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作者: 裕 (総ページ数: 10ページ)
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*3*
「生兄ぃ!!」
「智里か…。…智里!?え、お前何でここに!?」
「へへぇ。聞いたんだ。伯父さんから。」
「は!?」
弟の智里。母さんの所で暮らしてるはずなのに、何故…。
何故…??
「(あのじじい…。)あんだけ言うなって言っといたのに…。」
「何で家出したんだよ?」
「…。何で来た?」
「久しぶりに生兄ぃに会いたくなった。生兄ぃいないと俺一人だし、母さんたちは仕事で帰るの遅いからさ…。」
「…一人なのか?門限は?」
「無い。母さんたち10時くらいじゃないと帰ってこないし。」
あいつらは本当にこいつの…俺らの親なのか?子供を仕事だからって放っといて…そんなことが許されるのか?信じらんねぇ…。
「生兄ぃは何してんだ?」
「別に。何も。」
「あ、テレビ見た?明日地球滅びるって…」
「ああ。」
「嘘、見たんだ!?珍しいな!」
「螢に見せられたんだ!!」
「え…。誰?」
「っ…。近所の…奴。」
「ふうん。」
何たって今日は一人でいたい気分なのに、あのニュースのせいで俺の元にいろんな奴が集まってきやがる。うぜってぇー…。
「…るせぇなぁ。」
「生ちゃん!」
「今度はお前か。…何だよ。」
「お腹空いた。」
「人んち来て普通に言うなよ。」
「これは、人間の健康的な生理現象だよ!?」
「(こういうときは頭が良い人の発言に聞こえる…。)」
「オムライス!オムライスー!」
「オムライス!?」
「あぁ…。智里まで…。」
何で今日に限って…こんなにうるせえんだよ…。
「暑ーい…。」
「生兄ぃ!プール行きたい!」
「飯食うか行くかどっちかにしろ!!」
「…。両方。」
「だからどっちかにしろ!」
「両方ぅーーーー!」
「はぁ…、ったく。じゃあ…そこの物置に子供用プールあるから。…螢、空気入れてたててくれ。」
「私が!?何で。」
「…。」
「ま、まあ生ちゃんがどうしてもって言うなら、やってあげても良いけど?」
「良いから早く作れ!お前以外に誰がやんだよ!」
「は、はい!」
あぁ…。またキレた。ってか、何でこんなに面倒見良くなってんだ?俺。こんなの俺のキャラはこんなじゃないはずだ!!
まあ、螢と智里が揃うと手が付けられねえほどになるからな…多分。その前に何とかしないと、ってとこだろうな。
「ったく…。」
「何か手伝うか?」
「…誰?」
「さっきまで居ただろ!?玲央だ!」
「ああ。」
「ああって…。」
「邪魔だからあいつらと一緒にいろ。」
「ちぇ…。」
オムライス。…そういえばあいつ昔から好きだったよな。伯父さんにもよく作ってもらってたっけ。半熟のオムライス。昔伯父さんに作り方教えてもらったな。…面倒くせえが、仕方ねえ。作るか、半熟。
「面倒くせえ。…あちい。」