二次創作小説(新・総合)

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Lunatic Play EPISODEⅦ【完結】
日時: 2023/02/02 19:47
名前: ウィオ (ID: izFlvzlp)

【Lunatic Play EPISODEⅦ】


【Lunatic Play(ルナティック・プレイ)】とは?

それは決められた時間内を3匹の狼から逃げ惑い、賞金を獲得する遊戯である。
敵は狼だけでなく、「逃亡者の中の内誰か一人」も敵なのである。

今回の舞台は自然が綺麗な無人島。珍しくて美味しい果実がなるという噂があるが、この無人島には危険な生物が住んでいるという。
――そしてこの島を囲う海の深層には巨大生物が生息しているらしい。

今回も逃亡者が狂暴で素早い狼から逃げ惑う。果たして、この深夜の無人島で賞金を手に入れられる者は現れるのか。



※注意事項
・設定の少ないキャラはオリジナルの設定を含ませております。
・作者は日本語版を見ない主義なので、海外製のキャラの口調は自分のイメージで決めております。
・このシリーズの作風はホラーゲームを意識してるのでダーク・シリアスな要素が多々含まれております。
 苦手な方は閲覧や募集をお控えください。

それでもよろしい方はどうぞ。




~逃亡者~ ※【】内は作品名

レッド・マッカーサー(Red McArthur)【Southpark】{7}
カレン・マコーミック(Karen McCormick)【Southpark】{7}
ジェニー・サイモンズ(Jenny Simons)【Southpark】{7}
パウダー・ターナー(Powder Turner)【Southpark】{6}
ミニリーナ(Minireena)【Five_nights_at_freddy's: Sister_Location】{7}
ジェフ・ザ・キラー(Jeff_the_killer)【Creepypasta】{7}
アイレス・ジャック(Eyeless_Jack)【Creepypasta】{3}
Mr.ワイドマウス(Mr.Widemouth)【Creepypasta】{1}
ナ・ギチャン(나기찬)【플라워링 하트(Flowering Heart)】{1}
チェス(체스)【플라워링 하트(Flowering Heart)】{1}
アンジェリカ・ピクルス(Angelica Pickels)【Rugrats】{5}
ルビー・ローズ(Ruby Rose)【RWBY】{1}
ワイス・シュニー(Weiss Schnee)【RWBY】{1}
ヤン・シャオロン(Yang Xiao Long)【RWBY】{1}
ジェニー・ウェイクマン(Jenny_wakeman)【My Life as a Teenage Robot】{1}
マスターシェイク(Master Shake)【Aqua Teen Hunger Force】{1}
アイザック(Isaac)【The Binding of Isaac】{1}
マーヴォ(Maavo)【MUGEN】{1}
シャンティ(Shantae)【Shantae】{1}
バッター(The Batter)【Off by Mortis Ghost】{1}
グランフレア【夢職人と忘れじの黒い妖精】
ジーグブルート【千銃士Rhodoknight】
琴葉姫【応募枠】{5}
柊【応募枠】{4}
わたげ【応募枠】{2}






GOOD LUCK, FUGITIVES.



△今回の舞台はなんと無人島!
△サバイバル要素有り!?
△「RWBY」「My life as a teenage robot」「Aqua teen hunger force」「The binding of isaac」「MUGEN」「Shantae」など、新規の作品のキャラが沢山初参戦!
△危険な謎の生物・Mr.ワイドマウス!
△果たして、最後に生き残るのは誰だ――?

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅦ】 ( No.6 )
日時: 2023/01/27 20:57
名前: ウィオ (ID: izFlvzlp)

【MonsterⅡ】


{残りゲーム時間  139:00}



パウダー「皆モンスター倒しに行ってるのかなぁ……?」


その頃、パウダー・ターナーは森の中で大樹の陰に隠れていた。


パウダー「あたし怖くて戦いたくないんでどうか皆様よろしくお願いします」


他人任せだ――。






XJ-9「モンスター何処にいんの?」


その頃、XJ-9は走ってモンスターを捜していた。中々見つけられていない彼女――。


XJ-9「一体ぐらい倒しておきたい!」









レッド「カレン! あそこにモンスターがいるわよ!」

カレン「ほんとだ……!」

モンスター1、2「「!!」」


レッドとカレンが森の中で2体のモンスターを発見する。そんな彼女たちに気づいたモンスター2体は悪そうな顔をしながらこちらに近づいて来る。


モンスター2「逃亡者だ!」

モンスター1「ひ弱そうな女二人だな! 楽に殺せそうだ!」

カレン「あわわ……」ガクガク

レッド「悪いけど簡単には死なないわよ」


レッドは素早く護身用に持ってる銃(第4回で亡くなった女性警備員から取ったもの)でズドン!!――と、モンスター2の腹を撃った。

モンスター2「なっ――」ドサッ


【レッド・マッカーサー   モンスター撃破  残り4体】


モンスター1「貴様よくも!!」ブンッ

レッド、カレン「「あうっ!!」」


片腕で思い切り薙ぎ払い、レッドとカレンを吹っ飛ばした――。二人は木に勢いよくぶつかってしまう。幸いレッドは軽傷だったがカレンの方は身体をかなり痛めており、うつ伏せ状態となっている。


カレン「うう……」

レッド「カレン!」


レッドは銃で助けようとするが肝心のそれが無い。吹っ飛ばされた時に銃も遠くに飛ばされてしまっていたのだ。


モンスター1「へへ、タマ奪えるチャンスだ! さあお前はどんな悲鳴をあげるのかねぇ!」

カレン「いやっ――!!」


カレン・マコーミックはピンチ! モンスター1は両腕を思いっきり上にあげ、そしてカレンを叩き潰そうと両腕を勢いよく振り下ろした――!










ガシッ!!

