二次創作小説(新・総合)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

イナクロ 〜炎と氷を受け継ぎし者〜 【板移行】【完結】
日時: 2024/05/29 13:45
名前: 風龍神奈 (ID: dRBRhykh)

 
◆2024年5月14日追記
 長らくおまたせ致しましたが完結致しました。
 お付き合いありがとうございました。
 目次に残りのページを設置しましたので、宜しければそちらからどうぞ。
 詳細はあとがき >>209 をご確認ください。
 


◆2023年8月11日追記
 2018年頃に下記の通りスレロック致しておりましたが、書き直し以前に完結まで持っていきたいと思い少しずつ続きを書いておりました。
 漸くですが完結する事が出来ましたので、最後まで投稿します。
 過去ログに落ちていてサルベージして頂いた際に板が変わりましたが、以前「二次創作(紙ほか)板」で投稿していたものとなります。
 投稿していた当時と今とでかなり設定や文体など食い違っている部分が多々ありますが、生暖かい目で見ていただければ幸いです。
 


 (↓スルーして頂いて問題ありません)
 ※完結していませんが、設定が大幅に変わってしまったので新たに書き直したいと思います。
 リメイク後はおそらく映像版ですると思います。
 このスレはロック致します、今まで有難うございました。
 (↑まで)

 
 初めましての方も久しぶりの方もこんにちは。
 風龍神奈です。


 この物語はイナズマイレブンGOクロノストーン及びGO2ネップウ/ライメイを元にした、二次創作となっています。
 オリジナルのストーリーで展開していきます。
 主人公はオリキャラとイナクロのキャラ、フェイ・ルーンの二人です。
 

 注意事項†

・先述した通り、オリキャラが登場します。また、一部のキャラは出てこない事が多いのでご了承ください。
・オリジナルストーリーで、世界観もおそらく少し違うと思います。
・投稿初期と今とではかなり設定が食い違っている所が多々あります。修正できる所はしていきたいですが、できない所もありますので生暖かい目で見て下さい。
・荒らし、中傷コメントはお止めください。

 
 物語を読み進めていくとわかりますが、途中の章からサッカーの描写がなくなっていきます。イナクロの中心なので、消してしまうと成り立たなくなってしまうのですが、構想上サッカーを入れることは出来ませんでした(また、その際に敵チームをそれぞれで考えなければならないこともありました)。
 途中であとがきにもなくなることは書いていますので、どうかご了承下さると幸いです。
 

 以上の事で、駄目そうなものがありましたら、ブラウザバックを推奨します。
 大丈夫な方は、先にお進み下さい。


 


 〜キャラ紹介〜

 月城 癒月(つきしろ ゆづき)絵 >>105(ただ過去ログに落ちてる為見れないです…)
年齢 12
容姿 肩甲骨くらいまでの長さの綺麗な金髪に、碧眼(青色の目)。 容姿端麗。誰もが認める美人
性格 マイペース 優しい 快活。いざっていう時はやる。一人で抱え込む癖がある。
設定 太陽の双子の妹で、未来人。産まれてすぐに月城家に養子に出され、未来で育てられた。成績優秀、文武両道。魔法は得意。他にも色々使える。氷の継承者。元SSC。
 
 フェイ・ルーン
 炎の継承者。魔法も使える。癒月と同じく抱え込む癖がある。元SSC。

 
 〜〜設定〜〜
・氷炎使いはいつの世にも2人存在する。
・氷炎使いの役目は、破壊死書の守護。
・破壊死書はある組織に追われているため、守らればならない。

 

 †目次† 
第01話 序章〜プロローグ〜 >>2

【第1章 ナイトメア編】
第02話 雷門vsテンマーズ >>3-8
第03話 氷炎使いの存在と攫われた氷と炎の継承者  >>18-19 >>26 >>33-35 >>40
第04話 クロノストームvsEDSC連合 (メンバー)>>53 >>47 >>54 >>56 >>60-61
第05話 合宿 >>62 >>64-65 >>68-69
第06話 魔物との戦い >>70-72
第07話 クロノストームVSナイトメア【前編】 >>74-77 (メンバー)>>73 
第08話 クロノストームVSナイトメア【後編】 >>78-86

