ダーク・ファンタジー小説

紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士
日時: 2017/03/27 01:34
名前: そーれんか

吸血鬼、人間の血を飲む怪物と呼ばれる生き物。耳が尖っており、吸血鬼かどうかはすぐ見分けられるが人間はごくまれに耳が尖っているものを産む。その人間は迫害され、捨てられ、最終的に魔術師になるケースが多い。

魔術師、元人間や吸血鬼など、様々な種族が魔力をもち不死身になった生き物をまとめてそう呼ぶ。元人間、と言うのは魔力をもった際に人間の記憶を忘れる為。吸血鬼はそうならない。他に精霊族や人狼族など色々な種族がいる。

聖戦士、神と人間によってつくられた通常の人間より遥かに強力な術を手に入れた吸血鬼と魔術師を消す為だけに存在する部隊。


ーーーーーーーーーー
初めまして!そーれんかです。去年から妄想してたやつを小説書く練習がてら書こうかなと思ってます。語彙力のない中学生なので至らぬ点が多いだろうとは思いますがアドバイス等宜しくお願いします_(:3」∠)_
追記
宗教に対する批判的なセリフがありますが、決して実在する宗教を批判する意図で作った訳ではありません。そこはご理解頂けると幸いです。グロテスクな所も少なからず登場します。苦手な方はお控え下さいm(*_ _)m
登場人物を移動させました。

登場人物
>>66 異端側
>>67 聖戦士側

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Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.62 )
日時: 2017/03/09 02:16
名前: そーれんか

空が紅い。月が黒い。
そんな謎の雰囲気の場所にそびえたつ死鬼の屋敷は城のような形をしていた。
「月紅屋敷なのに月が紅くないと思った?思ったでしょ?」
はいと言ってほしいと言わんばかりの笑顔でチキに話しかける。
「は...はい」
少したじろいではいと言う。流石に嫌々同意されても嬉しくないだろうとチラッと死鬼の方を見る。
「でしょー?へへん、皆間違うんだよ!」
子供のように単純だった。
「ささ、もてなすから座ってよ」
言われるがまま椅子に座ると嫌な感触がする。冷たいスライムに似た感触だった。
「ぎひゃっ!?」
チキは思わず変な声を出す。
「あ、そこ魔術に失敗したの落ちてるかもしれないから気をつけてね」
「それ早く言ってくれません!?」
あっはっはと笑いながら茶を差し出される。笑い事ではないのだが。
「...変わった味に変わったカップ...」
鮮やかな黄緑色の茶を少し口に含む。いつも飲む茶より渋い...けど甘い。カップも縦長に、そしてぐにゃぐにゃと曲がっていた。
「そうそう。それ僕のマスターが好きだったんだよね。マスターの故郷では主流だったんだってさ」
「マスター?」
「前四代魔術師、コハル。僕のマスターはね、夜桜ってのを見ながらこの茶を飲むのが好きだったんだってさ。魔術師になってこっちに来たけど死ぬまで着物っていう動きにくそうな服着てたし菓子は団子じゃないと嫌だっていうし。わがままだったよ」
黒い皿には赤、白、緑の順にくしに刺された団子が二つ乗せてある。
チキは団子を手に取り、串から外し一つ口に放り込む。
「甘っ!?」
団子の中には黒いペースト状の何かが詰まっている。所々豆も入っていた。
「それ餡子って言うんだってさ。甘いでしょー?でもマスターの故郷の人達はそれをバクバク食べるとさ」
聞いているだけで胸焼けしそうになる。こんな甘いものをバクバクと食べるなんて、そこにいる人たちは皆太っているのか?とチキは顔をしかめる。
「やっぱり記憶失くしても故郷ってのは覚えてるのかな…」
死鬼はぽつりと呟く。団子を頬張る姿はどこか寂しげだった。
「いやいや、湿っぽいのはなしだ!他の菓子もあるから一杯食べてくれよー♪」
顔を横にぶんぶん振る。串だけになった皿を持ちいつもの調子で菓子を盛り付ける。
「わ...私はいいかな...太りたくないし」
「太ってもいいって!痩せればいいじゃんか」
「.......」
チキは生まれて初めて他人をここまで冷たい目で見ただろう。炎ですら氷に変えてしまうのではないかというくらい冷たい目で。
同時に殺意すら芽生えたがこれはぐっと胸のうちに隠しておくことにした

