二次創作小説(新・総合)

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東方闘機伝
日時: 2023/01/07 15:17
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

この物語はジョイメカファイトのワルロボ四天王が幻想郷へ迷い込む話です。

かつてロボットと暮らし、栄えたある国。ロボットを作らせたら世界一の白ヒゲのリトル・イーモン、黒ヒゲのイワン・ワルナッチという二人の博士がいた。やがて、2人は新たな技術を求め、旅に出て行った。元いた国はいつしかなくなり、発達したロボット工学も人々から忘れられた。ほとんどのロボット達は自分の居場所を見つけに博士と共に旅をした。しかし、ワルロボ四天王、危険度の高いロボットだけが国に残った。忘れ去られた四天王達は自らの意思を持ち、それぞれが静かに暮らしていた。

-忘れられた四天王は幻想へと迷い込む-

※東方海洋伝も見てね!(ストーリーに関係はありません)

※注意

・この小説は二次創作・紙ほかで投稿しているものです。

・ジョイメカファイトのロボット全てに独自の設定が少しあります。

・ロボットは自我を持っています。

・東方キャラが度々悲惨な目に遭います。《ロボットと少女が戦ってるからね。しょうがないね(無慈悲)》

・シリアス、微グロな描写があります。

・依姫無双ならぬ、鳳凰無双。

以上です。楽しもうね!!

Re: 東方闘機伝 4話 亡霊ロボの生前は… ( No.4 )
日時: 2023/01/08 08:26
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

-白玉楼-

ゴーストン「…ん?俺は一体どこにいるんだ?」

ゴーストンの目の前には巨大な木が生えていた。すぐ横には屋敷のような物がある。そこから刀を腰にかけた少女が出て来た。

魂魄妖夢「…え?なんだろうこれ…」
ゴーストン「俺は物じゃないぞ。」
妖夢「きゃぁぁぁ!お化けが喋ったぁ!」

ゴーストンは自分の体を見る。確かに、周りに四つの青い炎のようなアームが回ってるし、ボディが骨のようになっている。
そこへもう1人誰かが歩いてきた。

西行寺幽々子「どうしたの妖夢?悲鳴が聞こえたんだけど…」
妖夢「幽々子様!あれみてくださいよ!!」
幽々子「あら、お客さんかしら?こんにちわ。」
ゴーストン「…どうも。」
幽々子「見た感じ、幽霊みたいね。冥界はあっちよ。」
ゴーストン「冥界?俺は死んだのか?」
幽々子「多分そうよ。」
ゴーストン「…俺は誰だ?」

ゴーストンは記憶…データを失っていた。あの国でガーボーグ達、他の四天王ロボと自爆した時に記憶が消し飛んでいたのだ。
ゴーストンが記憶を失くしている事を見抜いた幽々子は屋敷へと案内する。屋敷の中、居間で話を始めた。

幽々子「あなたは生前に何をしていたか思い出せない?」
ゴーストン「…ああ、そうなんだ。自分が誰かに作られたロボット。ゴーストンと言う名だった事は覚えてる…」
幽々子「困ったわね…まぁいいわ。思い出すまでここに泊めてあげるわ。」
ゴーストン「…いいんですか?」
幽々子「ええ、ちょうど話相手が欲しかったの。」

幽々子はゴーストンに幻想郷の事を話し始めた。

ゴーストン「あなたはその死後の世界…冥界の管理人なんですね。」
幽々子「そうよ。そして、あそこにいる子が妖夢よ。」
妖夢「幽々子様の剣術指南役兼庭師の妖夢です。」
ゴーストン「よ…よろしく。」

ゴーストンの中で何かが引っかかる。

ゴーストン(この幻想郷って所は神もいる…あれ?俺の名前って…)

自分の過去を思い出すため、ゴーストンは、白玉楼で働きながら泊まる事となった。

-魔法の森-

森の中でダチョウの形をした物が倒れていた。そこに、白黒の魔法使い——霧雨魔理沙が現れる。

魔理沙「なんだこれ…何かの機械かな?」

興味が湧いたのか、その機械を家に持ち帰る事にしたのだった。

続く…

Re: 東方闘機伝 5話 奴は四天王の中で… ( No.5 )
日時: 2023/01/08 08:57
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

