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暴走族な彼。 ≪完結≫
作者: みるく  (総ページ数: 39ページ)
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10~ 20~ 30~

*35*

〜25〜カオリさん

カ「.........」

花「........」

ウチとカオリさんは翔君達を見送って地面に座っている。

でも、ウチは座ってる...よりも体全体の力が抜けたって言う感じ。

カオリさんは一点を見つめて何も話さない状態だった。

まるで抜け殻みたい........。

花「カ、オリさん?」

そう呼ぶけど返事はなくてそのかわりカオリさんの目から涙がぽろぽろ流れていた。

静かに泣くカオリさんはあまりにも綺麗でなにも話せなくなった。

カ「う....ぐすっ...数っ....ひんっ..」

カオリさんの口からははっきりと”数”っと聞こえた。

花「カオリさん....」

思わず抱きしめると子供みたいに泣き始めるカオリさん。



正直...びっくりした。


ウチが思うカオリさんって可愛いっていうよりも大人っぽくて綺麗。


性格もクールでおねぇちゃんみたいな人と思ってた。


けど...........................................................。

カ「う...ぐすっ」

此処に居るカオリさんはすごく繊細で一度手放したらすぐに壊れてしまいそう...。

カオリさんはじっと翔君達を見送ったけど本当は泣きたかったと思う。

たぶん...ウチよりもはるかにずっと翔君達を思ってる。

本当はウチが守らなきゃいけないのにずっと守られてばっかだった。

いろいろ振り返ると悪い事をしたなって罪悪感でいっぱいになった。


カ「花ちゃん..?」

花「うぅ...カオリさぁ〜ん...ぐす」

いろんな思いで涙が出てくる。

カオリさんが顔を上げてびっくりした顔をしたけどまた笑顔になった。

カ「花ちゃん〜...泣かないで...。」

もう居てもたってもいられなくてカオリさんに抱きついた。

優しい言葉を掛けてくれるカオリさんに逆につらくなったから....。


花「カオリさん..。無理しないで...?」

カ「えっ?」

言葉が見つからなくて”無理しないで”この言葉しか見つけられなかった。

カ「べ、別に無理はしてないけぇ」

花「カオリさん!!!!」

明らかにツクリワライのカオリさん。

そんなカオリさんにすこしだけ腹が立って大きな声をだした。

花「こんなことウチが言えないけど...。カオリさんも、本当は辛いんですよね?だけどカオリさんはいつも笑っててウチもカオリさんを頼り切っていました。」

カ「........」

黙って話を聞くカオリさん。

ウチは無視して話を続けた。

花「でも、さっきのカオリさんは触ったら壊れそうですごく繊細でした。それがカオリさんの本当の姿だと思いました。」

ただカオリさんに自分の思いを伝えてるだけなのに..。

涙がでて止まることを知らない。

きっとこの涙はカオリさんへの思いがつまって出てきた涙だと思った。

花「ウチには...本当の事話してください.。だってウチら友達ですし...ね..?」

カオリさん...広島にきての始めての友達..。

カオリさんにはただ話したりするだけの簡単な”トモダチ”じゃなくて。

心からなんでも話せる”トモダチ”が良いの..............。

                      つづく....

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