二次創作小説(新・総合)

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鬼滅の刃とスター流 完結!
日時: 2020/10/28 08:06
名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

最近鬼滅の刃の漫画に夢中になりまして、私も二次創作を書いてみようかと思いました。
鬼滅の世界でスター流(主に不動仁王)が活躍します!
いつまで続くかわかりませんが、応援よろしくお願いします!!

Re: 鬼滅の刃とスター流 ( No.3 )
日時: 2020/10/27 20:43
名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

額に短い角を生やし、忍者装束を纏った鬼は少女を腕に抱いていた。
無論、これから食べるつもりである。
獲物を手に入れ帰宅しようとした刹那、背後から男の声が響いた。

「そのガキを離せ」

鬼は振り向き、少し笑って男に言った。

「それはできない相談だな。女は十六が最高でそれ以降は刻一刻と鮮度が落ちていくんだ」
「ガキを離して往生されるか、ガキを掴んだまま往生されるか、どちらか選べ」
「何を言っているんだか」

すると地から二体の鬼が姿を現した。
三本角の鬼はギリギリと歯ぎしりをし、二本角はこめかみに血管を浮かびあがらせ、何やら怒鳴っている。
だが不動仁王にはどうでも良いことだった。
軽く腕を引き、拳を打ちだす。拳圧が放たれ、三体の鬼の顔半分が吹き飛ぶ。

「お前が選ばぬのなら俺が選んでやる。ガキを捨てて往生されろッ」
「ゴチャゴチャうるせぇんだよ! 俺の食事の邪魔をするな!」

変な男と関わっても時間の無駄とばかりに血鬼術影の沼で自らの影に入り、逃走を試みる。不動は口の端を上げると地面目掛けて拳を振り下ろした。
地に亀裂が走っていき、もぐら叩きのように一体の鬼が姿を見せた。
続いて壁を裏拳で叩き破壊して二体目を出した。だが三体目がいない。
影の中に潜んでいるのだ。不動は二体目の鬼の攻撃を躱しつつ、地にできた影に手を突っ込み強引に三体目を元の世界に帰還させる。
そして一本角の鬼の胴を持って高い高いの要領で宙に飛ばし、続いて二体目、三体目も空中に飛ばす。そして、自らも彼らを追って跳躍していく。
空は大きな満月が光り輝く闇夜であり、太陽とは無縁の状態だった。

「テメェ、なんてことしやがる」
「落ち着け、俺よ。たまにはこういう日もある」
「ギリギリ」

三者三様の彼らの腕を掴み、超高速で不動は滑空していく。

「こいつは驚いた。貴様、空が飛べるのか」
「・・・・・・あまり使いたくはないのだが」
「テメェ放せ!」
「目的地に着くまで大人しくしているといい」


やがて、鬼たちの目に眩い光が差し込んできた。
紛れもなく太陽の光である。
自分の腕の中で塵と化す鬼たちを見て、不動は嘆息した。

「地球の反対側まで鬼のガキを連れてくるのは手間がかかる」

Re: 鬼滅の刃とスター流 ( No.4 )
日時: 2020/10/27 20:52
名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

掌に目を持つ矢琶羽は血鬼術紅潔の矢で不動の拳の向きを変え、攻撃を躱したり、彼の身体に矢印を貼ることで動きを操作したりと言った芸当で不動を翻弄していた。動きを封じたところで、朱紗丸の鞠が飛んできて彼の身体に命中する。
不動は唸っていた。早々に決着を付けなければこちらが不利になると。
相手を観察し続け、彼は気づいた。矢琶羽の目が開いた時にしか技は発動しないのだ。

「ならば、話は早い」

技のカラクリを見切った男は次に目が開かれた時が勝負と見た。
敵の瞼が開く。その数瞬の内に残像だけを残し、鞠と血鬼術を不発にさせ、掌にピンポイントで目潰しを見舞って彼の手の目を破壊。再生に時間を要しているうちに高々と蹴り上げた。矢琶羽が上昇しているうちに今度は朱紗丸と向き合う。