【第2章 模造人間(クローン)編】
第09話 新たな勢力の登場 >>88-91
第10話 洸、焔との関係 >>92-95
第11話 攫われた癒月と霧野 >>96-99
第12話 偽癒月の正体 >>100-103
第13話 禁忌の蘇生術 >>106-110
第14話 クロノストームVSクロノストーム >>111-118

【第3章 サクリファイス編】
第15話 意味 >>121-123
第16話 対峙 >>124-126
第17話 師トノ再会 >>127-128
第18話 生ト死ノ狭間 >>129-134
第19話 サクリファイスと呼ばれるモノ >>141-145
あとがき >>146

【第4章 二つの組織編】
第20話 彼ノ目的ト消エタ仲間 >>151-156
第21話 マルサグーロとマルペメーソ >>159-164

【第5章 封印編】
 ?  >>147
第22話 氷炎使いガ生マレタワケ>>165-167
第23話 破壊死書トハ >>169-170
第24話 封印 >>171 >>173-174 >>176-180
第25話 神楽ト氷炎使いを殺す者(トラディメント) >>181-186
第26話 【破滅と破壊の装置(アポストロス)】 >>187-191
第27話 楔贄の存在(サクリファイス)>>192-197 >>199-203

第28話 終章〜エピローグ〜 >>204-208

あとがき >>209

 *     *     *




 ◆お客様◇
・モンブラン博士さん
・Dr.クロさん
・時橋翔也さん
・シエルさん
・紅月琉緋さん


 オリキャラを応募して下さった方々
・モンブラン博士さん >>10 追記>>16 >>42 追記>>49
・Dr.クロさん >>15 >>27 >>50
・(我が友)時橋翔也さん >>31 海音の絵>>38 >>44 レインの原型>>43


初投稿2013年5月

Re: イナズマイレブンGOクロノストーン 〜炎と氷を受け継ぎし者〜 ( No.3 )
日時: 2013/05/31 23:09
名前: 風龍神奈 (ID: bEKYC/sm)

 第2話 雷門vsテンマーズ

「天馬! 俺達はお前達に試合を申し込む!」
「…え……ええー!?」
 天馬と癒月とフェイがスタジアムに来た途端、神童が言った。
 何故こうなったといえば、約15分前に遡る…。

 ◇     ◇     ◇

 授業を終えた天馬は、サッカー棟に向かう途中で、フェイと癒月に会った。
 実は、癒月達はその身を追われていたりするのだが、その話は別の機会でとして。
 2人とも、サッカー部に入っていたので、天馬と同じくサッカー棟に向かう途中だった。
 ラッキーと思いながら一緒に歩き始めた天馬達は、しかし、サロンに入る前に、癒月に止められた。
 癒月が何かを感じたと言うので覗いて見ると、サッカー部のメンバーが並んでいた。
 が、何かがおかしい。
 そう思って一歩踏み込んでしまった時にはもう遅く、天馬達が来たのに気付いたサッカー部のメンバーの中から神童が出てきた。
 その時癒月は神童の左手首に何かがはめられているのに気付いた。
 よく見たら、外のメンバーにもついている。
—天馬
 そう呼んだ神童の声は、いつもとなんら変わりは無かった。
—はい
 そう返事した天馬に、神童は試合を申し込んだ。
 そして、今に至る。

 ◇     ◇     ◇

「…どうしようか」
「するしかないと思うよ…」
「じゃないと…」
「「じゃないと?」」
 言葉を途中で止めた癒月に、二人揃って聞き返した。
 癒月は一瞬考え込んだが、話し始めた。
「じゃないと…、多分、皆の洗脳は解けない」
「えっ…」
「やっぱり…」
 癒月の言葉に、それぞれが違う反応を見せる。
「多分、原因は——」
「早くしないか、お前達」
 原因を言おうとした癒月の言葉を遮って、神童が喋った。
「—いや、天馬と炎と氷の継承者よ」
 と神童が言った瞬間。
「なっ…!」
「何で、その事を…!!」
 癒月とフェイだけが、違う反応を見せていた。
「知らないとでも思ったか? 分かっていたからこそ、試合を申し込んだんだ」
 普段の彼からはみられない口調で喋る神童。
「成程…、だからこそね…」
 神童の言う意味が理解できたのか、癒月が不敵に笑う。
「じゃあ良いよ。やろう」
 癒月は言った。

