二次創作小説(新・総合)

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ダンガンロンパ The A:re ーもうひとつの絶望学園ー
日時: 2025/10/03 00:25
名前: kuzan (ID: akyskkyw)
参照: https://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode=view&no=26917&p=10

初めましての方は初めまして。
そうでない方は、お久しぶりです。
kuzanと申します。
今回こちらで『ダンガンロンパ The Another:re 〜もうひとつの絶望学園〜』というリメイク作品を投稿する運びとなりました。
以前旧二次創作(映像)の方で『ダンガンロンパ The Another』という駄作を書いていたのをふと思い出し、見返してみたらまあ酷いこと。
設定ガバガバ、トリックも単純。
そんな作品何が面白い?
そうだ、なら全く新しいThe Anotherを創りあげようと思い立ち、こちらに10年振りに帰ってまいりました。
リメイク前のリンクを貼っておきますので是非リメイク前との違いを楽しんでいただければ幸いです。
改めて注意事項をお伝え致します。

・オリキャラの超高校級達が出てきます。
原作と才能が被るものもいます。ご了承ください。
・原作設定の大幅自己解釈、ご都合設定、設定の改変等が含まれる可能性がございます。ご了承ください。
・更新はクソほど遅くなるかと思います。応援してください。その分頑張ります。
・コメント・感想等頂ければ非常に喜びます。批判コメント等は控えていただくと幸いです。

それでは、生まれ変わったThe Anotherの世界へ参りましょう。

chapter ⬛︎ もうひとつの____ >>01
chapter 0:re プロローグ >>02-08
chapter 1:re デス・オア・バース(非)日常編 >>09-14

chapter 1:re (非)日常編 デス オア バース ( No.10 )
日時: 2024/08/29 11:27
名前: kuzan (ID: kI5ixjYR)

顔を見合わせる15人の男女たち。

「…いつまでこうやって顔を見合せてるつもりだ?」

呉霧クンが静寂を壊す。
そして続ける。

「いいか、まずはモノクマの言っていた校則やこの監獄の地形を把握し、出口がないか確認するんだ。」

「確かにそうね…。
ルールも知らずに行動してルールを破ってしまってさっきのように爆発、なんてシャレにならないわ。
それに…。」

蛍雪さんは、納得したように頷いた後、顔を上げる。

「校則を守らないなんて言語道断っ!
私が許さないわっ!」

拳をグッ、と握り、私達に暑く語り出す。
苦笑いを浮かべつつも、私達は電子生徒手帳を起動し、校則の欄をタップした。

1.生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。

2.夜10時から朝7時までを“夜時間”とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう。

3.就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します。

4.希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。
学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。5.監視カメラの破壊を禁じます。

6.仲間の誰かを殺したクロは“卒業”となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。

7. なお、校則は順次増えていく場合があります。

…軽く目眩を覚える。
私達を監禁して、殺し合いをさせるためだけに作られたルール。
本当に、始まってしまったのか。そう考えて。

「…ねぇ、この6番の校則…
どういう意味かな?」

藍川さんが自身の生徒手帳を掲げ、校則6番の欄を見せる。

「…殺したいなら誰にもバレずに殺せ、ということだろう。
そんなことも分からんのか無能め。」

成城クンが呆れたように、そしてイラついたように藍川さんを睨みつける。
睨みつけられた彼女はびくりと震え、萎縮してしまう。

「そもそもだ。
いつまで仲良しごっこをしているつもりだ、キミ達。」

そのまま彼は腕を組み、続ける。

「フン、よくこの中に誰にも協力せず、誰かを殺そうとしている者がいないなんて可能性を考えずに行動できるな。」

彼の高圧的な態度は再び全員を黙らせ、互いの顔色を伺うように見合わせた。

「…もう、我慢ならねぇ…。」

そんな成城クンの態度にしびれを切らしたのか、とある人物が彼の元へと歩き始めた。
それは、目を見開き、異質なまでのオーラを出している、我津クンだった。

「黙って優しく聞いてりゃ、秩序を乱すようなことばっかり言いやがって。」

そして成城クンの眼前で止まると、凄みを出した雰囲気で彼を睨みつける。
その圧を感じ取るだけでクラクラと視界が再び揺れ始める。

「何だ、社会のクズが私に意見するというのか。
法を犯し社会を乱すゴミが私の眼前に近づくなよ。」

しかし、さすがと言うべきか、その圧を受けても成城クンが動じるわけでもなく、睨み合いを続ける。
そんな中、先に動いたのは、成城クンだった。
彼の右人差し指と中指がトン、と我津クンの腹に当てられたと思った次の瞬間、ものすごい衝撃が我津クンの腹筋に伝わる。