-霧雨魔法店-

霧雨魔法店は魔法の森の中にある魔理沙の家だ。
魔理沙は森の中で見つけた機械を背負って、家に入れようとする。

その時。

ダチョーン「…?誰だ。」
魔理沙「うわ!動き出した!」

魔理沙は慌てて家の前にほうり投げる。ダチョーンは地面につくと、魔理沙を見つめた。

ダチョーン「人間?あの国は誰も知るはずがないのに…って、森!?」

ダチョーンは自分が何をしていたか思い出す。枯れ木だけが生え、廃墟と化した国で他の四天王ロボと自爆した事を…

ダチョーン「お…俺はなんで生きているんだぁ?」
魔理沙「落ち着けって、ここは幻想郷の森の中だ。」
ダチョーン「…は?」

魔理沙はダチョーンに幻想郷の事を話す。ダチョーンも幻想郷に来る前の事を話した。

ダチョーン「確かにあの国は誰も覚えていないし、俺の存在も消えているようなもんだったからなぁ。」
魔理沙「いや〜随分と奇妙な形をしたロボットだな。そのワルナッチ博士って人が作ったんだろ?名前はあるのか?」
ダチョーン「む、忘れてたな。俺はワルロボ四天王その1・ダチョーンだ。」
魔理沙「私はこの魔法の森に住む普通の魔法使い、霧雨魔理沙だ。よろしくな!」
ダチョーン「よろしく、そういえば今からハクレイ神社って所に行くんだろ?俺も行ってみたい!」
魔理沙「おう、いいぜ。この箒にまたがってくれ。」

魔理沙とダチョーンは博麗神社へと向かった。

-博麗神社-

霊夢「あんた以外に後、三体のロボットが幻想郷のどこかにいるって言うの?」
ホウオウ「…多分そうだ。」

霊夢「…あ、魔理沙じゃん!」

遠くから箒にまたがり、魔理沙が霊夢に手を振る。後ろにはダチョーンが乗っていた。

魔理沙「よう、霊夢!紫もいるじゃん!面白い物見つけたぜ…ってそいつ何?」

神社に魔理沙が降り立った。

霊夢「あー、コイツは外の世界にある忘れられた国から来たロボットよ…待って!あんたもロボット連れてきたの!?」
魔理沙「このロボットも多分その国から来た奴だと思うぜ。」

霊夢と魔理沙が話す中、ダチョーンが絶句していた。

ダチョーン「ホ…ホウオウ様じゃないすか!」
ホウオウ「お、ダチョーン。何年振りだ?」
ダチョーン「月面からもう戻ってこないと思いましたよ!また会えて良かったぁぁぁ!」

魔理沙「ダチョーン、そいつがワルロボ四天王最強のロボットか?」
ダチョーン「その通りだ!俺とは格が違うぞ!!」
魔理沙「めっちゃ強そうな見た目してるな…」
ダチョーン「ホウオウ様はその強大なパワー故に、月に送られたんだ!」
ホウオウ「所でダチョーン。他の奴らはどうした?」
ダチョーン「それが…」

ダチョーンは滅んだ国で自爆した事を語る。

ホウオウ「そうか…なら、この幻想郷のどこかにいるはずだ。」
霊夢「ねぇ、残りの2体ってどんな奴なの?」
ホウオウ「それは会ってからのお楽しみだ。」
紫「あ、用事があったんだ…霊夢。帰るわね。」

霊夢が答える前にスキマが閉じてしまった。

霊夢「呆れるわ。本当にすぐ消えるんだから。」
ホウオウ「早いな…スターみたいだ。」

魔理沙「…霊夢!紅魔館からまた紅い霧が出てるぜ!なんか前より濃いな…」

紅魔館から紅い霧が出ていた。なぜか、黒い雲も混じっていた。

霊夢「え!?レミリアの奴…何考えてるのよ。」
ホウオウ「黒雲か…アイツを思い出すな…霊夢。俺もついて行っていいか?」
霊夢「別にいいけど。」
ダチョーン「俺も行きたいっス!」
魔理沙「よし、早速紅魔館へ行くぜ!」

霊夢は空に飛び立つ。その後を箒に乗った魔理沙とダチョーンが追い、最後に脚部のジェットパックを使ってホウオウが舞った。
紅魔館の前には、2人の門番が待っていた。

続く…

Re: 東方闘機伝 6話 スペルカードは使わない? ( No.6 )
日時: 2023/01/08 13:17
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