カレン「――?」

モンスター1「!? おい、何だテメエ!」


モンスター1の背後に突然金髪の女性が現れた。その女性はモンスター1の腕を力強く掴んでいる。そう、攻撃を止めてくれたのだ。


ヤン「タマ奪えるチャンスだ。さああんたはどんな悲鳴をあげるんだろうね」ピキピキ

モンスター「な、何こいつクソ力強い……」

レッド「ヤン!」

ヤン「幼い子の命を狙うなんてどんな神経してんの!!」


ドゴン!! ――ヤンが自身の武器であるガントレットで全体重をのせた強力なパンチを繰り出し、モンスター1を大きく吹っ飛ばした。


【ヤン・シャオロン   モンスター撃破  残り3体】



ヤン「ふぅ……」

カレン「ありがとうヤンお姉ちゃん! また助けられちゃったなぁ」

ヤン「いいのいいの――!?」

モンスター3「グオオアアア!!」


その瞬間、モンスター3がヤンの背後に突如現れ、雄たけびをあげながら彼女に向けて腕を勢いよく振り下ろした。


レッド「ヤン!」

ヤン「わお!」シュバッ


ヤンは咄嗟に側転で回避し、無傷で済んだ。


ヤン「ハハハ、不意打ち大失敗だったね――?」


――その時、2本の金色の毛がヤンの目の前をヒラヒラと舞い降りて行く。その毛はヤンのものだ。モンスター3の腕が彼女の髪に掠って抜けたのだ。その毛を見たヤンは――


ヤン「……」

ヤン「この……」


彼女はゆっくり目を閉じた後、開眼した。その際、目が紫色から赤色と変化する。その様子を見ているモンスター3は困惑している。


ヤン「怪物があああああ!!」ズドオオオン!!


彼女の身体から小さな爆発が起こった後、彼女が高速でモンスター3に向かって突進し先程のパンチの威力を上回る、渾身のパワーを込めたアッパーを食らわせたのだ――! その際、モンスター3の顎が陥没し上空へ吹っ飛んでいった――。

彼女は自身の髪を傷つけられることを極端に嫌う。

彼女の武器は「エンバー・セリカ」というガントレットであり、瞬間的に運動エネルギーを放出することが出来る。発砲も出来、その際は爆発や炎に似た閃光を放ち、敵を大きく吹き飛ばすことができるのだ――。



【ヤン・シャオロン   モンスター撃破  残り2体】



レッド「凄い……」

ヤン「ふう~、さて、私はこれからまだ残ってるモンスターを倒しに行くから、じゃあね! 気を付けるんだよ二人とも!」

カレン「ヤンお姉ちゃん、改めてありがとう!」


ヤンはカレンに向かって手を振りながら他のモンスターを捜しに向かって行った。


レッド「――あのガントレットも凄い武器ね……――はっ! 武器といえば私の銃! 探さないと……!」

カレン「レッドお姉ちゃん、こっちにあったよ! はい」


カレンがレッドの銃を拾って届けた。


レッド「ありがとう……じゃあ私たちもモンスター捜しに行きましょ!」

カレン「うん!」






その頃、XJ-9はモンスターを捜していた。


XJ-9「あーっ、見つけた!」

モンスター9「ガウ?」


やっと発見できたXJ-9。彼女は早速戦闘態勢に入る。


XJ-9「ドルァアアア!!」

モンスター9「ギャアオオオオ!!」


そして彼女は目からレーザービームを放ち、モンスター9に命中させる。ビームに当たったモンスター9は木っ端微塵となった。

彼女はあらゆる脅威から地球を守るために作られたロボットであり、その為に膨大な数の超人的能力と武器を備えている。


【ジェニー・ウェイクマン   モンスター撃破  残り1体】


XJ-9「残り1体! あともうちょっとだね! ――!?」


その時、彼女の背中に悪寒が走った。危険な雰囲気を醸し出している逃亡者が近づいて来たのだ。その逃亡者とは――殺人鬼のアイレス・ジャックだ。


アイレス「……」

XJ-9「……!?(何この人……とてつもなくヤバイ感じがする……!)」

アイレス「……」


普段のアイレスなら腎臓を手に入れようと即襲い掛かるだろう。だが、しかし――。


アイレス「その身体……アンドロイドか? なら臓物があるわけ無いな」

ジェニー「え?」

アイレス「お前が人間だったらあの世に逝かせて腎臓を抉り取っていたが……アンドロイドなら仕方ない。俺はここから消える」


アイレスは立ち去った。


ジェニー「……え、えっと……助かった、のかな? え、もしあたいが人間だったらあたい殺されてたってこと? こっわ……」






{残りゲーム時間  133:00}





柊「狼……いないよな」


狼に警戒して木の陰に隠れている柊。彼女はモンスター討伐に向かっていない。


柊「いやほら、モンスターと戦える自信ないし……怖いし。いや、前回戦ったけどそれとこれとは別だ」


そんな彼女の近くに忍び寄る、一匹の狼――。涎を垂らしながら鋭い目で彼女を睨みつけている。彼女をしばらく凝視した後、突如飛び掛かって来た――!


柊「!? ヤバ!」


それに気づき咄嗟に逃げるも、あっという間に距離を詰められてしまう。そして――背中を噛まれてしまった。


狼「グルルルル!!」

柊「ぐ……!!」


【柊     失格   ≪残りゲーム時間≫】
 残り  18人    {132:30}











ピコン!

シェイク「『柊が狼に噛まれ失格となり、残り19人となった』」


バッター「柊がやられたのか……」


琴葉姫「ああっ! 柊さんが!! ……って、残ってる作者勢私だけじゃん!」









{残りゲーム時間  132:00}





XJ-9「最後の一匹何処かな……」


モンスターを捜している彼女の近くに、一匹の狼が忍び寄る――。彼女はそれに気づいていない。


XJ-9「あと一匹倒せば……クリアなのに!」


その時、狼が高速で彼女に飛び掛かって来た。彼女が狼の殺気を覚えて振り向いた瞬間身体を強く噛まれてしまった――。


XJ-9「うげえっ!!」



【ジェニー・ウェイクマン     失格   ≪残りゲーム時間≫】
     残り  17人       {131:46}



不意打ちされてしまった、女の子ロボットであった――。









ピコン!


ルビー「『ジェニー・ウェイクマンが狼に噛まれ失格となり、残り18人となった』」


パウダー「えっ! やられたんだ……」


バッター「柊がやられてすぐだったな……」








{残りゲーム時間  131:00}







ジーグブルート「モンスターは何処だ……お!」

モンスター10「ガウ……!! 逃亡者か!!」


その頃、ジーグブルートが最後の一匹を発見していた。


ジーグブルート「お前が最後の一匹だな。ここで倒されてもらうぜ……!」


彼はアサルトライフルを構え、そしてモンスター10の両腕を撃った。撃たれて悲痛な叫びをあげるモンスター10。


ジーグブルート「これで殴ったりなんかできねえよなぁ」

モンスター10「……舐めるなよ!!」


その時、モンスター10がフルパワーの体当たりをかまし、ジーグブルートは大きく吹っ飛ばされてしまった。彼は身体を強く打って動けなくなってしまう――。


ジーグブルート「グッ……! クソッ……!」


そんな彼にじりじりと歩み寄ってくるモンスター10。ジーグブルート、ピンチ! ――しかし。









マーヴォ「お、バトってんのか!」


そこに偶然、マーヴォが通りかかった。


ジーグブルート「おい危ねえぞ……!! 逃げろ……!!」

マーヴォ「嫌だね! 何故ならオレはモンスターを討伐したいからだ!」


マーヴォはそう言い終えた瞬間、自身の武器である鉛筆を構えた。


マーヴォ「Hora del Show!」


――という決め台詞を言った刹那、マーヴォは高速でモンスター10に向かってダッシュし、目にも止まらぬ速さで鉛筆でモンスター10の身体を貫いていく。その様はまるでペルソナ5の総攻撃のようであった。そして――