「…くぅ…っ…!
油断、しました。まさか貴方がこの技を使うとは…!」

あまりの衝撃からか、我津クンの口調が元に戻る。

「ですが、やられたからには、やり返さねば。
マフィアとして面目が立たない。
どうか、死なぬよう、お願いしますね。」

そう言いながら我津クンは拳法の構えのような姿勢を摂ると、成城クンに突っ込む。

「いい加減になさい…!」

そして成城クンの腹に手のひらが突き刺さる前に竹刀を片手に地面を強く踏み込んだ周防さんが間に入り、その掌を竹刀で受ける。
あまりにも強い力でその一撃は放たれたのか、彼女が持つ竹刀がクルクルと宙をまい、私の頭に落ちてくる。

「ああっ!前田様…!
申し訳ありません…っ!」

ばたり、と体が後ろに倒れると、周防さんが心配そうに私の顔を覗き込む様子を最後に、私の視界は暗闇に包まれる。

…ふと今、私が相手にしているのは、超高校級と呼ばれる常識を逸脱した変わり者達だと言うことを思い出す。
…そして何よりも。私は、超高校級の不運だったのかもしれない。
…そんなことを、考えながら。

chapter 1:re(非)日常編 デス・オア・バース ( No.11 )
日時: 2025/02/18 19:35
名前: kuzan (ID: rWLc9jDy)

「う、うう…。」

ズキズキと痛む頭を押え、ゆっくりと目を覚ます。
その痛みが、今私に起こっているイレギュラーな事態が嘘では無いという現実を嫌でも実感させる。
そして目に入ったのは見知らぬ天井。

「あぁ良かった。
目が覚めたのですね。」

体を完全に起こすと、近くから声がかかる。
そちらの方を見てみれば、椅子に足を組み、座っている我津クンがそこにいた。

「ええと、私は成城クンと我津クンの喧嘩を止めに入った周防さんの竹刀が頭に直撃して…
それで…。」

「意識を失った。
そこで成城社長とは一時休戦し、ボクがここまで運び込ませて頂きました。
他人の部屋に許可もなしに上がり込むのは少々気が引けましたが…
緊急事態ゆえ、そこはお許し頂きたく。」

いつも他人の部屋に無許可にカチコんでそうなマフィアが何を言っているんだ、と思いこそしたが、口に出したら怖い目に合いそうなのでツッコまず、改めて部屋を見渡す。
私が寝かされていた清潔なベットに赤い壁紙に青い床。教室や廊下で見たあの分厚い鉄板と無骨な監視カメラにモニター。
そして我津クンが座っている椅子と机。
どうやらここは『学舎』のようだと私は直ぐに認識する。

-探索開始-

【カメラとモニター】

初めて教室で見た時は防犯用だと思っていたが、改めて見てみると、これらは黒幕が私達の行動を監視するためだと嫌でも理解する。
…部屋は綺麗だけどこれじゃまるで…『独房』みたいだな。

【机】

引き出しを開けてみると、ビニールに包まれた新品の裁縫セットが入っていた。
…カメラや鉄板などに比べると、比較的マトモなものに見えるけど…。
まぁでも今使うことは無いし、閉まっておこう。
その後、机の上を見てみると、メモ帳が置かれていた。
備え付けのものかな?

【床】

不気味な程に塵ひとつない床を見てみると、粘着テープクリーナーが転がっていた。
掃除は自由に、と言ったところか。
…正直面倒くさい。

【鍵】

丸テーブルの上に鍵が置かれていた。
この部屋の鍵だろうか。
キーホルダーには『K.Maeda』と刻まれている。
…私の名前があるってことは、私のものなんだよね…?
とりあえず、預かっておこう。

【壁】

壁に紙が貼られている。
内容は…

『モノクマ学園長からのお知らせ

部屋の鍵にはピッキング防止加工が施されています。
鍵の複製は困難な為、紛失しないようにしてください。
部屋には、シャワールームが完備されていますが、夜時間は水が出ないので注意してください。
また、女子の部屋のみ、シャワールームが施錠できるようになっています。
最後に、ささやかなプレゼントを用意してあります。
女子生徒には女子らしく裁縫セットを…
男子生徒には男子らしく工具セットをご用意しました。
裁縫セットには人体急所マップも付いているので、女子のみなさんは、針で一突きするのが効果的です。
男子の工具セットを使用する場合は、頭部への打突が有効的かと思われます。
ドントシンクだ!フィールだ!!レッツエンジョイだ!!』

