完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

繰り返される永遠の物語〜魔法界編〜
作者: 夕月カレン  (総ページ数: 27ページ)
関連タグ: ファジー  王国 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~

*9*


『おまえは何を望む?』

『・・・何を?望む?僕にまだ望む希望が、ある・・・?』

『勿論だ』

『・・・僕は・・・僕は・・・。彼女と永遠を刻みたい。守れなかったんだ。彼女を。約束したのに。僕は・・・守れなかったんだ。
今度こそ守りたいと思った』

『愚かだ。お前だけでも楽になれるというのに』

『そんなこと・・・そんなこと望まない』

『・・・そうか?』

『彼女との幸せを永遠に望む』

『良かろう。おまえはレイア神。レイアだ。私の部活・・・いや、使いとなる神だ。いいな?以下、もう一人の小娘をーーーレリアことーーー稟璃海』

『・・・稟璃海・・・』

『お前は私を裏切ることは許されない。さもなければ苦しむ。いいな?』

『・・・彼女といられるならなんでもする』

『そうか』
*************カオル

「・・・はっ」

・・・あ・・・夢・・・?
彼女の夢を見ていた・・・?いや、オニイ様神の夢だった。
なんて、惨い夢だろう。
朝からこんなことを思いださせるなんて。
彼女は望んではいなかった。
僕と永遠なんて望んではいなかった。
僕がいつも一方的にーーー。

「世界はやはり汚れている」

僕は青い音楽プレイヤーで音楽を聴いた。
僕がいつも、聴くのはーーー決まっていた。

『葵』のものだった。
葵が奏でた素敵なピアノ。
母はピアニストだった。世界的に有名なピアニストだった。
僕にもその才能はあり、生きていたころはピアニストで。
だが。
あることがあり、僕は。
本選を前日に控え、自殺をした。

娘をすてて、ひとりにして、おいて。
自殺を選んだ。
そんなことは。
彼女は。

瑠璃は望んではいなかったのに。

そんなこと、
わかっていたのに。
僕はーーー馬鹿だ。
もう戻れない。
楽しかったあの頃には。
僕が辿った運命であり人生だ。

やり直せない




8 < 9 > 10