「ねぇ皆、ちょっと来て」
「何?」
「どうしたの?」
 天馬とフェイが癒月の許に来る。
「さっき遮られた原因の事だけど、皆の左手首にはめられているモノ——多分黒いミサンガだと思うけど——が原因だよ」
「そ、そうなの?」
「やっぱり…」
 癒月の言葉に、それぞれが違う反応を見せる。
「あのミサンガから、邪悪なオーラを感じるの。…恐らくは、きっと、奴等の作った道具だと…」
「やはり、奴等が…」
 癒月とフェイしか分からない会話に入りそうなったので、天馬は慌てて止めに入った。
「ねぇ、それはどういう事なの? それに、奴等って?」
「…ゴメンね。…この試合が終わったら教えてあげるよ…」
 癒月が強制的に会話を終わらせた。


 この試合は実況無しで進められる(勿論、観客もいないが)。
 神童が全てそれを拒否ったのだ。

Re: イナズマイレブンGOクロノストーン 〜炎と氷を受け継ぎし者〜 ( No.4 )
日時: 2013/06/09 22:11
名前: 風龍神奈 (ID: 0r0WCIJk)

 因みに葵達マネージャーと円堂、音無は会場の隅で幽閉されている。
 雷門中サッカー部が配置につくと同時に、テンマーズも配置についた。
 そして———

 ビィィィィィ!

 ホイッスルの代わりにブザーが鳴り響いた。
 始まった瞬間、癒月は素早くボールを奪った。
「なっ…!」
 ボールを持っていた筈のザナークが驚く。
 癒月は中盤付近で立ち止まる。
 瞬間、辺りが暗くなり、月が現れた。その月影の許を激しく乱舞するかのようにボールを蹴りつけ、最後に勢いをつけて蹴った。
「月影乱舞!!」
 月の形をしたボールが、ゴールへと向かう。
 一方、ゴールで待ち構えている信助は、不適な笑みを浮かべると、一瞬にしてコーナーまで行き、そのコーナーから走ってきた。
「ぶっとびパンチ!!」
 癒月のシュートは防がれた。
「やっぱLシュートは難しいか…」
 舌打ちしながらそう吐き捨てる。
「行って!」
 と言って、信助が神童へとパスした。
「行かせないよ」
 素早く神童の前にでた瞬間。
 癒月の周りが宇宙空間となり、幾億もの星が一斉に輝いた。
「スターライトフラッシュ!!」
 神童の目をくらませ、ボールを奪う。
「癒月!」
 癒月が駆け上がっていると、フェイが来た。
「…前半ミキシトランス、後半化身、途中から両方で攻めるよ」
「了…解っ!」
 癒月はそう言うなり、
「ミキシトランス! 甲斐姫!!」
 とミキシトランスをし、黒色の髪と瞳を持った癒月がそこにいた。
 そして、ゴールまで来ると。
 辺りが静かになり、その中で癒月がボールに一文字を蹴り刻む。蹴り刻まれたと同時に淡い青色の光に包まれたボールを、癒月は素早く蹴った。
「浪切一文字!!」
 刀のような鋭さを軌跡として残したボールが、ゴールへ向かう。
「ミキシトランス! 劉備!!」
 信助もミキシトランスをした。
 左手を出した途端、周りが水墨画のようになり、ボールが一直線に向かってくる位置から手を振り下ろす信助。
「大国謳歌!!」
 だが、ボールは止めれず、ゴールに突き刺さる。
「よしっ! 1点ゲット!」
 癒月が喜びながら元の場所へと戻る。
「…皆」
 神童が発した言葉だけで、雷門メンバーは目線を神童に向けた。
「…あれをやるぞ」
 神童の言葉の意味とアイコンタクトで分かった雷門メンバーは、頷いた。

