二次創作小説(新・総合)
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 【エヴァ】シンジ「新型エヴァ、ですか?」
- 日時: 2022/12/31 12:07
- 名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)
エヴァ好きなので。
あてんしょんぷりーず!
・オリキャラが登場いたします
・オリジナル機体、敵等が登場いたします
・こちらはヱヴァンゲリヲン新劇場版破で、綾波が取り込まれず3号機の起動実験が行われなかった世界線です なお、第10の使徒は殲滅作戦にて殲滅されました
・息抜き程度なので、低クオリティですがご了承ください
以上の注意点を踏まえた上で、本編へお進みください
- Re: 【エヴァ】シンジ「新型エヴァ、ですか?」 ( No.3 )
- 日時: 2022/12/29 17:41
- 名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)
「アンビリカルケーブル接続完了」
騒音が鳴り響く夕方の白馬村は、人民の姿などなかった。
ユウマは、2年ぶりの起動実験に、少しだけ緊張していた。大規模な事故が起きたわけでもない、だが本能が感じ取る嫌気があった。
「...姉さん」
不意に口に出した言葉は、騒音に掻き消された。
「エントリープラグ挿入。プラグ深度98で固定、シンクロ開始」
オペレーターの声が多方面から聴こえるなか、目を閉じて目の前のことに集中する。
仮想ディスプレイに、「VISOR OPEN」と表示され、無事に起動したことに安堵した。
「河内くん、お疲れ様。プラグ排出信号」
リツコの声が通信で聴こえ、プラグ排出される。
はずだった。
「プラグ排出信号、受け取られません!」
「プラグ深度150まで降下!シンクロ率300%に突入!」
プラグ内に響きわたるオペレーターの焦った声が聴こえ、ユウマも焦燥感に駆られた。
仮想ディスプレイには、「WARNING 2ND VISOR OPEN」と表示されていた。
それと同時に、ユウマは意識を手放した。
- Re: 【エヴァ】シンジ「新型エヴァ、ですか?」 ( No.4 )
- 日時: 2022/12/30 14:55
- 名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)
工事用クレーンの赤色の光が、暗闇に点滅する。
「リツコ、あの機体はなんなの?」
多少キレ気味にミサトが問いかけると、リツコはタバコをふかしながら言った。
「...あの機体は本来、計画とは無関係の機体だった。それにロシア支部...河内ハルナ博士が、あんなに隠したがるのも無理ないわよ」
「河内ハルナって...どういうことよ」
リツコは呆れたように目を閉じて、答えた。
「あの機体、3号機のテストベッドを盗んだり、危険なシステムだったり...とにかく各国が欲しがるような機体だったの。素人が扱えるような代物じゃないけど」
言葉の意味を理解できないミサトは、口を開けたまま必死に整理しようとしていた。
その時、後ろの自動ドアが開いた。
「よくそこまでご存知で。赤城博士」
「あ、あなたは...!?」
スーツを着た少年。
「僕の親友にあの機体を取られてしまうとは、思いもしませんでしたよ。でもね...」
拳銃を取り出し、微笑む。
生憎、本部にはもう残っている者は居ない。
「僕がこの機体のデータさえ盗めれば、完全無欠のエヴァが完成するんです。素晴らしいことだと思いませんか?」
トリガーに指がかかり、丸腰の二人を撃とうとする。
そのまま資料を手に取り、少年は再び距離を置いた。
『さよなら』
口パクでそう言いはなった途端、室内に銃声が鳴り響いた。
- Re: 【エヴァ】シンジ「新型エヴァ、ですか?」 ( No.5 )
- 日時: 2022/12/31 12:06
- 名前: ぷれ (ID: tEZxFcMB)
2
「リツコさんとミサトさんが襲われた!?どういうことだよ」
朝から焦りを隠しきれないチルドレン達は、通学路で大声を上げた。
辺りに人の姿は無かったものの、かなり響き渡った。
「私が見たときには血ぃ流して倒れてたにゃ...」
