コメディ・ライト小説(新)

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リベンジ インフェクション
日時: 2019/06/16 22:11
名前: 柞原 幸
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12574

初めまして。柞原幸です。

今回が初作品ですが、どうぞお楽しみください☺︎



⚫︎⚫︎登場人物紹介⚫︎⚫︎
[ミア=ルーベン]
ルヒカラ王国に住む、13歳の女の子。
ルーベン家の長女であり、アクトの姉。
元気で明るいが、ルヒカラ王国の主食の一部であるペリ草が大の苦手。

[アクト=ルーベン]
ルヒカラ王国に住む、10歳の男の子。
ルーベン家の長男であり、ミアの弟。
心配性だが、優しく賢いしっかり者。

[アマリア=ルーベン]
ルーベン家を支える頼もしいミアとアクトのお母さん。
コロモロとペリ草が大好き。

[アルベルト=フローマー]
ルヒカラ王国第107代国王。
多くの国民に慕われている。

[ロト]
アルベルト王の執事でありながら、ルヒカラ王国警備隊の最高指導官でもある人物。
国王も舌を巻くほどの優秀な人材。

◆目次◆
プロローグ>>01

1話>>02 2話>>03 3話>>06 4話>>07 5話>>08

Page:1 2



Re: リベンジ インフェクション ( No.4 )
日時: 2019/06/14 19:26
名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1a/index.cgi?mode=view&no=10985

はじめまして、友桃(ともも)と申します。

小説読ませていただきました!

舞台はファンタジーの世界なんだけど、かなり日常的(しかも生活…というか食?)なところから始まっているのが面白いなぁと思って読んでいました^^
これから物語が動きそうな雰囲気がするので、どういうふうに展開していくのかとても楽しみです^^

続き楽しみにしてます。
更新頑張ってください!

(コロモロがロコモコ丼のロコモコに見えて仕方がない……笑 美味しそう笑)

Re: リベンジ インフェクション ( No.5 )
日時: 2019/06/14 21:58
名前: 柞原 幸

とももさん、ありがとうございます!

どんどん進んでいきますよ(^-^)
これからも気が向いたら読んでってくださいねー。

コロモロ…コモロモ…ロモコモ…ロコモコ…(笑)

Re: リベンジ インフェクション ( No.6 )
日時: 2019/06/14 22:20
名前: 柞原 幸

サッサッサッと床を誰かがスリッパで歩く音がしたような気がして、アクトはうっすらと目を開けた。
ぬくぬくと暖かい布団からなんとなく出してみた指をすぐに引っ込める。
まるで違う世界のように温度も、空気の感覚も違う。
布団の中では離さないように温もりが体を包み込んでいるが、外の空気に出た途端、張り詰めた冷たい空気が温かさを一瞬で奪っていく。
もう一度布団にもぐって体を横にした。
かなり早く起きてしまったようなので目を閉じてもう一度寝ようとしたが、どんどん意識がはっきりしてきてくる。

アクトはパッと自分の体にかかっていた布団を退けて、ベッドの横に置いてあったスリッパを履いた。
庭で物音がしているのに気がついて、急いで身だしなみを整える。

寝巻きに一応上着を羽織って部屋の外に出てみた。
家の中に人がいる気配はない。

ルーベン家は北の都にある。年中凍えるような寒さが続いている地域だ。
外に出るのだってセーター1枚だけじゃあ風を引いてしまう。
特に朝。濡れたタオルを外でぐるぐると振り回すと一瞬で凍りつくほどの寒さが立ちこめている。
真夜中は-20度を下回る日だってあるので、そうそう外出しない。
だがそんな寒い中でも雪が降ることはほとんどないのである。


「姉ちゃん?」
アクトは庭で植木鉢を空にかざしていたミアに声を掛けた。
「うわっ!!なんであんたこんな時間に起きてんのよ!!」
ミアが白い息を吐きながら驚いた顔をしてこちらに振り向く。
寒さで鼻が赤くなっている。

「何してるの?」
ミアが持っている汚い植木鉢に目線を移す。
「ペリ草の世話してるの。」
ミアは持っていた植木鉢を傾けて中を慎重にアクトに見せる。
そこには吹いたばかりであろうちいさなペリ草の芽が顔をのぞかせていた。

「お母さんに世話頼まれたのよ。いつもペリ草残すから、農家の人の気持ちになってみろって。」
不満げにまた植木鉢に目線を戻し、日の当たり具合を確認するミアはぶつぶつ言いながらも淡々と作業をこなしていく。

「ふふっ。農家ってw 似合ってるよw」
「は?!やめてくんない?!」
アクトのバカにしたような挑発にミアはプッと吹き出した。

ミアは小さい頃からペリ草が大の苦手。
4歳くらいの時、ペリ草の入ったお皿をちゃぶ台返しのようにひっくり返し、母と、そして父に物凄く怒られた記憶が残っている。
そのまま号泣しながら部屋にこもっていると、父が来て、抱っこしてくれたのだ。
よしよしと頭を撫でてくれる父の手に安らぎを感じながら泣き疲れてうとうととしていた時、確か父はこう言ったのだ。