-紅魔館-

魔理沙「やっと着いたぜ。」

魔理沙、霊夢、ホウオウ、ダチョーンは紅魔館の前まで来た。空は黒と紅い色で埋め尽くされていた。目の前には門番がいる。

美鈴「この異変を止めに来ましたね!でも今回は負けない!協力な助っ人がいるんですから!」

ダチョーン「みなさん…俺が倒して来ますよ!」

ダチョーンが霊夢達の背中から歩む。

ダチョーン「へぇ、そんなのどうでもいい。お前からぶっ潰してやる!」
美鈴「あ!…もしかして、ワルロボ四天王ですか?」
ダチョーン「…どう言う事だぁ?」
美鈴「いや…その助っ人は、ワルロボ四天王その3って言うロボットで…」
ダチョーン「え…その3!?」

突如、美鈴の後ろの門が破壊される。中から出て来たのは、漆黒の装甲を持つロボットだった。

ガーボーグ「美鈴様。侵入者が来たようですね…」
美鈴「そうなんですよ。あのロボットって四天王ロボですか?」
ガーボーグ「四天王ロボ…ダチョーンじゃないか!」
ダチョーン「ギャァァァァ!ガーボーグパイセンじゃないっすかぁぁぁ!」
ガーボーグ「美鈴様に`お前`とはいい度胸じゃねえかダチョーン…鉄屑に変えてやるよ!」
ダチョーン「ギャー!助けてぇぇぇ!」
霊夢「何してんのアンタ。」
魔理沙「さぁ!ダチョーン!四天王なら倒せるだろ?」
ダチョーン「無理っス!ガーボーグパイセンは四天王で俺の二つ上っスよ!」
魔理沙「お前…四天王の中で最弱なのかよ。」
ホウオウ「もういい。俺が話す…」

霊夢と魔理沙の後ろに隠れていたホウオウが前に出た。ガーボーグは明らかに焦っている。

ガーボーグ「…ホウオウ様…生きておられたんですね…」
ホウオウ「まぁな、元気そうじゃねえか。」
ガーボーグ「…いくらホウオウ様でもここは通せません!」
ホウオウ「…どうしてだ。」
ガーボーグ「この館の者達は俺をかくまってくれた…幻想郷に来て…生き甲斐をくれたんです!」
ホウオウ「そうか、なら…ってオイ。何してんだ?」
霊夢「え?スペルカードの準備よ。」
ホウオウ「スペルカード?」
魔理沙「弾幕を撃ち合って戦うんだぜ!」
ホウオウ「…俺達のルールでやらせてくれないか?」
霊夢「ルール?」
ホウオウ「そうだ…なぁ、ガーボーグ。」
ガーボーグ「やっぱりあれですか…」
ホウオウ「…戦いは`ジョイメカファイト`で決める。」

`ジョイメカファイト`

ワルナッチ博士とイーモン博士が全てのロボットにプログラムしたバトルプログラムだ。ロボットが戦って、被害が起きないように設定されたロボット同士のラウンド制の決闘。一定のダメージを食らって3回ダウンしたら負けだ。

門の前でホウオウとガーボーグが睨み合う。横には、ダチョーン達が立っていた。

ダチョーン「ガーボーグパイセン!ホウオウ様!頑張れぇぇぇ!」
霊夢「どっちを応援してるのよ。」
魔理沙「ホウオウ!やっちゃえ!」
美鈴「ロボット同士の格闘ですか…ガーボーグさん!無理しないで!」

雷が轟くと共に、ジョイメカファイトは始まった。

ガーボーグ「ハンマーウェーブ。」

ガーボーグが胴体を後ろから鉄球で叩く。すると、胴体から青い衝撃波が地面を切りながらホウオウに向かう。

ホウオウ「久々に戦うな…ホウオウクラッシュ。」

ホウオウが衝撃波を跳んで避けると、空中から高速で飛び蹴りを放つ。ガーボーグは館の外壁まで吹き飛ばされた。
黒い雲から雨が降り始める。ガーボーグの中のパワーが高まる。

