二次創作小説(新・総合)

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【Lunatic Play EPISODEⅣ】【完結】
日時: 2023/02/04 08:16
名前: ウィオ (ID: izFlvzlp)

【Lunatic Play(ルナティック・プレイ)】とは?

それは決められた時間内を3匹の狼から逃げ惑い、賞金を獲得する遊戯である。
因みに、敵は狼だけでない……。
今回も前回のようにフラウドは存在せず、逃亡者同士での潰し合いがある。

しかし、今回は一味違う――。

深夜、アメリカにある廃園になった大きなテーマパークに集められた逃亡者。
果たして、優勝者は一体誰になるのか――。



※注意事項
・設定の少ないキャラはオリジナルの設定を含ませております。
作者わたしは海外の作品は英語版しか見ない主義なので、海外製のキャラの口調・一人称などは自分のイメージで決めております。なので公式邦訳とは一人称・口調が違います。
・このシリーズの作風はホラーゲームを意識してるのでダーク・シリアスな要素が多々含まれております。
 苦手な方は閲覧をお控えください。

それでもよろしい方はどうぞ。




~逃亡者~ ※【】内は作品名

レッド・マッカーサー(Red McArthur)【Southpark】{4}
カレン・マコーミック(Karen McCormick)【Southpark】{4}
ジェニー・サイモンズ(Jenny Simons)【Southpark】{4}
パウダー・ターナー(Powder Turner)【Southpark】{3}
アニー・ニッツ(Annie Knitts)【Southpark】{2}
エステラ・ハヴィサム(Estella Havisham)【Southpark】{2}
レベッカ・コッツウォルズ(Rebecca Cotswolds)【Southpark】{2}
ミニリーナ(Minireena)【Sister_Location】{4}
バローラ(Ballora)【Sister_Location】{3}
ジェフ・ザ・キラー(Jeff_the_killer)【Creepypasta】{4}
サリー・ウィリアムズ(Sally Williams)【Creepypasta】{2}
ラフィング・ジャック(Laughing_Jack)【Creepypasta】{2}
クロックワーク(Clockwork)【Creepypasta】{2}
ジャッジ・エンジェル(Judge_Angel)【Creepypasta】{1}
ブラッディ・ペインター(Bloody_Painter)【Creepypasta】{1}
キャンディ・ポップ(Candy_Pop)【Creepypasta】{1}
ベン・ドラウンド(Ben_Drowned)【Creepypasta】{1}
ロスト・シルバー(Lost_Sliver)【Creepypasta】{1}
チェリー・パウ(Cherry_Pau)【Cherry_Pau】{2}
アンジェリカ・ピクルス(Angelica Pickels)【Rugrats】{2}
ヒルダ(Hilda)【Hilda】{1}
アリサル(Arizal)【Recorded by Arizal】{1}
ナムスカル(Numskull)【Dumb_ways_to_die】{2}
カラミティ(Calamity)【Dumb_ways_to_die】{2}
オーブリー(Aubrey)【Omori】{1}
マリ(Mari)【Omori】{1}
スウィートハート(Sweetheart)【Omori】{1}
森近 霖之助【東方project】{1}
太宰 治【文豪とアルケミスト】{1}
白銀 リリィ【アイカツスターズ】{1}
新美 南吉【文豪とアルケミスト】{1}
武勝龍 景丸【作者勢】{2}
琴葉姫【作者勢】{3}
モンブラン博士【作者勢】{3}
柊【作者勢】{2}




GOOD LUCK, FUGITIVES.




△今回の舞台は廃れた遊園地!
△「Hilda」「Recorded by Arizal」「Omori」のキャラが初参戦!
△Creepypastaのキャラが多め!
△ゲーム系Creepypastaのベンとロストが初参戦!
△怖すぎるロスト・シルバー!
△フィリピン人のアリサルちゃん、動画撮りながら頑張る!
△果たして、最後まで生き残るのは一体誰なのか?

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅣ】 ( No.6 )
日時: 2021/12/01 16:25
名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)

【Art】


ミニリーナ「おらあ!!」


ミニリーナがブラッディに向かって飛び蹴りを放つ。しかしあっさりと躱されてしまった。ブラッディは彼女の攻撃を躱した瞬間に足払いし、ミニリーナを転倒させる。そして彼女に跨り、彼女の腹のど真ん中にナイフを突き刺した。


ミニリーナ「うがあっ!!」


ミニリーナの服の中心が血で赤く染まる。それを見たバローラが瞳孔を開く。バローラにとっては娘同然のミニリーナを傷つけられて、激怒したのだ。


バローラ「ミニリーナに何をするの!!」


バローラはブラッディに蹴りを入れようと走り出す。それを見た彼がナイフを投げて、バローラの腹のど真ん中に命中させた。ナイフ投げを食らった彼女は腹から血を出しながら倒れてしまう。


バローラ「ううっ……」

ミニリーナ「バローラっ……!! ブラッディ、テメエ……許さ……グフッ!!」



【ブラッディ・ペインター 0→2ポイント】



二人を撃破したため、2ポイントを獲得できた。ブラッディは苦しそうにしながら倒れている二人をじっと見つめている。


ミニリーナ「はあ、はあ……何だよ……ブラッディ……」


ブラッディはミニリーナの問いかけを無視し、バローラを抱え上げてミニリーナのそばに持っていき、そっと並べる。そしてバローラの右手をミニリーナの左手に握らせた。


バローラ「……」

ミニリーナ「おい……何のつもりだ?」

ブラッディ「ああ、何と美しい……綺麗な顔立ちをした二人の女性が手を握りしめたまま、苦しそうな表情をしている……だがまだ満足は出来ないよ」


彼女たちの服の中心についた血の痕は、まるで一凛の赤い花が咲いているかのようであった。ブラッディはそれを表現するために、腹だけを刺したのであった。


ブラッディ「さあ、そのまま死にゆく姿を見せてくれ。そして安らかな表情を作ってくれ。死んでやっと僕の芸術作品は完成するんだ。安らかな表情のまま、手を繋いで死んでいる二人の女性……なんともロマンチックじゃないか」


彼はミニリーナとバローラの死ぬ姿を見たくて、ずっと彼女たちを見続けている。


バローラ「……ううっ……」


悲痛な声を上げながら苦痛を味わっているバローラ。それを見たミニリーナは激怒し――


ミニリーナ「……ふざけんなよテメエエエエエエエエ!!! あたしらピザ屋のダンサーを舐めんな!!」


なんとその場で立ち上がった。怒りが彼女の鎮痛剤となり、立ち上がれたのだ。それにブラッディは驚く。まさか立ち上がるとは思っていなかったのだろう。ミニリーナは彼が驚いて竦んでいる時に飛び蹴りを放ち、彼を吹っ飛ばした。


ブラッディ「ぐっ……!」

ミニリーナ「バローラぁ!!」


そしてミニリーナはバローラを担ぎ、死に物狂いで逃走した。


ブラッディ「逃げられる体力を何処に残してあったんだ……? ……敵ながら感心だ」









その頃、アニー・ニッツは遊園地の近くを歩いていた。


アニー「それにしても本当に怖えな、この遊園地……深夜だから余計怖いぜ……。ていうか逃亡者同士で争えって正気かよ。人同士の争いとか醜いぜ。それに俺、痛いの嫌……」


感性が一般人であるアニーの近くに一人の幽霊がやってくる。それは緑の帽子に緑の服を着用した男性の幽霊であった。


ベン「なああんた、幽霊の僕がいたらもっと怖いんじゃないかい?」


ベン・ドラウンドだ。


アニー「わっ!? 急に現れんなよ。ビックリするじゃねーか……。てか、何で目から血出してんだよ!? しかも白目の部分が黒いし!」

ベン「幽霊だからな。怖がってくれて冥利に尽きるよ。幽霊は人間を恐怖に陥れるのが仕事だからね」

アニー「じゃ、じゃあ……俺を酷い目に遭わしに来たのか!?」

ベン「当然だ」

アニー「……怖いの嫌だ!」


アニーは怯えた表情をして逃げ出した。それを追いかけるベン。ニタニタと笑いながら追いかけているベンの姿は不気味の一言であった。


アニー「ひえええ! 嫌だ~! 助けてくれー!」

ベン「ハハハ、人間を追うのは楽しいな! そう、これだよ! 僕がやりたかったことは! 追跡は僕の性に合っているんだ!」


アニーは必死に逃げるも、徐々にベンに追いつかれていく。


ベン「あんたは僕に遭うべきじゃなかった……」


ベンは目を光らせ、アニーを炎で包み込んだ。炎で焼かれて苦しむ彼女をじっと見続けている彼。しばらくした後にもう一度目を光らせて炎を消滅させた。数秒間焼かれた彼女は意識を失い、倒れた。