 剣城からボールを受け取ったザナークは、後ろにいる神童にパスした。
「行くぞ! 神のタクトFI!!」
 普段の黄色の光ではなく、炎の道で示される通りに進む雷門メンバー。
 だが、雨宮が受け取った瞬間。
 フェイが素早く前に立ち塞がった。
「行かせないよ」
 そして、その場で手を動かし始めたと思うと、空気の玉を練り上げた。
「エアーバレット!!」
 その空気玉を雨宮に放ち、ボールを奪う。
「天馬!」
 ゴール付近まで上がった、天馬にパスする。
 パスを受け取ったと同時に、天馬は化身アームドした。
「魔神ペガサスアーク、アームド!!」
 化身を纏った天馬は、目にも留まらぬ速さでダッシュすると、そのまま、音速を超えるシュートを放った。
「マッハウィンド!!」
「護星神タイタニアス、アームド!!」
 信助も負けじとアームドし、ふと構えたと思うと、背から無数の手が出てきた。
「ムゲン・ザ・ハンド!!」
 だが、シュートは防げず、ゴールに向かう。

Re: イナズマイレブンGOクロノストーン 〜炎と氷を受け継ぎし者〜 ( No.5 )
日時: 2013/05/18 23:11
名前: 風龍神奈 (ID: L7cyWjuc)
参照: 何だか天馬、ショック受けてるような気がする…ww

 だが、既の所(すんでのところ)で駆けつけて来た神童と剣城によってゴールは防がれた。
「…やっぱり上手くいかないか」
 天馬のシュートが決まらなかったのを見て、フェイが呟く。
「…化身アームドとミキシトランスで攻めた方が早いかな…」
 そう考えていた時。

 ビィィィィィ!

 とブザーが鳴った。
「…あれ、もう前半終わり?」
「みたいだね」
 癒月は得点板を見た。
 1−0。その1点は、自分が決めた1点。
「…どうにかいけるかなと思ったけど、フェイの指示のほうがいけるなぁ…」
 うん。やはりフェイの出した作戦にはのっかった方がいい。
 そう思った癒月は、フェイの許へ行く。
 それを見ていた天馬は、2人が何処か遠くの世界に行ったような感覚を覚えた。

「…神童、どうする? このままだと、1点も取れないまま終わるぞ」
 前半が終わると同時に寄って来た霧野に、神童は返す。
「どうもこうも、まず1点取り返してからだ」
「…そうか」
 そう言って、癒月達を見た霧野の目は、何だか哀しそうだった。


 そして、後半戦が始まった。
 一瞬の隙をついた雷門メンバーが、一気に攻めあがる。
「ちっ…!」
 舌打ちをしながら追いかけようとして、しかし癒月は立ち止まった。
(…まぁ、大丈夫か…)
 そう思った癒月は、ボールが来るまで待つ事にした。
「行かせない!」
 そう言うと同時に、フェイのデュプリであるスマイル達3人が集まり、ボールを持っていたザナークを、不気味な洋館の中に閉じ込めた。
「フラクタルハウス!!」
 ボールを奪ったスマイルは、癒月にパスした。
 パスを受け取ったと同時に、癒月は化身を発動した。
 と、金色の髪に銀の弓矢を持った、美しい化身が現れた。
「月の女神アルテミス!!」
 上手く相手を躱しながらゴール付近まで来た癒月は、不意に止まった。
「護星神タイタニアス、アームド!!」
 信助がシュートを放たれる前に化身アームドした。
「そんなモノで防げないよ♪」
 一瞬にして癒月の周りの空気が変わる。
 と、アルテミスが手にしていた銀の矢でボールを貫いた。ボールが銀色と金色の光に包まれ、それをアルテミスが弓で、癒月が蹴りで放つ。
「シルバーアロー!!」
 放たれたボールが、矢のような軌跡を残してゴールへと向かう。
「ぶっとびパンチ!!」
 信助がキャッチ技を放った。が。
 止められず、ゴールへと吸い込まれる。
「よしっ! また1点ゲット!」
 喜んでいた癒月だったが。
 ふと、変な気配を感じ、目を閉じた。
(…!!)
 癒月の脳裏に、苦しんでる化身の姿が次々と浮かび上がる。
 その化身は、全て雷門メンバーの化身だった。
(どうなってんの…!? ……え…)
 最初動揺していた癒月だったが、化身達が次々と訴えてくる言葉に驚いた。
『主達は…操られている上に…、我らの力を…増大させるモノを…飲まされています…』
『このままだと…』
『確実に…皆…、死んでしまいます…』
『どうか…』
『方法を伝えますので…』
『力を…』
『お貸し下さい…』
(…うん、分かったよ。だから、その方法を教えて)
 癒月は化身達から話を聞いている内に、ある一つの事に気付いた。