ガーボーグ「うぉぉぉぉ!メタトルネード!」

ガーボーグが回転しながらホウオウに向かって「メタトルネード」を放つ。ホウオウはぎりぎり避けていた。

ホウオウ「その技は外せば隙があるだろ?ホウオウアッパー。」

急降下するガーボーグにアッパーが入った。ガーボーグが空に吹き飛んだ。落ちた地面は凹んでいる。

ガーボーグ「オラオラァ!」

両手の鉄球を交互に振ってホウオウを攻撃したが、ホウオウには一撃も入らなかった。ホウオウは距離を取ってすぐさま「ホウオウキャノン」を放つ。

ガーボーグ「ぐわぁぁぁ!」

ガーボーグの頭が地面に落ちた。落ちた頭を両手で固定し直す。1回ダウンを取られた。

ホウオウ「残機は後二つか…」
ダチョーン「ホウオウ様さすがっス!」
美鈴「…つ…強い!あれが鳳凰…」

ガーボーグはホウオウに鉄球を思いっきりぶつける。ガードしているホウオウに間髪入れずに「アームウォーク」を繰り出した。

霊夢「足の部分が!」
魔理沙「あんな動き方もできるのか…」

ガーボーグの攻撃を喰らうたびにホウオウは後退りするが、ガーボーグの胴体が近くまで来ると、その胴体部分を掴み、大きく振り上げた。そして、勢い良くガーボーグを叩きつけた。「ホウオウブレイク」だ。
ガーボーグがまたもやダウンした。残機は残り一つだ。

ホウオウ「…お前、なんか弱くねぇか?」
ガーボーグ「いや…随分と長い間戦ってなかったもんで…」
ホウオウ「まぁ、お前と戦ったのは俺が月に行く前、実験試合の話だもんな。」

話しながらも、復活したガーボーグにホウオウは攻撃を続ける。そして、ガードが緩んだ所で「ホウオウアッパー」が放たれた。
ホウオウのアッパーはガーボーグの頭部に直撃した。すると、ガーボーグは白い光を点滅させながら、爆散した。

ホウオウ「勝利だ…」
魔理沙「すげー!最後のアッパーはカッコよかったぜ!」

ガーボーグはよろめきながらパーツを戻している。

美鈴「ガーボーグ!大丈夫!?」
ガーボーグ「心配ないですよ。」

バラバラになっていたガーボーグのパーツは元に戻っていた。

霊夢「で、ホウオウが勝ったんだし、中に入れてくれるわよね。」
美鈴「いや…それが…」

霊夢が話しかけると同時に霧は無くなっていった。元の晴れた空へと戻る。

レミリア「ガーボーグ。実に面白い戦いだったわよ。」

館の上にある窓からレミリアが降り立つ。

魔理沙「まさか、今の見てたのか?」
レミリア「そうよ。ガーボーグの強さを一度見たくてね…今回は相手が悪かったけど。」
ホウオウ「なんだ?お前は…」

ホウオウの前に、10歳にも満たない程度の身長を持つ少女が歩み寄る。

レミリア「私はこの紅魔館の主、吸血鬼のレミリア・スカーレットよ。」
ホウオウ「吸血鬼?」
レミリア「そうよ、もう500年は生きてるわ。」
ホウオウ「嘘だろ…こんな見た目で500歳なんて…」
咲夜「嬢様に向かって失礼ですよ。」

突如、ホウオウの後ろにメイド服を来た女性が立っていた。

霊夢「あら、咲夜まで出て来たわね。」
咲夜「あなたの悪口は少し許せませんね。《メイド秘技・殺人ドール》!」

咲夜が宣言した後、ホウオウの周りを無数のナイフが囲んでいた。ホウオウに向かって行くナイフは幾つか地面に刺さり、砂煙を上げている。ホウオウの姿は確認できない。


咲夜「ナイフは同じ金属も貫く特殊な物よ。鉄屑になりなさい。」
魔理沙「ちょっとやりすぎじゃないか?」
咲夜「いいのよ。あんな鉄でできただけの塊はスクラップになるべ…き…」

咲夜が青ざめる。煙の中から出て来たのは無傷のホウオウだった。

ホウオウ「金属も貫くナイフか…博士の`特殊`装甲を舐めるなよ。」
ガーボーグ「まずい!!咲夜さん逃げて!」
ダチョーン「ホウオウ様がキレたぁ!早くしないと死ぬぞ!!」

レミリア「は…?」

その瞬間、10m程、距離が離れていたはずの咲夜の元にホウオウがいた。上げている右手は、咲夜の首を絞めている。

咲夜「がっ…!距離は取っていたはず…」
ホウオウ「へぇ、俺が鉄屑に見えるか…博士は俺を最高傑作って言ってたんだがな。」

ホウオウは許せなかった。博士は世界征服のためと言っても、自分の事を大切にしていた。月で負けた時も一緒に帰ろうなんて言ってくれた。ホウオウ自身にとっての悪口は、博士に対する侮辱に等しい。良心回路を超えて、殺意が溢れる。