【ベン・ドラウンド 0→1ポイント】



アニー「……」

ベン「僕のような悪霊に遭った可哀想な女の子よ、そこで寝ていてくれ」












その頃、レッドたちは今もレストランの中に隠れていた。


レッド「ゲーム終了までここにいましょうか、二人とも……私、もうお金とかどうでもいいわ」

カレン「そうだよね……お金より命を守ることが大事だよね」

ヒルダ「とにかく生き残りたいよ!」


カレンとヒルダも、同様の考えであった。


レッド「賛同してくれて良かったわ。さあ、ここでゲーム終了まで大人しく――」


その時、ギィィィと軋む音を立てながら、レストランの入り口の扉が開いた。それに驚愕するレッド、カレン、ヒルダ。


レッド(まさか――赤髪の殺人鬼に見つかった!?)










女性警備員「何をしているの、貴方は?」

レッド「……えっ?」


なんと、女性の警備員であった。レッドは「来たのは殺人鬼ではなかった」ことに安堵して、力が抜けてへたりと座り込んだ。しかし相手が厳格そうな警備員だったため、すぐに立ち上がった。


レッド「ああ、すみません、ちょっと探検していまして……」


殺人鬼から身を隠している、と言っても信じてもらえないと思った彼女は適当な嘘をついた。因みにヒルダとカレンは警備員の死角にいるため、警備員からその二人は見えていない。


女性警備員「探検? この遊園地に来たのなら、警備ステッカーが貼ってあるのが見えたはずだけど……それを無視したの?」

レッド「ステッカー?」

女性警備員「ここは警備会社の管轄なの。勝手に入って貰われたら困るわ」

レッド「そう言われましても……」

女性警備員「とにかくすぐに出ていきなさい。不法侵入よ。今すぐ出ていけば警察に通報しないであげるわ」

レッド「分かりました……」


女性警備員は立ち去って行った。


レッド「……二人とも、棄権して元の世界に帰るわよ」

カレン「えっ!」

レッド「これ以上この廃墟にいれば警察の厄介になって面倒なことになるわ」

ヒルダ「分かった! 殺人鬼のいる遊園地に絶対にいなければいけない理由も無いし!」

カレン「でも……他の逃亡者さんたちを放って棄権しても大丈夫なのかなぁ? その人たちが殺人鬼に狙われちゃったら……」

レッド「……確かに、放っておいたらその逃亡者たちがヤバいわね。棄権は止めにしましょう」

ヒルダ「止めにしてどうするの?」

レッド「このゲームに参加している殺人鬼全員を倒しに行く」

カレン「き、危険だよ、レッドお姉ちゃん!」

レッド「でも殺人鬼を野放しにしておくわけには行かないわ。私一人で行くから、貴方たちはここで隠れ続けてなさい」

カレン「い、嫌だよ! 私、レッドお姉ちゃんと一緒がいいの!」

ヒルダ「私だって! 一人じゃ危険だよ!」

レッド「私はあなた達を死なせたくないの。何、二人とも? 戦える力はあるの?」

ヒルダ「あるよ! 私、モンスターと戦ったことあるよ!」

レッド「カレンは?」

カレン「わ、私は……戦えないけど、レッドお姉ちゃんと離れるなんて絶対に嫌! 天地がひっくり返っても、離れたくなんかないもん! 私を何度も助けてくれた優しいお姉ちゃんを放っておくなんて……死んでも嫌だ!」

レッド「……」








レッド「分かったわ。どうしても一緒にいたいなら、好きにすればいいわ。ただし、絶対に私から離れちゃダメよ」

カレン「勿論!」


カレンの熱意が伝わったレッドは、考えを改めることにしたのであった。


ヒルダ「よっぽど好かれてるみたいだね、レッドは」

レッド「まあね」


こうして三人はレストランから出て、殺人鬼の打倒に向かうことを決意したのであった。


ヒルダ「ていうか、あの警備員、この遊園地の中うろついてるんじゃ……」

レッド「見つからないように警戒しておくわ」









その頃、作者勢の一人である柊は単独で遊園地を歩いていた。


柊「推しと会いたいな……」


琴葉姫と同様の考えである彼女の近くに、一人の少年がやってきた。銀髪碧眼で、本を持った男の子であった。


南吉「あ……司書さん……」


今回初参戦の新美南吉であった。推しである彼に会えて喜ぶ柊。


柊「南吉先生! 会えて良かったあああ! このゲーム物騒だけど、怪我とかしてない?」

南吉「大丈夫ですよ~……司書さんのほうこそ、無事ですか?」

柊「うん! この通り、ピンピンだよ」

南吉「良かったです……ここで会えたのも何かの縁ですし、一緒に行動しましょう?」

柊「勿論!」


柊、南吉と合流――。


柊(いやー、推しと一緒に行動できるの、幸せ!)








キャンディ「今のアタシのポイントはたったの1……もっと稼ぎたいわねぇ」


独り言を言いながらぶらぶらと遊園地の中を歩いているキャンディ・ポップ。そうしている内に一人の幽霊と出会った。両手両足が捥がれた白黒の幽霊だ。


キャンディ「あら! 変わった見た目の子がいるわねぇ。アタシが言えたことじゃないけど!」

ロスト「何だよ……」


ロスト・シルバーであった。ロストを見てしらけた笑いを皮膚の上に浮かべるキャンディ・ポップ。


キャンディ「貴方手足が無いのね。達磨の真似? 変な見た目ね~、両手が無いから物を持てなくて不便でしょうねぇ~」

ロスト「黙れ……俺は好きでこんな見た目をしているんじゃない……」


自分を侮辱されて静かに憤るロスト。


キャンディ「あらそう? 別にアンタが何故そんな見た目になったかなんて知ったこっちゃないんだけどぉ!」


キャンディは人を愚弄するのが好きであり、慈悲を見せない。自分を愚弄し続けて来る彼にロストは更に憤る。


ロスト「人を愚弄するにも大概にしろ……」

キャンディ「あら? 何? アタシを潰す気? 両手両足無いアンタに何が出来んの? アハハハハハ!!」

ロスト「また俺は酷い目に遭った……なあ神。俺の両手両足を捥ぐだけに飽き足らず、更に俺の心も傷つけるとは……。神よ、何故いつも俺の精神を蝕んでくるんだ?」


そしてロストは不気味な声で歌を歌った。それを聞いたキャンディは頭を非常に痛め、悶え苦しむ。


キャンディ「ああ、ぐうっ……!! この歌は一体……!?」

ロスト「ほろびのうた。俺の死んだセレビィが歌っていた歌だ。これで死ぬまで苦しんでくれ……!!」


ロストはもう一度ほろびのうたを歌う。キャンディは苦痛に悶えながらも、ハンマーを構え――


キャンディ「冥府に送ってあげるわぁ!!」


そしてハンマーを振り回してロストを吹っ飛ばした。歌唱している者の意識が失ったため、歌の効力が切れた。


キャンディ「うう……見くびっていたわ……」


しかしキャンディは相当精神的にダメージを負っていたため、彼も倒れた。結果、相打ちとなり、ポイント獲得は無しとなった。相打ちになった場合、ポイントは加算されないルールである。