Re: イナズマイレブンGOクロノストーン 〜炎と氷を受け継ぎし者〜 ( No.6 )
日時: 2015/08/03 01:31
名前: 風龍神奈 (ID: PqA5kJXh)

「…フェイ、天馬、来て」
 化身達から話を聞き終えた癒月は、フェイと天馬を呼んだ。
「…さっき、化身達から聞いたんだけど…、皆、操られている上に、化身の威力を増大させるモノを飲まされているらしいの」
「えっ…」
「…それって、もしかして——」
「うん。フェイの思っている通り、これも奴等の仕業。奴等は、この手が得意で、洗脳とかも得意だから…」
 そう聞いて、フェイの表情が一変する。
 癒月は拳を握り締めながら、続ける。
「…皆を洗脳から解き放つ為には、ただ一つ。——この試合に勝って、ミサンガのようなモノを破壊しなければならない」
「………」
 天馬は言葉が出ず、
「…やっぱり……それしか…」
 フェイが、苦々しげに呟く。
「…ともかく、悩む暇なんてないよ。…この試合、絶対勝たなきゃ」
 フェイと天馬は頷いた。

 ◆     ◆     ◆

 雷門vsテンマーズの試合を見ていた者達がいた。
「…やはり、あ奴らも少し動揺しているようですね」
「だろうな。…だからこそ、わざわざ過去にまで行って、雷門の奴らを洗脳したのだからな」
「…さすが、ですな」
「…そろそろ、奴らも、切り札を使い始めるかな…」
 謎の者達は、ニヤリと笑った。

 ◆     ◆     ◆

「ホントは、この技使いたくなかったんだけどな…」
 そう言いながらも、癒月はボールを足で持ったまま、飛んだ。
 と、辺りが静かになり、地面が、水面(みなも)のようになり、月が映った。
 癒月がボールを持ったまま、つま先で触れた途端、鏡花水月(みなもにうつるつき)は波紋を立てて消えた。
 と、水と月が、ボールに乗り移ったかのようにそれに映った。それを、癒月は静かに蹴る。
「鏡花水月!!」
 癒月の放ったシュートが、ゴールへと向かう。
 信助は大国謳歌を出そうとした。が。
 唐突に目の前でボールが消え、次の瞬間、ボールはゴールへ突き刺さっていた。
「へ…?」
 後ろを振り返る信助。そこには、止めれなかったボールがあった。
「今、ボールが消えたよね…?」
 ボールが見えずに、しかも点を取られたとなれば、信助の焦りは臨界点に達した。
「や、やばい…」
「信助! 焦るな! まだ勝機はある!!」
 焦る信助を、霧野が励ます。
「…そうだ、まだ勝機はあるんだ」
 霧野の言葉で、信助は元気を取り戻した。
「ありがとうございます、霧野先輩!!」
 信助は霧野にお礼を言うと、ボールを神童へと渡した。

「まずいな…」
「何がだ? 神童」
「このままだと、3点も取られたまま、試合が終わってしまう」
「だな。…だが、何か方法はあるのか?」
「…続きが始まると同時に、FWの一部が化身アームド&ミキシマックスだな」
「…成程」

 神童と霧野の会話を、癒月は人を超越してしまった五感全てで聞いていた。
「…どうやら、化身アームドで攻めるみたいね」
「化身アームドか…」
「じゃあ、こっちも化身アームドで攻めるか」
「だね」

 剣城は、ボールを渡すと同時にもう一度受け取ると、ミキシマックスした。
「ミキシトランス! 沖田!!」
 とそこに、紫色の髪と瞳をたたえた剣城が現れる。
 瞬く間にFW、MFの壁を突破していくと、DF陣までも突破した。
 と、剣城を纏う空気が変わる。
 静かに目を閉じた剣城は、一瞬にしてボールを蹴り抜き、そしてそのまま振り返る。
 背後に一輪の菊が咲き、剣城の横を通って、ボールはゴールへと向かう。
「菊一文字!!」
 対するマッチョスは、息を大きく吸い込むと、胸を膨らました。

