【 〜青葉の候〜 SS小説大会にご参加いかがですか?】■結果発表!(2016.6.12 管理人更新)>>5 禁句 桧 譜出子さんが91票で1位となりました!桧 譜出子さん、おめでとうございます〜!今回ご参加くださった皆様、誠にありがとうございます!投票してくださった皆様にも深く御礼申し上げます!次回SS秋大会にもふるってご参加ください。****************************【小説カキコ☆SS大会 日程】■ 第12回(2016年05月07日(土)17:00〜06月12日(日)11:59)■ お題 『時(とき)』※今回はお題は初となります。上記のお題だと思いつかない〜という場合は自由なテーマで投稿いただいてOKです!(差はありません)※実際には6月12日24:59ごろまで表示されることがあります※小説カキコ全体としては2回ですがまだ仮的な開催です※風死様によるスレッド「SS大会」を継続した企画となりますので、回数は第11回からとしました(風死様、ありがとうございます!)(参照)http://www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?mode=view&no=10058&word=%e9%a2%a8**************************【第12回 小説カキコ☆SS小説大会 参加ルール】■目的・平日限定企画です(投稿は休日に行ってもOKです)・夏・冬の小説本大会の合間の息抜きイベントとしてご利用ください■投稿場所・毎大会、大会用新スレッドを管理者が作成します・ご参加者方皆で共有使用していきます(※未定)※SS大会以外の期間については 『【ひまもん】SS小説を書こう【小説☆カキコ】』スレッド http://www.kakiko.cc/novel/novel_ss/index.cgi?mode=view&no=10002にてご投稿いただけます!おひまなときはぜひご投稿ください■投票方法スレッド内の各レス(子記事)に投票用ボタンがあります。クリックして押していただければOKです⇒投票回数に特に制限は設けませんが、桁違いの著しく不当な投票行為があった場合にはカウント無効とし除外します■投稿文字数100文字以上〜2万字前後まで((スペース含む)1記事約4000文字上限×3記事以内)⇒この規定外になりそうな場合はご相談ください(この掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」にて)■投稿ジャンルSS小説、詩、散文、いずれでもOKです。ノンジャンル。⇒禁止ジャンルR18系、(一般サイトとして通常許容できないレベルの)暴力グロ描写、実在人物・法人等を題材を貶める意味で描くもの、二次小説■投稿ニックネーム、作品数1大会中に10を超える、ほぼ差異のない投稿は禁止です。これらは無効投稿とみなし作者様に予告なく管理者削除することがありますニックネームの複数使用は荒らし目的等悪意のない限り自由です■発表等 ※変更あり【変更前】2016年6月12日(日)12:00(予定)■賞品等当面ありません…申し訳ないです■その他ご不明な点はこの掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」までお問い合わせください**************************★第12回 小説カキコSS大会投稿作品 一覧(敬称略)>>1 『忘れ去られた小説達の末路。』 ニンジン×2>>2 『時はながれる…』 本家>>3 『琥珀の時に身をまかせ。』 翌檜>>4 『条件』 〜どんな命なら奪っていいでしょうか?〜 はずみ>>5 『禁句』 桧 譜出子>>6 『色図鑑』 ろろ>>7 『君がいなくても…』 亞兎>>8 『時間は戻らない』 亞兎 >>9 『もし時間が止められたら』 北風>>10 『時計屋』 飛鳥>>11 『風』 αの鼓動>>12 『君はいつも美しかった。』 主人公には、なれない。>>13 『時計は大切な人の死とともに止まる。』 紫音>>14 『僕と彼の風』 皇帝 (2016.05.24 更新)