マーヴォ「THE SHOW'S OVER!」


トドメの斬撃を放ってモンスター10を撃破した。撃破したと同時にガッツポーズをとるマーヴォ。



【マーヴォ   モンスター撃破  残り0体】





{残りゲーム時間  130:15}



CLEAR!! これで全てのモンスターの討伐に成功した――!!





マーヴォ「総攻撃ofペルソナ5・オレ流ソロバージョン!」

ジーグブルート「なんだよ総攻撃のソロって; ――うぐっ!」

マーヴォ「おい大丈夫かあんた!」

ジーグブルート「ああ、身体を強く打っちまったが……大丈夫だ。それよりありがとうな」

マーヴォ「大丈夫じゃねーだろ! ほらおぶってやっから無理すんなよな!」


マーヴォはジーグブルートを背負った。


ジーグブルート「悪いな……助かるぜ……!」







ピコン!


グランフレア「『アイザック、ジェフ・ザ・キラー、ルビー・ローズ、ワイス・シュニー、レッド・マッカーサー、ヤン・シャオロン、ジェニー・ウェイクマン、マーヴォの活躍により全てのモンスターが討伐された』。ありがとう……!」


パウダー「皆様ありがとうございます! パウダーは感激ですぅ!」


シェイク「多くの人がいってくれたようだな。助かった」


ギチャン「おっしゃモンスターいなくなった! 助かったぜ!」


ウェンズデー「ありがとう……」





----------------------------------------------------

その頃、ゲームマスターはモニターでゲームの様子を見ながら、次の指令を出そうとしていた。




ゲームマスター「――そろそろだな……」




--------------------------------------------------------

残り逃亡者……レッド、カレン、パウダー、ジェフ、アイレス、ワイドマウス、ギチャン、アンジェリカ、
ルビー、ワイス、ヤン、シェイク、マーヴォ、バッター、グランフレア、ジーグブルート、
琴葉姫の17人。



続く

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅦ】 ( No.7 )
日時: 2023/01/28 18:16
名前: ウィオ (ID: izFlvzlp)

【Fruit】



ゲームマスターはモニターを操作して新たなお知らせを送った――。



--------------------------------------------------




{残りゲーム時間  128:00}



ルビー「何々!? ――えーと、『お知らせⅡ』」



ジェフ「『島には金色の果実が生えている木が4本存在する』」



バッター「『果実はそれぞれの木に1個生えている。果実の数は全部で4つ』」



ギチャン「『残り110分までにその4つ全てを海の中心にある岩の空洞に入れれば』」



グランフレア「『逃亡成功時に手に入る賞金の額が50万プラスされる』!?」



アンジェリカ「お金がより手に入るチャンスが来たわー!」



--------------------------------------------------



【逃亡成功時の賞金をプラスせよ】

島には金色の果実が生えている木が4本存在する。
果実はそれぞれの木に1個生えている。果実の数は全部で4つ。
残り110分までにその4つ全てを海の中心にある岩の空洞に入れれば、
逃亡成功時に手に入る賞金の額が50万プラスされる。

因みにその果実の形はマンゴーとそっくりである。


--------------------------------------------------






ルビー「果実探しなんて面白そう! ワイス、行こうよ!」

ワイス「果実探しなんてしんどそうですけれど……お金が増えるのは悪くありませんわ。行きましょう」




ヤン「なんだか楽しそうね! 果実探しやってみようかな!」




アンジェリカ「お金増やしてやるわよーーーー!」






パウダー「さっきは何もできなかったから今回のお知らせはやっとこうかな!」




バッター「やってみるか……」




グランフレア「これやってみるとするか。……ついでに食料も採れたらいいんだが」←さっきからずっと腹減ってる




ルビー、ワイス、ヤン、アンジェリカ、パウダー、そしてバッターの6人が向かうようだ――!








一方で――

レッド「果実ねぇ……さっきのモンスター討伐で疲れたから行きたくないわ」

カレン「レッドお姉ちゃんが行かないなら私も行かないかなぁ……」



ギチャン「誰かやってくれんだろ。おれは行かない!」



シェイク「ワタシは動きたくない! 他のやつが勝手にやればいい!」




ジェフ「果実探しなんて僕の性に合わないから行かないかな……」




アイレス「任せた」




他人任せにする逃亡者も現れた。果実探しに向かうかは逃亡者の自由だ――。








{残りゲーム時間  125:00}





その頃、マーヴォはジーグブルートを背負って歩いていた。


ジーグブルート「なあ……」

マーヴォ「何だ?」

ジーグブルート「もう大丈夫だ歩ける。降ろしてくれ」

マーヴォ「そうなのか?」


マーヴォはジーグブルートを降ろす。


マーヴォ「大丈夫か?」

ジーグブルート「まだ少し身体は痛むが大丈夫だ。ありがとな」

マーヴォ「おう、んであんたはこれからどうすんだ」

ジーグブルート「身を潜められそうな場所を探す。――世話になったな」


ジーグブルートは優しく微笑んだ後、去って行った。


マーヴォ「てか治るの早いな」

マーヴォ「――そういやオレ、果実探しやろうと思ってたんだよな、行こか」


彼も果実探しに向かうようだ――。










パウダー「かじつ、かじつはどこかな~!」


その頃、パウダーはキョロキョロと辺りを見渡しながら果実を探していた。


パウダー「……果実のこと思ってたらお腹減って来ちゃった……あっ、あんなところにキノコが生えてる! いっただきまーす!!」


彼女は目をキラキラと光らせてそのキノコに飛びつくが、ゼロ距離になった瞬間に立ち止まった。


パウダー「これ……ベニテングダケじゃん。……触らぬ神に祟りなし! 逃げまーす!」


彼女は汗をダッラダラと大量に流しながら逃げ去った。ベニテングダケが毒があると言われており、食べれば腹痛、嘔吐、そして下痢を起こす。ベニテングダケには要注意だ――。