{残りゲーム時間  120:00}





-------------------------------------------------------------------------------


【現在のポイント数】


レッド・マッカーサー……0
カレン・マコーミック……0
パウダー・ターナー……0
アニー・ニッツ……0
エステラ・ハヴィサム……0
レベッカ・コッツウォルズ……0

ミニリーナ……0
バローラ……0

ジェフ・ザ・キラー……0
サリー・ウィリアムズ……0
ラフィング・ジャック……0
クロックワーク……0
ジャッジ・エンジェル……0
ブラッディ・ペインター……2
キャンディ・ポップ……1
ベン・ドラウンド……1
ロスト・シルバー……0

チェリー・パウ……0

アンジェリカ・ピクルス……0

ヒルダ……0

アリサル……0

ナムスカル……0
カラミティ……1

オーブリー……0
マリ……0
スウィートハート……1

森近 霖之助……0

太宰 治……0
新美 南吉……0

白銀 リリィ……0

武勝龍 景丸……0
琴葉姫……0
モンブラン博士……0
柊……0





続く

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅣ】 ( No.7 )
日時: 2023/02/04 08:15
名前: ウィオ (ID: izFlvzlp)

【Laughing Jack】




その頃、レッドとカレンとヒルダは辺りを見渡しながら殺人鬼を捜していた。


レッド「殺人鬼がいつ何処から出て来るから分からないから、一秒でも警戒を怠ったらダメよ」

カレン「うん……!」

ヒルダ「今のところ、その気配はないけど……油断は禁物だよね」





そんな三人が、誰かの視線を感じた――。





レッド「――!? 誰!?」


レッドは咄嗟に後ろを振り向く。そこには――









マリ「そんなに顔を引き締めちゃって何かな? トイレでも我慢してるの?」

カレン「えっ」


殺人鬼では無かった。今回初参戦の穏やかな女の子・マリであった。


レッド「トイレ? ふざけないでちょうだい……殺人鬼を捜してるのよ」

マリ「何で? 殺人鬼ってめっちゃヤバイ人でしょ。そんなのに会いに行くの?」

ヒルダ「殺人鬼を倒して、他の逃亡者の安全を確保したいんだ。こんな危険なゲームに参加させられてる一般の人たちが可哀想だから……」

マリ「その足で……? 傷があるじゃない。このサンドイッチでも食べて元気出して?」


マリは腕にぶら下げているカゴからサンドイッチ三つを取り出す。


レッド「……知らない人から貰った食べものを頂く気にはなれないわ」

マリ「そんなに警戒しないで!」

レッド「でも」

ヒルダ「いただきまーす!」


ヒルダは躊躇なくいただいた。知らない人からの食べものの危険性を知らない女の子である。食べてみると――


ヒルダ「おっ――!?」


ヒルダの足の傷がみるみる内に塞がっていく。


カレン「ヒルダちゃんの足が完治した!? 何で?」

マリ「このサンドイッチは私が作った特別製のサンドイッチなの~」

カレン「……」


危険物ではないと判断したカレンも食べてみる。そして彼女の足の傷も完治した。


カレン「治った……ありがとう、マリお姉ちゃん!」

マリ「どういたしまして~。非常用にいくらか携帯しておくといいよ~」


レッド、カレン、ヒルダはマリからサンドイッチを10個貰う。


レッド「いっぱいあるのね……」

マリ「あたしサンドイッチ好きだからいっぱい作っちゃうんだよね~。殺人鬼に傷を負わされても、それを食べれば大丈夫だよっ」

レッド「……ありがとう、マリ」

マリ「いいのいいの。ご武運を祈ってるよ~」

カレン「マリお姉ちゃんは?」

マリ「私は適当に遊園地の中をうろついてるよ。心配しないで、私にもサンドイッチがあるから。それじゃあね~」


そしてマリは三人から離れて行った。


カレン「あ、待ってマリお姉ちゃん、一人は危険――」















ラフィング「よう嬢ちゃんたち。サンドイッチなんか持ってピクニックでもする気かい?」













カレン、ヒルダ「!?」


いつの間にか三人のそばに立っていたラフィング。


レッド「こんなボロボロの遊園地でピクニックなんかするわけないでしょ。それより、貴方いつの間に……」

ラフィング「ガキ共にキャンディーをプレゼントしに来ました。死の味がします! 要するに、食ったら死にまぁああす!」


ラフィングは不敵な笑みを浮かべながら、懐から三つのキャンディを取り出す。


ラフィング「食って天に昇ってくれや!」


ラフィングがレッドたちに死のキャンディーを食わせようとしたその瞬間――











女性警備員「貴方たち!! 何をしているの!」


先程レッドと会っていた女性警備員が懐中電灯でラフィング達を照らした。そしてその警備員がすかさずハンドガンを取り出す。


女性警備員「女性を襲おうとしている不審者を発見! 直ちに確保を――」


女性警備員はそれ以上喋ることが出来なくなった。何故なら、邪魔されて苛ついたラフィングに顔面を爪で貫かれ、殺されてしまったからだ。その現場を見たヒルダとカレンは恐怖に満ちて蒼くこわばった顔をしながら、悲鳴を上げた。


ラフィング「プレゼント贈呈の邪魔をすんじゃねえよ……うぜえな」


カレンは恐怖で泣き出す。それを見たレッドとヒルダがカレンの背中をさする。


ヒルダ「何てことをするの!!」

レッド「人を殺すなんて……」


ヒルダとレッドの言葉を聞いたラフィングは黒い笑みを浮かべながら、変なキノコを食べたみたいに下品に笑う。


ラフィング「殺人鬼なんだから人を殺して当然だろぉ!? 次はお前らの番だ! 俺はガキを甚振って殺すのが好きだからワクワクしてくるぜ! 俺様はガキを殺せば心が満たされるんだ! さあ、ここで地獄でも天国でも行ってくれやァ!!」


外道のラフィングに対して静かに憤ったレッドが彼を睨みつける。彼女は怒ると怖い。彼女に睨まれたラフィングは少々怯んだ。


ラフィング「おぃ、何だよその目は……」

レッド「あなたみたいな外道を生かしておくわけにはいかないわ」


レッドは女性警備員が持っていた銃を拾い上げる。


レッド「殺されるのは貴方よ、ラフィング・ジャック」

ラフィング「おいおい、お前も殺しをするつもりか?」

レッド「正当防衛よ。――ここで眠りなさい」


彼女はズドンッとラフィングを撃つ。が、瞬間移動で回避される。


ラフィング「ハハハハハ!! 俺様がそんなものを食らうかよ!」


ラフィングは一瞬で彼女の背後に回り、背中を爪で切り裂こうとする。レッドは彼に背を向けたまま、ノールックで銃弾をラフィングの腹に打ち込んだ。

彼がレッドがノールックで銃弾を命中させられるスキルを持っていることを知っていれば、容易く回避できたであろう。しかし彼はそのことを知らなかった。銃を撃たれた彼はその場に蹲る。


ラフィング「ぐっ!! ガキの癖に……やるじゃねえかよぉ……」

レッド「次は頭を打ちぬいてあげる。さようなら」


レッドが引き金を引こうとしたその瞬間――












カレン「レッドお姉ちゃん! もう止めて!」


なんとカレンがラフィングを庇った。


レッド「カレン? 何のつもり?」

カレン「ラフィングお兄ちゃんは酷い人だけど……命を持ってるんだよ? 尊い命! その命を奪ってほしくない……それに、レッドお姉ちゃんに、殺しをしてほしくないの……」