Re: 紅の吸血鬼と白の聖戦士 ( No.63 )
日時: 2017/03/12 08:00
名前: 北大路さくら ◆ACiNmI6Dxs

王国崩壊編2 第56話 「奇術王の遺産(キモ・ティカ)」;


あらすじ56
ジャニスは王国の参謀である奇術師ケフカを倒し
その側近であったエトロと対峙するが…


エトロ「ああ…!?ケフカ様がマケルナンテでも僕は逃げないよ?ポポッォ↑」
ジャニス・エッセィ「俺様にかてると思ってんのか?あぁ!?」
エトロ「ぽっぽっぽっ!ボクハネ?奇術師アウレオルスの末裔なんだオ?天才ナンダオ?」
エトロ「喰らうといいオ?葬天狼絞斬(エンドオブコヨ−テ)」しゅばばッ!!!!
ジャニス「フ…、こんなもの…」
マチルダ・エシェル・ジェッキュルベルン「よけろォォ!!ジャぁニィース!!!」
ジャニス「!?!転移魔法ォォ!!」ブンッィ
次の瞬間
ジャニスのいた空間がまるで粘土に醤油を垂らしたかのように解けた
ジャニス「…なん…だと!?」
エトロ「ポーポ−ッポぉぉ。惜しいですねェェ?もう少しで貴方はイチゴジャムになれてェ。いたのに…ネッ↑」
マチルダ「やはり、これは楓絶錬金(メリンマグナ)。こいつやはりリヴァイア・サン・ヴォルデモ−トの闇魔法の伝承者ァ!!」
ジャニス「な!?ばかなあれは伝説上の御伽噺のハズ?実在するわけが…」
エトロ「ポポッォ♪それがァ目の前で存在してるんデス!?!ビックリデスヨネェ?」
ジャニス「うそ…だろ…!?」

Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.64 )
日時: 2017/03/17 00:55
名前: そーれんか

北大路さくらさん
ミスであれば消していただきたいのです...( ̄▽ ̄;)他の作品にも書いてて皆さん迷惑していると思うので...
そして400閲覧ありがとうございます。感謝です(*´ω`人)
ーーーーーーーー
耳が痛くなるほど静かな屋敷で一人目を瞑る。
あの黒い剣と槍を調べるようと屋敷中を探すが見当たらない。誰かが持ち出したのだろうか?だが研究室に誰かが忍び込んだ形跡もなければ漁った形跡もない。
とすると、自然消滅...あるいは"意思を持って"逃げ出したか、と考える。
ふぅと小さなため息を吐き地面に倒れ込む。
虚ろな目で天井を見る。こんなに屋敷は大きかったのかと思いながら手で空を掴む。
やる事を探す。まぁ、探しても特にあるわけないのだが。
「ルアイリ...ロジスタ...」
ぽつりと弟子の名前を呟く。
その二人は来ないまま闇に消えていく。
「まぁ、わかってる、別れなんて、何回も経験したから、すぐきっと忘れる」
途切れ途切れになりながらも現実を肯定しようと、必死に自分に言い聞かせる。
二人と過ごした時間があまりにも長すぎた。人間と過ごせば長く生きても90年くらいだろう。あの二人と過ごした時間なんて200年は優に超えるだろう。
不死身は死なないことが長所であり、短所である。出会ったかと思えばあっという間に別れが来る。

亡くなれば無くなる。存在した事すら無かったことになるものもいる。
「あぁもうやめだやめだ。一人で考えてどうこうなるもんじゃない」
そうは言っても、やっぱり二人の弟子を失った事実はアピクに重くのしかかった。

「...で、お前は侵入者と呼ばれるのが好きなのか?」
はぁとため息をつき立ち上がり、そして壁の方に目をやる。
「鍵はつけておくといいさ。泥棒が入るぞ」
ルナテが腕を組み壁に寄りかかっており、ルナテの背後にはノウラもいた。
「泥棒なんて子供騙しの脅しはやめてくれ。何しに来たかだけ喋ろ」
「ハハッ、不機嫌だな。あの混血児は不在かい?」
「混血児?...チキか。ここにはいない」
アピクは少し考え込み、ルナテの持つ紙束を見る。
「君に教えちゃ味気ないから散々苦しんだ後に教えてやるよ。」
ルナテは不敵に笑い紙束をノウラに渡す。
「...?」
散々苦しんだ後に、とはどういう事なのか、と問おうとしたが考えても答えが出ない事に苦しめという意味なのだろうという考えに落ち着く。。
「じゃあ私は混血児を探しに行くとしようか」
そうしてルナテは扉をつくる。
「あ、借りたものはそのうち返すよ」
「なっ、お前か!?」
答えを言わずにルナテは扉の奥へと消え、扉も数秒のうちに消える。
「...はぁ」
本日何度目だろうか、ため息をつき椅子に座る。