霊夢「ホウオウ!咲夜を放しなさい!」
ホウオウ「うるせぇ…コイツは殺す。博士の侮辱は許さない。」
魔理沙「博士が人殺しのためにお前を作ったのか?」
ホウオウ「…違う。」

ホウオウは咲夜を締めた手を離す。確かに、博士は抵抗する者を容赦無く潰すとか言っていたが、実際は、警告しかしていなかった。今思えば、ロボット軍団の強さを見せつけたかっただけかもしれないと、ホウオウは考え直す。

霊夢「強さ故に月に送られたらしいけど、本当は殺意の高いホウオウが人を殺さないようにしたかったかも知れないのよ?」
ホウオウ「…そうだな。博士だって征服に乗り出していても、ロボットを使って本格的に侵攻したのは街だけだったしな…」
レミリア「咲夜。私のせいよ…私がガーボーグの強さを見るために霧を出したせいで…」
咲夜「いいんですよ。少し言いすぎました…」
ダチョーン「危ねぇぞメイド服!何ホウオウ様を怒らしてんだ!!」

咲夜&レミリア「アンタは黙ってろ!!」

ダチョーン「ハイィ!!サーセンでした!!」

ホウオウ「おい、ダチョーン。うるさいぞ!」
ダチョーン「ええ〜!ホウオウ様も…」
ガーボーグ「鋼鉄の旋風-メタトルネード-を喰らいたいか!!」
ダチョーン「………」

紅魔館は今日も平和だった。

続く…

Re: 東方闘機伝 7話 蘇る記憶 ( No.7 )
日時: 2023/01/08 17:27
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

-白玉楼-

紅魔館の出来事から3日が経っていた。ゴーストンと妖夢が庭で稽古している。せっかくだからと、ゴーストンも剣術を教わっていた。ゴーストンの4つのアームには木刀が握られていた。

妖夢「すごい!四刀流なんてできるんですね!」
ゴーストン「まぁ、四つ腕あるからさ…」

2人が木刀で斬り合うのを縁側に座って、幽々子は眺めていた。

幽々子「3人も居ると、賑やかでいいわねぇ。」

太陽が真上に昇り、昼頃となる。

妖夢「今日はこれで終わりです。」
ゴーストン「あ…ありがとうございました。」

妖夢は昼食を作りに、台所へと向かっていった。ゴーストンに気まずさが残る。自分はロボットであって、修行などしなくても、体力は維持できる。蒸気を吹きながら、太陽を見上げる。

その時、ゴーストンの中で、どこかの風景が一瞬蘇った。

ゴーストン「…ん?今見たのは…」

ゴーストンが見たのは、街の城壁で戦う六本の腕で戦うロボットだった。自分とどこか似ている。

幽々子「どうしたの?ゴーストン。」
ゴーストン「…なんでもありません。」

幽々子と妖夢が昼食を終えると、ゴーストンが幽々子に歩み寄った。

ゴーストン「…すみません。」
幽々子「あら、どうしたの?」
ゴーストン「幻想郷がどんな所か見に行きたくて…」
幽々子「自由に出かけても良かったのに、私はこれから冥界の様子を見に行ってくるから妖夢と行ってね。」

こうして、ゴーストンは妖夢の案内の下、幻想郷を観光する事になった。

-人間の里-

ゴーストンと妖夢は人里の中で歩いていた。2人は雑貨屋の店員に声をかけられる。

雑貨屋さん「こんにちわ、妖夢さん。隣の方は?」
妖夢「外の世界から来たロボットらしいですよ。」
雑貨屋さん「随分と先進的なロボットだなぁ、作った人はきっと天才だ。」

ゴーストンのデータに過去の記憶が一瞬見えた。黒いメガネをかけた博士に修理されている。

ゴーストン(…俺を作った人か?)