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「過去ログ 最後の部屋」その部屋には世間から忘れ去られた小説の精霊達がギュウギュウに詰められていた。最後に感想を貰ったのは……もう10年前だろうか。毎日その部屋には精霊が来て、パソコン上から去っていった。 パソコン上から去るということ、それは死ぬという事と同じだった。今ちょうど、過去ログの最後の精霊、サーヤはガタガタと震えていた。「作者さん……来てよぉ……悲しいよお……アタイの事忘れちゃったの?思い出してよお。あんなに、頑張って書いたじゃないの……今思い出して、現行ログに移してぇ……。」「サーヤ……。仕方ないんだよ。所詮精霊だよ。作者さんが今生きている証拠も無いんだよ。どうせ、私達は死ぬんだ……。」「マリヤ!やだ……死にたくない……私の身体……どんどん黒くなってる……いや……忘れられたくない!!」サーヤはドアノブを掴もうとした。でも、ドアが高すぎて掴めなかった。サーヤはぺたんと尻餅をついた。マリヤは泣いていた。「マリヤ……どうしたの……?」マリヤは無言で懐から、精霊達へのお知らせ用のマイクに繋がっているイヤホンをサーヤに差し出した。サーヤは真っ青な顔で耳に付けた。「新しく小説の精霊が誕生しました。サーヤさんは、出て行ってください。」サーヤの床にぽっかりと大きな穴があいた。サーヤは泣きながら落ちていった。下を見ると、真っ赤な炎があった。サーヤは「助けて、助けて。」と叫び続けた。叫びながら、この世から消滅した。ーBATEND さよならー
時はながれる…とまることはない…でも、止まって欲しいと何度か願った…私の命が尽きるから…でもね、もういいよ…とまらなくても…思い残す事ないから…最後に君にバイバイ出来たから…ありがとう…時はながれる…とまることはない…
「……こんな所で何の用なの?」「此処は、二人で初めてデートした公園だよ。覚えている?」「勿論よ」「私は、誰からも望まれなかったとしても、君を幸せにするよ」「それって、プロポーズ?」「ああ……そうだね。ほら、ダイヤの指輪。綺麗だろ?」「……ええ。輝いているわね。けど、琥珀の方が好きよ?」「何言っているんだ。ダイヤの方が、輝いているよ」これが、二人で最初の時だった。夫と妻は、二人で人生の時間を歩く事を決めた。「私は、宝石が好きだ。ダイヤにルビーにエメラルド。私に相応しい装飾品だ」男は、笑いながら、沢山の宝石を家に飾っていた。この男は、既婚者で、本日、結婚記念日三年目。男は、この日を決して忘れる事無く、日々、仕事に精進していた。朝から晩まで働き、妻には何不自由ない、理想な生活を送らせていた。いや、送らせないといけなかったのだ。妻の両親は、男を嫌っており、結婚も反対されていた。「君では、私の娘を幸せには出来ない。お前のような、中身が空っぽの男にはな。だが、娘は君を愛している。その事に関しては何も言わない。ただ、私は君が離婚するのを、待ちかまえている事にしたよ」「……お父さん。私は、沢山の宝石が変える程の金を持っています。私は彼女を幸せに出来ます!」「もし、もう一度、同じ言葉を発したのならば、私は君を許さない」男は、自身を妻の両親から信用されていないと思った。男は、結婚式以外の時を、労働に使った。妻も自由に、欲しい物を買い、美しい宝石も買えた。男の会社内からも、人望が厚く、未婚者からの憧れだった。「……素晴らしい輝きだ。これなら彼女にも、ご両親にも喜んでもらえるな」男に電話が入る。「すまない。社内でトラブルが起こってね。急きょ、来てもらえないか?」「……あ、はい……」男は、急いで身支度を始める。すると、玄関の扉から妻がゆっくりと入る。「あなた……?」「……今日は、結婚記念日だったね。すまない、会社に戻らないといけないんだ。この美しい宝石を見て待っていてくれ」「……また、仕事?」「そうだ。それじゃ……」妻は、高笑いしながらプレゼントを投げつける。「……外面だけで、満足してさ……私の事、一度も見てくれなかったよね。この三年の時の間に」「……おい、どうした?」妻は、家を飛び出す。男は、プレゼントを持ち、妻を追うが、見失う。男は、プレゼントが、妙に軽いと思う。「いつもは、琥珀の装飾品なのに……」男は、プレゼントを開けると、離婚届が入っていた。「そんな……どうして!?私は、こんなにも頑張ったのに!」同時に手紙を同封されていた。「貴方へ貴方が見ていたのは、私じゃ無くて、両親と仕事の評価だけだったね。安っぽい宝石で必死に外面を固めるのなら、私にもっと、構って欲しかった。私が欲しかったのは、ダイヤでもルビーでも無い。あなたとの、時。貴方と、琥珀みたいに、あの優しい輝きで、私を包んで欲しかった。琥珀の時に身を任せ、あなたとゆっくり、過ごしたかった」琥珀は元々、地質時代の植物樹脂が地層にうもれていた化石。ダイヤのような宝石とは違い、化石である。だが、何万年と掛けて、とても美しいモノへと変貌する。妻は、生命が終わっても、とっても美しい人生だったと、感じていたかったのだ。男は電話をかける。「……おい、会社に着いたのか?」「もう少しだけ待って下さい。失った時を取り戻したいので」「は?」夫は、妻の元に走る。そして公園で二人は、また出会い、琥珀の時に身を任せ、互いに持っていた琥珀の装飾品を身につける。決して、失った時は戻せないが、これからの時は、きっと琥珀のように、優しく明るく、輝いているだろう。夫と妻は、二人で人生の時間を歩く事を決めた。