途端に色々な記憶がフラッシュバックされる。
最近の記憶や、数年前の記憶。夢で見た十字架型の木に括られた人を火で炙り笑う民衆達や他に拷問を受けている場面、全てが一瞬、でも生々しく映し出される。

"○○○"
"○○イ"
夢で聞いた名前が連呼され、段々と解るようになる。
"○......イ...ン"




"ロイン?"

Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.65 )
日時: 2017/03/15 01:23
名前: そーれんか

「ひーっ、疲れたぁ...」
ほぼ元通りになった部屋の床にヒューイは寝転がる。
「それではこの男どもを連れて帰りますね。今日はお疲れ様でした」
「お疲れ様ですの」
聖骨六頁は眼鏡をくいっと上げぐったりとする男達を聖心五頁と一緒に引き摺りながら部屋を出ていった。
「ヒューイちゃん、どうする?」
「どうするも何も...何も言わずに出てきたんだから戻るよ」
ヒューイは立ち上がり汗を拭う。スレイはじっとヒューイを見つめていた。
「何?」
「え、いや...変わったなって。前のヒューイちゃん、一匹狼みたいだったけど今は仲間達と戦ってる...からかな」
スレイは顔を少し赤くしぽりぽりと頬をかく。
「...魔術師倒したら元の自堕落な生活に戻るかもね」
ヒューイは悪戯っ子のような笑顔で振り向く。

ーーーー
「あ、おかえりんこー!」
アジトの扉を開けるとネメシスが両手を広げ、満面の笑みで二人を出迎える。
「ただいま...でいいですか?」
ヒューイは苦笑しながらネメシスに返す。
「チッ」
ネメシスは一気に不機嫌そうな顔になり、ソファにドカッと座り込んだ。
「.....ネメシスって単純...だから馬鹿って.....言われる...聖騎士なのに...」
「聖騎士なのは関係ないでしょう!?くそう...引っかかったのは聖人だけよ!」
聖人は部屋の隅で体育座りをして小さくなっていた。
「ぅぁぁ...僕はやっぱりネメシスさん以下の馬鹿なんです...ぅぅぅ...」
「ちょっと聖人それどういう事?」
ネメシスにギロリと見られ更に聖人は小さくなる。
「ネメシス様、そこまでにしておいてくださいねー。また食事が遅れてしまいますから」
エプロンに三角巾を纏った再興天使は母親のように食事の準備をしている。
「...何ですかその柄...」
ただエプロンと三角巾は馬のような柄だった。いや馬とすら言い難いかもしれない。
「この柄か?可愛いでしょう!月星隠者が作ってくれたんだ!聖獣ユニコーンをモチーフにしているんだとさ」
「.....可愛いですね」
精一杯の言葉だった。正直な話馬のような物体に針が刺さっているようにしか見えない...なんというか、言葉では言い表せないイラストだった。
「頑張った...渾身のイラスト...」
月星隠者はぐっとガッツポーズをする。何故この人に絵を頼んだんだろうか、ヒューイとスレイはそれだけが疑問だった。
「さて!もう出来る。席についてくれー!」
いい匂いが部屋中に広がる。
「鍋だ。魚介で出汁を取ってみたが...どうかな?」
少し出汁が入った器を差し出される。
「...!?」
一から取った出汁はこんなにも美味いのか、混乱するくらい美味しかった。
「美味しいならよかった。じゃあ食べようか!」
席に着き、食材に感謝をして皆器を手に取った。