「……。」

近くにいる我津クンと呆れた顔で互いの顔を見合わせれば、その紙を壁から引きちぎり丸め、ゴミ箱の中に投げ入れた。

【シャワールーム】

ここは、シャワールームみたいだ。
扉を開けてみれば、確かに鍵が付いており、施錠できるようになっている。

【ドア】

外に出るドアだ。
内側から鍵がかけられるようになっている。

…色々見てて再度確信する。
やはりここは…。

『3.就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します。』

寄宿舎エリアにある個室。
私の部屋だ。

「色々見て落ち着きましたか?
さて、改めてあの後我々がどうしたか、ご説明しますね。」

部屋を一通り見終わり、納得したような顔を見て我津クンは話し始める。

「あの後、とりあえず皆さんでこの学園を探索しようという話になりまして、2人1組になり、それぞれ散り散りになって行動を開始しました。
…残念ながら成城社長には、ご賛同いただけませんでしたが、ね。
そして探索が終われば食堂で落ち合おうという話になったのです。」

「なるほど…。
それまで我津クンは待ってくれてたんだね。」

「そういうことです。」

彼はにっこりと笑みを崩さず、私にそう言う。
…ずっと思っていたけど、成城クンを注意する時以外、彼は笑顔を崩していないな。
そう思いながら私は彼の顔をじっと見る。

「おや、そんなにボクの顔を見て、どうしたのですか?
…ああ、もしかしてずっと笑ってるな、って思いました?」

彼は首を傾げたかと思うと、納得したように頷き、更に笑みを深める。

「えっ!?よくわかったね…。」

「ええ。ボク、心が読めるんです。」

私のオーバーリアクションを見た彼はハハ、とまた小さく笑う。

「…フフ、嘘ですよ。
先程も言いましたが、幼少の頃から特殊な環境で育ってきた故、人の心情を少しだけ理解出来るだけです。昔から生きるか死ぬか、騙すか、騙されるかの世界でしたから。 」

彼は変わらず笑顔を続ける。
だけど、一瞬口角が下がったように見えた。
まるで悲しんでいるかのように。

「…さて、長々とどうでもいい話をしすぎましたね。
では、食堂に向かいましょうか。」

そう言いながら彼は椅子から立ち上がり、私にドアの方へ行くよう促す。
…やっぱり我津クンが悪いマフィアのようには見えない。
そんな不思議な感覚を覚えながら。

chapter 1:re (非)日常編 デス オア バース ( No.12 )
日時: 2025/02/27 09:41
名前: kuzan (ID: y5kuB1W.)

部屋を出た私達は、趣味の悪い赤い廊下を歩く。
数歩歩けば今度は真っ白な大広間に出て左の扉に入る。
どうやらここが食堂のようだ。
見ればどうやらみんないるようで、視線がいっせいに集まる。

「良かった…!
前田さん無事だったんだね…!」

入ってきた私たちを見れば、氷海さんが駆け寄ってくる。
そして私の手を取ったかと思えば、安心したようにギュッ、と握る。

「あのまま死んじゃったらどうしようって思ってたの…!
簡単な応急処置は私がパパパーッとしちゃったんだけど…。
でも一か八か昔お医者さんがやってたのを見よう見まねでしただけだから心配して…!
本当に良かったぁ。」

そういう彼女の表情は本当に安心したかのようににっこりと微笑んでおり、心の底から安心しているのだとわかる。
…サラッととんでもないことを言っていたのは置いといて。

「それで、成城はどこいったよ。」

雷桐クンは腕を組みながら怪訝そうな顔で食堂を見渡す。

「成城様ですが…
『無能の有象無象共が集まったところでなにか進捗がある訳ないだろう。
そんなことも分からんのか無能め。』と言いながらどこかに出かけられました。
…全く、扱いが難しいお方のようで…。」

困った、という表情をしながら周防さんが私に近づいてくる。
そして…。
すごい勢いで土下座の体制になった。

「前田様…!
私の不手際で竹刀を頭にぶつけてしまい、申し訳御座いません…!
ここは腹を切ってお詫びを…!」

そう言いながら奥の厨房から持ってきたものだろうか、包丁を取り出せば、自分の腹目掛けて刃を振り下ろす。

「ちょ!?バカなんだよな!?
死ぬ前に一発y「この脳筋はほっといて、グロテスクなの見せるつもり!?
すぐ死のうとするなバカサムライ!」

近くにいた飛鳥さんと田川クンは、彼女の動きを見た瞬間、腕を掴みかかり、全力で止めにかかる。
そこで正気を取り戻したのかハッとした顔をすれば、周防さんは包丁を手放す。

「も、申し訳ございません…。
武士としての本能がつい…。今は緊急事態でございました…。」

押さえ込んでいたふたりは、その言葉を聞くと腕を離し、床に座り込む。

「はぁ…はぁ…。
こ、このバカサムライ…!力強いのよ…!」

「でも思ったよりやわr
ブルベッ!?」

…田川クンが何かを言おうとした瞬間、隣からレシーブのごとく平手が飛んでくる。
この2人、なんやかんやで相性いいよなぁ、なんて言ったら私も飛鳥さんから平手が飛んでくるのだろうか。

