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*35*
「どう?グレイ、体の調子。」
ルドはあの後、グレイを優しく部屋に入れた。
「……平気だ。はやく、儀式を終わらせたい…。」
「準備段階まだまだあるけど?」
「終わらせてくれ、はやく…。」
グレイに力強さはない。
すべてを失った兵士のように、力がなくなっていた。
あるとすれば、苦しみから逃れるための力。
「もう、こんな血色の体。」
いらない。
グレイが自分の首に自分の手の指を絡ませる。
首を絞めるように、力をこめていた。
ルドは気づき、グレイの腕を掴む。
グレイは自嘲気味に苦く笑い、ルドに体重を寄せた。
二話・終
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