます」
ひなた「どういたしまして。めぐっちってコアラ好きなんだ」
愛「あの、はい、動物は大好きで……特にコアラが好きなんです。木にしがみついているところとか本当に可愛くて……」

美樹原愛は大きなコアラのぬいぐるみを優しく抱きしめる。場所はゲームセンター前、クレーンゲームのコアラのぬいぐるみをゲットしようとプレイしていた愛だったが、中々うまくいかないで困っていた。するとそこへひなたが通りかかり、ゲットしてくれたという訳である。年齢も性格も異なる両者だが動物が好きという共通点があり、意気投合。

ひなた「これからどうする?」
愛「あの、カフェに行きたいです」
ひなた「めぐっちも? あたしもちょうど喉乾いちゃってたから、行こう行こう!」

手を掲げ、元気よく歩き出すひなた。
ひなたは嬉しかった。のどかと再会できず寂しさを覚えていたところに愛という新しい友達ができたのだ。彼女は忘れていた。今回、自分がどういう目的で逃走中に来たのかということを。

ひなた「あたしの家、お姉がカフェやっているんだ。今度、ジュースご馳走してあげる!」
愛「わあ、嬉しいです」
ひなた「お姉のジュースにはグミが入っているんだけど、それ、あたしのアイディアなんだ。結構人気があるんだ」
ひなた「ところでめぐみっちはカフェで何が飲みたい?」
愛「……」
ひなた「あたしはオレンジジュースが飲みたいなあ! こういう時、甘い物を飲むと喉が潤うんだよね! それにしても、のどかっちどこ行ったんだろう? あ、のどかっちっていうのはあたしの友達で――」

前だけを見てずんずんと足を進めていく。
その時になってようやくひなは気付いた。
自分の手が軽くなっていることに。
そして、愛が急に黙り込んでいたことに。

ひなた「またやっちゃった。ごめん、めぐっち怒ってる?」

頭を掻きながら苦笑で振り返るひなた。次の瞬間、彼女の目が大きく見開かれる。
後方にいた愛の身体が粒子になりかけているのだ。

ひなた「めぐっち、どうしたの!?」

慌てて駆け寄るひなたに愛は謝罪する。

愛「あの、ごめんなさい、平光さん。ハンターに撃たれてしまいました」
ひなた「ひなたでいいよ、堅苦しい。って、ハンター!?」

驚愕しあんぐりと口を開け慌てふためく彼女に愛は優しく微笑み。

愛「ひなたちゃん、私、ひなたちゃんと友達になれて幸せだった」
ひなた「めぐっち、ちょっと待って! 消えちゃダメだよ! あたしが必ず助けるから!」

ひなたはお姫様抱っこで愛を抱え、猛ダッシュをする。愛の身体は消えかかっていることもあり、どんどん軽くなっていく。

ひなた「絶対に助けるんだ!」

どこへ行けばいいのかわからない。デパートだから人は大勢いるはず。
もしお医者さんなら彼女を救えるかもしれない。一縷の望みにかけて、全力疾走。
疲れも感じない。今はただ、友達を救う一点しか彼女の頭には無かった。

愛「あの、ひなたちゃん、ありがとう……」
ひなた「めぐっち!」

礼の言葉と共に消滅する愛。ひなたはがっくりと膝を落とした。
すると、彼女のいる場所全体に声が轟く。


サイクロプス「フハハハハハハハッ、平光ひなたとやら。友達を救えなかった己の無力さを怨み、絶望するがいいッ」

ブルブルと小刻みに身体を震わせるひなたに歓喜の笑いを上げるサイクロプス。
人間の心が壊れる様はいつ見ても楽しい。しかし、である。ひなたは立ち上がると目を吊り上げ、叫んだ。


ひなた「ハンター!! これ以上何かしたらただじゃおかないんだからねー!」
サイクロプス「何、絶望していないだと」
ひなた「アンタが何者なのかあたしにはわかんないけどさ! あんたを倒せばめぐっちが元に戻るんでしょ! だったら見つけて倒す!」
サイクロプス「フン。お前如きに俺が倒せるかな」
ひなた「めっちゃ馬鹿にしてるじゃん! 腹立つ!」

ひなたは踵を返し、走り出す。標準を合わせ銃を打とうとするハンターだったが、ひなたが視界から消えてしまった。

サイクロプス「逃したか……だが、まあいい。たかが、小娘1人では何もできまい」

瞬時に思考を切り替え、次なる標的を狙いにかかる。

サイクロプス「せいぜい俺に抗うがいい。無力な者たちよ」

美樹原愛 脱落

残り7人

Re: 逃走中~狙撃者と逃走者たち~ ( No.20 )
日時: 2020/03/08 19:20
名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)