「さて、皆さん。なんのためにここに集まったのです。
少々バタバタしましたが、報告会を始めるべきです。」

私の隣で一連の流れを眺めていた我津クンがパンパン、と手を叩き、1歩前に出る。

「そ、そうよっ!
私達はこの希望ヶ峰学園を見て回り、その成果を共有するために集まったのっ!
決してお喋りをするためじゃないわっ!」

一連の流れを呆気にとられていた蛍雪さんだったが、我津クンの言葉を聞き、仕切らなければ、と思ったのか、動き出す。
その様子を見た我津クンは満足気に頷いた。

「では、まずは先程の話の延長線で私から。」

そう言いながら地面に星座で座していた周防さんが片腕を上げる。

「私、田川様、飛鳥様、オリヴィエ様はこの食堂を探索しておりました。
いえ、正確には私とオリヴィエ様がこちらを探索していたところ、田川様、飛鳥様が合流された、という形ですね。」

「あ、そうそう。前田は知らないから説明してあげるけど、安全のために念の為2人1組で行動するって話になったの。
…成城のヤツはそそくさとどこかへ行っちゃったけど。」

「それでオイラと飛鳥ちゃんがペアで探索してたんだよな!」

そう言いながら田川クンは飛鳥さんに向かってウインクを飛ばす。
…飛鳥さんは苛立ったような表情をしたが、黙って何もしなかった。

「最初飛鳥様と田川様は体育館を探索されていたようなのですが、本当に何も無かったようで。
至って普通、という感じだった故、先に合流場所で待っていようと食堂に来たという経緯、でしたかね。」

確認するように周防さんは2人の顔を見る。
彼らは首を縦に降り、肯定する。

「…そしてこのカフェテリア奥のキッチンにはフードが大量に用意されていた。
ざっと1週間、あるいは1ヶ月と言ったところか…。
そしてこのフードは1日ごとに補充されるとモノクマが話していた…。
『予算は豊富だからオマエラを不自由させることない』は本当のようだと思える。」

オリヴクンがメガネを指で押し上げながらそう説明する。

「そしてこの食堂に存在していた刃物ですが、カトラリーのナイフ含め全て私が回収させて頂きました故、悪しからず。
皆様の安全の為でございます。」

そう言いながら周防さんは先程手にしていた包丁を掲げるように見せる。

「これはボクが提案した。
刃物の扱いであればこの中で1番適任だろう。
…彼女の次はボクだが。」

「ええ。
料理等目的がある場合は私に伝えてくださいますよう、お願い致します。
私が刀以外で殺傷することは武士道に反する故、どうか信頼して頂けると幸いでございます。」

彼女はそのまま流れるように土下座する。
だがこれは先程の謝罪の土下座ではない。
あくまで信じて貰えるようにと、誠心誠意が籠ったお願いだ。
美しい。これが武士の作法か…。
そう見とれていると、次の人物から声が上がった。

「では、俺から報告しよう。」

黒い白衣から数枚の紙を取りだした呉霧クンは、それを眺め、話し始める。

「俺は佐原と共に校舎エリアの探索を進めていたが、後に藍川、神切と合流した。
教室や廊下に引っ付いている鉄板を何とか外そうと試みたが、不可能だった。
そして入口であろう玄関ホールへと向かうと、大きな鉄の塊が行先を塞いでいた。
それに、監視カメラにはガトリングが付いていて、無理やり外に出ようものなら、すぐに蜂の巣だろう。
…以上だ。」

彼はそれを言い切ると、紙を懐に戻す。

「……それと、廊下には階段があった。
………だけど、上がることは出来ない。
………鉄格子が下がってて上がれなかったから。」

佐原さんは机に突っ伏しながら、どこか気怠げに報告をする。

「うーん、それ以外は特に進展なしって感じかなぁ。」

「ええ、そうね。
あ、でも途中校内マップのようなものを手に入れたわ。
ほら、これ。」

神切さんはポケットから1枚の紙を取り出すと、テーブルの上にそれを広げる。

「どうやらこれは本当に希望ヶ峰学園のようね。
完全に構造が一致しているわ。
だから別の場所に誘拐された、とかもなさそう。
…困ったわね。」

彼女は顎に手を当て、そう呟く。

「んじゃまぁ、やっぱ希望ヶ峰学園のドッキリかなんかなんかね。
そうじゃねぇと説明がつかないし。」

雷桐クンが頭をボリボリと書き、そう呟く。
…本当にドッキリだったらいいんだけど、そんな気はしない。
玄関に塞がる鉄の塊にガトリング付き監視カメラ。
入学式時のモノクマの爆発を考えれば、それがほんものなのはありえない話ではない。

