完結小説図書館
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*22*
それからしばらく経ち…
「…な〜んにもないじゃん」
その超だらけた言葉通り、なにもない。
ぐうう〜ぐがぁぁああ〜すうすう…ぐっがあぁぁぁあああああ〜〜〜
徹平の騒音とも言えるいびきが辺りに響く。
いくらなにもないとはいえ、安心しすぎだ。
「徹平さん!起きてください!」
志穂が怒りながら徹平を揺らす。
「お〜しほっちぃぃ」
「や、やっと起きましたぁ」
志穂はもうふらふら。
かれこれ10分くらい徹平を揺らしていたのだ。
そりゃあ疲れるだろう。
「ここは…俺に任せろぉ むにゃむにゃ はーはっは おれっちの大勝利ぃ〜」
「…寝言」
まさかの寝言。
しかも、徹平が大勝利するというありえない展開だ。
「徹平、起きろ」
「徹平さ〜ん」
「…油断は禁物って言ったのに…」
黎夜、紗綾、しずくも加わるが、全然起きる気配がしない。
「…水よ」
バッシャ―――――――!
「っぎゃああああああ!さっみぃ〜〜〜」
しずくの水の力でやっと徹平が起きる。
「…徹平さぁぁん」
志穂がぎろりと徹平を睨み…。
「まったく!悪魔が出てくるかもしれないってときに、なんでこんなにぐ〜すかぐ〜すか寝てるんですか!犬でも寝ませんよ!?いいですか!?徹平さんには、緊張感というものがないんです!だからテストでもいい点が取れなくって、塾に行かされるんですよっ!すべて自業自得!!塾に行きたくないのなら、もっとちゃんとした生活をしてください!年下に怒られていて、恥ずかしくないんですか!?だからレイヤくんに鼻で笑われるんですよ!」
だ〜らだらだら・・・
志穂の説教が続く。
徹平は、返事をしながらも、半分寝ている。
「聞いてるんですかっ!!!!!?」
志穂の超ドでかい大声に徹平が目を覚ます。
「…志穂」
しずくの声に、志穂が振り向く。
「悪魔、もうすぐ来ると思う」
『えっ!?』
とみんなが驚きの声を上げた途端…。
「痛っ!」
紗綾の悪魔探知能力が反応した。