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*37*
「さあ、攻撃しろ。破魔の聖女たちを―――!」
しずくは、ゆっくりと手を伸ばし、攻撃をする。
水を操り、紗綾たちに、仲間たちに―――。
しずくの瞳は、闇に溺れ、光が見えない。
「おい、こんなもんじゃねぇだろ?もっと力を解放しろ!もっと、もっと―――」
だんだんと、力が強くなっていく。
―――そして―――
―――トプン―――
しずくの体は、人魚へと化していく。
「―――しずくちゃん!?」
紗綾たちは、驚きの声を上げる。
その姿は美しいが、違う見方をすれば、とても恐ろしい。
闇に操られ、人魚は舞う。水を操り、人魚は舞う。
「しずく…ちゃ…」
紗綾は、なかなか攻撃できない。
しずくは、自分の意志で動いているのだろうか。
しずくは、なぜ向こうへ行ってしまったのか。
そんな状況で、黎夜は叫ぶ。
「あいつは、闇に転じた!もう一度光に転じさせるか、もしくは、攻撃して―――「嫌!」
「紗綾…?」
黎夜は、紗綾が大声を出したことに、多少驚く。
しずくちゃんは、きっと悲しいの
しずくちゃんは、きっとその悲しみをどこにぶつければいいのか、わからないの
しずくちゃんは、きっと光を探しているの
しずくちゃんは、わたしを助けてくれた ―――だから
「しずくちゃんは、わたしが助ける!!」
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