二次創作小説(新・総合)

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【Lunatic Play EPISODEⅣ】【完結】
日時: 2023/02/04 08:16
名前: ウィオ (ID: izFlvzlp)

【Lunatic Play(ルナティック・プレイ)】とは?

それは決められた時間内を3匹の狼から逃げ惑い、賞金を獲得する遊戯である。
因みに、敵は狼だけでない……。
今回も前回のようにフラウドは存在せず、逃亡者同士での潰し合いがある。

しかし、今回は一味違う――。

深夜、アメリカにある廃園になった大きなテーマパークに集められた逃亡者。
果たして、優勝者は一体誰になるのか――。



※注意事項
・設定の少ないキャラはオリジナルの設定を含ませております。
作者わたしは海外の作品は英語版しか見ない主義なので、海外製のキャラの口調・一人称などは自分のイメージで決めております。なので公式邦訳とは一人称・口調が違います。
・このシリーズの作風はホラーゲームを意識してるのでダーク・シリアスな要素が多々含まれております。
 苦手な方は閲覧をお控えください。

それでもよろしい方はどうぞ。




~逃亡者~ ※【】内は作品名

レッド・マッカーサー(Red McArthur)【Southpark】{4}
カレン・マコーミック(Karen McCormick)【Southpark】{4}
ジェニー・サイモンズ(Jenny Simons)【Southpark】{4}
パウダー・ターナー(Powder Turner)【Southpark】{3}
アニー・ニッツ(Annie Knitts)【Southpark】{2}
エステラ・ハヴィサム(Estella Havisham)【Southpark】{2}
レベッカ・コッツウォルズ(Rebecca Cotswolds)【Southpark】{2}
ミニリーナ(Minireena)【Sister_Location】{4}
バローラ(Ballora)【Sister_Location】{3}
ジェフ・ザ・キラー(Jeff_the_killer)【Creepypasta】{4}
サリー・ウィリアムズ(Sally Williams)【Creepypasta】{2}
ラフィング・ジャック(Laughing_Jack)【Creepypasta】{2}
クロックワーク(Clockwork)【Creepypasta】{2}
ジャッジ・エンジェル(Judge_Angel)【Creepypasta】{1}
ブラッディ・ペインター(Bloody_Painter)【Creepypasta】{1}
キャンディ・ポップ(Candy_Pop)【Creepypasta】{1}
ベン・ドラウンド(Ben_Drowned)【Creepypasta】{1}
ロスト・シルバー(Lost_Sliver)【Creepypasta】{1}
チェリー・パウ(Cherry_Pau)【Cherry_Pau】{2}
アンジェリカ・ピクルス(Angelica Pickels)【Rugrats】{2}
ヒルダ(Hilda)【Hilda】{1}
アリサル(Arizal)【Recorded by Arizal】{1}
ナムスカル(Numskull)【Dumb_ways_to_die】{2}
カラミティ(Calamity)【Dumb_ways_to_die】{2}
オーブリー(Aubrey)【Omori】{1}
マリ(Mari)【Omori】{1}
スウィートハート(Sweetheart)【Omori】{1}
森近 霖之助【東方project】{1}
太宰 治【文豪とアルケミスト】{1}
白銀 リリィ【アイカツスターズ】{1}
新美 南吉【文豪とアルケミスト】{1}
武勝龍 景丸【作者勢】{2}
琴葉姫【作者勢】{3}
モンブラン博士【作者勢】{3}
柊【作者勢】{2}




GOOD LUCK, FUGITIVES.




△今回の舞台は廃れた遊園地!
△「Hilda」「Recorded by Arizal」「Omori」のキャラが初参戦!
△Creepypastaのキャラが多め!
△ゲーム系Creepypastaのベンとロストが初参戦!
△怖すぎるロスト・シルバー!
△フィリピン人のアリサルちゃん、動画撮りながら頑張る!
△果たして、最後まで生き残るのは一体誰なのか?

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅣ】 ( No.1 )
日時: 2023/02/04 08:05
名前: ウィオ (ID: izFlvzlp)

【Fugitives List】

≪Southpark≫

レッド・マッカーサー(Red McArthur)

「Lunatic Play」シリーズの主人公。
Lunatic Playのレギュラー。
サウスパーク小学校に通う美少女。髪の色は赤。
ウェンディとベーベの友人。結構気が強く、クールな性格だが
優しい一面も持っている。しかし怒ると怖い。


カレン・マコーミック(Karen McCormick)

「Lunatic Play」シリーズのヒロイン。
ケニーの妹。Lunatic Playシリーズのレギュラー。
とても優しくて大人しいが泣いていることが多い。
そしてかわいい。


ジェニー・サイモンズ(Jenny Simons)

サウスパーク小学校に通う女の子。
Lunatic Playシリーズのレギュラー。
ローラの親友であり、彼女と一緒にリスト作成委員会の
委員長やチアガールを務めている。優しい性格であるがナイーブなところがある。
肛門が緩い。


パウダー・ターナー(Powder Turner)

サウスパーク小学校に通う女の子。
Lunatic Playシリーズの準レギュラー&マスコット的存在。
レッドと同様に赤毛。ヘアピンとパーカーが特徴的。
明るく健気な性格だが結構短絡的である。


アニー・ニッツ(Annie Knitts)

サウスパーク小学校に通う女の子。
ブロンドの巻き毛が特徴的。大人しい性格で世間知らずなところがある。
性知識に乏しいのか、Queef(膣排気音)を知らない。


エステラ・ハヴィサム(Estella Havisham)

イギリス人の少女。
良家のお嬢様なので裕福な服装をしている。
口が非常に悪く、残酷な性格。
男性の心を傷つけるように育てられた。


レベッカ・コッツウォルズ(Rebbeca Cotswolds)

8歳の女の子。
知的で勉強家だが、世間知らずで少し内向的。
どもりがちで声が常に震えており、人と目を合わせるのを嫌がる。



≪Sister_Location≫

バローラ(Ballora)

バレリーナらしくステージでバレエを行う女性アニマトロニクス。
Lunatic Playシリーズでは擬人化で登場している。
(紫色のシニヨン・セクシーなドレス・巨乳)
歌の才能がある。常に瞳を閉じている。
知的で冷静な性格だがドSな部分がある。ミニリーナが大好き。


ミニリーナ(Minireena)

バローラのステージにおけるバックダンサー。女性。
Lunatic Playシリーズのレギュラー。このシリーズでは擬人化で登場している。
(三白眼・銀髪セミロング・黄色の半袖オフショルダー・白スカート・白ブーツ)
いたずら好きで勝気な性格。男口調でしゃべる。
バローラのことが苦手である。



≪Creepypasta≫

ジェフ・ザ・キラー(Jeff_the_killer)