アイレス「……逃亡者は……いないのか?」


アイレスが逃亡者の腎臓を取りたい為に、ずっと森の中で逃亡者を捜している。そこにバッターが通りかかる。


バッター「何だあの仮面の男……」

アイレス「!!」


アイレスはバッターを見た瞬間、ナイフを取り出してそれをバッターに向ける。


バッター「何だ刃物を向けて?」

アイレス「殺人鬼の俺が言えたことじゃないが……お前の姿が恐ろしく見えるんだ。俺を殺そうとしているだろう。そうなら容赦しない」


アイレスから見れば、バッターは白目・鋸歯の生えた口・そして巨大な爪を持っているワニのような姿に見えていた。バッターを敵と認識すれば、このような姿に見えるのだ――。


バッター「……そうだ。殺そうとするならこっちも容赦しないぞ。俺は敵なら始末しようと考えている者だからな」


アイレスは素早くバッターに近づきナイフで切り裂き攻撃を放ったが、バッターはその攻撃を見切って回避した。


バッター「浄化の時間だ」


バッターは攻撃を繰り出す。その攻撃を回避したアイレスだが、それと同時に恐怖を覚えた。バッターの威圧感に怯えているのだ。


アイレス(なんだコイツ……心臓を締め付けられたような気分だ……!)


アイレスは怯え、急いで近くの崖から飛び降りて逃げて行った。


バッター「逃げたか……まあいい、次会ったら今度こそ浄化だ……」








{残りゲーム時間  121:00}




ギチャン「後残り11分……果実取りに行ってるやついんのかな?」


他人任せのショタ、木の陰に隠れ続けている――。


ギチャン「おれ金欲しいから頼むよ……」


そんな彼の近くに忍び寄る、一匹の狼……。彼は狼に睨みつけられているが、その視線に全く気付いていない。彼はそのまま木の陰に隠れ続けている。――狼がしばらく睨みつけた後、突如高速でギチャンに飛び掛かった――!


狼「グルルルル!!」

ギチャン「!? うわあああああっ!!」


その狼に彼は気づいて逃げようとするが時すでに遅し、背中をガブリと噛まれてしまった――。



【ナ・ギチャン     失格   ≪残りゲーム時間≫】
   残り  16人     {120:12}









ピコン!


バッター「『ナ・ギチャンが狼に噛まれ失格となり、残り16人となった』」


パウダー「これでフラワーリングハート勢は全滅しちゃったね……;」








ワイドマウス「はあ……子供が見つからなくて退屈だ……」


子供を殺したくてたまらない、殺人鬼――。


ワイドマウス「何処にいやがる、子供は!」


アイレス・ジャックとMr.ワイドマウスには要注意だ――。






その頃、ルビーとワイスは果実を探していた。


ルビー「果実何処かな、何処かな……あっ、ワイス!」

ワイス「何ですの?」

ルビー「あそこあそこ! あそこに果実があるよ!」


ルビーが指さしたところには確かに金色の果実がなっていた。しかしその果実がなっている木の高さは10m。果実はその木の頂点付近になっており、そこまでよじ登らないと取ることは出来ない――。


ルビー「どうしよう……」

ワイス「貴方が撃ち落として取ればいいんじゃなくて? 貴方の武器、銃弾も放てるのでしょう?」

ルビー「撃ったら木っ端微塵になっちゃう~! ということで私が登って取る!」

ワイス「大丈夫なんですの?」

ルビー「へーきへーき! 見ててよ!」ガシッ


ルビーは木にしがみついて少しずつ登っていく。


ルビー「はあ、はあ……結構しんどい……;」

ワイス(大丈夫なのかしら……;)

ワイス「落ちないで下さいまし! 大怪我じゃすみませんわよ!」

ルビー「分かってる分かって――」


バサバサバサッ!!


ルビー「ひゃあっ!!」

ワイス「ルビー!」


突如横切った鳥に驚いて手を放しかけるも、なんとかしがみつくルビー。


ルビー「はあ、はあ……あっぶな……」

ワイス「冷や冷やしましたわ……」


ルビーは深呼吸をした後、再び登り始める。ずっと登り続けて疲れ始めてくるが、それでもよじ登り続ける。そして――


ルビー「あともうちょっと……よし!」ガシッ


なんとか金色の果実をゲットした。ゲットして喜ぶルビーだが、その嬉しさで気を抜いてしまってバランスを崩し、木から手を放してしまう。


ワイス「!!」

ルビー「ひゃあああああ~~~!;」ヒュウウウウン



木から落ちてしまったルビーは、どすんと大きな音を立ててワイスの上に落ちたのであった。下敷きになったワイスはピクピクとしている。


ワイス「きゅう~~」

ルビー「あっ、ごめんワイス!;」


ササッと退いたルビー。


ワイス「もう! 落ちるなって言いましたのに! ――まあでも、果実は取れましたから許すといたしましょう」

ルビー「ははは……」

ワイス「ははは、じゃありませんわ!」プンプン

ルビー「すみませんでしたお姫様(;´・ω・)」



【ルビー・ローズ   金色の果実ゲット  残り3個】






{残りゲーム時間  116:00}






パウダー「果実見つからないなぁ……あ、あったあ~!!」


パウダーも果実を発見。5mの木の頂点付近になっている金色の果実を見て彼女は考える。


パウダー「あたし木登り苦手だからなぁ……そうだ! これ当てて取っちゃお! あたしったら天才!♪」


一人でテンション上げながら、石を拾って果実めがけて投げる。――果実のヘタ部分に当てて切り取り、落とすことに成功した!