登場人物枠_異端側 ( No.66 )
日時: 2017/03/15 02:04
名前: そーれんか

キャラの増加、多少の変化ありの為纏めます_:(´ω`」 ∠):_
登場人物まとめ(3月15日更新分)
【異端側】
チキ
吸血鬼と魔術師のハーフ。どちらの力も中途半端の事に悩んでいる。聖戦士達に親を殺され聖戦士達に復讐する事を決意。
使用魔術"血醒月光"使用武器 槍
身長160cm 見た目14歳程。誕生日5月21日

ロジスタ
チキの父親。アピクの弟子であり前四大魔術師の一人。聖戦士の攻撃によって死亡。
身長179cm 見た目30歳程 誕生日9月21日

レイシャ
チキの母親。吸血鬼。ジンリンと仲が良くティータイムを楽しんでいた。
聖戦士の攻撃によって死亡。
身長176cm 見た目25歳程 誕生日8月3日

ミサ&スオ
種族不明。耳が尖っている。森に捨てられさまよっていた所をチキ達が見つけそのままチキ達に仕える。
使用武器 短剣
ミサ 身長143cm 見た目10歳程 誕生日3月6日
スオ 身長142cm 見た目10歳程 誕生日3月7日

アピク
四大魔術師の一人、元老。種族不明。魔術師になった直後の記憶が無く、探している。口が悪く、チキの事をバカ娘などと呼んでいる。死鬼曰く"ツンデレ"魔術は全般的に使えるが、回復系統は苦手。
屋敷名 魔黒屋敷
身長183cm 見た目20歳程 誕生日7月23日

ルアイリ
アピクの弟子、人狼族。おっとりした植物好きの少女。花と戯れる姿から花咲の狼と呼ばれていた。聖戦士の攻撃によって死亡
身長156cm 見た目15歳程 誕生日10月16日

ジンリン
四大魔術師の一人、精霊族。
言うまでもなく変態。ルアイリと同じく植物が好き。話す時に精霊語を最初喋る癖がある。何を喋っているのかは内緒。魔術は生命の息吹が感じられる場所である程威力が強くなる。防御系は苦手。
屋敷名 夢幻白昼屋敷
身長173cm 見た目30歳程 誕生日12月19日

紅影死鬼
四大魔術師の一人、元人間。相手を茶化すことが好き。そのせいでアピクから糞野郎と言われている。
五芒星と六芒星をに属性を宿すことを主とした魔術を使う。防御系は苦手。
屋敷名 月紅屋敷
身長164cm 見た目18歳程 誕生日1月7日

ルナテ・アーズ(紅翼滅歌)
四大魔術師の一人、吸血鬼。煙草が好き。四人の中で浮いた存在であり、いつも何をしているのか謎。ある事がきっかけで改名してから元の名で呼ばれることを非常に嫌う。
屋敷名 空想煉屋敷
身長195cm 見た目30歳程 誕生日12月25日

登場人物枠_聖戦士側 ( No.67 )
日時: 2017/03/15 02:32
名前: そーれんか

【聖戦士側】
ヒューイ
一度脱走後聖戦士から特殊部隊へ。お酒好き。自堕落な生活を送るも親を目の前で惨殺されて以降復讐の為戦い続ける。
身長170cm 年齢23歳 誕生日11月21日

スレイ
ヒューイと同じく特殊部隊へ。ほっぺたが柔らかい。爆弾づくりが得意で色々な種類の爆弾をつくっている。ヒューイに何の接点もないがずっと着いてきている。
身長 150cm 年齢 17歳 誕生日9月5日

ネメシス
聖騎士でありながら特殊部隊にいる。人を茶化すのが好きだが単純な性格で聖人以外大抵返り討ちにあっている。一人称が我。力を使いすぎると幼児化するという致命的な欠点を持つ。
身長172cm(幼児化時130cm)年齢 21歳 誕生日8月21日

月星隠者
特殊部隊所属。口数が少なく神秘的な感じである。月と星に隠れて生きるものを自称する。ネメシスにツッコむ時は容赦ない。
身長180cm 年齢、誕生日共に不明

再興天使
特殊部隊所属。正真正銘の天使。
誰に対しても"様"付けをする。守る事と復活させることに特化した力を持つ。
身長178cm 年齢、誕生日共に不明

ヴィシャ
特殊部隊所属。戦の神毘沙門天を具現化し攻撃する。寝ることが大好き。ネメシスと同じく余計な一言を聖人に浴びせる。怒られそうになったらすぐ寝る。
身長145cm 年齢、誕生日共に不明