海外のストーリー「Jeff_the_killer」に登場する少年殺人鬼。
Lunatic Playシリーズのレギュラー。表記は「ジェフ」。
白いパーカーを着ていて真っ白い肌と裂けた口をしている。
殺人鬼なので狂った人格であるが、案外優しい一面もあったり。

※「検索してはいけない」類で時々出てくる、
口の裂けた真っ白い顔をしている者が彼である。
彼を画像検索するときは「絶対」覚悟してから検索してください。


サリー・ウィリアムズ(Sally Williams)

海外のストーリー「Play with me」の主人公。
ピンク色のワンピースを着用しており、
クマのぬいぐるみを抱いた少女の幽霊。
親切で陽気。若干いたずらっ子のようである。


クロックワーク(Clockwork)

海外のストーリー「Clockwork」の主人公。
復讐に燃える残酷な女性殺人鬼。不安定な性格で、
普段は物静かだが、狂気に走ると非常に攻撃的。因みに彼氏持ち。


ラフィング・ジャック(Laughing_Jack)

残虐な殺人を行う白黒の道化師。
いつも笑っているが性格は無慈悲で暴力的で拷問好き。
子供を殺したり、拷問したりすることに喜びを感じる。
孤独な者の元へ、キャンディーと死を持ってやってくる。


ジャッジ・エンジェル(Judge_Angel)

初参戦。
黒い目を持った女性。
自身が患っている双極性障害や統合失調症などに悩んでいる。
人との付き合い方が分からず、暴力的。


ブラッディ・ペインター(Bloody_Painter)

初参戦。
白い仮面を被った黒髪の男性殺人鬼。
穏やかで大人しく、あまり笑ったり話したりせずとても礼儀正しいが、
利己的なエゴイストであり、メリットがあるか無いかで動く。


キャンディ・ポップ(Candy_Pop)

初参戦。
大きなハンマーを持った男性のデーモン。
Lunatic Playではオネエ口調で喋る。
非常に陽気であるが、邪悪な一面がある。
他人の苦しみを笑い飛ばし、愚弄するのが好き。


ベン・ドラウンド(Ben Drowned)

初参戦。
「ゼルダの伝説ムジュラの仮面」の都市伝説に登場する幽霊の少年。
見た目はゼルダの伝説シリーズのリンクと瓜二つであるが、
白目の部分が真っ黒で、瞳は赤色であり、更に常に少量の血の涙を流している。


ロスト・シルバー(Lost_Silver)

初参戦。
「ポケットモンスター金銀・クリスタル」の都市伝説に登場する幽霊の少年。
見た目はポケモン金銀の男主人公と瓜二つであるが、
白目の部分が真っ黒で、瞳は赤色。常に少量の血の涙を流している。
そしてなんと両手両足が捥がれている。その為、常に浮遊している。



≪Rugrats≫

アンジェリカ・ピクルス(Angelica Pickles)

3歳の少女。
支配欲が強く、意地悪な性格である。
いたずら好きで、よく年下の子供を虐めている。



≪Charry Pau≫

チェリー・パウ(Cherry_Pau)

赤髪ロングの美少女で殺人鬼。
赤色とさくらんぼが好き。人を拉致っては殺すのが趣味。
人を不安にさせるようなことをいつも喋っている性悪。



≪Hilda≫

ヒルダ(Hilda)

初参戦。
深い青色のロングヘアの11歳の少女。
非常に冒険的で恐れを知らず、自然にとても優しい。
モンスターにも簡単には怯まない。時々失礼なことをするが、
普段はとてもフレンドリーで寛大である。



≪Recorded By Arizal≫

アリサル(Arizal)

初参戦。
フィリピン人の16歳の女の子。褐色肌。
成績優秀であり、よく自分を動画に撮っている。
タガログ語は勿論、英語も流暢に喋れる。



≪Dumb_Ways_To_Die≫

ナムスカル(Numskull)

宇宙服を着た丸っこい生物(女)であるが、Lunatic Playシリーズでは擬人化で登場。
(緑髪ショートの美少女で白いシャツにロングスカートを着用)
お金持ちである。頭は良くない。


カラミティ(Calamity)

全身が茶色くて丸っこい生物(女)であるが、Lunatic Playシリーズでは擬人化で登場。
(茶髪セミロングの美少女で茶色の洋服と赤茶色のスカートを着用。あと巨乳)
ほんわかしているが、煽り能力が高く、煽り耐性も非常に強い。
非常に肝が据わっており、常に相手をからかうような態度をしている。



≪Omori≫

オーブリー(Aubrey)

初参戦。
黒髪ロングヘアの12歳の少女。
とても明るくて強かであるが、心配性である。
何か悪いことが起こった時には、とても感情的になる。


マリ(Mari)

初参戦。
黒髪ロングヘアの15歳の少女。ブレザーを着用している。
優しく穏やかな性格。ただしお茶目な一面もある。


スウィートハート(Sweetheart)

初参戦。
大きなリボンを頭につけたピンク髪ツインテールの少女。
自分の態度や外見をよく自慢するナルシスト。
注目されるのが大好き。拒絶されたり貶されたりすると怒りを爆発させる。
冷酷な一面もあり、拷問も行っているらしい。



〔東方project〕

森近 霖之助

古道具屋「香霖堂」の店主。
妖怪向け両方の品を扱っている人物。
温厚で、喧騒を嫌い、一人でいること好む。



〔文豪とアルケミスト〕

太宰 治

明るいムードメーカーだが、本心はナルシスト。
よく上から目線で批評するが、媚びるときはとことん
媚びることができる変わり身の速さ。往生際が悪く、
都合が悪いことを指摘されても絶対に認めない。


新美 南吉

自然や人間を深く観察する感受性豊かな少年。
「ごん」という小狐のぬいぐるみを抱えている。
その外見からは内気で大人しそうな印象を抱くが
実は人が驚き慌てふためく姿に快感を覚えている大変な悪戯っ子。



〔アイカツスターズ〕

白銀 リリィ

四ツ星学園の2年生。
芯が強く、自分をしっかり持っている。
人の意見に左右されない頑なな性格だが、
意外と悪乗りする事が大好き。



〔作者勢〕

武勝龍 景丸

小説カキコで活動している男性作家。
温厚だが人を貶すものには激昂する。
忍者口調であり、和風装束にマントを着用している。


琴葉姫

小説カキコで活動している女性作家。
嫁・推しが生きがいの腐女子兼夢女子。
推しのことになるとトンデモパワーを発揮することがある。
割と図太くお調子者。基本テンション高めだが、自己肯定感は低め。
頼られると断れず誰かのためになりたいと思っているが、早とちりしがち。