パウダー「そーれキャッチ! いえい、果実ゲットーーーーー!♪」



【パウダー・ターナー   金色の果実ゲット  残り2個】










バッター「仮面の男は気になるが、果実を見つけないと……」


そう呟きながら果実を探しているバッター。そんな彼に近づいて来る、一匹の狼――。その狼の気配に気づいたバッターは咄嗟に逃げる。


バッター「まずい……!」タッタッタ


距離を離そうと頑張って逃げ続ける彼。――狼は追ってこない。助かった――。


バッター「……よし、来ていないな。良かった……」


逃げ切った彼の近くに――

































マーヴォ「おっ、バッターだっけ? 何で息切れてんだ?」


マーヴォが通りかかった。


バッター「マーヴォか……さっき狼を見つけて、そいつから逃げて来たんだ」

マーヴォ「マジかよ!? そいつはヤバかったな……あ、そうそう! オレ今果実探ししてんだけど、手伝ってくれないか?」

バッター「俺も今探していたところだ。手伝おう」

マーヴォ「Gracias! 助かるぜ!」



果たして、二人は果実を見つけられるのか――。





--------------------------------------------------------

残り逃亡者……レッド、カレン、パウダー、ジェフ、アイレス、ワイドマウス、アンジェリカ、ルビー、
ワイス、ヤン、シェイク、マーヴォ、バッター、グランフレア、ジーグブルート、琴葉姫の16人。



続く

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅦ】 ( No.8 )
日時: 2023/01/29 20:34
名前: ウィオ (ID: izFlvzlp)

【FruitⅡ】



{残りゲーム時間  114:00}




グランフレア「果実は何処だ……ん?」


グランフレアも金色の果実を発見した。2m程度の高さの木の頂点付近になっている。


グランフレア「そんなに高くないな……簡単に取れそうだ」


彼は木によじ登って果実を採った。



【グランフレア   金色の果実ゲット   残り1個】


グランフレア「美しい果実だ……! ん? 誰か来た」


パウダー「ああーっ! 金色の果実ー! グランフレアも持ってるのー?」


パウダー・ターナーだ。


グランフレア「ああ、さっき採った」

パウダー「すごーい! ……なんか急にお腹減っちゃった」ゴキュルルルルル

グランフレア「それならこれを」スッ

パウダー「リンゴ!?」

グランフレア「ああ、さっき採って来た。俺も腹減っててな……食べようと思ってたんだが、やろう」

パウダー「ありがとう!」ムシャムシャ

パウダー「あー美味しい! ごちそうさまでした!」

グランフレア「早いな;」

グランフレア「食べたら歯を磨くんだぞ。――おっと、俺はそろそろ海に行く。じゃあな」


グランフレアは去って行った。


パウダー「はーい! ……」

パウダー(あの人なんかお母さんみたいだった)

パウダー「ってそうだ、あたしも行かないと!」タッ

パウダー「海は何処かなぁ?」タッタッタ


















彼女はしばらく走り続けていると、海に出た――。そして中心に空洞がある岩を発見!


パウダー「これに入れればいいんだよね!」


彼女は岩の空洞に果実を入れた。



【クリアまで 残り3つ】



パウダー「やったあ! パウダーちゃん活躍出来た~!」ピョンピョン


ピョンピョンと可愛くジャンプする彼女の近くに――





























アイレス「おい……」


殺人鬼アイレス・ジャックが通りかかった――。その男の殺気に怯えるパウダー。彼女は恐る恐る後ろを振り返る。


パウダー「あ、あなた何……?」

アイレス「良かった、ここに人間がいて。なあお前、ちょっと腎臓くれよ」

パウダー「は?」


その刹那、アイレスはナイフを振り下ろす。それを彼女は間一髪で回避した。


パウダー「びゃあああ!! あ、あたしを殺す気!?」

アイレス「当然だ」

パウダー「当然って……。ま、まあとにかくその気ならこっちだって!」ガシッ


パウダーは石を拾い上げ、アイレスの頬めがけて投げつける! ――しっかりと頬に命中し、その際にゴンッと重い音が鳴った。しかしアイレスはものともしない。


パウダー「!」

アイレス「抵抗は止めるんだな」


そしてアイレスは高速で詰め寄り、パウダーの腹をナイフで切った――。


パウダー「ああっ……!! うっ!!」ドサッ



【パウダー・ターナー     失格   ≪残りゲーム時間≫】
    残り  15人      {113:01}



アイレス「さて、腎臓を――」


シュンッ!

その時、パウダーの姿が光に包まれ、消えた。失格になった逃亡者は元の世界に帰らされるシステムだ――。



アイレス「……折角腎臓を手に入れるチャンスだったのに……」












ピコン!