カレンは涙目でレッドに訴える。


レッド「この殺人鬼を生かしておくつもり?」

カレン「殺さないで穏便に解決する方法はいくらでもあるはずだよ……! だからお願い……殺さないで……っ!」


殺人鬼相手にも優しい彼女。非常に慈悲深い幼女である。殺しをすれば、一生その事実を背負って行かなくなる。それをレッドは理解していた。ただしレッドにはその覚悟が出来ていた。


レッド「悪いけど、この殺人鬼を生かしておく必要が無いわ」

カレン「そんな……!」


その瞬間、ラフィングがレッドの肩を爪で貫いた。傷を負ったレッドは倒れ込む。


カレン「レッドお姉ちゃん!!」

ラフィング「へへへ……茶髪のガキ、俺様を庇ってくれてありがとうよ!」

ヒルダ「レッド、しっかり! 逃げるよ!」


ヒルダはレッドを背負って、カレンと一緒に逃走した。


ラフィング「お、お前ら……待て……うぐっ…腹痛えわ……お陰で瞬間移動使う気力もねえわ……」


ラフィングは意識を失った。



【レッド・マッカーサー 0→1ポイント】










チェリー「はあ、はあ……」

ジェフ「うん、いい感じに血みどろになってきたね。後は君の魂を奪い取って肉塊にするだけだ」


その頃、チェリー・パウは瀕死の状態になっていた。ジェフの方が圧倒的に強かったのだ。


チェリー「もっともっとレッドを愛でたかったのに……」

ジェフ「君のような病んだ人間に好かれたくないようだったよ、彼女は。――殺人鬼の僕が「病んだ」とか言えたことじゃないけど。まあとにかく、ここで肉塊になってもらうよ」


ジェフはチェリーに跨り、ナイフを彼女の額に近づける。


ジェフ「Go to sleep.」


そしてナイフを額に突き立てようとした瞬間、ジェフは後ろから蹴り飛ばされた。キャンディ・ポップが蹴り飛ばしたのだ。


キャンディ「チェリーを殺すのはアタシよぉ! ついでにジェフも殺してあげるぅ!」


あの後、しばらくしてから意識を取り戻したキャンディはずっと逃亡者を捜していた。


ジェフ「チェリーは僕の獲物だ。邪魔するな」

キャンディ「いやあよぉ。アタシはポイントを稼ぎたいんだから!」

ジェフ「なら、死なない程度に苦しめてあげるよ……」


ジェフは咄嗟にムーンサルトを繰り出した。彼のそんな姿が夜空に浮かぶ満月と重なっていた。――そして彼は急降下してキャンディの背後に回った瞬間、ナイフでキャンディの背中を切り裂いた。


キャンディ「いぎっ!!」

ジェフ「眠らなくてもいいからそこでしばらく大人しくしていな」



【ジェフ・ザ・キラー 0→2ポイント】

【キャンディ・ポップ 1→0ポイント】



既に1ポイントを獲得しているキャンディを撃破したため、逃亡者撃破時のポイント+キャンディのポイント奪取で2ポイント獲得できた。



ジェフ「さ、次はチェリーだね」

チェリー「ジェフ……あたしは貴方を許さない……げふっ」


チェリーは血を吐きながら鋭い目つきでジェフを睨みつけている。その時、彼女は2本のナイフを投げつけて、ジェフの右手と左手に命中させた。ナイフを食らってしまったジェフは痛みでよろける。手にナイフを投げつけられたため、攻撃出来なくなった。


チェリー「くっ……」


そしてチェリーは必死の思いで立ち上がり、身体を引きずるように逃げ出していった――。


ジェフ「いてて……眠らせそこなったよ……こんな手じゃ、ナイフ持てないな……」

キャンディ「……」








モンブラン博士「あちらに狼がいるな……」


一方、作者勢の一人であるモンブラン博士は遠くにいる狼に警戒していた。狼は低い唸り声を上げている。


モンブラン博士「離れるか……」


今回は狼に噛まれても失格にはならないが、ポイントが1減る。なので注意だ――。


モンブラン博士「それにしても、リリィは元気なのだろうか。私の推しだから、気になるのだ……」


彼女は今頃、元気でやっている――。









柊「南吉先生、誰かと戦うことになったらどうする?」

南吉「とりあえず、悪戯ですね。相手を慌てさせて、慌てている内にやっちゃいます」


南吉は一見大人しそうに見えるが、実は悪戯好きで相手が慌てているところを見るのを好む。


柊「南吉先生らしいね」


それを柊は理解していた。二人の近くに、一人の女性がやってきた。片目が時計で、深緑のジャンパーを着た女性殺人鬼だ。


クロックワーク「おお、やっと逃亡者を見つけられた……ずっと捜してたんだよな」


クロックワークだ。彼女の手にはナイフが握られている。それに気づいた柊と南吉は戦慄を覚える。


南吉「あの人の雰囲気……異様ですね。不気味です」

柊「ああ……何だか、只物じゃない感じだ。なあお前、ポイント稼ぎのために捜してたのか?」

クロックワーク「察しがいいじゃないか、あんた。お金を手に入れたいから、襲いに来た」


その言葉を聞いた柊と南吉は身構える。


クロックワーク「言っておくけどあたしに勝てると思わない方がいいよ」

南吉「随分自分に自信があるんですね……なんだか下に見られてる気分がして嫌な気持ちになりました……」

柊「ああ、妙にムカつく奴だぜ……今ここでぶっ倒してやる!」

クロックワーク「そうかい」


その時、クロックワークは左目を光らせ、彼女以外の全ての者の時を停止させた。彼女は左目を光らせると「時間停止」させることができる。勿論クロックワークの時までは止まらない。停止させている間は好きなように動ける。


クロックワーク「あたしに出会った事を呪え」


そしてクロックワークはナイフで柊と南吉を切り刻んだ。その後は時間を再生させた。


柊、南吉「うあああっ!!」


時間再生と同時に大きなダメージを食らった二人は意識を失った。



【クロックワーク 0→2ポイント】



クロックワーク「余裕余裕」










その頃、フィリピン人の少女・アリサルは呑気に遊園地の中を散歩していた。


アリサル「廃墟には不思議な魅力があるわね! 朽ち果てて不気味な見た目になった物が綺麗な自然に纏われ……不気味だけど美しさがある、そんなギャップが最高!」


スマホで自分自身とその周辺を録画しながら、呑気に語っている。この動画は後にYoutubeに投稿するつもりだ。


アリサル「廃墟の哀愁漂う姿も素晴らしくて、私興奮しちゃう! もう一度行きたいわね!」


彼女の近くに、一人の女の子がやってきた。白いTシャツとロングスカートを着用した緑髪の少女。


ナムスカル「よおそこのアンタ! あたしと勝負しろ!」


ナムスカルであった。好戦的な彼女はアリサルに勝負を申し込む。


アリサル「ヤバッ、いきなり知らない人から勝負を申し込まれた……! 私戦闘能力ないから、逃げるー!」


アリサルは録画しながら逃げて行った。


ナムスカル「ああっ、こらっ、待ちやがれー! ――って逃げ足速っ!」


アリサルは成績優秀。なので運動神経も良い。余裕で逃走に成功した。


ナムスカル「くそー、見失った――……。ポイント欲しいんだけどなー!」









レベッカ「やっぱり怖いな、このゲーム……」


内向的な勉強家の少女のレベッカ・コッツウォルズは、このゲームと遊園地の雰囲気に恐怖を覚えていた。


レベッカ「でも私、2回目の参戦だし慣れないと……ん?」

サリー「ねえそこの貴方! 私はサリー! ねえ、私と遊んでよ」


突如、サリー・ウィリアムズがレベッカの目の前にやってきた。


レベッカ「え、ごめん、止めとくよ……遊んでいたら狼に狙われるかもしれないし……」

サリー「そうなんだ……つまんない人。ムカつく」


サリーは自分の遊びに付き合ってくれない人が嫌いであり、誘いを断ったレベッカに対して怒った。サリーは両腕を水平に広げ、近くに落ちていた石礫を浮遊させる。


レベッカ「えっ、何々……!?」

サリー「私幽霊だから、ポルターガイストだって起こせちゃうんだよ」


サリーはポルターガイストを引き起こせる能力を持っている。浮遊させている石礫を勢いよく発射し、レベッカの肩に命中させた。


レベッカ「あうっ!」

サリー「ふー、スッキリした。またねー」


彼女はレベッカから離れて行った。


レベッカ「……怖かった……」








その頃、レッド、カレン、ヒルダの三人は遊園地の周りにある森の中に逃げ込んでいた。


ヒルダ「レッド、大丈夫? これ食べて」


ヒルダはマリから貰ったサンドイッチを食べさせる。するとレッドの肩の傷が一瞬で回復した。


レッド「ありがとう……」

カレン「……」

レッド「カレン?」


カレンは何だか神妙な顔つきになっていた。


カレン「レッドお姉ちゃん……ごめんね、私のせいでレッドお姉ちゃんが傷ついちゃった……。ううん、ラフィングお兄ちゃんにも死んでほしくなかったんだけど……。私……足手まといな人間なのかな?」