生き残った逃走者たちはひなたの呼びかけによりドーナツ屋へ集合した。
各々が椅子に腰かけ、作戦会議がはじまる。

クロノス「これからわたくし達はどうします?」
ひなた「サイクロプスを倒せばみんなが元に戻る。だからあいつを倒すんだよ」
ウィオ「それはわかったけど、どうやってあいつを倒したらいい?」
せつ菜「みなさん、見てください!!」
ウィオ「声デカっ」
せつ菜「すみません!!」

せつ菜が皆に見せたのはスマートフォンの画面だった。そこにはサイクロプスに関する情報が載っている。アニエスは記事を読み、納得していた。

アニエス「サイクロプスは光を反射するものに入り込む魔法が使えたのね。鏡とか監視カメラとか、そう言ったところから私たちを観察して狙っていたのね」
エイジア「だから四方八方から攻撃できたのか。ネタがバレた以上はもう好き放題させねぇぜ」
アニエス「鏡の中へは私の魔法を使えば潜入できるけど、下手をすれば全滅もあり得るわよ。彼は強いから」
ひなた「だいじょーぶだって。当たって砕けろって言うじゃん!」
のどか「ひなたちゃん、砕けたらだめだよ」
ひなた「あ、そっか。えへへ」

アニエスは呪文を詠唱し、壁に大きな穴を生成する。鏡の世界へ通じる穴だ。
両手を前に突き出したアニエスは汗だくで息も荒い。

アニエス「誰が行く? 強制はしないわ」
クロノス「でしたらわたくしが参りますわ。推しキャラはいませんから、悔いもないですし」

クロノスエボルは一礼して、穴の中へと入って行った。

ひなた「そんじゃ、あたしも!」
ウィオ「俺も!」
エイジア「アニエス、ありがとな。お前の無念は俺が絶対に晴らしてやるから」
アニエス「ありがとう。エイジア」

別れ際にハグをして、エイジア、ウィオ、ひなたは穴へと飛び込んでいく。
せつ菜は戦闘力が無く、のどかは身体が弱いということもあり、待機することとなった。
皆が入ったのを確認したアニエスは目を閉じ、力尽きた。


アニエス 離脱

のどか「アニエスさん……」

涙するのどかにせつ菜は優しく肩を置き。

せつ菜「アニエスさんは自分の仕事を全うしたんです。私たちも皆さんが無事に帰ってくるのを祈りましょう!!」
のどか「はい、せつ菜さん!」



サイクロプス「俺の居場所をよくぞ発見できたものだ」

上から目線で逃走者4人と対峙するサイクロプス。
1人は黒髪に同色のパーカーに青のジーンズと革靴姿の青年、ウィオ。
1人はへそ出しの黒のインナーに白ローブを身に纏った女性、クロノスエボル
1人は長袖の黒服に濃い青色のシューズを履いた青年、エイジア。
最後は薄茶色の瞳とツインテールの髪型が特徴の平光ひなた。

ひなた「せつなっちのおかげでね」
エイジア「アニエスの借り、返させて貰うぜ!」
ウィオ「貴方は俺たちが止める!」
サイクロプス「フン……」
クロノス「皆さま、行きますわよ!」
一同「よっしゃあああああああッ」

気合を入れ、全員でサイクロプスに向かって行く。
ハンターVS逃走者の最終決戦の幕が上がる!

残り6人

Re: 逃走中~狙撃者と逃走者たち~ ( No.21 )
日時: 2020/03/08 11:56
名前: モンブラン博士 (ID: daUscfqD)

人数的には不利なのに機械の姿をした冥府神は笑っていた。彼は既に逃走者たちの弱点を発見していたのだ。

サイクロプス「飛んで火にいる夏の虫とはお前達のことだな。そちらから出向いてくれて、探す手間が省けたことは助かるものだ」
クロノス「貴方はわたくし達に負けるのですッ」

クロノスエボルが拳を見舞う。それを頬に食らいつつ、サイクロプスは言った。

サイクロプス「この逃走中でへそ透けは命取りだぞ」
サイクロプス「え……」

エボルが反応するよりも早く、冥府神はクロノスのへそに銃口を突きつけ、引き金を引く。
へそを撃たれ、クロノスの身体は消滅していく。

サイクロプス「へそは人体の急所。それを晒していることも気付かずに愚かなものだ。だが、それこそが下等生物であるお前と冥府神である俺の差だ」
クロノス「あたしの仇はきっと皆が……!」
サイクロプス「皆がどうするというのだ?」