ゴーストンは悩みながら、妖夢と一緒に店を出た。
その時、隣の店の中から、誰かが吹き飛ばされた。少し離れた所に血を流している人が倒れていた。店からもう1人が出てくる。口から牙が生えていた。隣の店の中で、人間が突如妖怪になり、襲っていたのだ。

里の人a「おい!妖怪が出たぞ!逃げろ!」
里の人b「博麗の巫女は呼べないか!」

里の真ん中で騒ぎが起こる。

妖夢「まずい、ゴーストンさん!一旦離れま…キャァァァ!」

ゴーストンに気を取られていた妖夢を妖怪が捕縛する。今にも首に噛みつきそうだった。

ゴーストン「妖夢さん!!」
妖夢「…うぅっ…」

妖怪は妖夢の首を片手で持って、口を開ける。妖夢の意識は朦朧としていた。あのままでは食べられてしまう。

ゴーストン「…俺のせいで…」

絶望した。自分を助けてくれたのに、全く報いる事ができなかったからだ。

ゴーストン「俺は昔もそうだった…2回も挑んだのに…ん?何を言っているんだ?俺は昔に…」

ゴーストンの消えていた記憶が蘇る。四天王ロボとして負け、あの砂漠で亡霊ロボとして挑んでも負けた。嫌気が差して、自分で記憶を消した事が蘇る。

俺の本当の名前は…!

今の自分ならまだ妖夢を救えると考えたその時。
突如、ゴーストンの体が紅く燃え上がった。四つのアームは消え、炎の中から朱色の6本のアームが出て来た。自分を作ってくれた博士の声が聞こえる気がした。


ワルナッチ博士「四天王ロボその2…お前の名前は太陽神にちなんだ名前だぞ。不屈の根性で奴を倒して来い!!」


そうだ…俺の名前は…

妖夢を掴んでいた妖怪の腕が緩む。

妖夢「げほっ…げほっ…一体何が…」

妖夢はいつの間にか、アームで抱き抱えられていた。妖怪は、獲物を取られたからか、唸っている。ゴーストンの姿が変わっていた。

妖夢「…ゴーストンさん?」
?「ありがとう。おかげで記憶が戻った。後は任せろ…」

妖夢を後ろに匿い、妖怪の正面に立つ。

ラー「俺様の名はワルロボ四天王その2・ラー!地獄に送ってやるよ!!」

太陽神ラーの名を与えられた朱色のロボは、妖怪に突進して行った。

続く…

Re: 東方闘機伝 8話 ワルロボ四天王集結 ( No.8 )
日時: 2023/01/09 09:17
名前: 博士 (ID: 7ZyC4zhZ)

-人間の里-

ラー「食らいやがれ!《ビョーン》」

アームを縦に伸ばしながら妖怪に突進する。妖怪は反対側の民家まで吹き飛ばされた。ラーを睨むと、妖怪がラーの頭に飛びつこうとする。

ラー「しぶとい奴だ。《グルグル》」

6本のアームを自身の周りに高速で回転させ、簡易的な盾を作る。妖怪が弾かれると同時に、ラーは「ウリャウリャ」を繰り出した。投げられた妖怪はうつ伏せになり、動かなくなった。

ラー「ここで楽にしてやるよ!!」

ラーが倒れている妖怪を殴った。

妖夢「…ゴーストンですよね?」
ラー「お!大丈夫か?」
妖夢「もしかして記憶が戻ったんですか?」
ラー「その通りだ!迷惑かけたなぁ!!」
妖夢「あ…ありがとうございます!」
ラー「何言ってんだ。妖夢さん達のおかげで記憶が戻ったんだぜ?」

射命丸文「は〜、何か記事になる物ないかな。」

文はスクープを求め、人里に来た。真ん中で何かが起こっている。

文「お!なんだろう…って、あれは妖夢さん!?」

ラーと妖夢の前に文が降り立った。

妖夢「あ、文さんじゃないですか。」
文「こんにちわ!所で、隣の方は?」
妖夢「外の世界から入って来たロボットらしいです。」
文「ロボットですか!名前はなんて言うんですか?」
ラー「まずお前が言うんだな。」
文「私は-文文。新聞-の記者こと、清く正しい射命丸です!」
ラー「新聞記者か。俺の名はワルロボ四天王その2・ラー!俺様は偉大なるワルナッチ博士が太陽の神をモチーフにして作った者だ。」
文「太陽の神ですか!今は何をしていたんですか?」
ラー「妖夢を襲う卑劣なバケモンを倒したのさ。」
文「化け物?ああ、この妖怪化した人間ですね。博麗の巫女を呼んできましょうか!」