「赤城博士と葛城准将は命に別状はなかった。でも、このセキュリティを突破出来るということは相当なやり手で間違いないわ」
「綾波、やり手なんて言葉どこで覚えたんだよ...」
本部のセキュリティを突破するのは、無謀な試みだが、それをクリアできてしまう人物が居るとすれば...。
ユウマは心当たりがあった。
「カイト...いやまさかな」
カイト、もとい間宮カイトは、ユウマの親友なのだが2年前に音沙汰なくなったと思えば、連絡がいきなりきた。
「河内くんは何か知っているのかい?」
「え?あぁ、いや...心当たりがあるような気がしただけなんだ」
「その心当たりとやらを聞いてみようじゃないの」
アスカがニヤリと口角を上げて、ユウマに迫った。
「え、えと俺の親友に間宮カイトってのが居るんだけど...そいつNERVのセキュリティの管理者なんだ。それに日本に帰国してるらしいからそうなのかなって」
「間宮...?かわっち、もしかしてそいつってこいつ?」
マリがポケットからNERV職員専用スマホを取り出し、何かの画像を見せた。
そこには、昨晩のミサトとリツコが襲撃された現場が映っていた。
「これ...マジカイトじゃん...」
ユウマは口を押さえながら、驚愕の声を漏らした。
「この手に持ってるやつ...何かの紙か?」
「確か話によると、4号機の資料らしいけどね。...普通にまずいことになったね」
普段からニコニコしているカヲルの顔から、笑みが消えた。
4号機の資料は本来、閲覧することができる人物は限られている。それにリツコとミサトの階級以下の職員が見れる情報などごく僅か。
そもそも4号機の建造計画自体が機密情報であったため、ゼーレにすら伝わっていない。
「...来週の水曜に決着をつける」
「え、どゆことにゃ?」
- Re: 【エヴァ】シンジ「新型エヴァ、ですか?」 ( No.6 )
- 日時: 2023/01/01 17:13
- 名前: ぷれ (ID: 5R9KQYNH)
「まさか、こんな面倒事になるとはね...」
「あの資料を盗まれたことは、私達に責任があるわ。ごめんなさい」
深々と頭を下げるリツコとミサトに、ユウマは罪悪感を抱いてしまった。
今回の件は誰も悪くない。丸腰状態だったことも仕方がない。
「いえ、頭をあげてください。これは、俺とカイトの喧嘩です。NERVには少々ご迷惑をおかけするかと思いますが、ご了承ください」
『エヴァ全機、配置に』
第3新東京市の郊外。人民の避難が完了し、カイトとの戦闘が始まろうとしていた。
4号機の初めての実戦投入だからか、ユウマには変な緊張があった。
『未確認飛翔体を光学で確認。あれは...エヴァ4号機です!』
「Type.Bか...!」
黒と金の配色に、背部には長い尻尾のようなユニット。
見間違えるはずもない。エヴァ4号機Type.B、間宮カイトだ。
「作戦開始!」
ミサトの声をきっかけとして、戦闘が始まった。
先制攻撃で、8号機が狙撃。
「虎の子よん♪」
しかし簡単に回避され、8号機の方へ突っ込んでくる。
「やばっ!?」
「マリさん!」
土ぼこりを上げ、8号機は活動を停止した。
『8号機中破!戦闘不能です!』
「僕の出番だね」
上空からカシウスの槍がとてつもないスピードで降下する。
しかしType.Bは姿を消し、Mark.6の背後にまわった。
「なにっ...!?」
Mark.6の腕を掴み、地上へ投げ飛ばした。
地鳴りがしたあと、Mark.6のバイザーはひび割れ、活動を停止した。
「カヲルくん!!こんのっ!!」
「碇くん、ダメ...!」
レイの制止を聞かず、初号機はプログレッシブナイフを持って、走った。
「あんのバカ...!エコヒイキ、ユウマ、手伝いなさい!」
「待て!」
そのまま突っ込む零号機と2号機だったが、アンカーミサイルで3機とも吹き飛ばされた。
本部からの通信もジャミングで遮断されてしまった。
「これが、強化プランの力...」
『いやはや、これだけ揃って勝てないとは、Type.Bの強力さがよく伝わりますね。ユウマ』
聞きなれた声。かつての戦友はもういない。
ユウマの額に血管が浮かぶ。
「てめえ...こんなことしてなんになる!!」
『何に...?僕はただ、河内博士の目指した軍事的なエヴァの開発計画を、遂行させようとしているだけですが...』
姉さんの...?
