二次創作小説(新・総合)

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けものフレンズ二次創作 混じったものが交ざる時。
日時: 2020/03/29 20:29
名前: 生ブスカジ (ID: RCirP1Yr)

クロスオーバー物ではない、前々から書きたかったけものフレンズ単品です。

この小説は作者の自己満足以外の何物でもなく、公式とは何の関りもありません。

それでもいいという方はどうぞ。



あらすじ

ある日、山に何かが落ちてくる。

そこから来るのはこの世に在ってはならない、ヒトによって曲げられたフレンズ達。

彼女たちの目的とは?

出てくるフレンズ達

ピズリー
北極熊と羆のハーフのフレンズ。
一行を率いるリーダー格。
実力派だが、身内にはちょっと甘い。

ライガー
ライオンとトラのハーフのフレンズ。
心も体もふっくらさん。
時折第四の壁を越える発言をする。

タイゴン
虎とライオンのハーフのフレンズ。
一応姉のライガーのツッコミ役
心も体もライガーとは正反対。仲が悪いわけではない。

ホルフィン
オキゴンドウとイルカのハーフのフレンズ。
天然ボケ担当。

イリヤ
一行の中で一番謎が多い存在。
何のフレンズなのか聞かれると大概笑いに走る。
機械弄が趣味だったり、本を集めて読んだりと明らかに知能が高い。
イリヤというのは偽名で自分の担当だった職員の名前を借りているだけに過ぎない。




キキミミ
体の殆どを機械にされた猫のフレンズ。
圧倒的な力を持つが、その分不便も多い。
無口白状だが、仲間を思う気持ちは強い。






謎の人
キキミミがよく夢に見る人。
キキミミを唯一フレンズとして接していた人だったらしい。
かばんちゃんによく似ている容姿らしい。





Re: 混じったものが交ざる時。 ( No.1 )
日時: 2020/03/08 22:31
名前: 生ブスカジ (ID: rMeeZFi3)

? ?? ちほー 旧実験施設 飛行船発着場


??「これで全員揃ってるんだよな?」

??「まだキキミミが足止めを!」

??「さっさと呼び戻してくれ!、あいつは自分の命を軽く見過ぎだ!」

??「は、はいいい~」



どたばたと、数人のフレンズが忙しく走り回っている。
何か建物の中で作業をしているらしく、外からはこの世界に不釣り合いな音、即ち銃声と爆発音がひっ切りなしに響いている。

???「おーい、もういつでも飛び立てるけど~?」

???「イリヤ、それは分かってるから、も少しだな」


そうこうしている間に外から一人のフレンズが此方に駆け寄ってくる、最後のシャッターが閉まる

???「これで全員乗り込んだな?よし、行くぞ!」




ガンガンと唸る音を立てて巨大な機械が動き出す。 飛行船だ。多少剥げてはいるがその塗装から元は空撮用だったのだろう。飛行船は建物の屋根を突き破り、先ほどのフレンズ達を載せてどこかへ飛んでいく。セルリアンにそれを止めるすべは無かった。
















Re: 混じったものが交ざる時。 ( No.2 )
日時: 2020/03/12 21:51
名前: 生ブスカジ (ID: .95dj.fM)