レッド「そんなことないわよ。あの赤髪の殺人鬼から私を庇ってくれたじゃない。それに貴方のその誰にでも優しい性格は素晴らしいわよ。だからそんなに落ち込むこと無いわよ」


レッドは優しい言葉をかけて、カレンを元気づけようとした。


カレン「ありがとう、お姉ちゃん……」

ヒルダ「私も見習いたいくらいだよ、カレンの優しさを――ん?」


その時、ある人物が三人の近くにやって来た。その人物とは――






{残りゲーム時間  90:00}





-------------------------------------------------------------------------------


【現在のポイント数】


レッド・マッカーサー……1
カレン・マコーミック……0
パウダー・ターナー……0
アニー・ニッツ……0
エステラ・ハヴィサム……0
レベッカ・コッツウォルズ……0

ミニリーナ……0
バローラ……0

ジェフ・ザ・キラー……2
サリー・ウィリアムズ……0
ラフィング・ジャック……0
クロックワーク……2
ジャッジ・エンジェル……0
ブラッディ・ペインター……2
キャンディ・ポップ……0
ベン・ドラウンド……1
ロスト・シルバー……0

チェリー・パウ……0

アンジェリカ・ピクルス……0

ヒルダ……0

アリサル……0

ナムスカル……0
カラミティ……1

オーブリー……0
マリ……0
スウィートハート……1

森近 霖之助……0

太宰 治……0
新美 南吉……0

白銀 リリィ……0

武勝龍 景丸……0
琴葉姫……0
モンブラン博士……0
柊……0





続く

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅣ】 ( No.8 )
日時: 2021/12/02 18:12
名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)

【Friends】


パウダー「ども~! パウダー・ターナーちゃんでーすっ!」


やってきたのは、パウダー・ターナーであった。


ヒルダ「へ」

パウダー「皆集まって何してるの~?」

レッド「別に何も……」


面倒くさいのが来たな、と思い顔をしかめたレッド。


パウダー「あっ、レッド! あたしを見てそんな顔しないでよー、あたし傷つくじゃん」

レッド「貴方のその能天気がうざいのよね……」

パウダー「ひどーい!」

カレン「レッドお姉ちゃん! そんなこと言っちゃ、めっ! パウダーお姉ちゃんが可哀想だよっ!」

レッド「だって」

パウダー「あーっ! なんか見慣れない子がいるー! 君、お名前は?」

ヒルダ「え? 私? ヒルダ……」

パウダー「ヒルダかー、あたし、パウダー・ターナー! よろしくね」

ヒルダ「よろしく――っていうか君さっき名前名乗ってたから知ってたけど」

パウダー「あ、そうだった! 名乗ってたんだった……。まあ、とにかくよろしく! それにしても……レッドにカレン! 第2回の時にも会ったよね! 何かよく会うよね~!」

レッド「こっちとしては別に会いたくは無かったけど……」

カレン「レッドお姉ちゃん! ――私はパウダーお姉ちゃんと会えて嬉しいな。明るいお姉ちゃんも好き!」

パウダー「ありがとー! ねっ、度々会えたのも何かの縁かもしれないし、友達になろっ! ヒルダとも友達になりたいな!」

レッド「はいはい……」


レッドは会話を早く終わらせたいようだ。レッドはパウダーのことを良く思っていない。


カレン「お友達が増えて行って嬉しいな~」











――その時、遠くから誰かの呻き声が聞こえた。











レッド「――? 何よ、この声……」

ヒルダ「なんか苦しそうにしてる……?」

パウダー「ちょっと行ってくるね!」

カレン「あっ、パウダーお姉ちゃん、一人じゃ危険だよっ」


パウダーが声の正体を確かめに行くと、そこにはボロボロの状態になって倒れているアンジェリカがいた。


アンジェリカ「うう……」


以前、キャンディ・ポップにハンマーでこの森まで吹っ飛ばされた彼女は、ずっとここで倒れていたのであった。そんな状態の彼女を見たパウダーは慌てる。


パウダー「あわあわ、大丈夫!? だ、誰か治療薬とか持ってない?」


その時、レッドとヒルダとカレンがパウダーの近くへ走って来た。パウダーのことが心配だった。


レッド「パウダー、大丈夫――あら、この子は……確か今回のゲームの参加者……」

カレン「ひ、酷い怪我! サンドイッチ食べさせないと!」


カレンはマリから貰ったサンドイッチをアンジェリカに食べさせた。するとアンジェリカの傷がみるみるうちに完治していく。


アンジェリカ「う、うん……?」

カレン「良かったー! 治った!」

ヒルダ「マリのサンドイッチ大活躍だね」

パウダー「サンドイッチ?」

レッド「それ食べると傷が完治するのよ」

パウダー「凄い」








カレン「ねえ貴方、一体何があったの? どうして傷だらけに……」


その時、アンジェリカが立ち上がり、カレンの手をはたいた。


アンジェリカ「ふん! あんたなんかの世話にはならないわよ!」

レッド「はあ?」

アンジェリカ「アタシから見ればあんたら全員、ポイントでしかないわ! 歩くポイント!」

レッド「歩くポイントって言うけど、貴方も他の人から見たら歩くポイントでしょ?」

アンジェリカ「お黙り! とにかくあんたらをここで倒してやるわ!」

ヒルダ「何こいつ……」


アンジェリカは懐から大きな網を取り出す。


アンジェリカ「そーれっ、漁業の開始でーすっ! まあここ陸なんだけどね!」


アンジェリカは投網を打って、レッド、カレン、ヒルダ、パウダーの4人を捕まえた。その4人は網から出ようと必死になるが、全然抜け出せない。


アンジェリカ「無駄無駄! それ特別製だから簡単には抜け出せないわよ。さーて、甚振りタイムの始まり始まり~♪ アタシを助けたことを後悔しなさい♪ ねえ、あんたらこれから3歳児に甚振られるけどさ、今どんな気持ちかしらぁ~? クスクス!」