「遊ぼうぞ」
「残念だがお前と遊んでいる暇は無い!」

四本の腕から繰り出される鞠を全て受け止め握りつぶして肉迫すると、顎に打撃を打ち込み、彼女の小柄な体躯を上昇させていく。

ベストなタイミングで日が差し込み、ふたりは塵となっていった。
不動は息を整えた。さすがの彼も少し疲れてしまったのだ。

「太陽の光を狙ってからでは流石に時間がかかりすぎる。もっと素早く往生させられる術はないものか」

不動の苦悩は続く。

Re: 鬼滅の刃とスター流 ( No.5 )
日時: 2020/10/27 22:02
名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no



早朝。
鼓屋敷に足音もなく侵入した不動は、まず手始めに二匹の鬼を屋敷から蹴飛ばして外に出すと、太陽光で消滅させた。
そして、屋敷を散策し、響凱を発見した。
腹や脚に鼓が埋め込まれた鬼は不動を一瞥すると、ボソボソと呟く。

「小生の屋敷に入ってくるな」
「勝手に入ったのは詫びよう。お前と戦っていた二匹は俺が往生させてやった。
これで屋敷も静かになるだろう」
「・・・・・・」

不動は自らの顎を撫で言葉を紡ぐ。

「お前は稀血を飲み、十二鬼月の復帰を考えているのだろう」
「!?」
「俺は他人の考えていることを読むことができるのでな。それはともかく、大勢のガキ共を食ったお前を往生させることにした」
「屋敷から、出ていけェ!」

屋敷に侵入されるばかりか堂々と自分を狩る宣言をしてきた無礼千万な男に、遂に響凱は激高し、鼓を叩いて戦闘を開始する。部屋を回転させる血鬼術で幾度も部屋を回転するが、不動は平行感覚を失うこともなく、天井や壁にまるでヤモリのように立っているではないか。一瞬怯んだ凱だが、腹の鼓を叩き、三発の斬撃を飛ばす。並の人間なら輪切りにされている斬撃だが、不動はそれをまともに食らっても流血ひとつ起こさない。肉体が桁違いに頑丈なのだ。不動は口角を上げた。

「もっと攻撃してこい」

幾度も回転させられる部屋に斬撃。だが不動は一歩も引かずに攻撃を受け続ける。と、元の状態に戻った部屋に紙が散らばっているのに不動は気づいた。
謎の紙の存在に興味をそそられた不動は拳圧で凱の鼓を一瞬のうちに全て破裂させ、その隙を突いて紙を拾う。見てみると、それは文字が書かれてあった。

「物語か。ガキ、お前が書いたのか」
「小生が書いたものだ」
「そうか・・・・・・パッと目を通しただけだが、良い文章を書く。
俺には物語など書けぬ。お前は大した奴だ」
「!!」

不動は散らばっている全ての紙を集め、机の上に置いた。
凱の小説家の才能に敬意を評したのだ。
予想外の反応に凱が硬直する中、不動が言葉を発した。

「部屋を回転させるのはやめておけ。せっかくのお前の作品が台無しになる」
「・・・・・・」
「ガキ、俺はまだお前の名を聞いていなかったな」
「小生は響凱という」
「俺は不動仁王だ。では、凱よ。小説という一点において俺を超えたお前に敬意として最高の技で、往生させてやろうぞ!」
「若者よ。お前、小生の小説を認めると言うのか」
「当たり前だ! お前は誇っていい!」

呆然とする響凱にタックルを見舞い、彼を掴まえて放り投げる。
屋敷の柱を破壊し舞い上がっていく凱を追いかけ、彼の腰の辺りを掴み、バックドロップの体勢で猛然と落下していく。

「不動俱利伽羅落としーッ!」

渾身の力で頭から畳に叩きつけられた凱。衝撃で屋敷が崩壊し、それに合わせて凱の身体も足から崩壊を初めていく。
技を解除した不動は串刺し状態の敵を見つめた。
凱も不動の瞳を見て、言った。

「小生の小説が認められた・・・・・・」
「凱よ。お前の作品はこの不動仁王が保管しておく。安らかに往生されるが良い」

不動は紙の束をその手に掴み、踵を返し屋敷を後にする。

「お前の作品は決して無駄になることはない。少なくとも、俺に読まれるのだから」

Re: 鬼滅の刃とスター流 ( No.6 )
日時: 2020/10/28 07:57
名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