モンブラン博士

小説カキコで活動している男性作家。
義理堅く真面目な性格だが神経質で臆病な面を持ち合わせている。
基本は慎重派。北大路さくらが最推しだが、白銀リリィに対しては
病弱で読書家という共通点から親近感を覚えており、
自分の目指すべき理想の姿かもしれないと思っている。
同時にいつも右往左往して定まらない自分を嫌い、劣等感を抱いている。




小説カキコで活動している女性作家。
明朗だがビビりで、ホラーは大の苦手。基本的に緩く、テキトー。
人の恋路はにやにやしながら見守るが自分の恋路はドヘタレ。
第五人格のハスター様の信者。年下の推しに関しては甘やかしそうになる。
自己犠牲しがち。

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅣ】 ( No.2 )
日時: 2021/11/25 17:02
名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)

【GAME START】



廃園になったテーマパークに集められた35人の逃亡者たち。彼らはゲームが始まるまで、エリアの下見をしていた。




レッド「このゲーム、毎回夜に開催されるのは何故なのかしら?」




アニー「参加するの久しぶりだなー」




サリー「誰かと一緒に遊びた~い!」




霖之助「ふむ、テーマパークって遊具に溢れた場所なのか……かなり廃れているが、廃れる前はさぞかし賑やかだったんだろうね」




ラフィング「へへへ、楽しみだぜ! 誰かを拷問したくてたまらねえ!」









ゲームスタートまで――



10



























































{残りゲーム時間 220:00}




{START}



スタートと同時に3匹の狼が光と共に現れ、逃亡者たちを捜しに走り出した――。





-----------------------------------------------------------------------------



パウダー「わー、でっかい遊園地ー! そしてめっちゃ廃れてるー!」



今回のLunatic Playの舞台は、廃園になった大きなテーマパーク。
メリーゴーランド、観覧車、ジェットコースター、レストランなどのお馴染みの施設は
一通り揃っている。しかし廃園なので当然全く機能していない。

テーマパークの周りは緑で囲まれており、綺麗な花が咲いている。

果たして、Lunatic Playの優勝者は現れるのか――。



-----------------------------------------------------------------------------




ミニリーナ「テーマパークって聞くとあれだな……何故か私のピザ屋を思い出すな。どっちも人を楽しませる施設だから……てかさ」

バローラ「?」

ミニリーナ「いい加減私から離れてくんない?」


ゲーム開始時から、ずっとミニリーナの背後にくっついているバローラ。


バローラ「決まってるじゃない。貴方が変なことしないか監視してるのよ。前回、私はいなかったけど人に悪戯はしてなかったわよね?」

ミニリーナ「してないしてない! てかする余裕すら無かったし」

バローラ「それならいいんだけどね。人に嫌がらせしたら、罰を与えちゃうわよ」

ミニリーナ「分かってるわ……お前の制裁はキツイからな。大人しくしてるよ。なるべく」

バローラ「なるべく?」

ミニリーナ「ずっと」


バローラに睨まれ、弱気になったバックダンサーのミニリーナであった。








ベン「このゲームは狼が追いかけてくるのか……僕、追いかけられるのは嫌いなんだよな」


今回初参戦である、リンクにそっくりな幽霊の少年のベン・ドラウンドは狼に警戒していた。


ベン「追いかけるのは好きなんだけどね。追いかけられる側になるのは性に合わないよ」


悪霊であるため、敵側じゃないと納得しないようだ。








アンジェリカ「フッフッフ、今回も逃亡者の潰し合いがあるみたいね。面白いわ!」


性悪な三歳の幼女のアンジェリカ・ピクルスは期待を胸に膨らませていた。


アンジェリカ「こんなこともあろうかと、逃亡者を陥れられそうな罠をいっぱい考えて来たのよ! 早く逃亡者の絶望する顔を見てみたいわ~!」


忌まわしい感じの笑顔を浮かべる、悪魔な幼女――。







アリサル「んん~、このゲーム、なんだかスゴク不気味! 私緊張しちゃうネ」


成績優秀なフィリピン人の少女・アリサルはこのテーマパークの鬱々とした重苦しい雰囲気に恐怖を覚えながらも、明るく振舞っていた。


アリサル「でも怖がてたらダメでーす! お金ゲットのために、あたし頑張ルー!」

アリサル「おとと、動画撮らなきゃ! 僕、撮影技師なのでー。俺はみんなにエンターテイメントを提供するのを役目にしてんのー」


自身の記録をつけることを仕事にしている彼女である。







ジェニー「このメリーゴーランド、すっごく錆びてるな……怖いよ」


メリーゴーランドの付近にいる黒髪の少女のジェニー・サイモンズが恐ろしがっている。その途中で彼女は腹に違和感を覚えた。


ジェニー「んっ――ヤベッ、漏れる、漏れる!!」


恒例の腹痛に襲われた彼女はトイレを求め、走り出す。必死に尻の穴を閉めながら――。


ジェニー「トイレ、トイレ――あっ、あった!」


運良くトイレを見つけられた彼女。そこに向かって全速力で駆け込んでいる途中に石に躓いて転倒してしまう。その際に腹を打ちつけ、その衝撃で自身の尻の穴から細長い排泄物が大きな音を立てながら露出してしまった。


ジェニー「…………棄権します……」



【ジェニー・サイモンズ     脱糞   ≪残りゲーム時間≫】
       残り  34人        {217:12}









アニー「『ジェニー・サイモンズが脱糞して棄権し、残り34人となった』」


ミニリーナ「あっそ」














その時――












ピコン!


現在生き残っている逃亡者のスマートウォッチにメールが届いた。情報は、メールで知らされる――。


ミニリーナ「ん? 今度は何だよ……『お知らせ』?」




---------------------------------------------------------------------------


【34人の逃亡者に一つ新たなルールを告げる。












 今回もフラウドは存在せず、逃亡者で潰し合っても良いルールがあるが、そこにポイント制のルールを追加する。

 逃亡者を撃破すると1ポイント貰える。制限時間内に1番ポイントを稼いだ者が賞金を獲得できる。

 さらに今回は「失格」という概念が存在しない。狼に噛まれても失格にならないが、ポイントが一つ減る。

 逃亡者は他の逃亡者のポイントを奪うことが出来る。例えば1ポイントの逃亡者が2ポイントの逃亡者を撃破すると、その2ポイントを自分の物に出来る。

 説明は以上だ。諸君ら、賞金を手に入れたければ、ポイントを沢山稼ぐのだ】



------------------------------------------------------------------------------------





太宰「ぽいんと制……?」





琴葉姫「えっ、失格という制度は無いけど、逃亡者を倒さないとお金貰えないの?」





ブラッディ「なるほど、逃亡者を多く殺せばいいのか」




キャンディ「あらあら、中々個性的なシステムねぇ! アタシワクワクしてきたわ!」




カレン「また戦い? そんなの嫌だよぉ……」







-----------------------------------------------------------------------------------