時が、止まってほしい。今日、宣告を受けた。医師は、呪いたくなるほどにすらすらと、会社のプレゼンのように、滑らかに言うのだ。「貴方が生きられる時間は、あと1カ月あるかどうかです」あとの言葉は、何も聞こえなかった。ただ、医師の口は滑らかに動き続けていた。延命治療を受けるかどうかということについてだったそうだ。医師にとって、これは何回目の余命宣告なんだろう。何回目の、延命治療の説明で、何回目の金儲けのチャンスなのだろうか。1か月の寿命を2倍に伸ばすだけで、私と夫の貯金の、2倍。何回も泣いて、何回も喚いて、当たり散らして、今、夫と床に座り込んでいる。涙はそっけないくらいにさっさと頬から引き揚げた。「なんでだろうね」夫が、口を開いた。「詐欺も、殺人も、何もしてない君が」出つくしたと思ってた涙が、また、頬を伝う。夫も、また同じ表情だ。「子どももいなくて、30歳にもならなくって」うん、うん、と、いつの間にかうなずいてた。しぬことを受け入れてしまったような自分が悔しくて、また、涙があふれた。「なんでそんな君が死──」「死ななくていいわよ」え、 と夫が声を発した。視線は────一人の女性に向けられている。だれですか、 と聞こうとした。でも、口が、開けなかった。女性が話し始めたから。「感動のシーンに割り込んでごめんなさいね、でも、聞いてられなかったの。貴方は、生きることができるわ。私は、あなたの『時』を延ばせるから」ピシッと着込んだスーツから、女性は、名刺サイズのものを出してきた。名前も、住所も書いてない、紙。番号が小さく書いてあって、ローズのようなにおいが付いている。女性は、すぐに、話を再開させた。それはもう、誰にもつっこまれないような早口で。そのおかげで、私はその突拍子のない話に割り込むことが出来なかった。「まぁ、ただで時を延ばすことなんてできないわ。でも、他人の時を貴方に移すことならできる。つまり、貴方たちが誰か殺すの。そしたら、一人につき、そうね……70年、延ばしてあげる。もちろん、誰でもいいわ。でも、」そこで女性は息を吸い込む。思わず、私も、夫も、身を前に乗り出してしまった。「貴方達にとって殺した人のような人は、2度と出てこないわ」それって、 始めて、私が声を出せた。あまりにもかすれている声に、少し驚く。「たとえば、1人だけの親友を殺してしまったら、私にはもう親友ができない、みたいなことです、か?」女性が、うなずく。「そうね、人ごみの中で一人誰でもいいやと思って殺したら、それが将来のお嫁さんだった、なんていうこともあったわ。」もしだれか殺したら、ここに連絡して。そういうと、女性は玄関から出て行った。数10分たって、夫が、一言つぶやいた。「マジかよ……」その言葉を聞いて、その言葉の意味を理解して、私が切れた。「本気で言ってんの?本気で誰か殺そうとしてんの?わたしだってもっと貴方と一緒にいたいし、延ばせるもんなら寿命だって延ばしたい!でも、そのために今を生きてる他の誰かを殺すなんて絶対ダメ!」しん……として、突然気分が悪くなった。小走りで、トイレに向かう。女性の言葉も、夫の言葉も、私の言葉も、全部吐きだした。時は、少し優しく設定してあるのかもしれない。今日、宣告を受けた。医師は、呪いたくなるほどすらすらと、会社のプレゼンのように滑らかに言うのだ。「おなかの中には、赤ちゃんがいます。ですが……発達に問題があります。」今のままでは母体まで危険です、という言葉と、赤ちゃんをあきらめる方法もあるという言葉を、鮮明に覚えている。ぽかんと口を開けたまま、病院を出て、付き添いに来た夫に小さく言う。「おなかの中の赤ちゃんをあきらめることは、殺人になるかしら」「マジかよ……」終