「お前を最後に往生させてやる」

日輪刀を手にして那田蜘蛛山に入山した不動は、母蜘蛛に告げた。
彼は母蜘蛛の目から恐怖と怯えを感じ取ったのだ。自分に対してではなく、父蜘蛛と息子への恐怖である。鬼を往生させるのを自らの使命としつつも、母蜘蛛の境遇に哀れみを覚えた彼は、全ての連鎖を断ち切ったうえで往生させようと考えたのだ。山には不動の他に侵入者はまだ無い。
母蜘蛛は小さな蜘蛛を使役し、それを使うことによって他人を操る術を心掛けていたが、不動は一喝で蜘蛛を全滅させ、真っすぐ彼女の元へ向かってきたのである。踵を返し、少し温かみのある声で待っていた。

「ここから動くな、待っていろ。俺は必ず約束を守る」

足音を立て、山の奥へと消えていく不動。
彼は約束を守るべく、自らに枷をつけていた刃を遂に抜いた。

「往生させてやるッ」

神速の刃を振るうと家ごと、兄蜘蛛の頸椎を切断し消滅させる。攻撃を繰り出される間もない早業だった。

「私は自分さえ良ければそれでいいのよ!」

姉蜘蛛は不動の凄まじい圧力に怯みながらも、自らの主張を口にした。
無論、聞き入られずはずもなく一瞬で頸椎を斬られ、身体が崩壊していく。
父蜘蛛はふたりも家族が奪われたことに怒り、大木を引き抜いてバットのように振り回すが、不動の身体に命中した大木は粉々になってしまった。

「俺の家族に手を出すなあああああああッ」
「家族? 妻に暴力を振るっておいてよくそのような台詞が吐けたものだ。
だがまあ良い。お前も往生させてやる」

不動が鞘から剣を引き抜くと、強固なはずの父蜘蛛の頸椎もチーズの如く切断された。父蜘蛛の背後に生えていた大木も同時に切断され、地に落ちる。

「ガキ、お前が元凶か」
「お前か。僕の家族の絆を奪ったのは?」
「ガキ、お前は俺の質問に答えていればそれでいいんだッ」

理不尽全開の台詞を口にして殴りかかろうとするが、動作が止まった。
本能が待ったをかけたのだ。累が掌から糸を出してきた。
並の人間ならサイコロステーキのように切断されてしまうが、不動は違った。
放たれた糸を逆に掴んで引きちぎってしまったのだ。

「ほう・・・・・・」

累は目を細め、硬度を強めた糸を放出すると、不動は顔面から受けた。
だが、切断はされず。

「お前、ほんとに普通の人間か?」
「生憎だが、俺は人間ではないのでな」
「やっぱりね。鬼でもないようだし、お前は何なの」
「ガキに名乗っても仕方あるまい。お前は今すぐ往生されるのだからな」
「馬鹿なことは休み休み言ってよ。刻糸倫転!」

最高度の糸を竜巻のように放つ最大の技を繰り出した。
まともに食らった不動は初の出血を起こし、ダウンした。
だが次の瞬間、累の頭部が地に落ちる。
少年の鬼は理解ができなかった。

「なぜ僕の頸椎が切れているんだ」
「俺の抜刀が見切れぬからお前はガキなのだ。しかも、俺は二度切った。
お前が万が一にも見切って斬られたフリなどされては面倒なのでな」
「!?」
「お前の思考など俺には全てお見通しだ」
「男、お前は何なんだ。人間でも鬼でもない。お前は、お前は――」

ここで、累は事切れ、消滅した。不動は嘆息し、小さく呟く。


「お前では俺には勝てぬ。とはいえ、先ほどの攻撃は少々効いたが」


腕や顔から血が滲みながらも、不動は歩みを進める。
元の場所へ戻ると、母蜘蛛はいた。岩に腰かけ呆然とした表情をしている。

「累はどうなったの?」
「ガキ共は全て俺が往生させた。では約束通り、お前を介錯するとしよう」

不動は水の呼吸、伍の型干天の慈雨で母蜘蛛の頸椎を斬った。
綺麗に切断され崩壊する身体を見て、不動は母蜘蛛に語り掛ける。

「他の四人は地獄に送るが、お前は先の態度を考慮して転生させてやる」
「あなたは一体――」
「俺のことなど忘れるといい。次の人生は今よりずっと幸せなものになる。
俺からの保証付きだ」
「良かった・・・・・・」