クロノスエボル脱落

ひなた「あんたをやっつける!」

ひなたの振り回す鞄を回避し、距離を置く。そしてエイジアとウィオに狙撃。
だが放たれた銃弾は外れてしまう。

エイジア「百発百中のお前にしては珍しいな」
ウィオ「どうやら貴方の電子コンピュータは不調のようだ」
サイクロプス「どうかな?」

サイクロプスが問うた途端、エイジアとウィオは背骨に激痛を覚えた。
外したはずの消滅弾が命中していたのだ。

ウィオ「まさか!」
エイジア「弾がUターンするなんて……」
サイクロプス「直線にしか弾は放てないというお前達の思い込みを利用した。この程度の芸当は俺にかかれば朝飯前。仇を討ち損ねたな。愚かな生物共よ」
エイジア「畜生! アニエス、ごめん!」
ウィオ「守れなかった……」

ウィオ 脱落
エイジア 脱落

サイクロプス「フハハハハハハハハッ」
ひなた「勝ち誇るのはまだ早いよ。あたしが残っているんだから」
サイクロプス「小娘1人に何ができると言うのだ」
ひなた「いくよ、ニャトラン!」

ひなたの声に応じてリュックからパートナーの妖精、ニャトランが飛び出した。
ヒーリングゲージが上昇し、ひなたの姿を変化させていく。茶色の髪は金髪に、瞳は緑に、黄色を基調としたコスチュームを身に纏う。

スパークル「溶け合う2つの光! キュアスパークル!!」
サイクロプス「伝説の戦士だったか。だが、相手が誰であろうと関係ないッ」

黒い弾を連射するが、スパークルは俊敏な動きで弾を回避、命中を許さない。
一気に間合いを詰めると、サイクロプスのライフルを蹴りで弾き落す。
宙高く舞った銃剣は剣先が地面に突き刺さってしまう。サイクロプスは銃が無ければ丸腰であり、攻撃手段を失う。劣勢に陥り、彼の赤い瞳が点滅し語気が荒くなる。
サイクロプスは勘づいた。彼女は最初からずっとプリキュアであることを隠し、パートナーを隠し、一般人として振舞ってきた。それを冥府神が見抜くことができなかったのが逆転劇に繋がったのだ。全てはサイクロプスの思い込みを利用した作戦だった。


スパークル「あたしは頭はあまりよくないけど、あんたが引っかかってくれてよかった」
サイクロプス「貴様ああああああああッ!!」

光のプリキュアはステッキを構え、狙いを定める。

スパークル「プリキュア・ヒーリングフラッシュ!」

電流を帯びたプラズマのエネルギーがサイクロプスに炸裂。彼は腕をクロスさせて防いでいたが、次第に圧されていく。

サイクロプス「ぐ、おおおおおおおおおッ!」

凄まじい威力に吹き飛ばされ、鏡の世界は崩壊。多くの逃走者を弄んだ狙撃者は遂にデパートの床に転がり落ちてきた。ドーナツ屋の前に倒れるサイクロプス。身体から煙を噴き出し、満身創痍ながらも冥府神としてのプライドが身体を支えていた。

サイクロプス「冥府神として俺は負けるわけにはいかんのだああああああッ」

半狂乱になりのどかとせつ菜に突進してくる。
両者の間にスパークルが割り込み、黄色い肉球の盾――プニシールドを展開。
弾力で機械の怪人を弾き飛ばす。様々な物を巻き込み、吹き飛ばされるサイクロプス。
2度目に起き上がると単眼の点滅が激しくなっていき。

サイクロプス「キュアスパークル、俺はやはり、黄色には敵わぬ運命なのか……!?」

嘗て、黄色の魔法つかいを最後に残したことで逆転劇を許してしまった。
同じ轍を踏み、己の運命に諦観しつつ大爆発。

スパークル「イェイ♪」

狙撃手を撃破し、せつ菜とのどかとハイタッチを交わす。

平光ひなた、花寺のどか、優木せつ菜 逃走成功。


1人でも残れば逃走成功というルールにおいて3人もの成功者を出せたのは逃走者たちの力を合わせたからできたのだ。消滅した逃走者たちも蘇り、逃走成功したひなたたちは彼らに賞金を分け合い、ハッピーエンドが訪れた。


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