あっという間に飛行船は上空に舞い上がり、全速力で飛び去る。

「しかし今回はイリヤに助けられたな、いつもはろくでもないことしかな」

リーダー格のフレンズが呟くと返事が返ってきた

「だれがろくでないって?ピズリーさん?」

ピズリー「…まあ、今までの事は今回で水に流すが、それにしてもどうしてこう、セルリアンが
ここまで凶暴に?」

イリヤ「わっちも知らないよー、キキミミが[いつでもこいつを使えるように直せ]って
迫ってきたんだから。キキミミに聞いてな」

ピズリー「分かった。で、キキミミは?」

「あ、キキミミ先輩なら後ろで寝てますです。」

ピズリー「そうか、ありがとな、アシェラ。」

アシェラ「ど、どういたしまして、あ、かわりに見張りしときますです~!」



ピズリー「…」

ピズリーが後ろの部屋に行くと、ベッドに寝かされているキキミミがいた。

「キキミミちゃん、ここまで寝込むなんてめずらしいなあ」

寝込んでいるキキミミの横に心配そうに佇む影があった。

ピズリー「ホルフィン、キキミミの具合は?」

ホルフィン「いやもうぐっすりすやすやーって感じだよ。珍しいなーってぐらいには。」

ピズリー「そうか..命に関わってはいないようだな。」

次の何かを話そうとしたとき、下の部屋から声がした。

「姉様!勝手に食料をつまみ食いするのは良くありません!」
「あてはこれぐらいたべないときがすまないの!」
「床が抜けます!」

ピズリー「あの二人は平常運転か。」


飛行船は高度を上げて進んでいく。そして随分周りが暗くなった頃、陸地が見えてきた。
この分ならたどり着ける、この場にいる誰もがそう思った時だった。

窓の外を巨大な光の柱が駆けていった。何かと問うまでもない。立て続けに後方に衝撃。

ピズリー「まさか追ってきたとでも言うのか!?」

そのとおりだった。エイのような形をしたセルリアンが後ろに突き刺さったのだ。
さっきの光の柱はそのセルリアンの威嚇射撃に違いない。

船壁を壊し、中をセルリアンの目玉がぎょろつく、その時、それまで寝ていたキキミミが
目を覚ました、そしてそのままその目玉に飛び掛かった。
ゴムボールが潰れるような音と共に、キキミミを連れたままエイ型セルリアンはどこかに
飛んでいく。そして、それから一分もしないうちに。

イリヤ「わああああああ!」

制御が効かなくなった飛行船はたちまち山肌に激突し、その飛ぶ力を失ったのだった。


Re: 混じったものが交ざる時。 ( No.3 )
日時: 2020/03/18 00:12
名前: 生ブスカジ (ID: RCirP1Yr)

辺りは既に日が落ちて暗くなっている。
この暗闇を手あたり次第に探したところで恐らくキキミミは見つからないだろう。
しかも雪まで降り始めた。
ピズリー達は大破した飛行船の残骸の中に身を隠し、ここで一晩を過ごすことにした。



ピズリー「キキミミ…果たして無事にしているだろうか…」

アシェラ「キキミミ先輩なら大丈夫ですよ。多分…」

ピズリー「ともかく明日は捜しに行かないといけないな、キキミミをほっといたら
     どんな惨事が待ち受けているか分からない。」

見張りをする二人。いつの間にか雪は止んでいた。


アシェラ「…星が奇麗ですね…」

ピズリー「…だな。他の奴らはもう寝たのか。」

アシェラ「はい。私はその、キキミミ先輩がいないから見張りを…」

ピズリー「寒くならないようにな。ただでさえここは雪山のど真ん中だ。」

アシェラ「そうですね…」

そうして夜が明けていった。




次の日の朝早く。




ハンター三人組「「「ええ………」」」

それは木に引っ掛かっていた何かだった。
手が木の枝に引っ掛かり、宙ぶらりんになったフレンズだった。
セルリアンを追いかけていた三人から当初の目的を忘れさせるには十分だった。


それはフレンズ…のハズだろうが、余りに異形だった。
肘から先と、足首から先、その部分だけがメタリックな何かになっているのだ。

フレンズも人工物に縁がない訳ではない。メガネを掛けているフレンズは多い。
熊や鹿のフレンズは武器がある。 シマウマの仲間にはダウジングの道具を持っている子もいる。
リョコウバトは旅行鞄を持っている。

いや、それでも手足のそれだけならまだ理解のしようもあっただろう。
そのフレンズ?の傷からは血に交じって青銅色の液体が漏れていた。

こいつは何?

そう思った瞬間、それが目を見開く。瞬間それのスカートの中から銀色の何かが転がり出てきて
爆発した。

「「「!」」」

突然辺りが煙で包まれ、いがらっぽい臭いで包まれる。
悲鳴にも似た聞きなれない音が響き、そこで三人の意識は途絶えた。
倒れた三人に一瞥することもなく、それは何処かに消え去った。



ヒグマ「…あ」

ヒグマが気が付いたとき、そこに転がっていたのは真っ黒に焦げた自分とキンシコウの得物だった。
そのままの形で炭化し、細く火を立ち昇らせている。
そして傍で倒れている残りの二人だった。










ハンター三人を瞬殺した犯人。それは。


キキミミ「…ぐあ…」

キキミミだった。

キキミミ「…フレンズ三体と交戦。正直、シュミレーターの方が戦いg…げほ。」

キキミミの方も余り只では済んでいない。かなりの上空から叩き落され、挙句さっきまで
気絶していた状態でプラズマナイフ…両腕の特殊ユニットを起動し、使用したのだ。
もうサンドスター残量が殆どなくなっていた。
既に戦闘用の機能は殆ど停止状態に陥り、意識さえ遠のきかけていた。