Re: イナズマイレブンGOクロノストーン 〜炎と氷を受け継ぎし者〜 ( No.7 )
日時: 2013/05/30 22:05
名前: 風龍神奈 (ID: 198grWII)
参照: 新キャラの名前、スゲェ…ww

「エクセレントブレスト!!」
 だが、ボールは防げない。
 が、しかし。
 マッチョスが止めている間に走り込んで来た癒月が、軽々とボールを蹴り返す。
 そして、そこで、

 ビイィィィィィ!

 とブザーが鳴った。
「やっ…たぁ! 勝ったよ!!」
 ボールを止めた癒月が、フェイと天馬の許へ行く。
「馬鹿な…」
「俺達が、負け……——」

 ブチッ

 と、神童達の左手首に嵌められていたミサンガが切れ、神童達はその場に倒れた。
「み、皆!?」
 慌てて一人一人の許に駆け寄って行く癒月とフェイと天馬。
「大丈夫、黄名子?」
 これは癒月の言葉。
「大丈夫、信助?」
 これは天馬。
 フェイは、葵達の許へ向かった。
 他の人は、デュプリ達が見ている。
「……ぅ…」
 と小さな呻き声をあげ、黄名子が瞼を上げた。
「…ゆ…づき…?」
 確認するように、黄名子は問うた。
「うん、だよ。…ちょっと待っててね」
 黄名子を静かに横たえさせると、癒月は他の人達の確認もとっていった。
 全員、数分後までには目を覚ました。
 フェイも、葵達を救出する事に成功した。
「いてて…。…ところで、俺達は何をしてたんだ?」
 霧野が足をさすりながら、癒月に問う。
 癒月は言った方がいいのか逡巡したが、言う事に決めた。
「実は、皆さん、——操られていたんです」
「「「「えっ!?」」」」「何だと!?」「「へっ!?」」「何で!?」「何だって!?」
 癒月の言葉に、色んな驚きを見せる雷門イレブン。
「それは、どういう意味——」
「教えてやるよ」
 神童の言葉を遮って、誰かの声が響いた。
「誰よ!! 出てきなさい!!」
 癒月が叫ぶ。
「…お望みどおり、出てきてやるよ」
 と、癒月の目の前に、謎の少年が現れた。
 そしてくるりと身を翻すと、神童達の方を向いた。
「お前達はな、—ある組織に操られていたんだよ。そこにいる奴等が守っている、あるモノを狙うためにな」
 少年が癒月とフェイを指差して言う。
「お前は一体…!!」
 癒月の体から、怒りと殺気が混じったオーラが溢れ出るのが分かった。
「俺か? —俺は、聖煉闇焉(せいれんやえん)。…後に、お前等の敵になる者だ」
 少年——聖煉闇焉は、癒月達の方を見ながら言った。
「何だと…? お前、今この場で氷漬けにしてやろうか…!」
 癒月が、右手の上で氷の破片のような刃—氷破刃(ひょうはじん)を作りながら、威嚇する。
「ごめん被るな。今、お前等から攻撃を受けたくない」
 闇焉は、そう言ってから、神童達の方を向いた。
「お前等も、気をつけろよ。—奴等と関わってたら、ろくな事にはならねぇからな」
 最後に癒月達を怒らせるような科白を吐きながら、闇焉は消えた。
「ちっ、くそが…!!」
 完全に我を忘れていた癒月は、神童達がいた事も忘れていた。
「……あっ……」
 そして無意識で作ってしまった氷破刃を消し、どうしようかと思案する。
(やばい、やってしまった…。あれほど師匠に言われたのに…!!)
—いいかい、君等のそれは、決して他人には見せちゃいけないよ
 師匠の言っていた言葉が、癒月の脳裏で木霊する。
「…癒月」
「っ!!??」
 神童に呼びかけられ、ずっと思案(というか慌てていた)していた癒月は、驚きのあまり、赤面してしまう。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。