『じゃあじゃあ!最後は私達だねーっ!』

明るい声と共に大きなモニターが前に出てくると、きらりちゃんが手を挙げ、モニターの中でぴょんぴょんジャンプする。

「私と蛍雪さん、雷桐クン、龍崎クン、雷桐クン、あと雲上さんはこの寄宿舎エリアを詳しく調べてたよ。」

氷海さんが1歩前に出ると、続ける。

「このエリアにはご存知の通り、16個の個室があって、それぞれの部屋に鍵が置いてるみたい。
あと、部屋にはシャワールームが備え付けられてるんだけど、女子の部屋だけ鍵がかかるようになってるんだって。」

『そうそう!だからオタククンちゃんたちはちゃんとそこで毎日シャワー浴びるんだよーっ!
残念ながらしばらくお風呂には入れないからねーっ!』

モニター上にシャワーとバスタブの絵文字が浮かび上がれば、シャワーに○、バスタブに×の文字が被る。

「お風呂に入れない…?」

私がそう声をあげると、龍崎クンがドン、と足音を立てる。

「おうおうそうだせぃ!
なんか故障してるらしくて改修工事中らしいぜぃ!
ちなみに、近くにコインランドリーがあったんだけど、そこで服とか洗えるっぽいぜぃ。これで不潔を心配する必要はねぃ!」

ガッハッハ、と彼は盛大に笑うが、イマイチ何が面白いのか分からない。その場はシン、と静まり返る。

…報告はこんなものか。
ざっと聞いたところ、出口もない本物の希望ヶ峰学園に正体不明のクマに閉じ込められ、挙句にコロシアイを強要させられているという事実がより強くわかっただけだった。

「…進展なし、ということですね。
では本日は解散がいいでしょう。
もう夜時間とやらになります。この食堂が施錠する前に部屋に帰らねば。」

続く静寂を、我津クンの声が破る。

「そうね。
では、色々あって疲れているでしょうから、各々自室でゆっくり休むようにっ!
解散ッ!」

蛍雪さんが力強く声をあげれば、解散し、各々の個室へと向かう。

「みなさん行ってしまわれましたね。」

食堂は気がつけば私と我津クンだけになっており、私に優しく語りかける。

「怒涛の展開でしたからね。
みなさんきっと疲れていたのでしょう。
ボクも成城社長から頂いた不意打ち(プレゼント)を癒さねばなりませんね。」

彼は張り付いた笑みを崩さず、腹を擦る。

「そうだ…!
成城クンに殴られた…?んだよね。
すごい衝撃だったけど…大丈夫だった?」

私が心配そうに我津クンに聞くと、また彼はニコリと微笑む。

「ええ、あの程度造作もありません。
しかし、まさか彼が"あの技"を使うとは…。」

「あの技…?」

私が訝しげに彼に問いかける。

「ええ。才勁、またの名をワンインチパンチ。
超近距離から打撃を行う技です。
しかしあの程度の意識外からの攻撃防げないとは、ボクもまだまだですね。
…さぁ、もう夜も更ける。お部屋へ向かいましょう。」

彼がそう言うと、私達は食堂から出る。
するとちょうどモニターから耳障りな声が聞こえてくる。

『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。
ただいまより"夜時間"になります。
間もなく食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま〜す。
ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』

その放送を皮切りに、私達は別れの挨拶を済ませ、部屋へと入る。
…今日からここで寝泊まりするのか。
そう考えると憂鬱な気分になる。

「…はぁ。」

そうため息を着くと、私は考えることを放棄するようにベッドに倒れ込み、目を閉じる。
眠かったわけではない。ただただ疲労感が一気に押し寄せてくる。
まるで一日中ぶっ通しで面白くないショーを見せ続けられたかのような疲労感…。
それに無理やり巻き込まれたような感覚。

「これから、どうすればいいの…?」

そうして、希望ヶ峰学園での1日は幕を閉じて行った…。

chapter 1:re (非)日常編 デス オア バース ( No.13 )
日時: 2025/10/02 01:07
名前: kuzan (ID: OW9e2MZ6)

ーモノクマ劇場ー

最近流行ってる言葉がありますよね。
そう、多様性です。

人間は色んな人がいる、だけどみんな人間という動物なのだからお互いを尊重しあって生きていきましょうって言う言葉だよね。

でもさ、みんな乱用しすぎじゃない?
多様性の時代だから、で誤魔化しすぎちゃってない?
多様性の時代だから何しちゃってもいいの?

逆に物事を言いづらくしていない?周りの目線が厳しくなってはい?
…かえって生きづらい世の中になってきてないかな?