幼い時の懐かしい思い出、、、、、。甘い本の匂い。そうか、あの子の家は古本屋だったのか。─ねぇ、みさきくんは、わたしがここからいなくなったらどうする?──えっ?そんなのいやだよ!!──もしもだってばぁ。──うーん…。かんがえたくないよ。─一分くらい、考え込んだあと、僕は答えた。─わすれないよ。─するとあの子は、─うれしい!! じゃあみさきくんにはみせてあげる!─そしてあの子は画用紙を出して、僕に見せてくれた。─きんくってだいめいなんだよ。─そこには、透き通った猫が描かれ、よくみると、猫の腹部の辺りになにか赤い物がいる。これはなに?と聞こうとしたとき、あの子は笑って、─それがわかったら、もどってくるね─そう、あの子は笑った。名前も、顔も、よく覚えてない。でも、約束だけは覚えている。そろそろ考えなければ。そう考えれば考えるほど、答えが出てこない。禁句…。あの子はなにを伝えたかったのか。そんなときでも、時の流れは止まることを知らない。─そうか。あの子は、それを伝えたかったのか。どんなに印象深いものでも、いつかは忘れ、気持ちは薄れ、存在は消えてしまう。でもそれは、この世界では、発してはいけないタブーであり、禁句なのだと。何処かで風がそよいだ。「ただいま。」「お帰り。」「よく、できました。」「だから言ったでしょ。忘れないって。」
「色ってさ、面白いよね」「え? 色が? なんで」 私が教室で本を読んでいると、前の席のおさげでメガネをかけている女の子、輪廻 閏(りんね じゅん)さんが不意にそう言ってきた。「だってさ、同じような色なのにその一つ一つに名前があるんだよ。ほら、これ」 彼女はある一冊の本のページの箇所を指しながら私に向ける。「この、黒と茶色と緑が入ってるこの、誰もが黒茶色といいそうなこの色。これさ、枯葉色って言うんだって。で、こっち」 閏さんは違うページを開いてある箇所を指差す。「この、肌色よりもピンクっぽい色。これね、桜貝色って言うの」 まだあるよ、と彼女は嬉々としてページをめくる。私も単純かもしれないが、本を隣において、彼女の話に耳を傾けていた。「あ、あった。これ。これね、水色よりも少しトーンを暗くしたような色。これね、勿忘草色って言うんだ。凄いよね。はじめて知ったとき驚いちゃった。あ、余談だけど勿忘草の花言葉って知ってる? 真実の愛と私を忘れないでだよ」「・・・・・・思ったよりも怖い花言葉持ってるんだね、勿忘草」「はは。そうだね。でも凄いよね、色ってさ、ただそこにあるだけなのに、名前をもらえてる。それ、と言われないでちゃんとなになに色って呼ばれてる。私たちもそうだよね? ね、私も──名前があるんだよ。ちゃんとそこにいる証拠がある。ちゃんとここにいたよって証拠がもらえているんだよ」 彼女は寂しそうにわらう。なぜ、そんな顔をしているのだろうか。 私を忘れないで。あれ? そう言えば、閏って人私のクラスにいたっけ? あれ、輪廻、閏、これって──。「ほら、だから大丈夫なんだよ。だから起きて、貴方は余分なものなんかじゃない。この記憶は、この時は大事なあなたの一部だ。色は世界を物語る。暗い色があって、明るい色があって、冷たい色がある。でもさ、それって楽しいじゃん。ほい。これ」 彼女は持っていた本を私に渡す。そこにはいろんな色が無茶苦茶に飾られていた。ごちゃごちゃで、歪で、でも何故か暖かい。そんな印象を受ける。 そして、これを見るのは何故か初めてじゃない気がした。「これね、色図鑑って言うの。今私がつけた」 へへっと、彼女は照れ臭そうに鼻の上をさわる。──色図鑑。「これはね、あなたの歴史だよ。あなたの過した時──経験、感情によって、色がつけられてくの。そして、たくさんの色がこの図鑑に溜まっていく。だからほら、最後のページ見てみ?」 彼女に言われて私は最後のページを見た。「ひっ!!」 それを見た私は本を投げてしまった。それを見事に閏さんはキャッチする。そして、私に最後のページを見せつけてきた。「赤くて、黒くて、紫で、とにかく暗い色しかなくて恐ろしいね。あ、ちなみにこの色はバーガンティーとオリーブ茶と漆黒と濃藍と黒飛かな? でさ、今のあなたの最後はこんな色な訳だよ。最悪すぎる。でも、まだ変えられるんだよ。時は人に無条件に与えられる代物だ。それをどうやってものにしていくかだけなんだよ、結局。だからさ」 彼女はさっきまで無かった筈の次のページをめくった。そこは、真っ白だった。なにも色がない。「これからあなたのペンキでここを明るくさせるのはどうかな?」「・・・・・・私でも、できるの?」 恐る恐る私がそう言うと、彼女は──もう一人の私は目を見開かせた。そして、笑って見せてくれた。「今までできてたんだ。当たり前でしょ。また、できるようになる」「そっか、うん、そうだよね。・・・・・ありがとう。じゃあさ、私、この本に色をつけてくるよ」「うん、楽しみにしてる。それと、私はあなたのことをちゃんと見守ってるから」 彼女は笑う、それに私も笑い返しながら、席をたった。 白が重なる真っ白な部屋。時計の針と心拍数を知らせる機械がリズミカルに音を奏でている。 ──時は人に無条件に与えられる代物だ。「忘れないよ」 私は強く手を握りしめた。 色図鑑 ─完─
君がいなくても、時は流れる…その流れは止まらない…とまることはない…君がいなくても…風が吹く…そうか…