レッド「『パウダー・ターナーが撃破され、残り15人となった』。パウダーが撃破……?」


カレン「パウダーお姉ちゃんがやられちゃった……!」








その頃、マーヴォとバッターは果実を探していた。


マーヴォ「おいアンタ! あそこになってるぞ!」


マーヴォが指さしたところには確かに金色の果実がなっていた。しかしその果実がなっている木の高さはなんと12m。果実はその木の頂点付近になっている――。


マーヴォ「だけど取るの難しそうだな……めっちゃ高いとこにあるし木はトゲトゲで登れねえ」


その時、バッターが石を拾い上げる。石で投げて当てようにも、高すぎて当たらない位置に果実はあるが……


バッター「俺がバットで石を打って果実に当てるから、お前は落ちて来たのを取ってくれ」

マーヴォ「えっ!? いけんの?」

バッター「やれる。マーヴォ、頼んだぞ」


バッターは石をバットで打って果実に当てて落とす。それをマーヴォが両手でナイスキャッチした。


マーヴォ「やるじゃねえかバッター!」




【マーヴォ    金色の果実ゲット  残り1個】










その頃、グランフレアは海に到着していた。


グランフレア「えーと、岩は……これだな」


彼は岩の空洞に果実を置いた。



【クリアまで  残り2個】



グランフレア「よし!」モグモグ


彼はリンゴを食べている。金色の果実を採ったついでに食料も採ってきていたのであった。








ルビー「海、海!」タッタッタ


その頃、ルビーはワイスと共に海へ向かっていた。その途中で――


ワイス「ルビー!」タッタッタ

ルビー「何?」タッタッタ

ワイス「あそこに狼がいますわ!」タッタッタ


ワイスが指さしたところには、確かに1匹の狼がいた。狼はこちらを凝視している――。


ルビー「そ、そんな!」

ワイス「わたくしが引き付けますから貴方はさっさと海へ向かってくださいまし!」

ルビー「そ、そんな! 大丈夫?」

ワイス「急ぎなさい! どうせ襲われるなら一人だけのほうがいいんです!」

ルビー「……ごめん!」


ルビーはワイスを置いて逃げ出す。その時、狼が突如走り出した。その狼は、ワイスを標的にする――。


ワイス「こっちですわケダモノ!」


ワイスは木々を利用しながら逃げ続ける。木が沢山生えているお陰で、狼の視界が遮られる――。そしてなんと狼を撒くことに成功した。


狼「……?」キョロキョロ


ワイス「ルビー、ちゃんと果実置けるといいんですけれど……」







一方、ルビーは海に向かって走り続けていた。しかし、その途中でまた狼を見つけてしまう。彼女は咄嗟に木の陰に隠れる。狼はキョロキョロと辺りを見渡している――。


狼「グルルルル……」


ルビー「ワイス大丈夫かな……てかどうしよ……早く置きに行きたいのにぃ」


狼が何処かへ行ってくれないと、海に行けない――。










その頃、アンジェリカは果実を探していた。


アンジェリカ「ああんもう全然見つかんないんだけど果実!」


果実は既にパウダー、マーヴォ、ルビー、そしてグランフレアが採ったため、もう探しても無駄だ。だが彼女はそれを知る由も無かったのであった。









その頃、バッターとマーヴォが海に来ており、果実を岩の空洞の中に入れていた。


【クリアまで あと1個】



マーヴォ「これであと一つだな!」

バッター「あと一人誰かが持って来てくれればいいんだが……おい、狼が来ているぞ!」

マーヴォ「マジかよ!」

狼「グルルルル……」


マーヴォとバッターは狼に気づかれる前に逃げ出す。その狼は二人に気づくことなく、何処かへ行ってくれた。









{残りゲーム時間  111:00}






その頃、ルビーは今も木の陰に身を潜めていた。


ルビー「後1分しかないよ……早くどっか行ってよ……あっ!」


その時、ようやく狼が遠くへ行ってくれた。海へ行けるチャンスが訪れたルビーはその機会を逃すまいと海へダッシュする。


ルビー「やった!」ダッ


海に到着し、空洞のある岩の前に行く。


ルビー「あ、もう三つも果実がある! てことはこれが最後の1個か!」


彼女は岩の空洞に最後の1個を入れた――。






{CLEAR}





ルビー「やったあ!!」










ピコン!


レッド「『マーヴォ、パウダー・ターナー、ルビー・ローズ、グランフレアの活躍により』」


カレン「『逃走成功時に貰える賞金に50万がプラスされた』。皆さんありがとう……!」


ワイス「ちゃんと入れられたんですのね。良かったですわ!」


ヤン「おっ、ルビーやるねぇ!」


アンジェリカ「えっ!? なんかクリアしちゃってるし!(;゚Д゚)」


ジェフ「賞金が増えて良かった……!」








{残りゲーム時間  108:00}







ルビー「ふぅ~、良かった良かった、賞金が増えて……」





























アイレス「……」


安堵するルビーの近くに、アイレス・ジャックがやってきた。


ルビー「? 誰かな?」

アイレス「俺はアイレス・ジャック。殺人鬼だ」

ルビー「殺人鬼!?」

アイレス「ああ。そして俺は腎臓が大好きだ。だから――お前の腎臓が欲しい。くれるか」

ルビー「何言ってんの……そんな頼みをされて、腎臓あげる人がいるわけないでしょ!」

アイレス「……そうか。なら……力づくで奪うまでだ」ジャキッ


アイレスはナイフを取り出し、それを彼女に向ける。そして彼女は武器「クレセント・ローズ」を構え、戦闘態勢に入る。


ルビー「……やるなら容赦しないよ!」



ルビー・ローズとアイレス・ジャックの戦いが、今、始まろうとしていた――。



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残り逃亡者……レッド、カレン、ジェフ、アイレス、ワイドマウス、アンジェリカ、ルビー、ワイス、
ヤン、シェイク、マーヴォ、バッター、グランフレア、ジーグブルート、琴葉姫の15人。



続く

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅦ】 ( No.9 )
日時: 2023/01/31 00:08
名前: ウィオ (ID: izFlvzlp)

【Ruby Rose VS Eyeless Jack】


ルビー「負けても恨まないでね!」

アイレス「俺は負けない。腎臓を奪う為に……!」


お互い武器を構えて睨み据えている。しばらく睨み据えた後、ルビーが突進する。その際多くの薔薇の花びらが彼女の身体を包み込むように舞った。


ルビー「はああっ!!」


アイレスの腹に突撃してダメージを与え、彼を怯ませる。そして彼女は鎌の刃を横に払い、彼の腹を攻撃する。アイレスは躱すが躱し切れず、軽い切り傷を負ってしまった。


アイレス「くっ――!(躱し切れなかった……!)」

ルビー「それもう一発!!」

アイレス「させるか!!」


アイレスはナイフで反撃するがルビーがそれを咄嗟に鎌の刃部分でガード。その際、カキン!!――と大きな金属音が鳴り響いた。彼女はガードした瞬間、カウンターで鎌を振り下ろし、アイレスの左肩を切った。


アイレス「ぐっ……!! この女強い!」

ルビー「伊達に怪物と戦い続けてないもの!」


彼女が生まれた世界では、多くの怪物が生息しておりルビーはその多くの怪物と相手している。その為、戦い慣れているのだ。自身の戦闘センスが高いお陰なのもあり、優位に立てている。


ルビー「殺人鬼さん! もう諦めなよ! 傷つくだけだよ!」

アイレス「随分と調子に乗っているじゃないか……まあ確かにお前は強い。ここは諦めるべきだろう……」


アイレスは観念したのか、ゆっくりとナイフをおろす。
































アイレス「――普通ならな」


























アイレスがそう言った後、凄まじい殺気を放つ。その殺気は今まで放っていたものより恐ろしかった。その殺気を感じ取ったルビーはびっくりして目を開き、怯んでしまう。そしてアイレスは猛スピードで彼女に詰め寄り――


ルビー「!?」ビクッ

アイレス「いい加減腎臓をくれよ」


ナイフで彼女の腹を大きく切った。


ルビー「うがあっ!!」

アイレス「ほら、もう一つ斬撃をくれてやる――」シュシュッ


ズバズバッ――!!


ルビー「っ――!!」


――彼の切り裂き攻撃を食らったルビーは両方の脛に傷を負った。


アイレス「調子に乗った罰だ。腎臓を奪ってやるから大人しくするんだな……」


両方の脛を切られてしまえば、痛みで立てなくなるだろう。





















しかし……。









ルビー「腎臓がとられるって分かってて大人しくするわけにはいかないよ……!!」ヨロヨロ



彼女はそれでも立っている。彼女の「負けたくない気持ち」は相当なものだ――。立ち続けている彼女の姿を見たアイレスは感心を覚えた。


ルビー「やられてたまるか……ワイスも心配してるだろうし……それに私はこのゲームでずっとここまで生き残ってきたんだよ。だから――負けたくない!」


彼女は力一杯鎌をアイレスの左肩に振り下ろすが、彼は見切るかのように紙一重で回避した。


ルビー「そんな……!」

アイレス「無駄な抵抗を……いい加減それを振るのを止めるんだな!」シュッ



カキン!!