……まあそう思っても仕方ないよね。

だって”多様性の時代だから”。

chapter 1:re (非)日常編 デス オア バース ( No.14 )
日時: 2025/10/03 02:25
名前: kuzan (ID: akyskkyw)

キーン、コーン…カーン、コーン

『オマエラ、おはようございます!
朝です、7時になりました!起床時間ですよ〜!
さぁて、今日も張り切って行きましょう〜! 』

……賑やかな声が見慣れない自分の部屋響き渡る。
それは、昨日の出来事が嘘では無い、実感するのに十分すぎた。

「……ねむ。」

私は目を擦りながらゆっくりとベッドから身体を起こす。
__まだ体が重い。気持ちの整理がまだ出来ていないのだから、精神的疲労が溜まっているのだろう。

そんな中___

ピンポーン……

「…えっ?」

玄関からチャイムが鳴り響く。
来客を知らせるものだろう。
私は最低限の準備を整えた後、扉を開けた。

「おはようございます、前田さん。
……お邪魔でしたかね?」

扉を開けると昨日と変わらない笑顔を浮かべた我津クンがそこに立っていた。

「おはよう。
…ううん、大丈夫。どうしたの?」

制服の皺を整えながら私は彼に問いかける。
……邪魔か聞かれたってことは…これ寝起きってこと我津クンにバレてるな?
………女子として情けない…。

「実はオリヴクンが朝食を作ってくれているので、そのご報告に、と。」

言われてみれば、食堂の方から美味しそうな匂いが漂ってくる。
…それはまるで高級フレンチの店から漂ってくるような匂い。
……入ったことは無いけど。

「え、行く行く!
こういうの食べたことないからめっちゃ楽しみ!
早く行こ!」

私は眠気なんてすっ飛ばして我津クンの腕を引っ張り、食堂に駆けて行く。

「あ、ちょっと前田さん…!
…意外とお転婆なところあるんですね…。」

後ろから呆れたような乾いた笑いが聞こえた気がするが、私達は食堂に入る。

-食堂-

「…キミ達か。
朝からマヌケ面を拝む事になるとは、私もツキがない。」

…食堂の中央に席を構え、チーズとサラミが挟まったクロワッサンを手に持った成城クンが忌々しそうに私達を見つめる。

「おや、珍しいですね。
貴方が人の集まる場所に現れるとは。
明日はシュウマイでも降るのでしょうか。」

我津クンの笑みが一瞬緩む。
……てかシュウマイが降るって何?

「フッ、私も朝からキミ達無能の顔など、見たくない。
だが私は『 超高校級の社長』成城 朋嗣。
キミ達とは生活水準が違う。
……今更貧乏臭い朝食など口に出来るわけが無いだろう。
……そこで彼の出番だよ。」

成城クンはクロワッサンを平らげ、口元を赤いストライプが入ったハンカチで口元を拭くと、目線だけ厨房の方に向ける。

「……………」

そちらへと目を向けると、目を閉じたオリヴクンがそこに立っていた。
彼は昨日の燕尾服は羽織っておらず、黒シャツに腰エプロンをつけていた。
…よく見ればシャツにシワが目立つ。
……まさか……。

「…フン、だから私のシェフとして仕える名誉を与え、朝食を作らせたのだ。
残念ながらキミ達の分はないさ。」

成城クンはどこか誇らしげにそういえば、カップに入ったコーヒーを飲み干し、立ち上がる。

「では私はこれで。
キミ達と長くいれば貧乏が移ってしまうからな。」

嫌味ったらしくそう言いながら成城クンは食堂から出ていった。

「………。」

我津クンはそんな彼の背中を呆然と眺めたまま、動かなくなっていた。

「……Bonjour、ムッシュ・ケンヤ、マダム・コトナ。」

オリヴクンは懐からメガネを取り出し、装着した後、私達の方へと近寄ってくる。

「……全く大変な目にあった。
アナウンスが流れると同時にムッシュ・トモツグに部屋のインターホンを連打され、彼専用の朝食を作れと命令されたんだ。
……なるべく手短で済ませられるかつ、最上位のものでなければ許さないという条件付きでね。」

ふう、と彼はため息を着く。

「…横暴すぎますね、あの社長……。
オリヴクンはお疲れでしょう。1度部屋に戻って休__」

「いや、他の皆の分も作る。
彼だけ特別扱いはできない。」

メガネをクイ、と押し上げながら彼は表情を変えることなく呟く。

「座って待っていてくれ。
すぐに用意する。」

そう言うとオリヴクンは踵を帰し、厨房の方へと戻って行った。
それと同時に、食堂にいくつかの足音が響く。

「おはようございますッ!」

「おはよう。」

「おはよ!」

「おはよーっ♪」

蛍雪さん、神切さん、氷海さん、藍川さんだ。
彼女たちは身支度をしっかりと整えており、この場に立っている。
恐らくアナウンスよりも前に起きていたのだろう。
普段から生活習慣がしっかりと整っている分類の学生だ。