聖人
特殊部隊所属。記憶の皿で相手の記憶を消すことが可能。打たれ弱い性格で、よくネメシスとヴィシャに弄られている。
身長159cm 年齢23歳 誕生日4月1日

聖眼一頁
人身の部隊所属。人間の目司る人物。リーダー的存在。常にフードを深く被っていてあまり顔を見る機会が無い。基本真面目だがたまに馬鹿になる。
身長190cm 年齢、誕生日共に不明

聖肉二頁
人間の身体の一部、皮膚などの肉を司る人物。食べる事が好きでよくお腹がすいたと言っている。だが肉は嫌い。草食。
身長185cm 年齢、誕生日共に不明

聖臓三頁
人間の身体の一部、臓器を司る人物。真面目だが戦場に出ると高確率で心臓のバクバクする音が聞こえている。
身長186cm 年齢、誕生日共に不明

聖経四頁
人間の身体の一部、神経を司る人物。よく笑い場を和ませるが戦場に出ても笑っているので真面目にやっているのかよくわからないが本人は至って真面目だそう。
身長193cm 年齢、誕生日共に不明

聖心五頁
人間の心を司る人物。この部隊の最年少人物だが頭の良さは誰にも引けを取らない。背伸びをしてダボダボの服を着ているがそれのせいでよく転けているのを目撃される。
身長135cm 年齢、誕生日共に不明
聖骨六頁
人間の身体の一部、骨を司る人物。右手左足が骨と化しておりカラカラと乾いた音が動く度になる。
身長167cm 年齢、誕生日共に不明

聖血七頁
人間の身体の一部、血を司る人物。簡単に言うと、が口癖。血を司っているが血を見るのが嫌い
身長181cm 年齢、誕生日共に不明

Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.68 )
日時: 2017/03/23 01:56
名前: そーれんか

「〜〜〜♪終わる前にお菓子作り終わってるからがんばってねー♪」
ジンリンはくるくる回りながら花の蜜やミルクをボウルに入れかき混ぜる。ミサとスオの相手をしている幻影は容赦なく手に持ったハンマーでバシバシ叩きつける。

"貴方達には欠点があるの、分かってるかしら?"
幻影はすっと動きを止め、真っ直ぐな瞳で二人を見る。
「「欠点?」」
ミサとスオはダラダラ流れる汗を拭い、荒い息を整える。
"...やっぱり分かってないのね。いや仕方ないわ。考えて欲しいのだけど時間が無いもの"
座って。と言われその場に正座する。ミサはなんとも思ってないようだがスオは床のささくれが気になって仕方なかった。
"貴方達は姉妹なのでしょう?息があっていると感じたわ。だからわざわざ別々に攻撃するのは難易度が高すぎると思うの"
「じ、じゃあ二人で一つの術を使うと?」「お姉さん、床さするのはいいけど刺さっても知らないよ?」
ミサは無意識のうちに床をさすっていた。スオはさするというよりささくれをむいていた。
".....!いや、或いは..."
幻影は何か思いついたのか考え始める。その姿は幻影というより、もう実在するものとして認識していいのではないかというくらい"生きるもの"に近かった。体がいくら魔力によるものだとしても。
"...ねえ、二人は補助と攻撃、どっちがやりやすい?"
幻影からそう聞かれ、ミサとスオは顔を見合わせる。
「私は補助ですかね...どうも刺す感触が苦手で...」「あ、私攻撃が好きー」
"そっか。...疲れたでしょう?今日は終わりにしましょう。少し気になることもあるからね"
幻影は笑顔で立ち、ミサとスオの脚についた木屑を払う。
「〜〜〜♪出来たよー♪」
テーブルいっぱいに広げられた菓子は甘く芳醇な香りがしている。
サクッとしたクッキーやふわふわのケーキなど、目移りしてしまう。
「お嬢様にも食べさせたかったなぁ」
ガツガツと食べるスオを見てミサがぽつりと呟く。
「〜〜〜。今度は一緒に食べましょうね」
「はい!」