「僕も、小さい頃ペリ草が食べられなくてね。お前のじいちゃんに毎日のようにビンタされたよ。でも、人の味覚はね、心とともに、体とともに成長していくものなんだよ。
きっとミアもペリ草が大好物になる日が来るさ。」

ペリ草を主食の一貫とするルヒカラ国民でありながら、一向にペリ草を拒む自分がおかしいと言われなかったのは初めてであった。

今でも父との数少ない思い出の中で最も印象に残っている記憶なのだ。



その父がもうすぐ長期休暇で帰ってくる。



ミアは作業を終え、アクトと共に家の中へと戻った。

Re: リベンジ インフェクション ( No.7 )
日時: 2019/06/15 21:15
名前: 柞原 幸

静寂。

国王は只それを感じ続けていた。
よくよく耳をこらすと聞こえてくる、隣の客間の時計の音。
だが気を緩めると途端にそれは聞こえなくなる。

第107代目ルヒカラ国王アルベルト=フローマーは、玉座に座ってぼうっと豪華な部屋を見ていた。
もう歳なのだろうか。何も感じない。
優秀な兄達を抜き去り手に入れたこの地位。自分を慕う国民達。
あの頃欲しかった物は全て手に入れたはずなのに、物足りない。

ボーン、ボーン、と王室の壁にかけられた豪華な純金の時計が今日も3時を告げた。
アルベルト王は玉座から立ち上がり仕事用のとても大きなふかふかの椅子に座り替えた。長い木造の机に向かう。
これから仕事をしなければならないのだ。ずっと暇なわけではない。

机の上には山積みになった手紙が置いてある。
官僚、外交官、公務員からの仕事内容報告がほとんどで、たまに企業や、店舗からの手紙も来ることがある。
内容を確認して、返事が必要であればまた新たな紙を用意して返事を出すし、必要なければそのまま机に置いておく。
すると執事がその日中に回収し、また新たな手紙を持って来てくれるのだ。

同じことの繰り返し。
そう。自分が求めているのは変化なのかもしれない…。


「ふぅ…。」
アルベルト王はインクと万年筆を用意して一番上の手紙を手にした。
どこからの手紙か確認する為手紙を裏返す。

…市場から…??

普段あまり手紙をもらうことのない場所からだ。

何だろう。

手紙をろうそくにかざし、ロウを溶かす。

開けてみるとどうやら八百屋からだった。
【国王様。
どうかコロモロの値下げをお願いできないでしょうか。
民が苦しんでおります。】

それだけの文章だった。
値下げのことなら経済部長に出せば良いのに、と思いながら、開封済みボックスに手紙を入れる。

次の手紙をすぐめくる。

「…」

また市場からだった。
今度は違う八百屋からだ。


【国王陛下。コロモロの値下げをお許しください。
皆が買えずに困っております。
このままでは私の八百屋も危うくなってしまいそうです。】


たかがコロモロだろう…?
何故そんなに値下げを望むのだ?
確か最後に見た時値段は50ルヒアだった。

子供のお小遣いからでも買えそうな値段なのだが。
一体どれ程値上がりしたのだろうか。
まぁ後でロトに聞けば分かる。あいつが知らないことなどないのだから。


コンコンコン


王室の部屋の扉が三回ノックされる。

「国王様。執事のロトでございます。」
「入れ。」

重たい金属のギギギという音が鳴る。
カツカツと足音を立てながら入って来たのは執事のロトだ。
6年前、突然現れた彼はそのズバ抜けた才能と学習能力を活かし、それまでの執事を簡単に蹴落として今の座についた。
それ以来彼を超えるものは現れず、ずっと執事として王の側で働いている。

また、それだけではない。
彼はルヒカラ王国警備軍隊最高指導者としての名も誇っている。
執事でありながら、警備隊の最高指導官。


(もし、私の兄弟の中にこいつがいたら、私は玉座に座れていなかったであろうな。)
アルベルト王は心の中で苦笑した。


「丁度良かった。ロト。お前に聞きたいことがあった。」
「何でございますか。」

「コロモロについてなのだが、何か知らないか。」

ロトが明らかに表情を変えたのを王は見逃さなかった。

「国王様。私が今参りましたのも、実はそのことなのでございます。」
いつもの無表情な顔に戻ったロトはしっかり国王の目を見ながら話す。

「今日、経済部長、外交官に問いましたところ…」


国王は何かが変わるのを感じた。
気分の問題ではない。
自分の中に眠る、「勘」だ。
案の定、次にロトの口から飛び出して来た言葉は驚くべきものだった。


「マストレード王国とここ1週間連絡がとれていないとのことです。
毎朝我が国の港に届くはずの輸入品も1週間一個も届いておりません。
その為、もう我が国にはコロモロのほとんど在庫が無いのであります。」