声に出たかは分からないが、今はここでカイトを止めなければ、日本が危険に晒される。
「俺はここでお前を止める。こんなところで、みんなを死なせてためるか...よ!」
プログレッシブ・ビームソードをウイングユニットと接続させ、ピンク色の高エネルギー刃を展開させる。
リアクターの停止まで4分。それまでに片付けなければ、機体が停止してしまう。
「はぁぁぁぁ!!!」
Type.Bに放った斬撃は装甲をかすっただけで、大きなダメージは与えられなかった。
- Re: 【エヴァ】シンジ「新型エヴァ、ですか?」 ( No.7 )
- 日時: 2023/01/02 16:59
- 名前: ぷれ (ID: 5R9KQYNH)
残り活動時間は3分50秒を切った。
(ここでHEATを使うわけには...)
___今躊躇っていたら、みんな死んじゃうよ?
「...パワーリミッターを207から575までカット。HEATシステムフェーズ1、起動」
目の前のディスプレイには、「HEAT SYSTEM STAND BY」と表記されていた。
直後、ユウマの体に焼かれるような痛みが走った。
「...!?精神汚染区域に突入!プラグ深度120まで降下!」
「このままだと河内くんが...」
「Type.Oの表面温度が1200℃まで赤熱!」
HEATシステム。河内ユウマが設計した強化システムである。3段階のフェーズに分かれており、フェーズ1では出力の2.3倍上昇。フェーズ2では出力の4倍上昇。そしてフェーズ3では出力の7倍上昇と、パイロットの死亡。このシステムを使うということはほぼ自殺行為に近い。
「...っ!!」
先ほどよりも速い攻撃で、Type.Bに斬りかかる。反応しきれなかったのか、体制を崩す。
『流石にこちらの方が不利でしたか...!ひとまずここは撤退を』
____追って。
操られるがまま、ユウマは追いかけた。
「フェーズ2起動」
ディスプレイには、「DANGER 2ND PHASE」の文字が表記され、さらなる激痛が襲う。
上空に逃げた機体を追うのは容易だ。なぜなら____
「___ボクらの領域だ!』
「っ!?クソッ!スラスターが!ぐわぁ!!」
そのままType.Bにとどめを刺せるはずだった。
Type.Bのユニットが切り離され、爆発。左腕と左足は吹き飛び、神経フィードバックはすぐに切断されたが、激痛は走ったまま。
「まだだ...!アンカーミサイル射出!』
右腕に装備されたアンカーミサイルが、Type.Bの腹部を貫通し爆発した。
そのままType.Bは成層圏を突き抜け、宇宙空間へと放り出された。
「フェーズ3!...!?』
ディスプレイには「ERROR」と表記され、直後にシステムは停止し、冷却が始まった。
____フェーズ3は使わせない。まだ、ユウマには生きていて欲しいから。
どこかから聴こえた姉の声に、意識を失った。
「エ、エヴァ4号機Type.O活動停止...」
本部内は静まり返り、目の前のモニターを凝視するだけだった。
「...パイロットの保護を最優先、救護班を向かわせて」
「了解...」
被害報告
エヴァ零号機、初号機、2号機中破
エヴァ8号機、Mark.6中破
エヴァ4号機Type.O大破