【現在のポイント数】

レッド・マッカーサー……0
カレン・マコーミック……0
パウダー・ターナー……0
アニー・ニッツ……0
エステラ・ハヴィサム……0
レベッカ・コッツウォルズ……0

ミニリーナ……0
バローラ……0

ジェフ・ザ・キラー……0
サリー・ウィリアムズ……0
ラフィング・ジャック……0
クロックワーク……0
ジャッジ・エンジェル……0
ブラッディ・ペインター……0
キャンディ・ポップ……0
ベン・ドラウンド……0
ロスト・シルバー……0

チェリー・パウ……0

アンジェリカ・ピクルス……0

ヒルダ……0

アリサル……0

ナムスカル……0
カラミティ……0

オーブリー……0
マリ……0
スウィートハート……0

森近 霖之助……0

太宰 治……0
新美 南吉……0

白銀 リリィ……0

武勝龍 景丸……0
琴葉姫……0
モンブラン博士……0
柊……0
       



続く

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅣ】 ( No.3 )
日時: 2021/11/25 17:36
名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)

【Laughing and Cherry】


アニー「金手に入れるには、戦わなければいけない、か……久しぶりにLunatic Playに出たら、なんかルールがヤバくなってたんだが……」


メールに記載されてあったルールの内容に戦慄する、アニー・ニッツ。


アニー「戦いとか怖えよ……誰とも会いたくねえよ……」







ジャッジ「……戦い……」


今回初参戦である精神疾患を患った黒目の少女・ジャッジ・エンジェルはレストランの壁に背を向けながら、蹲っていた。


ジャッジ「良かった……私、人とどう接していいのか分からないから……」


凄惨な過去があったため、人との接し方が全く分からない彼女。彼女は逃亡者と出会い次第、自前の剣で倒す気だ――。










カラミティ「ふんふん~♪ 今回のステージも相変わらず暗くて不気味だな~♪」


その頃、茶髪の巨乳美少女のカラミティは呑気に遊園地の中を歩いていた。そこに一人の少女が憤った表情をしながら近づいて来る。


ナムスカル「おいカラミティ! あたしと勝負しろ!」


男勝りな緑髪の女の子・ナムスカルであった。


ナムスカル「前回のリベンジをさせてもらうよ! 正々堂々と勝負だ!」

カラミティ「お姉ちゃんが怖くないんだね、貧乳ちゃん♪」


貧乳と言われて怯むナムスカル。胸が平たいことは、彼女のコンプレックスであった。


ナムスカル「だ、黙れ! もう不意打ちされるのは嫌だからね! おらあ!!」


ナムスカルはカラミティに拳を振りかかる。カラミティはそれをひょいっと軽く避けた。カラミティはウィンクしながら、人差し指を立ててくすくすと笑っている。


カラミティ「拳のスピードは速いけど、お姉ちゃんの回避するスピードのほうが速いみたいだね~♪ もっと素早く攻撃してよ~、つまんないよ?」


煽られ、より憤ったナムスカルは全力を込めた拳をカラミティにぶつけようとする。その瞬間、カラミティに足払いされ、地面に仰向け状態にされた。


カラミティ「それっ!」


そしてカラミティはナムスカルの股間に思い切りキックした。それを食らったナムスカルは悶え、気を失った。女も股間を攻撃されれば苦痛を感じる。



【カラミティ 0→1ポイント】



カラミティ「ふふん♪ 余裕余裕♪」


相変わらず、全く慌てる様子を見せない彼女。相当の胆力の持ち主である。













ヒルダ「廃れた遊園地に、戦い……ちょっとワクワクしてきたかも」


今回初参戦の冒険的な青髪の少女・ヒルダはこの状況に胸を高鳴らせていた。彼女は色んな場所に冒険しに行くのを趣味にしているのだ。


ヒルダ「戦いもいいけど、この遊園地の探索のほうをやりたいんだよね、どっちかと言ったら」

スウィートハート「探索できる暇なんて無いわよ? 何故ならこのスウィートハート様が来たから!」


唐突に声をかけられて驚き、後ろを振り向くヒルダ。そこには、ピンク髪のツインテールの少女・スウィートハートがいた。

スウィートハートは少し変わった武器を持っている。それは鉄の棒の先端に刺のついたハート型の鉄を鎖で繋げている武器だ。つまり、鉄球の部分がハート型になっているフレイルである。


ヒルダ「何? 倒しに来たの?」

スウィートハート「そうに決まってるでしょう! この可愛いあたしに甚振られることを光栄に思いなさい!」

ヒルダ「何それ意味不明……」

スウィートハート「とにかくポイントを稼がせてもらいますわよ!」


スウィートハートは自前のフレイルでヒルダを殺しにかかってきた。彼女の武器の先端部分がヒルダの顔面にクリーンヒットする。悲痛な声をあげながら、血を流すヒルダ。


ヒルダ「うう……」

スウィートハート「次は腹ですわ!!」


今度はヒルダの腹に先端部分をヒットさせ、ヒルダの意識を失わせた。



【スウィートハート 0→1ポイント】



スウィートハート「あら、もう倒れたの? 全く、根性のない奴ですわね! オーッホッホッホ!」










霖之助「ふむ……あちらには狼がいるんだな……」


今回初参戦である古道具屋の店主・森近霖之助は狼に警戒中。遠くで唸り声をあげながら逃亡者を捜している狼を発見した彼は、すぐさま逃げ出す。


霖之助「敵は狼と逃亡者か……。参ったな、争いは好きじゃないんだけどな……」


喧嘩を嫌う、温厚な店主。









琴葉姫「今度は安全な状況で、推しと会いたい!」


前回はチェリーにやられそうになっていた時に、やっと推しである人に会えた。


琴葉姫「前回は推しと仲良くできなかったからな……ん?」


その時、彼女は遠くのほうでふよふよと浮遊しながら彷徨っている少年を見つけた。


琴葉姫「誰だあの子……? でも、なんか何処かで見たことあるような見た目してるな……」


その少年が彼女の気配に気づき、こちらに向かってくる。


琴葉姫「――ひいっ!!? き、君……」

ロスト「お前の視線を感じた。何か用か?」


その少年は、今回初参戦である幽霊の少年であるロスト・シルバーであった。見た目はポケモン金銀の男主人公にそっくりなのであるが、両手両足が無く、達磨状態なのである。そして常に血の涙を流し続けている。


琴葉姫「ポ、ポケモン金銀の主人公……!? な、何故そんな見た目に!?」

ロスト「? 誰だそれは。俺はロスト・シルバーだ。俺がこんな見た目になったのは、話せば長くなる」

琴葉姫「そ、そうなのか。じゃあ止めとくよ、それ以上君のことを詮索するのは」

ロスト「そうか、まあ結構凄惨な出来事だったからな、聞かない方がいいな」

琴葉姫(怖え……)