文は物凄い速度で空に飛んで行った。

ラー「早いな。ホバーみたいだ。」

-紅魔館-

文「あ、霊夢さん!」
霊夢「どうしたの?文。」
文「人里で人間が妖怪になったらしいんですよ。」
霊夢「里で!?」
文「はい、真ん中で暴れてましたよ…………ええ!?なんですかそれ?」
霊夢「あー、このロボット達の事ね…外から来たのよ。」
文「もしかしてワルロボ四天王ですか?」
ダチョーン「知ってんのか?」
文「はい。四天王その2って言う物が人里に居ましたよ。」
ホウオウ「ラーか!霊夢!その里に行くぞ!」
霊夢「わ…分かったわよ。」
魔理沙「じゃあな、レミリア達!」

霊夢、魔理沙、ホウオウ、ダチョーン、文は人里へ飛んで行った。

ガーボーグ「…すみません。すぐ戻ります。」

ガーボーグが後を追って行った。

美鈴「あ!ガーボーグさん…」
レミリア「今は好きにさせておきましょう。」

レミリアと咲夜は館の中に戻って行った。美鈴も門の位置に着く。

-人間の里-

霊夢達は人里の真ん中に降り立った。そこには倒れている妖怪と妖夢、ラーがいた。

ラー「ん?さっきの新聞記者が戻って来たか…あああ!ホウオウ様ぁ!?」
ホウオウ「よう、久しぶり。」
ダチョーン「俺もいるぞ!」
ラー「マジか、ダチョーンもいるじゃん。」
ホウオウ「ガーボーグが走ってくるのが見えた。そのうちあいつも来るだろう。」

ロボット達が話している間。霊夢は妖怪を殺し、その霊力で塵に変えて消した。

ダチョーン「わー!!人間が塵になっているぅぅぅ!!」
霊夢「しょうがないでしょ?幻想郷では人間が妖怪になる事は重罪。殺さないといけないのよ。」
ホウオウ「確か、幻想郷もある程度のルールがあるんだったな。」
魔理沙「そうだぜ。この人里の中ではいくら妖怪でも人は襲っちゃいけないんだぜ?じゃなきゃ、ああやって霊夢に消される。」
ラー「恐ろしい奴だな。幽々子様からは聞いていたが、博麗の巫女って残酷だな。」
霊夢「あんたらも恐ろしいじゃない。世界征服のために作られたんでしょ?ホウオウだって咲夜の事、殺しかけたし…」
ホウオウ「む…」

ガーボーグ「なんかたくさんいるな…」

ガーボーグが歩いて来る。

ラー「ガーボーグやん!元気だったか?」
ガーボーグ「ああ…」
ホウオウ「これで四天王ロボは集まったな。」
文「こうやって見ると、迫力がありますね!」

四天王ロボが並ぶ。太陽の光が強靭な装甲を照らし、その威厳を知らしめる。

霊夢「で、あんたらはどうするの?」
ラー「俺様は妖夢さんと白玉楼に戻るぞ。」
ガーボーグ「私は紅魔館の門番に。」
ダチョーン「…俺は」
魔理沙「あ、ダチョーンには家で色々と手伝ってもらいたい事があるぜ。」
ダチョーン「よっしゃぁ!魔理沙さんの家だ!」
霊夢「ホウオウは?神社には泊められないけど。」
ホウオウ「俺はこの幻想郷を彷徨うさ、強敵を求めてな…」
魔理沙「それなら私の家で…」
ホウオウ「心配はない。俺の生き甲斐は`強い者を出し抜く事`に変えた。あのお笑いロボを超えるためだ。」
魔理沙「…そうか。ダチョーン!行こうぜ!」
ダチョーン「へい!と言う事で、じゃあなみんな!」
ガーボーグ「また逢う日まで。」
ラー「よし、幽々子さんに伝えに行かないとな。」
妖夢「そうですね。」

それぞれが住む場所へ向かう。里には霊夢とホウオウだけがいた。

霊夢「じゃあね、ホウオウ。私も神社に…」
ホウオウ「なぁ霊夢。この幻想郷で強い奴ってどこにいる?霊夢はどのくらい強いんだ。」
霊夢「強い奴…(やば!私は確かに強いけど、関わりたく無いわね…)」
ホウオウ「ああ、霊夢は博麗の巫女…幻想郷でも結構高い部類じゃ…」
霊夢「ま…また今度ね!!」

霊夢は神社の方へ、飛んで行ってしまった。

ホウオウ「…いつか倒してやるよ。」

ホウオウは幻想郷を彷徨い始めたのだった。

続く…


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