そして遂に意識さえ途切れてしまった。

最後に誰かに引きずられていく感触を残して。

Re: 混じったものが交ざる時。 ( No.4 )
日時: 2020/03/18 00:31
名前: 生ブスカジ (ID: RCirP1Yr)



それは夢だった。

遠い遠い昔の記憶がまだほんの僅かに残っている脳細胞によって呼び起こされ、視神経に投影しているというのか。

揺れる船のCICの一角にキキミミはいた。
その眼前には一人の人間がモニターを見つめている。

黒いインナーに白のジャケット。長い緑の髪に澄んだ瞳。トレードマークのリュックサック。

自分達。機械になったフレンズを、戦闘マシーンではなく、フレンズとして接してくれる唯一の人。

その人がゆっくり此方を向いている。
何時もの変わらない優しい顔で。
奇異な物を見るような素振りは無くて。
只ひたすらにけものが好きだ、って感じで


その顔を見た時、自分がどうあったかを思い出す。

機械化
入隊
任務
試験
裏方
汚れ役

暗殺
スパイ狩
捕獲
間引き
捨て駒

今までの負の記憶も全てフラッシュバックする。









キキミミ「あ・・・」






目が覚めたと思ったら、いきなり目の前に顔があった。

思い切り驚愕した。夢に見たあの人の顔にそっくりだったから。

暫く話し込んで、キキミミは自分の状況を理解できた。

あの後自分は気を失って、倒れていたところを見つけられて、サンドスターが殆ど無くなりかけているからじゃぱりまんを食べさせた事。


キキミミ「…サーバル。かばん。感謝する。おかげで助かった。」

キキミミはお礼をしつつ、気絶する前にボコボコにしてしまった三人のことを思い出す。

…戦闘モード切れ切れて無かったかなあ。
今度会ったら謝らなくてはな。






Re: 混じったものが交ざる時。 ( No.5 )
日時: 2020/03/19 22:47
名前: 生ブスカジ (ID: RCirP1Yr)



しかしながら、やはりサンドスター不足は深刻で、十分と持たずにキキミミはまたしても眠りこけてしまった。

疲れに加えて、じゃぱりバスの適度な揺れが昔の癖を思い出させたのだろう。
あまり良い癖では無いのだが。



覚えている。
まだ機械にされる前のあの記憶。
ずっと自分を可愛がってくれたあの人。
機械化してからも気にかけてくれたあの人
自分を型番で呼ばない人。
自分にキキミミという名前付けてくれた人

困るのは、自分を助けてくれたかばんとかいう人が、あの人に瓜二つなのだ。

勿論服装とか、髪の色とか、背負っているリュックの種類とか、細部は異なるが全体的な素振りは、その、同じなのだ。

しかしこれ以上考えても結論は出ない。
そのうち眠気に敗北したキキミミは、思考を辞めた。



ピズリー「いやあ、すまないな。私達少しばかり訳有りなんだが…」

カピバラ「いいよ〜困った時はなんとやら〜」

ピズリー達はというと。
不時着した雪山にたまたま存在していた宿泊施設に身を寄せていた。

ライガー ホルフィン「ええ!?ゲームあるの!?やった〜!」

タイゴン「姉様!あんまり他の地域でm」

キタキツネ「…(目から闘志が伝わる)」

タイゴン「…あー、もうご勝手にどうぞ…」

アシェラ「しかしまさか此方にも我々と同じく人の遺物が維持されているとは…ってあれ?イリヤ先輩は?」

ピズリー「…あ?あー!イリヤ何処に行った!?」


イリヤ「私ならここだけど?」

いきなり床の板が突然外れてイリヤが現れる。話を聞けば地下に使えそうな物が残っていないか探していたらしい。

イリヤ「何にも無かったよ。ざーんねん。」

ギンギツネ「…」

ピズリー「アイツは…まあ直ぐに出ていくから…」

後日イリヤが余計な入れ知恵をして、ギンギツネの古の記憶を思い出させかけたが、
それはここで語るべきでも無い。



数日を過ごし、お礼に旅館を掃除して、一行は下山した。
まさかあんな事が起きているとも知らずに。
















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