チェリー「今回も素敵な赤色を見たいな……」


赤色が大好きな女性殺人鬼のチェリー・パウは、一人で遊園地を徘徊していた。そこに一人の男性がやってくる。


ラフィング「おうおう、嬢ちゃんよぉ。こんな場所を一人でふらついてちゃあ危ないぜえ?」


拷問好きのピエロのラフィング・ジャックであった。


チェリー「あら、前回でアイレスにやられた奴じゃない。あたしに何か用?」

ラフィング「前回でお前を仕留め損なったから仕留めに来た」

チェリー「ああ、そういえばそうだったね。激しい状況だったからよく覚えてなかったわ。フフ……」

ラフィング「よく俺様にそんな口を叩けるな。マジで殺したくなってきたぜぇ。ま、そもそも殺しに来たんだけどなァ! ギャハハハハハ! ――お前を死後の世界へ送ってやんよ……」


ラフィングは服のポケットからキャンディーを取り出す。それはただのキャンディーでは無く、食べた者は長い苦痛を感じ、最終的には死に至るという恐ろしい武器だ。彼はこれで幾多の人間を殺してきた――。


ラフィング「プレゼントを贈ります。さあ、召し上がれ!!」


彼は目にも止まらぬ速さでチェリーの口にそのキャンディーを詰め込む。チェリーはラフィングに背を向けて苦悶しながら蹲る。


ラフィング「さあ死後の世界まであと10秒! カウントダウンを始めま~す!! 10! 9! 8!」


苦しんでいる彼女を見て下品に爆笑している、殺人鬼のピエロ。そんな彼の肩に白い刃が刺さった。それに気づいた彼は痛みで悶える。


チェリー「余裕ぶっこいてるからそんなことになるんだよ……?」


彼女は演技をしていた。食べたフリをしていただけであった。彼女は彼に背を向けていたため、彼女の食べている様子が見えず、本当に食べているかどうかは分からなかったのだ。


チェリー「さあ、もっと赤色を見せて?」


そしてチェリーはナイフでラフィングの腹を切り裂き、倒す。腹を切られた彼は倒れ、仰向け状態となる。


ラフィング「へ、へへ……嬢ちゃん、やるじゃねえか……俺様を騙し、倒すとは……ハハハ!」

チェリー「伊達に殺人鬼をやってないからね、あたし。今まで何人の人間を拉致して殺してきたと思ってるの?」

ラフィング「……分かんねえや」


彼女は止めを刺そうと、ラフィングに跨る。その瞬間、彼は消え失せた。唐突に消えて驚くチェリー。ラフィングは瞬間移動を使ったのだ。彼はそういう技も使用できるのである。


チェリー「仕留められなかった……」


前回ではラフィングがチェリーを仕留め損なったが、今回はチェリーがラフィングを仕留め損なった。







{残りゲーム時間  190:00}






-------------------------------------------------------------------------------


【現在のポイント数】


レッド・マッカーサー……0
カレン・マコーミック……0
パウダー・ターナー……0
アニー・ニッツ……0
エステラ・ハヴィサム……0
レベッカ・コッツウォルズ……0

ミニリーナ……0
バローラ……0

ジェフ・ザ・キラー……0
サリー・ウィリアムズ……0
ラフィング・ジャック……0
クロックワーク……0
ジャッジ・エンジェル……0
ブラッディ・ペインター……0
キャンディ・ポップ……0
ベン・ドラウンド……0
ロスト・シルバー……0

チェリー・パウ……0

アンジェリカ・ピクルス……0

ヒルダ……0

アリサル……0

ナムスカル……0
カラミティ……1

オーブリー……0
マリ……0
スウィートハート……1

森近 霖之助……0

太宰 治……0
新美 南吉……0

白銀 リリィ……0

武勝龍 景丸……0
琴葉姫……0
モンブラン博士……0
柊……0



続く

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅣ】 ( No.4 )
日時: 2021/11/30 05:12
名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)

【Killer of Red】


サリー「ねえ……誰かいないの?」


その頃、幽霊の女の子であるサリー・ウィリアムズは寂しそうな表情で遊園地の中を彷徨っていた。


サリー「ねえ~、私と遊ぼうよ~……。私、退屈なの。遊び相手が欲しいの……」


幽霊だが無害であり、更に子供には優しくて思いやりのある彼女は、誰かと遊びたくてたまらないようだ。









レッド「ここは……休憩所みたいね。廃墟だから当たり前なんだけど、酷い有様ね……足の踏み場が無いわ」

カレン「これじゃあ休憩できないね……休憩所なのに――あれ? お姉ちゃん、誰か来てるよ?」


カレンの言った通り、一人の人間がおぼつかぬ足取りでこちらに向かってきている。よく見るとその人間は顔を両手で押さえている。何やら、苦しそうである。


レッド「何かしら、あの子は……あれ、あの子、今回の逃亡者じゃない?」

ヒルダ「うう……」


その人間とは、ヒルダであった。先程スウィートハートの武器で顔面を酷くやられた子だ。彼女は痛みを感じながら、ふらふらと遊園地の中を歩いていたのだ。


ヒルダ「いたい、痛いよぉ……助けてぇ……」

カレン「だ、大丈夫!?」


酷く苦しそうにしているヒルダが心配になり、早急に彼女の近くに駆け付けたカレン。レッドも気になり、ヒルダの近くに駆け寄る。


レッド「貴方……顔をやられているの?」

カレン「と、とにかく治療を! 止血をしなきゃ!」





しばらくして、ヒルダの出血は止まった。カレンがティッシュやハンカチなどで一生懸命治療してくれたお陰だ。


カレン「ごめんね、こんなので……包帯とか傷薬とかじゃなくて……」

ヒルダ「いいのいいの、ありがとう……少し楽になったよ」

レッド「何があったの?」

ヒルダ「さっき、ピンク色のワンピースを着た女の子に襲われたの。フレイルみたいなの持ってた……」

レッド「フレイルって、棘の突いた鉄球がぶら下がってる棍棒よね? そんな物騒なものを持った子に襲われたの?」

ヒルダ「うん、ポイント欲しさに甚振りに来たみたいで……私、あの時は殺されるかと思った」

レッド「酷いわね……」

カレン「その女の子には気を付けないといけないね……」

ヒルダ「治療してくれてありがとうね。これ以上貴方たちに心配かけたくないから、私もう行くね……」

カレン「あ、待って! 私と一緒に行動しない?」

ヒルダ「何で?」

カレン「一人は危険だよ。またその女の子に襲われちゃう可能性もあるんだよ? だから、ね? 私と一緒にいたほうがいいよっ」

カレン「レッドお姉ちゃんもいるし! レッドお姉ちゃんは頼りになるんだよ? 私が怖いお兄さんや狼さんに襲われた時に助けてくれたり、私を慰めてくれたりしてくれた、強い人なんだもん」