そして次に…

「うーっす。」

「おはよ。」

「おはようなんだな!」

「おはようございます。」

「……おう。」

雷桐クン、飛鳥さん、田川クン、周防さん、呉霧クンが入ってくる。
ある程度の生活習慣、もしくは少しルーズな分類だろう。私も本来であればここに入る。大体の生徒はここに入るだろう。
…そして眠そうにしていたオリヴクンも。

最後に…。

「おっ、なんでぃみんな揃ってぇ!」

『 オタククンチャン達、おはよー☆』

「…………。」

龍崎クン、きらりちゃん、佐原さんが入ってくる。
周りの目を気にせず、自分のペースで行動する人達だろう。
さっさと居なくなった成城クンも本来であればこの分類だ。

特に約束していた訳では無いが、それぞれが食堂の席に座り、オリヴクンが作ってくれた朝食を口に運ぶ。
……監禁されている、という異常事態から目を背けたら、これはまるで……。

「この感じ、合宿って感じがして、なんかいいね!」

氷海さんが目をキラキラさせながら口を開く。

「…まぁ一人いませんけどね。
それでも合宿、ですか。確かにそう考えたら多少は気が楽になりそうだ。」

私の目の前に座った我津クンは足を組みながらコーヒーを口に運ぶ。

「ん、美味しい。こんなコクのあるコーヒーは初めてだ。
オリヴクン、ワインだけでなく豆も行けるのですね。」

我津クンは目を少し開くと、オリヴクンの方を見る。
彼はまた眼鏡を押し上げながら続ける。

「…多少齧っただけだよ。
本職に比べればどうってことは無い。
確か希望ヶ峰の近くに喫茶店があったはずだ。
……そこのコーヒーはまさに天と地がひっくり返るかと思った。
ボクもまだまださ。」

『 あーっ!それアタシ聞いた事あるよっ!
確か【元・超高校級の】____』

きらりちゃんが画面の中で手足をバタバタさせている時、それは再び現れた。

「もーっ!
ボクを仲間外れにしてモーニングパーティーなんて酷いなぁ!
……あでもあの陰湿メガネが居ないか。」

そう。モノクマだ。
楽しげな雰囲気が一瞬で静まり返る。

「ででで、出たんだよなぁっ!」

田川クンが一気に壁際まで下がる。
…なんというか、情けない足取りで。

「アンタねぇ、たかがヌイグルミにビビりすぎよ…。」

呆れたようにその様子を飛鳥さんが溜息をつきながら眺める。

「それで、学園長殿が何の用なんです?」

我津クンが腕を組み、モノクマをしっかりと見やる。

「いやさ、ボクとしてはさっさとコロシアイを始めて欲しいところなんだけど、オマエラに非日常を楽しんでもらいたいんだよね!だからそれをサポートするものを持ってきました!」

そう言いながらモノクマは机の上に人数分の布袋を置いていく。
その度に中からジャラジャラという音が聞こえる。

「うっひょぉ!
金でぃ金でぃ!やっぱりドッキリだったんでぃ!」

……龍崎クンは目をお金に変えてその袋を誰よりも早く手に取る。

「…なんてガメツイのかしら。」

神切さんはゴミを見るような目で龍崎クンを眺める。

「ァん…?
なんでぃ、これ。」

しかし彼は袋の中から1枚のコインを取り出すと、それを眺める。

「ジャジャーン!
素晴らしいデザインでしょ!
こいつはモノクマメダル!ボクの愛くるしい顔がデザインされた、どんな金よりも貴重なモノだよ!」

それを聞いた龍崎クンは口を大きく開けたまま膠着する。

「………カバみたい。」

佐原さんがフードを被り直すと、そう小さくつぶやく。

「…逆から呼んだらバカ、だな。」

苦笑いを浮かべた雷桐クンがそう呟く。

「こらッ!クラスメイトになんてこと言うのッ!
せめてアホにして起きなさいッ!」

「アホはよろしいのですね…っ!?」

蛍雪さんが拳を強く握り、雷桐クンに叱りつける。
その姿を周防さんが驚いた様子で見やる。

「まぁ、勘違いしたバカでブスは置いといて、そのモノクマメダルは購買部のモノモノマシーンで使えるよ!何が出るかはお楽しみ…!
もしかしたらオマエラの望むものが出るかもね……!
うぷぷぷぷ…!」

