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魔天使マテリアル 「涙のしずく」 【完結】
作者: マヤ  (総ページ数: 49ページ)
関連タグ: 魔天使マテリアル ファンタジー 
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10~ 20~ 30~ 40~

*37*

「さあ、攻撃しろ。破魔の聖女たちを―――!」


しずくは、ゆっくりと手を伸ばし、攻撃をする。
水を操り、紗綾たちに、仲間たちに―――。


しずくの瞳は、闇に溺れ、光が見えない。


「おい、こんなもんじゃねぇだろ?もっと力を解放しろ!もっと、もっと―――」


だんだんと、力が強くなっていく。

―――そして―――



               ―――トプン―――




しずくの体は、人魚へと化していく。


「―――しずくちゃん!?」


紗綾たちは、驚きの声を上げる。

その姿は美しいが、違う見方をすれば、とても恐ろしい。


闇に操られ、人魚は舞う。水を操り、人魚は舞う。


「しずく…ちゃ…」


紗綾は、なかなか攻撃できない。

しずくは、自分の意志で動いているのだろうか。

しずくは、なぜ向こうへ行ってしまったのか。

そんな状況で、黎夜は叫ぶ。


「あいつは、闇に転じた!もう一度光に転じさせるか、もしくは、攻撃して―――「嫌!」

「紗綾…?」

黎夜は、紗綾が大声を出したことに、多少驚く。




     しずくちゃんは、きっと悲しいの


   しずくちゃんは、きっとその悲しみをどこにぶつければいいのか、わからないの


     しずくちゃんは、きっと光を探しているの




   しずくちゃんは、わたしを助けてくれた ―――だから







             「しずくちゃんは、わたしが助ける!!」

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