カレン「レッドお姉ちゃん、いいよね?」

レッド「いいわよ」

ヒルダ「……確かに、誰かといると安心するね。じゃあ、お言葉に甘えて」


ヒルダがレッドとカレンと同伴することになった。


カレン「あ、そういえばお名前聞いてなかったね。私はカレン・マコーミック!」

レッド「レッド・マッカーサーよ。貴方は?」

ヒルダ「ヒルダだよ。いろんな世界に冒険しに行ってる、11歳の女の子!」

レッド「11歳って、私たちより年上じゃない」


レッドは10歳で、カレンは6歳。


ヒルダ「え、そうなの? じゃあ私は二人のお姉ちゃんってことだね。まあ、とにかく、よろしく!」

カレン「うん! こちらこそよろしくねっ、ヒルダお姉ちゃん!」


これからヒルダは、天使な幼女とクールで頼りになる少女の世話になりそうだ――。












アンジェリカ「あ~、ポイントが欲しいわ~。誰でもいいからぶちのめしたいわ~」


その頃、悪魔な幼女のアンジェリカ・ピクルスは不機嫌な顔で遊園地の中を歩いていた。自分以外の者を歩くポイントだと思っている。そんな彼女の近くに一人の人物がやってくる。その人物とは青髪で、大きなハンマーを持っているピエロのような男性であった。


キャンディ「あらあら、お子様が「ぶちのめす」なんて怖い言葉、使っちゃいけないのよぉ?」


その男性は、今回初参戦であるデーモンのキャンディ・ポップであった。


アンジェリカ「恐ろしい顔つきのあんたに言われたくないわね。んで、何か用?」

キャンディ「不機嫌そうな顔をしてるから、何かあったのかなと思って声をかけたのよぉ。というか、小さい女の子がこんなボロボロの遊園地を一人で歩いているのを見たら、気になるに決まっているでしょぉ?」

アンジェリカ「あたしの近くにポイントが通りかからないからイライラしてんのよ。でも、今は心が躍っているわ! 何故なら――こうしてアタシの前にポイントが通りかかったから!!」


あくどい表情をするアンジェリカ。どうやら、キャンディ・ポップを始末してポイントを稼ぐ気のようだ。


アンジェリカ「アタシはこのゲームで優勝したいの! だから倒れてもらうわよ!」

キャンディ「へえ? 貴方みたいな小さい子がこのデーモンと戦うつもりなの? とんだ身の程知らずね……アタシ、悪い奴だから小さい子相手でも容赦しないわよ?」


キャンディは自前の巨大なハンマーを構え、鋭い目つきでアンジェリカを睨みつける。


キャンディ「冥府でアタシに喧嘩を売ったことを呪うことねぇ……」


そして彼は高速でアンジェリカに飛び掛かる。2t程の重さのある巨大なハンマーを持っているのに、機敏に動けている。彼は飛んでいる状態でハンマーを振りかざす。


キャンディ「冥府に行く方法を教えてあげるわぁ。何、簡単よ。潰されて平らになるだけ!!」


ハンマーでアンジェリカの頭を潰そうとする。だがアンジェリカは動じない。それどころかニヤリと笑っている。アンジェリカは潰されそうになった瞬間、ヒモを指で引っ張る動作をする。すると――キャンディの後ろから石礫が高速で飛んできた。


キャンディ「うっ!?」


その石礫をまともに食らってしまった彼は空中でよろけ、尻餅をつく。背中に食らったものが石だと気づいた彼は驚く。


キャンディ「石――?」

アンジェリカ「アタシは遊園地のあちこちに罠を仕掛けておいたの。幼女だからって見くびって貰っちゃ困るわ。フフフ!」


アンジェリカ本人に特殊能力は無いが、持ち前の狡猾さで相手を翻弄できるスキルを持っている。


アンジェリカ「それより、あたしのポイントを増加させてちょうだい」


彼女は棒切れを取り出し、キャンディの顔面を殴りにかかった。その瞬間、キャンディはハンマーでアンジェリカの足を払った。


キャンディ「デーモンを見くびっても貰っちゃ困るわ。フフフ!」

アンジェリカ「いつつ……!」

キャンディ「じゃあ、あんたには空の旅をしてもらうわ! 旅先は冥府! 今からそこへ案内してあげるぅ!!」


そしてキャンディはハンマーでアンジェリカをフルスイングし、上空へ吹っ飛ばしたのであった――。


キャンディ「いい旅を!」



【キャンディ・ポップ 0→1ポイント】










カレン「ねえヒルダお姉ちゃん、怪我はどう?」

ヒルダ「まだ痛むかな……でも、大丈夫だよ」

レッド「そうなの。でもまあ、もしまた苦しくなったら私かカレンに言いなさい。治療するわ」

ヒルダ「ありがとね!」


カレンとレッドの優しさに感動し、感謝するヒルダ。その三人の近くに、一人の少女が近づいて来る。その少女はシルクハットを被っており、緑色の上品なドレスを着用している。そんな少女の名は――


エステラ「あら、平民が三人歩いていますわね」


エステラ・ハヴィサム。イギリス出身のお嬢様である。


レッド「何?」

エステラ「その顔面傷だらけの子は何なんですの? 醜いですわ」

ヒルダ「傷だらけになりたくてなったんじゃないよ!」

カレン「ヒルダお姉ちゃんはね、さっき悪い人に顔を酷くやられちゃったの……」

エステラ「なるほど。まあわたくしには関係のないことですが」

レッド「貴方何しに来たの?」

エステラ「別に、傷だらけの平民がいたから気になっただけですわ」

ヒルダ「さっきから平民平民って、私たちを舐めてるの?」

エステラ「だってわたくしは貴族。貴方がたよりも身分は上なのですわ。その平凡な服装を見れば分かりますわ」


顔も服装も整っている彼女であるが、冷酷な性格である。自分より下の立場にはきつく当たる。


カレン「……貴族だからと言って、下の人を見下すのは良くないと思うなあ」

レッド「カレン、ヒルダ、もう行きましょう……」

ヒルダ「うん」

カレン「……」


レッドとヒルダの二人はエステラから離れて行った。カレンだけは立ち止まったまま、エステラの方を見ている。自分たちを見下してきた相手といえど、殺人鬼だらけの遊園地で一人にさせるのが嫌なようだ。