アイレスは高速で彼女のクレセントローズをナイフで遠方へ弾き飛ばした。弾き飛ばされたルビーの武器はクルクルと縦回転しながら、ボチャンッ!!――と大きな音を立てて海へと落ちていく――。


ルビー「ああっ……!!」


自身の唯一である武器を失ってしまったルビー。


それに驚愕して動きが止まっている彼女に、彼は目にも止まらぬ速さで彼女の腹にナイフを深く突き立てた――。


ルビー「あがあっ……!!」

アイレス「武器が無くなって残念!」


致命傷を負った彼女は両腕で腹をおさえながら、その場で蹲る。


アイレス「お前は重傷の状態。しかも武器も無い。もう足掻くことなんか無理だろう……」

ルビー「……」




































ルビー「何言ってんの? 武器ならここにあるじゃない……」グッ







彼女は自分の腹に刺さったナイフの取っ手を両手で握りしめ、そのままルビーは――


ルビー「うっ……!! うがああああっ!!」ズボッ!!


苦悶の表情をしながら、なんとナイフを抜き取った。抜き取った後はそのナイフを右手で持ち、腹の傷を片方の手でおさえながら、ゆっくりと立ち上がる――。



ルビー「敵に武器を渡しちゃダメじゃない……私はまだやれる」


そう言いながら彼女はナイフをアイレスに向ける。


アイレス「嘘だろう……それだけの傷を負っていながら……! なんという根性だ」

ルビー「ここで必ず倒す」


彼女は今残っている体力を振り絞って、思い切り踏み込んだ。


ルビー「はああああっ!!」

アイレス「ぐうっ!!」


踏み込んだ後、アイレスの腹を大きく切る――。


ルビー「これで終わりにしてやる!!」


そしてルビーは彼の腹を刺そうとする。――その瞬間だった。



























ドスッ。


ルビー「!?」


ルビーの腹に刃物が突き立てられる。それはナイフだった。彼女は驚いた。ナイフは今自分が持ってるのに、と。


アイレス「残念。スペアだ」


彼はなんともう一つナイフを隠し持っていたのだ。そのもう一つのナイフを突き立てられた彼女であるが、めげずに攻撃を繰り出す。



ルビー「負けるかぁああ!! 終わりだぁ、アイレス・ジャック!!」


ルビーは渾身の力を込めた突き攻撃を繰り出し、アイレスの腹にナイフを深く刺した――。


アイレス「ぐっ――」



腹を大きく切られ、更にナイフを突き立てられたアイレスにはもう立てる体力が残っていなかった。それはルビーも同じだった。両者は同時にその場に倒れ込む――。致命傷を負っていたのに、最後まで力を振り絞って戦った彼女の執念は凄まじいものであった。




ルビー「はあ、はあ……」

アイレス「……っ」







アイレス「お前……凄いな……俺、負けたわ。お前の勝ちだ……」





ルビー「はあ、はあ……アイレス強かった……。でも私が勝ったんだ……ハハハ、やった……やったよ……」




二人がそう言った後、同時に気を失った――。




【アイレス・ジャック     失格   ≪残りゲーム時間≫】
    残り  14人      {101:56}


【ルビー・ローズ     失格   ≪残りゲーム時間≫】
   残り  13人      {101:56}







天性の戦闘センスを持つ少女と驚異的な速さを持つ殺人鬼の凄まじい戦いは、今終焉を迎えたのであった――。












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ピコン!


ワイス「『アイレス・ジャックとルビー・ローズが戦い、相打ちとなった。残り13人』。ルビー!? そんな……!」


ヤン「相打ち……嘘でしょ……!」


ジーグブルート「……やられたのか……ルビー」




ジェフ「アイレス……やられたのか」


Mr.ワイドマウス「Creepypastaの仲間がやられちまったか……!」


バッター「アイレス・ジャック……撃破されたんだな。浄化してやろうと思っていたが……」







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その頃、ゲームマスターはモニターでゲームの様子を見ていた。


ゲームマスター「凄まじい戦いだった……」


ゲームマスターは二人の戦いを見終わって、感服していた。




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ワイドマウス「殺したい、殺したい、殺したい……」


ワイドマウス「子供を殺したくて仕方ない……!!」ワナワナ


ワイドマウス「もっと殺らなければ気が済まない……!!」ワナワナ



壮絶な戦いは終わったが、ゲームはまだ終わらない。そしてこれからはMr.ワイドマウスが暴れまくる――!?





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残り逃亡者……レッド、カレン、ジェフ、ワイドマウス、アンジェリカ、ワイス、ヤン、シェイク、
マーヴォ、バッター、グランフレア、ジーグブルート、琴葉姫の13人。



続く

Re: 【Lunatic Play EPISODEⅦ】 ( No.10 )
日時: 2023/01/31 17:43
名前: ウィオ (ID: izFlvzlp)

【Mr.Widemouth】






{残りゲーム時間  90:00}



残りゲーム時間が90分を切り、ゲームの半分が終わった――。



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ワイドマウス「何処だ子供は……!」


ワイドマウス、今も殺気を放ちながら子供を探している――。


ワイドマウス「いるなら出てこい、殺してやるから……」







その頃、レッドとカレンは森の中にいた。


カレン「残りゲーム時間90分……今回も半分以上生き残れてるね、私達」

レッド「まあ終盤には私達終わるかもしれないけどね……今までそうだったし」

カレン「何言ってるのレッドお姉ちゃん。第4回じゃ最後まで生き残ったじゃない!」

レッド「あれはルールが特殊だったから……あら、誰か来たわ」

ヤン「ハロー! 元気にしてるかい二人とも!」テクテク


ヤン・シャオロンだ――。


レッド「ヤン!」

ヤン「ふーむ、今回は怪我とかしてないようね。良かった!」

カレン「いつもお世話になってるよね……ごめんね、ヤンお姉ちゃん」

ヤン「アハハ、謝る事ないよ! 私が自ら進んでやってるんだから! それはそうと、狼に気を付けてよね!」タッタッタ


ヤンは元気に立ち去って行った。


レッド「気さくな人と知り合えて良かったわね、カレン」

カレン「うん! いつか絶対に恩を返したい!」


何度も世話になったヤンには頭が上がらない――。











グランフレア「もう90分過ぎたのか……ここまで来たら逃げ切りたいな」


そう思うグランフレアの近くに、一匹の狼が――。その狼は涎を垂らしながらこちらを睨み据えている。しばらく睨み付けた後――彼に飛び掛かる。


狼「グルルルル!!」

グランフレア「!?」


狼の声に気づいて間一髪で回避し、そして逃走するグランフレア。必死に逃げ続けるも、圧倒伊馬に距離を詰められて行く――。


狼「ガウウウウ!!」ガブッ

グランフレア「くそっ!!」


【グランフレア     失格   ≪残りゲーム時間≫】
   残り  12人     {86:22}



グランフレア「ここまで生き残ったのに……」ガクッ











ピコン!