安らかな笑顔で消滅していく母蜘蛛を見て、不動は微笑した。

Re: 鬼滅の刃とスター流 ( No.7 )
日時: 2020/10/28 08:35
名前: モンブラン博士 ◆HlTwbpva6k (ID: daUscfqD)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

満天の星空に三人の男が集結した。
一人は不動仁王。
一人は金髪を後ろで束ね、白いコック服を身に纏った二メートルを超える巨漢。
一人は長身痩躯の身体に白い軍服、同色のガイゼル髭を生やした老紳士である。
老紳士は不気味な含み笑いをして、訊ねた。

「計画は順調に進んでいるかね、不動仁王よ」
「ジャドウ。俺はこれまでにかなりの数のガキ共を往生させてきた」
「日倫刀を使いこなせるようになったようですなあ。素手での戦闘が主のお前が、剣を握るなど雪が降るかもしれぬ」
「ジャドウ、貴様!」

老紳士の言動に食ってかかる不動だが、それを諫めたのは巨漢だった。

「・・・・・・言い争っている場合ではない。今は任務を最優先にするべきだ」
「カイザーの言うことも一理はありますな」
「カイザーに免じてこの場は見逃してやろう」

一悶着が終わったところで、彼らの脳にテレパシーが送られてきた。

「みんな、調子はどうかな?」
「スター様!」


カイザーとジャドウは声の主に平伏した。

「この世界の鬼を滅ぼし、これ以上の犠牲を出さない。私の指示を忠実にこなしているようで何よりだ。炭治郎君たちが戦うより前の時間に来て先回りをして鬼を倒す。そうすることで彼らの命の危機を救うこともできると私は考えた。
そして君達は順調に鬼を討伐している。だが・・・・・・これではダメな気がしてきた」
「どういうことだ、スター」
「不動君。考えて見たまえ。天より我らが下りてくるというのは、滅多に遭ってはならないことだよ。我らの存在が一般人に知れ渡ったら大変なことになってしまうとは思わないかね?」

テレパシーの問いに不動は口の端を上げ。

「世間一般では神と崇めれらている我らが降りてきては、この世界のパワーバランスが著しく壊れるということか」
「それもある。でも私たちが解決しては、この問題は意味がないと思えてきたのだ」
「つまり、スターはこう言いたいのだな。我らが手を下すのではなく、ガキ共を導く方針にシフトしろ、と」
「その通り! さすがは不動君だ! 賢いね!」

不動が褒められるとジャドウは深々と頭を下げ。

「吾輩はスター様の仰せのままに」
「カイザー君はどうかな?」
「・・・・・・私もその提案には賛成です。やはり少年達は自らの力で危機を乗り越えなければ、意味がない。今後のこの世界の未来の為にも」
「その通りだ。だからこれからは炭治郎君、禰豆子ちゃん、我妻君、伊之助君の四人の育成を君達に任せる」
「ちょっと待て。人数が合わん。これでは誰かが二人育成を手掛けることになる」
「その通りだよ! 不動君! 炭治郎君と禰豆子ちゃんは二人セットということだよ! 誰が誰を担当するのかはくじ引きで決めるといい!」
「・・・・・・ですが、不動が多くの鬼を倒してしまったことで炭治郎達の歴史が大きく変わってしまうのではないでしょうか」
「問題ない。私がもう一度時間を巻き戻して、不動君が鬼を倒した事実を無かったことにして、正規のルートを炭治郎君たちには歩ませるから。君達はここより少し先の時間軸に飛んでおいておくれ。そこでなら君達と彼らが出会ってもそこまで歴史は改変されないはずだから」
「スター! それでは俺のやった苦労はどうなるんだ!?」
「残念だけど、水の泡になるね」
「!?」


不動の苦労は無駄骨に終わり、彼らは新しい任を師より任されることになった。
剣士達を見守り、支える使命だ。
三人の神は各々の剣士達の元に赴き、各々の信念基づき、育手と協力して若き少年達を育てることになる。

おわり。


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