カレン「ねえ、私はカレン・マコーミック。お姉ちゃんの名前は?」

エステラ「……エステラ・ハヴィサムですが。何なんですの、貴方」

カレン「エステラお姉ちゃんを一人にするの嫌なの……私、心配なの。良かったら私と一緒に行動しないかな?」

エステラ「ふん、平民に心配されたくありませんわ。わたくしはもう去りますわ」


カレンの好意を一蹴して立ち去るエステラであった。


カレン「あっ――」

ヒルダ「カレン! もう放っておきなよ。全く、あの子冷たいね~」

カレン「でも……心配。今回のゲーム、怖い人たちがいっぱいいるんだよ……?」

レッド「……本当に優しい子なのね、カレンは。――?」


その時、誰かの視線を感じたレッド。それが気になり後ろを振り返ると、そこには赤髪ロングの殺人鬼がいた。そう、チェリー・パウだ。

急に出てきたチェリーを見て、カレンとヒルダは気落ちしたときに突然肩を叩かれたように驚く。レッドは冷静な性格のため、突然の出現には驚かなかった。


レッド「……貴方、前回にもいた殺人鬼じゃない」

チェリー「あら、覚えててくれたんだ。あたし嬉しい……あたし、ずっと捜してたんだよ、赤い髪を持った貴方のこと……」


チェリーはゆっくりとレッドのいるところへ歩いて行く。不穏な空気を感じ取ったヒルダとカレンがチェリーに立ち向かう。その二人を見たチェリーは自前のナイフでヒルダとカレンの足を切り、動けなくさせた。


レッド「カレン! ヒルダ! ――!?」

チェリー「前回見たときから、ずっと貴方のことが気になっていたんだ……赤髪と赤色の瞳を持ってるから……」


チェリーは一瞬でレッドに密接し、彼女の頬を片手で優しく包み込んだり、彼女の髪の毛を優しく咥えたりする。

レッドは抵抗しようにも出来ない。何故ならチェリーがもう片方の手で握り締めているナイフの先が首に刺さっているからである。チェリーは「抵抗したら殺す」と暗に脅しているのである。


チェリー「貴方の瞳と髪……凄く鮮やかで綺麗……髪はサラサラで凄く触り心地がいいわ……。ねえ、目と髪をくれるかな?」


レッドはサウスパーク小学校の女子生徒の中では特に可愛い子であり、多くの男子に惚れられている。そして彼女は綺麗な赤色の髪を持っている。そんな美少女を赤色好きのチェリーが放っておくはずは無かった。


チェリー「貴方のこと、ますます気に入ったわ。これからも度々会いに行くね」

カレン「止めて!!」


その時、カレンがレッドを庇った。足に傷を負っているのに大事な人を守ろうとする彼女は献身的だ。


チェリー「あらあら、優しい子ね。でも邪魔。――貴方を肉塊にしてあげる……」


チェリーはナイフを大きく振りかぶり、カレンの顔を切断しようとした――。






{残りゲーム時間  170:00}





-------------------------------------------------------------------------------


【現在のポイント数】


レッド・マッカーサー……0
カレン・マコーミック……0
パウダー・ターナー……0
アニー・ニッツ……0
エステラ・ハヴィサム……0
レベッカ・コッツウォルズ……0

ミニリーナ……0
バローラ……0

ジェフ・ザ・キラー……0
サリー・ウィリアムズ……0
ラフィング・ジャック……0
クロックワーク……0
ジャッジ・エンジェル……0
ブラッディ・ペインター……0
キャンディ・ポップ……1
ベン・ドラウンド……0
ロスト・シルバー……0

チェリー・パウ……0

アンジェリカ・ピクルス……0

ヒルダ……0

アリサル……0

ナムスカル……0
カラミティ……1

オーブリー……0
マリ……0
スウィートハート……1

森近 霖之助……0

太宰 治……0
新美 南吉……0

白銀 リリィ……0

武勝龍 景丸……0
琴葉姫……0
モンブラン博士……0
柊……0



続く

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅣ】 ( No.5 )
日時: 2021/11/30 16:24
名前: ウィオ (ID: J69v0mbP)

【Freak】



ヒルダ「はあっ!!」


その時、ヒルダがチェリーの足を殴り、チェリーを怯ませた。自分を治療してくれた恩人を死なせるわけにはいかなかったのだ。彼女が痛がっている内にレッドはカレンとヒルダを背負い、そして逃走を図った。


