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この世界を護るコト【完結】
作者: 実上しわす ◆P8WiDJ.XsE  (総ページ数: 44ページ)
関連タグ: 二次創作 
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終章

「おーーっしゃあ!!」
 アーサーが、喜びの声を上げた。
 フレドリカが息を切らしながら、「やったあ……!」と呟いている。
「やったな、フレドリカ!」
「――うん!」
「でも、本当に強かったわね……。一体、いくらの冒険者がやられてきたのかしら」
 ――確かに、いくらの冒険者が倒されてきたのだろう。
 ……でも、もう、冒険者が王者に倒されることもなくなる。
「さすがだよな、俺たち! ホントに倒したんだもんな!」
「――ああ」
 ――確かに、そのとおりだと思う。
 空を見つめる。
 空は、いつもどおりきれいな青空だった。
 ヒュルリ――
「――?」
 不意に、俺に木の葉があたる。

 ……倒したんだな、あいつを。

 ……男性の、声がした。空からだ。
 そして、姿も見えた。それも、空から見えた。
 ――黒髪の、青い目をしたソードマンだった。
 
 ……フィカルナ、ありがとう。がんばれよ。

 ――ディオン、なのか――?
「……ああ。がんばるよ――」
 澄み渡る青空に向かって、呟いた。
 そして、涙目になっているフレドリカへと振り向く。
「……えっ?」
 そのまま――俺は彼女の手を握った。
 フレドリカが驚きに目を見開く。
「ツバサ?」
「ディオンたちの仇はとった」
 だから――。
「フレドリカ、行こう――記憶を取り戻しに!」
 ――ずっと、護ってやる。ずっと、キミと一緒にいる。
 だから、俺の名前を呼んでくれ――。
「次はキミの番だ!」
 少女は頬を赤く染め――笑顔になった。

「――うん、ツバサッ!!」


〜 三話・完 〜

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