琴葉姫「『グランフレアが狼に噛まれ失格となり、残り12人』」。ああっ、グランさんが!!;」


マーヴォ「グランフレアってやつがやられちまったのか……」








{残りゲーム時間  85:00}







ワイス「はぁ……」


一人溜息をついているワイス・シュニー。


ワイス「ルビーがいなくなりましたわ……。い、いや! あんなやかましい子、いなくなって清々……」

ワイス「……」

ワイス「しませんわ……」

ワイス「ルビーがいなくて寂しいですわ……」


今まで一緒にいた人がいなくなれば、寂しくて辛いものだ――。








アンジェリカ「ああんもう! 手柄欲しかったのにぃ!」


先程の果実探しで果実を見つけられなくてプンプンな3歳の幼女。そんな彼女の近くに、誰かが通りかかった。その誰かとは――。


シェイク「おや?」


マスターシェイクだ――。


アンジェリカ「うおっ! シェイクが歩いてる! しかも喋った!」

シェイク「(無視)君、退きたまえ。通行の邪魔だ」

アンジェリカ「はあ? こんな幼い子に何という口の利き方よ! 普通子供には優しくするもんでしょ!」

シェイク「知らんな。いいから退きたまえ」

アンジェリカ「ケッ! べーっ!!」


苛ついたアンジェリカは下をベーって出して挑発した後、シェイクに飛び掛かって一発ビンタをかました。


シェイク「うげえっ(;゚Д゚)」

アンジェリカ「次アタシに向かって偉そうな口叩いたら……マジでぶちのめしてやるわよ」


偉そうなのは彼女もだ――。


シェイク「中々気が強い幼女だなぁ。まあいい……ワタシはここで去るとしよう……;」


シェイクは逃げるように去って行った。


アンジェリカ「ふん!」






{残りゲーム時間  83:00}





ジェフ「後1時間半ちょっともあるのか……」


その頃、ジェフ・ザ・キラーはスマートウォッチでタイマーを確認していた。そんな彼の近くにワイドマウスが――。


ワイドマウス「子供は、子供は何処だ……あ? いた!!」

ジェフ「?」

ワイドマウス「お前だよ、ジェフ・ザ・キラー……いや、本当の名前はジェフリー・アラン・ウッズだったな。なあ、ちょっとお前を殺したいんだけどいいか?」

ジェフ「殺人鬼の僕が言うのもなんだけど、何言ってんだお前」

ワイドマウス「子供を殺したくてたまらないんだ……お前少年だろ。ならオイラ様のターゲットだ」

ジェフ「なんかよく分からないが、殺そうとするならこっちも容赦しないぞ」


お互い武器を構える。


ワイドマウス「ハハハハハ!! 殺せる殺せる殺せる!!」ダッ


ワイドマウスがダッシュでジェフに近づいた瞬間、ジェフは目にも止まらぬ速さでワイドマウスの腹を切った。それに驚いたワイドマウスが動きが鈍る。そんな彼にジェフはナイフで素早く彼の左手を切る――。


ワイドマウス「ぐっ!! な、何だこいつ速過ぎる……!!」

ジェフ「言ったろ容赦しないって」

ワイドマウス「ちくしょおお!!」


勝てないと踏んだワイドマウスは逃走を図る。それを見たジェフはナイフをワイドマウスの背中めがけて投げつける。


ジェフ「逃がすか!!」

ワイドマウス「当たるかよ!!」


しかしワイドマウスの身体が小さかった為、当たらなかった。


ワイドマウス「身体小さくてマジで良かったーーー!!」タタタタタタ

ジェフ「くそ! 待て!!」


ワイドマウスの姿が見えなくなってしまった。逃げられてしまった――。


ジェフ「……逃げ足の速い生物だ……」










{残りゲーム時間  81:00}


ジーグブルート「残り81分……まだまだだな」


辺りを見渡して狼に警戒中の彼。そんな彼に忍び寄る、一匹の狼――。


狼「グルルルル……」

ジーグブルート「!?」


その狼の気配に気づき、咄嗟に逃げるジーグブルート。


ジーグブルート「クソ狼に噛まれてたまるかよ!」タッタッタ


そのまま走り続けて逃げる彼。























しかし――。もう一匹の狼が突如前方から飛び掛かって来た!!


ジーグブルート「!?」ビクッ


突如襲い掛かられて驚愕し、動きが止まる。そして――身体をガブリと噛まれてしまった。


ジーグブルート「くっそがあああ……!!」ドサッ



【ジーグブルート     失格   ≪残りゲーム時間≫】
    残り  11人     {80:20}



前方から急に襲い掛かられたら、誰でも対処できない――。














ピコン!


琴葉姫「『ジーグブルートが狼に噛まれ失格となり、残り11人となった』。こ、今度はジーグブルートさんが……!!;」


ワイス「ジーグブルート……確かルビーに武器を見せてくれていた人でしたわね。やられてしまったのね……」


マーヴォ「えっ! ジーグブルート失格かよ!? マジかー……」











{残りゲーム時間 78:00}






ワイドマウス「糞が……腹と腕めっちゃ痛え……」


右手で腹の傷をおさえながら歩いている彼。


ワイドマウス「だがこんなもんでオイラ様は止まらねえぞ……子供は見つけ次第殺す……ん?」

アンジェリカ「狼は……よし、いないわね」


遠くの方で狼に警戒しているアンジェリカを発見した。


ワイドマウス「ほお……子供一人か。しかも弱そうだ。あいつなら簡単に殺れそうだ……!!」


利き手には傷が無いため、人を殺そうと思えば殺せる状態だ。ワイドマウスは不気味な笑みを浮かべながら彼女を凝視している。果たして、アンジェリカの運命は――!?



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残り逃亡者……レッド、カレン、ジェフ、ワイドマウス、アンジェリカ、ワイス、ヤン、シェイク、
マーヴォ、バッター、琴葉姫の11人。





続く


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