国王はすぅっと体が冷たくなるのを感じた。



「国王様。つまり、只今我が国と、マストレード王国は国交断絶状態にあるのです。」

Re: リベンジ インフェクション ( No.8 )
日時: 2019/06/16 22:09
名前: 柞原 幸


国王はこの地位に上り詰めるために必要な能力を独学で身につけて来た。
人の心の掴み方、説得するための巧みな弁術、相手の気持ちを読む推理力。
最初から自分を相手にしていなかった兄達は背後から自分たちに近づく獲物を狩る目に気がつかなかった。

国王はロトの目を見た。
何を考えているのか全くわからないその目。
ただ今はその目に焦りが混じっている。


嘘でない。
今、マストレード王国は本当にルヒカラ王国との国交を断ち切っているのだ。
二国の間に昔から続く友好関係に終止符がうたれようとしている。

「何故だ。何故なのだ。」

国王は深いため息と共に手で自分の顔を覆う。
お互いに両国を支え合ってきた。長いこと。
隣国であるから、輸入、輸出もしやすいし、様々な事業にも取り組んできた仲だ。
マストレードにとってもルヒカラ王国は手を切りたくない相手のはず。
何故。
何故だ。全くわからない。

「国王様はご覧になられましたか。」
少し続いた沈黙を静かに破ってロトが聞く。

「何をだ。」
「丁度1週間の夜、マストレード王国から上がった花火でございます。」


そういえばそんなものを見た。
確か夜。寝る準備をしていた時、ひゅるひゅるひゅる、という音がマストレード王国の方面から聞こえたのだ。
窓から外を除いた途端、パッ、と美しい濃い赤色の花火が夜空に浮かび上がり、少し遅れて「「ドンッッ」」という重たい音が自分の心臓を震わせて突き抜けていった。
まだ見たことのない程の立派な花火だった為、花火がゆっくり消えていくのをしばらく眺め続けてしまった。

あぁ、その時はまだ何事も…。




…待てよ。

国王の脳裏に一つの単語が浮かぶ。

まさか、そんなはずはない。
もしや、ロトも同じ事を思ってこの話を持ちかけたのだろうか。
そんな事はあってはならない。何があっても。






「ロト、お前もそう思うのか。」
ロトはかけている眼鏡をカチャ、と指で位置を直して言った。
「はい。
私はこの花火を、マストレード王国からの宣戦布告だと捉えております。」






『宣戦布告』


つまり、マストレード王国との戦争を。
ロトが言い終わった途端にすぐ国王は口を開いた。
「すまんな、ロト。本来ならここで何か適当な対処法を指示しなくてはならんのだが、私は何が何だか分からない。こちらからは何も仕掛けていないし、マストレードとの貿易も普段通りだった。むしろ良かった方だったのだろう?
お主には事態の予想がついているのか?」

「いえ、私も全く分かりません。ただ、花火の夜の翌日からなのです。輸入品が届かなくなったのは。あれは何かの合図でしょう。」

ロトは依然落ち着いて喋っている。

「ただ我々は、今マストレード王国で何が起きているのか、あの花火は何なのか知る必要があるのですよ。」


あの目だ。
冷酷な何を考えているのか分からない目。
どす黒い何かがぐるぐるぐるぐる渦巻いている。
この男は一体これまでに何を経験して来たのだろうか。
どうしたらこんな目になるのだろうか。

「偵察者をマストレード王国に送りましょう。何が今起きているのかを知るのです。」

ぐっと国王との距離を近づけてロトが言う。

「て、偵察者…?」
今のロトの目を見続けていると喰われそうな感覚に陥る。
王は目線を手元の手紙に移し替えながらやっとの事で声を出した。

「警備隊最高指導官として、私はこの男を偵察者に推薦致します。」
にこ、と笑いながらロトは書類を王に差し出す。

「…こいつは何者だ?」
書類に印刷されているロトの推薦者とやらの情報を目で追う。
普通の家の出身者で、この国の警備隊員。

「思いますに、この任務はとても危険なものです。どんな状態にあるのか全く分からない地へ1人で行くのですから。
ー失礼。何故1人で任務を行うのを推薦するのかと言いますと、無論1人の方が何かあった時に行動しやすく、被害も最小で済むからですよ。
大勢で押し掛ける方が余計マストレードを刺激することになるかもしれませんからね。
ですから、1人でも自分の身を十分守れるような、警備隊の中でも最も優秀だと思われるこの男を推薦致したのです。」

成る程。最適な判断だ。
今はすぐに大勢に指示を出すよりも、状況を把握する事が大切だ。
こいつの推薦者なら任せておいても大丈夫だろう。

「その男に偵察係を任命する事を許す。」

「ありがとうございます。」
スッといつもの目に戻ったロトは口を閉じたまま微笑み、机上にある今紹介した男の書類をかき集め、部屋を出る支度をする。



王はその書類に印刷されていた『ルヒカラ王国警備隊員 38歳 北の都在住 フロッド=ルーベン』という推薦者の名が何となくまだ脳裏に焼き付いていた。


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