アンジェリカの言動に憤ったレッドがアンジェリカをキッと睨み付ける。


アンジェリカ「ひっ、怖っ……あ、アタシ用事思い出したわ~、アハハハハハ……」


そしてアンジェリカは退散していった。


ヒルダ「わあお、レッドの眼力、凄かった……」

パウダー「レッドは怒ると怖いからね~、パウダーちゃん、おしっこちびっちゃいそうでした」









太宰「対戦相手はいねえかな? 女はお断りだ!」


女とは争いたくない彼の近くに――


霖之助「ん……?」


森近霖之助が通りかかった。


太宰「おっ、男だ! なあお前! 俺は太宰治! いきなりで悪いが、俺と勝負しろ!」

霖之助「勝負? 僕は道具屋の店主だよ。戦える力なんか無いよ」

太宰「じゃあ手加減するから! お願いっ! 誰とも戦えてなくて俺退屈なんだよっ! お願いっ!」

霖之助「……はあ、しょうがないなぁ。分かった」

太宰「ありがとな!」


太宰治 VS 森近霖之助――。


霖之助「じゃあ、行くよ……」


霖之助は懐からミニ八卦炉を取り出して、それを太宰に向ける。そしてその八卦炉に光が宿る――。


太宰「?」

霖之助「はあっ!!」


そしてその八卦炉からレーザーが解き放たれた。それを間一髪で回避した太宰。


太宰「な、何だそれは!?」

霖之助「僕が作ったマジックアイテム「ミニ八卦炉」さ。山一つを焼き払う火から一日中じっくり煮込むとろ火まで火力調節が可能なんだよ」

太宰「おいおい、すげえもん持ってんじゃねえか……戦闘能力が無いってのは謙遜だったのか? まあいい、攻撃を開始するぜ!」


太宰は霖之助を殴ろうと飛び掛かる。彼は弓を使った戦闘スタイルであるが、手加減中なので使わない。霖之助は太宰の攻撃を回避した。


霖之助「予告された攻撃なんか当たるわけ――」

太宰「たぁっ!」


霖之助が躱した瞬間、太宰は足払いをした。非常に素早い攻撃だったため、霖之助は流石に躱せなかった。足払いを食らってしまった彼は転ぶ。


太宰「終わりだ!」


そして霖之助を強く蹴飛ばし、倒した――。



【太宰 治  0→1ポイント獲得】



太宰「やべ、ちょっと強く蹴り過ぎちまった……おーい、大丈夫か?」

霖之助「……うう、心配するな、大丈夫さ」


霖之助は脇腹を押さえながら起き上がる。そこを蹴られたようだ。


太宰「俺の対戦相手になってくれてありがとな!」

霖之助「ああ……。まあ僕は戦いはあまり好きじゃないんだけどね……」


太宰がポイントを獲得したが、霖之助はそれにあまり興味が無かった。霖之助は商売人であるが、お金にあまり興味が無い。彼の店には自分で集めた非売品が非常に多い。商売人というより趣味人である。










ラフィング「ふう~……やっと腹の傷が治って来たぜ……」


一方、ラフィング・ジャックは寝転がって安静にしていた。


ラフィング「あのガキ共……また見つけたら今度こそ殺してやらぁ」


その時、彼の近くに一人の女の子がやってきた。ピンク髪のツインテールで、ピンク色の可愛らしい服を着た女の子であった。


スウィートハート「あら、そんなところで何寝転がってるんです?」


スウィートハートであった。ゲーム序盤でヒルダの顔面を武器で殴った女の子だ。


ラフィング「ああ? テメーには関係ねえだろ」

スウィートハート「そうですか。まあいいですわ、それよりわたくしと戦いませんこと?」

ラフィング「やだよ、傷口が開いちまうもん」


その時、スウィートハートは自前の武器でラフィングの顔面を殴りにかかる。ラフィングはそれを回避した。


ラフィング「何しやがんだ!」

スウィートハート「わたくしには怪我人に対する慈悲を持ち合わせておりませんの。さあ、拷問開始ですわ!」

ラフィング「何ぃ、拷問だとぉ!? ――拷問? おい、ちょっと待て」

スウィートハート「?」

ラフィング「俺も拷問好きなんだよ」

スウィートハート「――ホント?」

ラフィング「ああ。拷問って良いよな。人を長く苦しめれるんだから」

スウィートハート「そうなのですよね~。それが拷問の魅力なのですわ! ――まさか拷問の良さを理解している人がわたくし以外にいるとは思いませんでしたわ!」

ラフィング「拷問好きの奴とか希少種だもんな!」

スウィートハート「貴方みたいな人を殺すのは勿体ないですわ。拷問は止めにしましょう。――わたくしの名前はスウィートハート。貴方方は?」

ラフィング「ラフィング・ジャックだ」

スウィートハート「ラフィング、わたくしと仲良くしましょう? 拷問好き同士として」

ラフィング「おう」


今ここに、奇妙な絆が生まれた――。











その頃、白銀リリィは一人で遊園地の中を歩いていた。


リリィ「狼に会いませんように……」


そんな彼の近くに、一人の女の子がやってきた。金髪ショートで黒い目を持っており、片手に剣を握り締めている女の子であった。


ジャッジ「……」


ジャッジ・エンジェルであった。彼女は無言でリリィに近づいていく。


リリィ「何ですか?」

ジャッジ「ねえ、私と友達になってくれない?」

リリィ「いきなり何ですか……?」

ジャッジ「ああ、ごめんなさい……私、人との付き合い方が分からなくて……」

リリィ「とりあえず、その剣を手放して下さい……それ持った人に「友達になろう」だなんて言われても警戒するに決まってますよ」

ジャッジ「嫌だよ、これは手放したくない。これを持ってないと、不安になるんだもの」

リリィ「何故?」

ジャッジ「それは――……んっ、うううっ!!」


ジャッジは剣を持つようになったきっかけの出来事を思い出してしまい、パニックになる。


ジャッジ「止めろ……私を虐めるな……殺される……助けて……私を襲うなああああ!! 死にたくなるじゃない!!」


突然、怒り狂い出す彼女。彼女は統合失調症と双極性障害を患っているのである。


ジャッジ「うあああああ!!」


怒り狂いながら、リリィの腹を切った。今の彼女には、自分以外の人間が全て怪物に見えている――。



【ジャッジ・エンジェル  0→1ポイント獲得】



ジャッジ「はあ、はあ……これで、襲われない……」








モンブラン博士「ん……あいつは……リンクに似ているな。おーい!」

ベン「何だ……?」


モンブラン博士は遠くにいるベンに話しかけた。


モンブラン博士「ベン! 私と勝負したまえ」

ベン「勝負か……いいよ。悪霊の僕に勝てるかな?」

モンブラン博士「私は非常に強い。なので幽霊だって倒せるさ」


モンブラン博士はベンに特攻する。彼が特攻した瞬間、ベンは目を光らせてモンブラン博士を炎で包み込む。


ベン「さあ、焼けるがいい――!?」

モンブラン博士「やられてたまるか!」


なんと炎で焼かれているのに、特攻し続けているモンブラン博士。彼の「強い」という言葉は誠であった。


モンブラン博士「倒れるがいい!」


そしてモンブラン博士は渾身の力でベンを殴り、意識を失わせた。



【モンブラン博士  0→2ポイント】

【ベン・ドラウンド  1→0ポイント】



ベン「……」

モンブラン博士「言ったろう。私は強いと。ハッハッハ!」











琴葉姫「あれ、あそこにいるのは……太宰さん!?」


遠くにいる推しを発見し、すぐさま駆けつける彼女。


太宰「ん? おお、琴葉姫じゃねーか! 何だ?」

琴葉姫「いやー、ずっと捜してたんだ! なあ、一緒に行動しない?」

太宰「おう、いいぞ!」


琴葉姫、太宰と合流できた――。


琴葉姫「ところで太宰先生、大丈夫? 怪我とかしてない?」

太宰「ああ、戦闘してもいいルールがあるからな……。別に平気だ」

琴葉姫「良かった……」

太宰「琴葉姫こそ、大丈夫か?」

琴葉姫「大丈夫! これからも怪我しないように慎重に行こう」

太宰「おう!」









エステラ「ここは静かですわね……雰囲気は不気味ですが、落ち着きますわ」


その頃、遊園地の周りにある森の中にて、エステラは一人で散歩していた。彼女の周りには、たくさんのチューリップが生えている。


エステラ「狼の気配も全然ありませんし……あら?」


そこに、クロックワークが通りかかる――。クロックワークはエステラをじっと見つめる。


エステラ「あら、わたくしに何かご用でも?」

クロックワーク「ああ、中々綺麗なドレスを着てるからつい見とれてしまって……」

エステラ「わたくしは貴族なんですもの。ドレスぐらい着て当然です」

クロックワーク「そうかい。まあ、そのドレスは今から血だらけになるんだけどな!」


クロックワークは時間停止の能力を発動し、エステラの動きを止め――――――られなかった。時間が停止しているのに、何故かエステラは普通に動けているのだ。今までにLunatic Playに参加してきた逃亡者の中で時間停止を無効化できるのは、エステラのみである。