ーーーー
「〜〜〜...あの子達の種族がなんだって?」
二人が寝静まった夜...と言っても日が沈むことがないため外は明るい。
ジンリンは不満気な顔をしてベランダの手すりに寄りかかる。
"吸血鬼じゃないならドワーフ...いや、竜人族?...分からないの"
「〜〜〜〜?珍しいわね。パッと見てわかるのが取り柄って言ってたのに」
"だからよ。人でもなければ吸血鬼でもない、謎なの。けど知りたいの!"
「〜〜.....んー...まだ先でもいいんじゃない?何も急いで知る必要はないと思うわ。それに今急ぐべきなのは二人の術についてよ?」
風によってなびく髪を押さえ、幻影の方を見る。
"わかってるわよ...あの二人に最適な術ねぇ..."
「.....あぁふ。眠いから私先に寝るわねー。頑張って教えなさいな」
ジンリンは大あくびをする。その顔はなんというか、美形の顔が台無しだな、と幻影は思った。
"貴方の魔力で出来る限りのことはやるわよ。あんな子供に戦わせるってのも気が引けるけど"
「〜〜〜...そうねー...終わってくれれば一番いいんだけどね」
ジンリンは再びあくびをし、ベランダの戸を閉めた。
一人ベランダに残った幻影は不意に木々の方を見る。
"!"
木に一つだけなっている蜜柑を見つけ、手を伸ばしてもぎとる。
"味がするのはあの人なんだけど、いいわよね"
皮をむき、身を一つ口に入れた。

Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.69 )
日時: 2017/03/26 01:58
名前: そーれんか

.....また 夢か。

どうやら意識が飛べばなんでもいいらしい。睡魔はないはずだからきっと気を失ったんだろう。
今度は一体どこだ?いつの時代だ?誰がいる?俺はまだ人間か?

なんて考えながら目を開ける。
「んもー、ロインったら!今日は大事な日っていうのに寝るなんて変わんないなぁ」
名前が...聞き取れる?アピクは驚きつつも身を起こす。あの少女を見る限り年齢は20代くらいまでになっているだろう、自身もそう身長が変わらない。
「大事な日って...なんだ?」
「えぇぇー!!忘れちゃったの!?」
少女はこの世の終わりかのような顔をして驚く。
「しっかりしてよね!今日は初仕事でしょ!聖戦士としての!」
「!?」
アピクは唖然とする。よくよく部屋を見ると少し違うものの聖戦士達のアジトそのものだった。
「ち、ちょっとそこのどっちか手伝ってくれませんかー!いっぱい水零しちゃって...!」
修道女の声がドアを叩き、焦りながら呼ぶ。
「はーい!私が行きまーす!ロイン、準備しといてよ!」
少女はそう言って部屋の外へと出ていった。
「.....。夢にまで入り込むのが好きなんだな。お前は」
「ハハ、人聞き...いや、術師聞きの悪い、かな?そんなこと言わないでくれるか?」
ルナテが窓の縁に寄りかかっており、笑った後煙草に火をつける。
「チキを探しに行ったんじゃないのか?」
「仕事よりもっと面白い娯楽があったらそっちに手を伸ばすだろう?」
アピクはルナテを睨みつける。とにかく色々な言い方が気に食わない。
「.....お前が改変したんじゃないだろうな?」
「改変?面白い事言うね。この夢が過去の記憶だとして、聖戦士になったという記憶は改変された偽りのものだというのか?自分が嫌だと思う事は思い出さずそれで全て思い出したいと?バカバカしい」
ルナテは不敵な笑みを一切崩さず淡々と言い放つ。アピクは目を逸らし小さく舌打ちをした。
「そろそろ着替えたらどうだい?彼女戻ってくるよ」
「......」
無言のまま十字架のマークが二の腕あたりについたジャケットを羽織る。そして近くにあった武器、鎌を手に取る。
ルナテの姿はいつの間にか消えていた。鎌の柄を折れそうなくらいに握りしめる。
「準備できた?....ロイン、もしかして気分が悪いの?顔が青いけど」
少女は銀でできた杖を持ち、心配そうな表情でアピクを見る。
「あぁ...最悪だ」
アピクは溜息をつき、ジャケットの十字架をじっと見つめた。


『よく来てくれました。眠れたしら?』
純白のローブを身にまとった白髪の女はにこやかな笑顔で二人を歓迎する。少女はキラキラと目を輝かせているがアピクにとっては気持ちが悪いとしか思えなかった。
『あら、そこの子...顔色が悪いですよ、大丈夫ですか?』
こっちを見るな
『あまり無理しないでくださいね。倒れられると、神が悲しみますから』
そんな言葉をかけるな
『...熱があるのかしら?額を少し触らさせていただきますね』