意味深なことを呟きながらモノクマは地面へと消えていく。

「……分析した結果、冷やかししに来ただけのようだな。」

呉霧クンは紅茶を啜りながら呟く。

「でもさ、脱出の手掛かりかもしれないよねっ♪
ヴィヴァーチェで探索しに行こっ!」

藍川さんは手を広げ、楽しげにそう漏らす。

「…どうします?前田さん。
この人数で購買部にカチコめばまるで待遇の悪い留置所のようにすし詰めになってしまいます。
ボク達は最後の方に行きませんか?」

「すごい表現の仕方だけど……
その通りだね。
じゃあ後で一緒に行ってみようか。」

私達は足早に購買部に向かっていくみんなをオリヴクンの作ってくれた朝食を食べながら見送る。

「……merde……!
デザートのフレンチトーストを全員分用意したというのに………!」

……厨房の入口から肩を震わせたオリヴクンが強い力でメガネを押し上げながら何か呟いていた。
……私達はオリヴクンの用意してくれたフレンチトーストを食べてから購買部に向かうことにした。

《Now loading…。》

-購買部-

「……これか。その、モノモノマシーンってのは。」

人が引いた頃、我津クンと私は購買部の中にある電飾が着いた白黒のガチャガチャを眺める。

「そのようですね。
ほらココ、メダルを入れる場所がありますよ。」

我津クンがそう言いながら投入口を指差す。

「ここにさっき貰ったメダルを入れるんだね。
さて枚数は…っと。」

私は袋の中に手を突っ込むと入っているコインの枚数を数える。

「ひ、ふ、み、や、い、む、や、な、こ、と。
…ちょうど10枚ですね。
…やってみますか?」

我津クンは手のひらにコインを乗せると微笑む。

「そうだね。
気になるし、ちょっと回してみようかな。」

彼の言葉に同意すると、私は自分のコインを1枚1枚入れ、その度にハンドルを回す。

-結果-

ココノシガレット
多機能コルク抜き
青春の体操着
コラコーラ
ルアックコーヒー
ビーストエナジー
校章入りファイルとペン
アゴドリル
アゴドリル
VRセット

「……なんか、いっぱい出てきたね。」

両手に出てきたものを抱えながら私は我津クンに話しかける。

「…そうですね。
………ん?前田さん、少しそのコルク抜き、お借りしても?」

我津クンも同じく両手いっぱいに出てきた景品を抱えていると、私の当てたコルク抜きを指差す。

「……え?
う、うん。私が持ってても、役に立たないだろうし。」

そう言いながら私はコルク抜きを我津クンに渡す。

「ありがとうございます。
……やっぱり。」

彼は1度机に手に入れた景品を置けば、コルク抜きをまじまじと眺める。

「……何がやっぱりなの?」

私が彼にそう問いかけると、我津クンは口元に指を持っていき、人差し指を立てる。

「これはボクと前田さんとの秘密、です。
誰にも言ってはなりません。」

彼は笑みを浮かべたままどこかいたずらっぽく私の顔をじっ、と見る。

「う、うんッ!絶対言わない!
約束するから…っ!」

どこかその笑顔に恐怖を感じた私は少し狼狽えながら答える。

「ふふっ、いい子ですね。
いいですか、前田さん。このコルク抜きなんですけどね、先端を少し押し込むと…」

我津クンはコルクの先端をそう言いながら奥に押し込む。
すると___

「えっ…!?
ナイフが飛び出してきた…!?」

なんと持ち手の底から仕込みナイフが飛び出してきた。

「裏世界に生きてきた者としての勘がまさか当たるとは…。
少しは役に立ちますね、こんな才能も。」

我津クンの表情が少し暗くなる。

「…我津クン……。」

私は心配そうに彼の顔を覗き込む。

「……ふふっ、なんてね。
ボクは泣く子も黙る曇飛樹のボスですよ。心配されるようなことは何も無いですよ。」

彼はいつもの掴みどころのない笑みを浮かべ、何かを差し出してくる。
その手には黄色の花の装飾が施されたヘアピンが乗せられていた。

「……ボクには不要なものです。
コルク抜きの代わりにこれを差し上げます。
友情の証、ですよ。」

優しげな表情を我津クンは浮かべると、私の手を掴み、それを手渡してくれた。

「……ありがとう。大切にするね。」

私はどこか照れくさくなり、頬を掻く。
…最初はマフィア、という肩書きから怖い人だと思っていたけど、誰よりも他人のことを考えていて、常に私のことを気にかけてくれる我津クン。
人は周りの評価や肩書きで判断しちゃいけない。
そう、彼を見ながら実感した。

我津クンとだいぶ仲良くなれたかな。

(ワレツ ケンヤの好感度が上がった。)

(The A:reではお相手様からプレゼントのお返しが貰えることがございます。
…お相手様がマエダ コトナ様に心を許した証拠でございます。
是非どんな会話が生まれるか、お楽しみくださいませ。)

…私と我津クンは山盛りの景品を抱えながら自室へと戻った。


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