クロックワーク「何故――!?」

エステラ「ああ、わたくし、何故かは分かりませんが、時間停止を無効化できるんですの……」

クロックワーク「嘘だろ。――なら、時間停止無しでやるしかないか」


クロックワークは時間停止を解除した。そしてナイフを取り出し、エステラに襲い掛かる。エステラは近くに落ちてあった丸太を咄嗟に拾い、ナイフをガードした。


クロックワーク「ほう、自分よりでかい丸太で防ぐとは……やるじゃないか」

エステラ「以前丸太で金髪の男の子を殴る遊びをよくしていましたからね。だから丸太なんぞ簡単に扱う事が出来ますわ」


過去に何度も重い丸太を持って遊んでいる内に、力持ちになったのであった。


クロックワーク「なるほど、見た目に反してパワーがあるみたいだね……しかしあたしは引かないよ。何故なら、ポイントを稼ぎたいから!」

エステラ「じゃあわたくしは貴方を殺してさしあげますわ。正当防衛ですので問題ありませんね」


エステラは丸太で連続で攻撃し、クロックワークにダメージを与えていく。彼女は攻撃を止めない。クロックワークは途中でエステラの連続攻撃から抜け出した。


クロックワーク「逝ってくれ」


そしてクロックワークはエステラの腹にナイフを深く突き立て、抜いたのであった――。


エステラ「ううっ……」


エステラは敗れ、チューリップが咲き乱れている場所に倒れ込んだ。



【クロックワーク  2→3ポイント】



クロックワーク「ふー、これで3ポイントだね。それじゃあな……」


用が済んだクロックワークは去って行った。


エステラ「ううっ……このまま……無様に死ぬだなんて、ごめんですわ」


エステラは自分のすぐ近くに生えている1本のチューリップを抜き取り、その花茎を両手で握りしめたまま、自分の腹の上に置く。


エステラ「死にませんように……」


ゆっくりと目を閉じ、そして自身の命脈が安全に保たれることを祈る。チューリップには「安全」などの花言葉がある。縁起の良い花を持ったまま祈った後、彼女は口元を綻ばせて意識を失った――。













その頃、レッド、カレン、ヒルダ、パウダーの4人は今も遊園地の周りにある森の中にいた。あの後、アンジェリカの網から抜け出せたのであった。


パウダー「あの網を抜け出すの、ホント大変だった~……妙に頑丈なんだもん!」

ヒルダ「まあ、抜け出せて良かったじゃない――ん?」


その時、異様な雰囲気を醸し出した男性が通りかかった。白い仮面を被った黒髪の殺人鬼。――そう、ブラッディ・ペインターだ――。


ブラッディ「初めまして、僕は殺人鬼のブラッディ・ペインター。――君たち、美しいな」

レッド「何? ナンパのつもり? なら下手過ぎね。殺人鬼って言ってナンパが成功すると思ったの?」

ブラッディ「そんなつもりは無いさ……僕は君たちを芸術作品にしに来たんだ」

カレン「芸術?」

ブラッディ「僕は遺体を使って芸術作品を作ることを趣味にしているんだ」

ヒルダ「つまり、殺しに来たと……」

ブラッディ「話が早い」


ブラッディの異常さに恐怖する、レッド、カレン、ヒルダ、パウダーの4人。


ブラッディ「さあ、僕の芸術作品となってもらおう……」


彼はナイフを取り出し、カレンに切りかかる。それを見たレッドが銃でブラッディを撃とうとする。

















その瞬間、ブラッディは何者かによって突き飛ばされた。一瞬、何が起こったか理解できなかったブラッディ。彼を突き飛ばしたのは――
























アンジェリカ「人を殺そうとするなんて物騒な男ねえ!」


なんと、アンジェリカ・ピクルスなのであった――。


カレン「アンジェリカちゃん!?」








{残りゲーム時間  50:00}





-------------------------------------------------------------------------------


【現在のポイント数】


レッド・マッカーサー……1
カレン・マコーミック……0
パウダー・ターナー……0
アニー・ニッツ……0
エステラ・ハヴィサム……0
レベッカ・コッツウォルズ……0

ミニリーナ……0
バローラ……0

ジェフ・ザ・キラー……2
サリー・ウィリアムズ……0
ラフィング・ジャック……0
クロックワーク……3
ジャッジ・エンジェル……1
ブラッディ・ペインター……2
キャンディ・ポップ……0
ベン・ドラウンド……0
ロスト・シルバー……0

チェリー・パウ……0

アンジェリカ・ピクルス……0

ヒルダ……0

アリサル……0

ナムスカル……0
カラミティ……1

オーブリー……0
マリ……0
スウィートハート……1

森近 霖之助……0

太宰 治……1
新美 南吉……0

白銀 リリィ……0

武勝龍 景丸……0
琴葉姫……0
モンブラン博士……2
柊……0






続く

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅣ】 ( No.9 )
日時: 2021/12/02 22:12
名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)

【Last】


レッド「アンジェリカ!? 何故――」

アンジェリカ「あんたら、死にたくなかったらアタシについてきなさい!」


言われるがままにアンジェリカについていくレッド、カレン、ヒルダ、パウダーの4人。そんな彼女たちを追いかけるブラッディ――。

















――しばらくブラッディから逃走し続けた後、彼女たちは洞窟を発見した。


アンジェリカ「あそこの洞窟に隠れましょう!」


そして洞窟の中に入り、身を隠したアンジェリカたちであった。





パウダー「ふ~、助かった! ありがとね、金髪ちゃん!」

アンジェリカ「アタシはアンジェリカ・ピクルスよ……」

レッド「それより、あなたに助けられるとは思わなかったわ……」

アンジェリカ「人が殺されるところを放っておくほど腐っちゃいないわよ、アタシは」


アンジェリカは姑息な女の子だが、殺しを嫌う。だから、レッドたちを助けたのだ。


ヒルダ「――なんかアンジェリカが良い奴に見えて来る……」




カレン「ね、アンジェリカちゃん。皆を助けてくれて本当にありがとうね。貴方がいなかったら、皆は……」

アンジェリカ「まあ……礼には及ばないわ」

ヒルダ「それにしてもアンジェリカちゃんって小っちゃいね~、何歳ぐらい?」

アンジェリカ「3歳よ。てか、小っちゃいとは失礼ね!」

ヒルダ「性悪の貴方が「失礼」って」

アンジェリカ「ふ、ふん!」

カレン「3歳ってことは、私より年下なんだね。私は6歳だから……。あ、じゃあ私はアンジェリカちゃんのお姉ちゃんかー!」

アンジェリカ「こんな気弱そうな奴がアタシより3歳年上だなんて……なんかムカつくわ!」

レッド「黙りなさいアンジェリカ。騒いでさっきの殺人鬼に見つかったらどうするつもり……?」


淡々と怒るレッドに恐怖を覚えるアンジェリカ。


アンジェリカ(何よぉ……カレンもヒルダも喋ってたのに、何でアタシだけ怒られるのかしら……不公平よ)