触るな

ハッと我に返る。女が着ていた純白のローブは鮮血で真っ赤に染まっていた。胴体が二つに分かれ血だまりがどんどん広がっていく。
返り血を浴びた少女は何が起こったか分からないという表情でガタガタ震えている。
晴天だった空は急に曇りだし、一瞬にして雷雨となる。まるで女が死んだ事を神が嘆くように。そんな雨が、不快で不快で仕方なかった。

Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.70 )
日時: 2017/03/27 01:32
名前: そーれんか

「...神ってなんだよ」
アピクは呟く。
「...え?」
恐怖と雨に濡れて冷えた身体を震わせながら少女はか細い声で聞き返す。
「神を信仰すれば救われる?魔女狩りで...無実の奴らを神は救ったか?魔力に覚醒したせいで迫害されひっそりと暮らす異端ですらない元人間を異端と呼んで探し出し虐殺するのも神の命令か?」
こんなことを言って、他の修道士などに見つかれば即拘束されるだろう。それでも口は止まらない。少女は呆然と聞いている。
「ないものをあると錯覚して力を得た気になって...何がしたいんだよ...」

「なんだ、言いたい事言ってくれるじゃないか」

再び姿を表したルナテは煙草を吸いながらニコニコした表情で宙に浮いている。
「きっ、吸血き...」
少女はその場に倒れ込む。まぁあれだけ衝撃的なことが続けば無理もないのだが。
「流石だよ。過去の記憶なのに未来の事を言うなんて。それも異端側の発言をね」
ルナテは少女の身体を起こし、アピクの方にひょいと物を投げるようにして渡す。いきなり渡され驚いたアピクはよろけて尻餅をつく。
「...おい」
「いいじゃないか。もう雨で既に濡れてたろ?」
「こいつをどうしろと?」
「あ、そっちか。雨の当たらない所にでも置いたらどうだい?...それと、ご馳走様。流石教会に属してるだけあって血が普通の人間とは違うね。純粋だよ」
ルナテはぺろりと指を舐める。見ると何処にもあの女の死体がない。
「...何しに来たんだか」
アピクはそう驚く様子もなく、少女を雨の当たらない場所に寝かせる。
「そうだね、じゃあ本題としようか」
ルナテは煙草をぽとりと地面に落とす。
「君達は火刑に処されるのは見ただろう?」
「...お前は一体いつから見てたんだ?」
そんな質問もルナテは笑ってはぐらかし次へと進む。
「人間の肉は焼けると骨になるのは周知の事実。じゃあ、ある箇所だけ骨になっても生き延びれたとしたら?」
雷が一層強くなる。
「その炎にまかれて、感情が消えたとしたら?君に対する復讐心だけ残ってたとしたら?」
アピクの顔が段々と青ざめる。雨も雷も強くなり、風もが吹き始める。
「その子が今、敵対関係にあるとしたら?...っと、ヒントはここまでだ。答えは自分で見つけるといいよ。さて、私はそろそろ出るとするかね」
ルナテは煙草を取り出し不気味に笑いながら扉をつくる。
「まぁ、君の過去であり未来だ。好きにしろ」
そう言い残して扉ごと消える。雷雨に風が強くなったかと思えば、瞬時に止み太陽の光が差し込んでくる。ぞろぞろと修道士達が出て来、これ以上いる意味はないと悟ったアピクは鎌を持ったまま外へ走り出す。

聖骨六頁...お前が?


ようやく目が覚める。机に突っ伏したまま気を失っていたらしく、頬に痕がつく。ズキズキと痛む頭を手で押さえ席を立つ。
ちらりと絵画に目をやる。少女の絵が描かれていたはずだ。
「...!」
少女の描かれた場所に名前が彫ってある。
"アンナ・アーズ"