チェリー「あっ、待ってよ――」


チェリーが追いかけようとした瞬間、一人の男性が彼女の前に立ち塞がった。


ジェフ「罪の無い人間を殺そうだなんていけないなぁ……」


ジェフ・ザ・キラーであった。彼は殺人鬼だが、無実の人間を殺す輩を嫌う。そんな彼は彼女を許さなかった。


チェリー「貴方、何よ……! 退いてよ! この殺人鬼チェリーの邪魔をしないでちょうだい!」

ジェフ「僕は君みたいなやつが嫌いなんでね……チェリーかチェスか知らんが、お前の未来の姿は血みどろの肉塊です!!」


ジェフは目にも止まらぬ速さでチェリーの腹をナイフで切る。彼女はより怒りを覚え、ジェフを殺そうと決意した。


チェリー「レッドに会わせなさいよおおおおおおお!!!」












レッド「はあ、はあ……ここまで来れば、もう大丈夫でしょう」


一方、レッドはカレンとヒルダを背負ったまま、レストランの内部に逃げ込んでいた。


カレン「ううう……」


カレンの足が痛む。足が切れているのに立ち上がってレッドを庇ったため、傷口が開いてしまったのだ。


ヒルダ「痛いよぉ……」

レッド「二人とも、しっかりしなさい……! ちょっとカレン、ティッシュ借りるわね」


レッドがカレンの服のポケットからティッシュを取り出し、それをカレンとヒルダの傷口に当てて止血した。


ヒルダ「はあ、はあ……ありがとう、レッド」

カレン「レッドお姉ちゃん、ありがとうね……誰も死ななくて良かったよ……」

レッド「貴方たちを殺人鬼なんかに殺させてたまるものですか。そういうことより、二人ともそこで大人しくしてなさい。私、ちょっと外の様子を見てくるわ」

カレン「気を付けてね……」


レッドがレストランの入り口の扉を開けて、こっそりと外の様子を伺う。外には誰もいないと分かり安堵した。


レッド「誰もいなかったわ。でもあんな殺人鬼がこの遊園地にいる以上、警戒を怠ったらダメよ」


レッドの忠告に頷くカレンとヒルダであった。


レッド「……みんな。しばらくここに身を隠しておきましょう。下手に動けば死ぬかもしれないわ」

カレン「うん……!」













リリィ「狼、全然いませんね……」


その頃、今回初参戦である四ツ星学園の2年生の白銀リリィは狼に警戒しながら、遊園地の中を歩いていた。


リリィ「逃亡者と争ってもいいルールがありますが……私はそんなもの、絶対にやりません」


戦いをしない主義を持っている彼女。芯の強い女の子だ。そんな彼女の、一人の女の子がやってくる。黒髪ロングの少女であった。


オーブリー「あっ、逃亡者だ!」


今回初参戦のオーブリーだ。


リリィ「何でしょうか?」

オーブリー「逃亡者同士でお話ししたいな思って。この遊園地、とっても怖いよね……君は平気?」

リリィ「ええ。ただ、狼だけが気がかりですが……」

オーブリー「狼に噛まれたらポイント減っちゃうもんね」

リリィ「いえ、狼に噛まれて痛い思いするのが嫌なだけです。ポイント稼ぎをするつもりはありません。私は誰とも戦いたくありませんので」

オーブリー「私も戦いたくないと思ってるよ。人と人との争いなんてダメだよねっ! ……まあ、同年代の男の子といつも喧嘩してる私が言えたことじゃないんだけどね」

リリィ「私と同じ考えですね」


二人とも、争いはしたくないようだ。










太宰「逃亡者同士で争ってポイント稼ぎ? 上等だぜ、やってやんよ!」


今回初参戦のお調子者の文豪・太宰治は誰かと戦いたくてたまらないようだ。


太宰「まあ俺自身は酷い怪我を負ったりするのは嫌だ! だから喧嘩は軽めにしたい!」


好戦的であるが、相手に酷い怪我を負わせるつもりはないようだ。そんな彼の近くに一人の女の子がやってきた。赤髪の女の子だ。彼女はクールな少女・レッドでも、殺人鬼のチェリー・パウでも無い。


パウダー「あ、初めましてー! あたしはパウダー・ターナーですっ!」


能天気な性格をした女の子・パウダー・ターナーであった。


太宰「ん? 俺は太宰治だ。何だ?」

パウダー「んー、顔つきがアジアの人だったから気になって! てか太宰治ってニホンの偉人だよね? あたし、偉人と会っちゃった!? 凄い体験しちゃいましたー!」


底抜けに明るいパウダーはテンションをより上げる。


パウダー「ごめんね、ちょっとお話したかっただけ! それではあたし、去りますっ!」

太宰「おう、狼とか気をつけろよー」

パウダー「らじゃー!」


パウダーは両腕を水平にあげながら遠くへ去って行った。


太宰「危機感無い奴だな……」


彼は喧嘩したいと言っていたが、争わなかった。女の子と戦うのは流石に気が引けるようだ。











景丸「ふむ……向こうに狼がいるでござるな……」


その頃、作者勢の一人である武勝龍景丸が建物の陰に隠れながら、遠くにいる狼の様子をこっそりと伺っていた。低い唸り声をあげている狼がキョロキョロと辺りを見渡している。その狼は景丸に気づくこと無く、離れて行った。


景丸「俺はこのゲームに参加するのは2回目だが……まだ慣れないでござるな」











ミニリーナ「ああ~……息苦しいぜ……」

バローラ「何故かしら?」

ミニリーナ「お前がずっと私のそばにいるからだよ! お前がいるせいで好き勝手できねーじゃねーか!」

バローラ「言ったでしょう? 私は貴方が誰かに悪戯しちゃわないか心配なの……もし誰かに手を上げたら分かるわよね? フフ」

ミニリーナ「分ーってる分ーってるわい! ――ん?」


遊園地を歩いている二人の近くに、一人の男性がやってくる。紺色のコートを着用しており、白い仮面を被った黒髪の青年であった。その青年は異様な雰囲気を醸し出していた。彼は仮面を外し、素顔を現す。


ブラッディ「初めまして。僕はブラッディ・ペインター。殺人鬼だ。ブラッディと呼んでくれ」

ミニリーナ「は? 殺人鬼? 殺人鬼が自己紹介とかある意味ビックリだわ」

ブラッディ「初対面の人には挨拶。常識だろう」


殺人鬼なのに礼儀正しく、大人しい。初対面の者に挨拶するのが彼の流儀なようである。


バローラ「ブラッディ・ペインター……「血みどろの画家」ていう意味ね。それがあなたの名前? 変わってるわね?」

ブラッディ「通り名だ。本名じゃない。僕が殺人をしていく内に周りの人間が勝手にそう呼び始めた」

バローラ「へえ……本名は?」

ブラッディ「君らに本名を名乗る必要はない」

バローラ「ああそう……ていうか、挨拶するとは礼儀正しいのね。本当に殺人鬼?」


ブラッディ・ペインターの見た目は普通の人間なので、殺人鬼には見えない。しかし歴とした殺人鬼であり、彼も相当ヤバイ思考回路を持っている。


ブラッディ「ああ。僕は過去に大量の人間を殺してきている。約20人だな。5つの死体を逆さに吊るしたこともある」

ミニリーナ「何で逆さに吊るしたんだよ」

ブラッディ「僕が画家だからだよ。僕は殺人鬼だが画家でもある。逆さに吊るしたのは、模写したかったからだ。僕は殺人をした後、その遺体の血や身体の一部を使って絵を作るのが趣味なんだ」

バローラ「……なるほど、こりゃ殺人鬼ね」


ブラッディは淡々と自分自身のことを説明した。彼が自分のことを詳しく教えてくれたお陰で、バローラは彼を殺人鬼だと確信することができた。


バローラ「画家が遺体を使って絵を作るなんて……」

ブラッディ「芸術だよ。死んだ人間でしか表現できない芸術に魅力があるんだ。――さあ説明は終わりだ。君たちも僕の芸術作品となってくれ」


ブラッディはナイフを取り出し、ミニリーナとバローラに殺意を向ける。


ミニリーナ「OK、こいつマジで頭イカれてるわ。こんな奴に殺されてたまるか! 死なない程度にボコボコにしてやんよ!」

バローラ「私も加勢するわ」

ミニリーナ「いいけど無理すんなよ!」


今、バローラ&ミニリーナ VS ブラッディ・ペインターの戦いが始まろうとしていた――。




{残りゲーム時間  150:00}





-------------------------------------------------------------------------------


【現在のポイント数】


レッド・マッカーサー……0
カレン・マコーミック……0
パウダー・ターナー……0
アニー・ニッツ……0
エステラ・ハヴィサム……0
レベッカ・コッツウォルズ……0

ミニリーナ……0
バローラ……0

ジェフ・ザ・キラー……0
サリー・ウィリアムズ……0
ラフィング・ジャック……0
クロックワーク……0
ジャッジ・エンジェル……0
ブラッディ・ペインター……0
キャンディ・ポップ……1
ベン・ドラウンド……0
ロスト・シルバー……0

チェリー・パウ……0

アンジェリカ・ピクルス……0

ヒルダ……0

アリサル……0

ナムスカル……0
カラミティ……1

オーブリー……0
マリ……0
スウィートハート……1

森近 霖之助……0

太宰 治……0
新美 南吉……0

白銀 リリィ……0

武勝龍 景丸……0
琴葉姫……0
モンブラン博士……0
柊……0





続く


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