カレンとヒルダには甘い、レッド。


レッド「それはそうと、あの殺人鬼は? もう追って来てないのかしら?」

パウダー「えー、どうなんだろ?」
















ブラッディ「人の気配がするな」


その時、ブラッディが彼女たちのいる洞窟を発見し、入って来た。


カレン「!!」

アンジェリカ「さっきの殺人鬼じゃない!!」

ラフィング「おうおう、またあったな嬢ちゃんたち」

スウィートハート「拷問しに来ましたわ!」

レッド「ラフィング!?」

ヒルダ「あ、あの女……私の顔面を殴った奴!」


何故かラフィング・ジャックとスウィートハートも来ていた。


ヒルダ「何であんたらまでいるの!」

ブラッディ「君たちを捜している途中で会ってね。女の子たちを捜し出して殺したいとか言ったら、彼らは快く協力してくれたよ」

ラフィング「へへへっ、こんだけいるといっぱい拷問できるな!」

スウィートハート「拷問できるな!」


ヤバイ奴らの集まりだ――。


パウダー「こ、殺される~!!」


パウダーがそう叫んだ瞬間、レッドが銃を取り出してラフィング、スウィートハート、ブラッディの肩を撃った。


レッド「こっちよ、皆!」


殺人鬼二人と拷問好きの女の子が痛みで悶えている内に、逃走した――。


ラフィング「そういや、アイツ銃持ちだった……忘れてたわ」

ブラッディ「……」

スウィートハート「ううう……!!」












パウダー「ねえレッド!? 何処まで逃げるつもり?」

レッド「とにかく遠くへよ! あの殺人鬼共に見つからない、何処かへ!」


逃げ続ける彼女たちの近くに――























チェリー「あら……」

レッド「!!」


チェリー・パウが通りかかった。


ヒルダ「ちょ、貴方は……!!」

アンジェリカ「前回でアタシを切りつけてくれた奴じゃない……!」

チェリー「や~っと見つけた。レッド、会いたかったよ……」

パウダー「な、何なのこの人……怖いよ!」

チェリー「でもレッドの周りの子が邪魔だね……ちょっと消えてもらうよ」


チェリーはナイフを取り出し、カレン、ヒルダ、パウダー、アンジェリカの4人の腹を素早く切りつける。


チェリー「さようなら」


そして近くの崖から蹴り落とされて、海に沈められたカレン、ヒルダ、パウダー、アンジェリカであった――。それを見たレッドが瞳孔を開く。チェリーはレッドに抱きついた。


チェリー「ふう、これで邪魔者が消えた……。ああ……あたしのレッド……やっぱり貴方はとても美しいね……殺して防腐剤塗れにして腐らなくさせて、一生抱きしめてあげたい……」


その時、レッドが目にも止まらぬ速さでチェリーの腕の骨を折った。


チェリー「痛っ」

レッド「邪魔。消えろ」

チェリー「……ねえ。あたしを拒絶するの? 酷いよ……」

レッド「酷いのはどっちかしら。私の友達を傷つけて……絶対に許さないわ」


レッドは銃を取り出し、その銃口をチェリーに向ける。その時、レッドとチェリーは満月の光に照らされた。


チェリー「殺すつもりか……でも、レッドに殺されるのならいいな……」

レッド「残念ね。私、人は殺したくないから手加減するわ」


レッドは引き金を引き、チェリーの脇腹に銃弾を撃ち込んだ。撃たれたチェリーは幸せそうな表情をして、倒れた――。




【レッド・マッカーサー  1→2ポイント】




レッド「さあ、早くカレンたちを助けに行かないと――!?」

ラフィング「おうテメエ……捜したぜ。さっきはよくも撃ってくれたな」


その時、ラフィング・ジャックとスウィートハートとブラッディ・ペインターがやってきた。


スウィートハート「復讐しに来ましたわ」

ブラッディ「同様。覚悟してくれ……」

レッド「……あんたらに構ってる暇は無いのよ!!」


レッドは銃を乱射し、ラフィング・ジャック、スウィートハート、そしてブラッディ・ペインターの意識を失わせた。



【レッド・マッカーサー  2→8ポイント】



1ポイントを持ったスウィートハートと2ポイントを持ったブラッディを倒したので、その1ポイントと2ポイントがレッドのものになった。そしてラフィングとスウィートハートとブラッディの三人を倒したので3ポイント獲得。なのでレッドのポイントは一気に8ポイントとなったのであった。




レッド「カレン!! ヒルダ!! パウダー!! アンジェリカ!!」


レッドは彼女たちを助けようと、崖から飛び降りて海に飛び込んだ。


レッド「皆!? 何処なの!?」


レッドは必死に泳ぎながら、その4人を捜す。































――捜し続けること30分間。レッドは一人も見つけることが出来なかった。




































レッド「嘘、嘘でしょ……全然見つからないじゃない……」


涙を浮かべるレッド――。


レッド「嫌よ……嫌ぁ……!!」






















































ジェフ「ねえ、君」













レッド「!?」


後ろから声をかけられたレッド。何故かジェフがレッドの近くにいる。――ジェフだけでなく、マリもいた。


ジェフ「捜している人はこちらかい?」


ジェフはカレンとヒルダを、マリはパウダーとアンジェリカを背負っていた。


カレン「ううっ……」

ヒルダ「寒いよぉ……」

パウダー「凍えちゃう……」

アンジェリカ「冷てえ……」

レッド「え……」


しかも全員の命が助かっている。ジェフ、マリの2人が彼女たちを助けてくれたのであった――。


レッド「ああ、ああ……!!」


全員が助かっている事実に感動し、堰を切ったように泣き出すレッドであった。












数分後、海岸に上がったレッドたち――。カレン、ヒルダ、パウダー、アンジェリカの4人はジェフとマリがくれた毛布に包まって、身体を温めている。


レッド「皆……ありがとう!! カレン達が助かって良かった……!!」

ジェフ「お安い御用だよ!」

カレン「ごめんね、心配かけて……」

レッド「謝ること無いわ……ああ、良かった……皆助かってて本当に良かったわ……!! ――でも……何でジェフとマリがあの湖にいたのかしら……?」

ジェフ「海岸を歩いていたら、女の子が浮いているのが見えて……」

マリ「ジェフと同様!」

レッド「そうだったのね……」

カレン「ジェフお兄ちゃん、マリお姉ちゃん、ありがとう!」

ヒルダ「ありがとうございます……!」

パウダー「助けてくれたお二人に感謝します!」

アンジェリカ「あ、ありがと……」

ジェフ「いいんだよ」

マリ「困った時はお互い様だよ~」








ジェフ「――ああ、話変えて悪いけど……もう残りゲーム時間が30秒だな」

マリ「え、もうあとちょっとじゃん!」

ヒルダ「今一番ポイント稼いでる人って誰なの?」

カレン「ええーと……」


カレンは自分のスマートウォッチを見る。スマートウォッチにはタイマーの確認の他に、現在の逃亡者のポイント数を確認できる機能もついている。


カレン「レッドお姉ちゃんだ! 8ポイント!」

マリ「8!?」

アンジェリカ「倒しすぎでしょ……」

レッド「さっきラフィング、スウィートハート、ブラッディを倒したから……」

ヒルダ「すごい」









{残りゲーム時間  0:02}



{残りゲーム時間  0:01}



{残りゲーム時間  0:00}








≪レッド・マッカーサー  優勝   200万円獲得≫





レッド「200万……!! やった……やったわ、私!!」

カレン「おめでとー、レッドお姉ちゃん!」


賞金を獲得できたレッドに拍手するカレン、ヒルダ、パウダー、アンジェリカ、ジェフ、マリであった――。





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ゲームマスター「……」


その頃、Lunatic Playのゲームマスターは次のゲームのアイデアを考えていた。


ゲームマスター(……次のゲームは一体どんな内容にしようか)










【THE END】


Re: 【Lunatic Play EPISODEⅣ】 ( No.10 )
日時: 2021/12/02 18:47
名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)

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~あとがき~

【Lunatic PlayⅣ】、完結致しました!
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
明日には第5回のLunatic Playを出す予定です。

次回の募集なのですが、次回は無しです。申し訳ありませんが、ご了承ください。




では!


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