Re: 紅の吸血鬼と黒の魔術師と白の聖戦士 ( No.71 )
日時: 2017/03/30 02:03
名前: そーれんか

"桜の樹は死体の血を吸って美しくなる...知っているかえ?"
特徴的な話し方をする女声が頭上から聞こえる。チキは驚いて上を見ると血の気がない女が怨霊を撫でながら降りてくる。
「お主がチキかい?死鬼からよく話は聞いておるぞ。わちきはコハルじゃ。見ての通り幽霊じゃな」
ポカンとする死鬼とチキに自己紹介をした後、近くにあった皿から残っていた団子をひょいと取る。
「死鬼も人が悪いのう。菓子を食べたり茶を飲んだりくらいなら出来るというのに」
コハルは多少不貞腐れながらも団子を食べ茶をすする。
変わった服を着ているな、とチキはまじまじと服を見る。桜の花以外にも菊の絵が色鮮やかに細かく刻まれた服で思わず見とれてしまう。
「おおこの服か。綺麗であろ?着物と言ってな、このように細工を施した服はごまんとある。お主も着てみるかえ?」
これが着物か、とチキは目を輝かせてじっと見つめる。
「.....ちょっとマスター」
死鬼は不機嫌そうにコハルを見る。「なんじゃなんじゃ、死鬼も久しぶりに着てみたくなったか?袴ならあるぞ」
「なんで持ってんだよ!...じゃなくて、喋り方をどうにかしてくれって言ってるじゃないか!なんで死んだ後にこの口調に戻るかなぁ...」
死鬼は頭を抱えぶつぶつと呟き出す。チキは相変わらず着物の柄を見続けている。
「やっぱりこの口調がいいのかな?私は一応こんな口調も喋れるんだからね!...でもやはり疲れるのじゃ」
やはり容姿は若い女だけあって口調を変えればイメージはガラリと変わる。先程のような特徴的な口調ではなく今のような口調であれば二十代に見えるくらいだった。
「そもそもわちきはマスターと呼ぶのすら許可して居らぬぞ。主と呼べと何度言えばわかるのだ?」
「やだよ!なんで僕までそんな古臭く言わなきゃなんないのさ!」
と死鬼に言われ頭にきたコハルは勢いよく立ち上がる。膝がチキの顎に思い切り激突したようだが死鬼とコハルは何故かか気が付かずチキ1人で悶絶していた。
「なんじゃと...!?古臭いじゃとお!?」
「そうだよ!元々マスターの国は百年くらい文明が遅れてたんだから古臭いであってるだろ!」
「黙れ!お主に和の良さが分かるわけないであろうが!それに今はもう文明が追いついておる、いつまでも過去のことをひっぱってくるお主は見苦しいわ!」
チキは顎をさすり涙目になりながら二人の言い分を聞く。どちらの言うこともわからなくもない。

外からガサガサと音がした。

「...喧嘩は一時中断じゃ。桜に養分を与えるとするか」
近くを漂っていた怨霊は刀へと姿を変える。
「幽霊となっても戦えるものだ。死鬼よ、邪魔するでないぞ?妖刀である村正の力も伊達ではないからな」
刀の柄を握りしめニコリと笑う。死鬼は苦笑いをし、もう一体の怨霊を杖へと変える。
「チキちゃーん、修行も兼ねて戦うぞー」
チキははっとして槍を取り出す。思った通りの術はまだあまり出せないが初期に比べるとかなり使える方になったと思う。
「えーっと。数は百二十八、全て聖戦士。雑魚集団だね、偵察かな?どの道逃がす理由はないけどねっ」
死鬼が偵察した情報を伝えるとコハルは地面を力強く蹴り、凄まじいスピードで敵陣に突っ込む。

"三千大千世界"

コハルは幽霊な事がむしろ有利になっているのか、身軽さや身体が半透明なのを生かし軽快になぎ倒していく。
「...んー、マスターったら無茶しちゃって」
死鬼ははぁとため息をつく。

"六芒星・アヴリュート"

杖の先から真っ白な光が飛び出す。光は数人の聖戦士を飲み込み、光が消えると何もなかったかのように全てが消えている。
「あんまり無茶すると成仏するのが早まるんでしょー!僕はいいんだけどマスターが困るよー!」
と大声で叫びコハルの手を止める。
「成仏するのが早まる?」
「そ。マスターってば、現世にとどまりたくて閻魔ってやつと契約したんだよ?聖戦士を千人倒したら成仏するって。だから最近引きこもってたんだけど、チキちゃんが来て嬉しいんじゃない?ほら、だから後の十五人倒しちゃって!」
チキは言われるがままに外に出て槍を地面に刺し、自身の血を垂らした。

"血醒月光"

心做しか黒い月が輝いたような気がした。

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