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しりとりシリーズ
作者: 彩都  (総ページ数: 51ページ)
関連タグ: しりとり 
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 『乎古止点』

 うん、うんうん、分かった、分かった、これは俺には解けないな、そう思いながら、古文の教科書をベッドに放り投げる、俺には解けない問題だ、そう思いながら、原稿用紙に書いていた古文の問題の答を丸めて、ゴミ箱へ投げて捨てる。
 ルールに則ってこの問題を解く、流石に中二で高一の問題を解くのは難しい様だ、そして、深呼吸をして、ベッドに寝転がる、寝転がった所の下に古文の教科書が置いてあったので、その教科書を机に置く、そして、枕に、ベッドに自分の肉体を預けた……

 ただ単純に、『問題を解きたかった』訳じゃない、『周りが解けない問題を自分一人のみが解く』、その『快感』がスキだった、バカな周りより、自分だけが頭が良い、先生に褒められる、クラスの皆から『凄ーい!』『頭良いね!』、『なぁなぁ!勉強教えてくれよ!?』等、等等?等等等等!!俺は褒められたい!完全にプライドなんて関係ない!褒められたら俺は嬉しい!プライドが折れてでも俺は褒められたいのだ!まぁ、そう簡単に家族からは貰えない、俺の家系は『完璧な一族』だった、簡単に言えば、俺の家系全員東大首席だし?俺の爺ちゃん病院の総院長だし、俺の親──父は広辞苑等の辞書を作ったりしている、母は有名なピアノ奏者だ──も結構有名で、テレビ等に出たりしている、俺の兄は現在東大の医療系の学科で勉強しているし、俺も灯台に入学しなければならない──別に俺は東大以外の大学でもいい、俺はただ単に『大学首席で入学&首席卒業』の資格さえ、取れればいい、それを家族に話した、思いっ切り怒られました。
 ただまぁ、初めて、親に反抗したから、母さんには、褒められたけど──でも、父は許さなかった、爺ちゃんは『お前の好きな様にやりなさい、必ずしも、この家系に則らなくても良いんだぞ?』って、優しい言葉をかけたが、『父さん、息子を甘えさせないで下さい、我が家系は必ず一番になる宿命の一族です、父さんも私が小さい頃に言っていたでしょう?』と反論、その節については流石の爺ちゃんも、唸っていたけど……
 どれにしたって自分の人生、好きな様に生きなさい、それが、爺ちゃんからの言葉だった、俺はその人生をしたかった、だけれど父は段々と厳しくなっていった──毎日20ページ分の教科書の勉強、古文、数学、理系文系お構い無しに毎日勉強させられた……それでも俺は頑張った、でも、父はその努力を認めてはくれなかった──

 ただ、頑張るのはダメなのか、それは分からないけど、俺は今日の勉強を止めた、自分には勉強が出来ない、特に古文と漢文等の過去の読み方の問題はダメだった様だ、そう思いながら俺は寝てしまった……結構疲れていたのだろう、安息とはこの事か?そう思いながら、目を瞑った──

 太陽が照っていた、俺の部屋は朝日が特に入る部屋だったので、夕方迄は部屋の電気は点けない程明るかったのだ、そんな中、太陽の光に起きた俺は驚いた、もう朝の九時か……今日が土曜日で助かった、そして、土曜、日曜は勉強が倍になる、少し厭そうな顔をしながらリビングへ向かった、そして、朝ご飯を食べた。
 単純に今日は古文の勉強はしない、そう思いながら俺は、数学の勉強をした、そしてある程度書き切って、もう昼の二時だった、数学の教科書は残り10ページだった。

「大変だ、今日はとても疲れたよ……」
「良かったじゃない、疲れた分だけ頭に入れたら良いの」
 能天気だなぁ……そう思いながら、俺は二階の自室に戻った……そして、数学の教科書を頑張って解き終わる、そして、次は社会の勉強だった、足利が……鎌倉が……何でこんなに源氏、平氏、足利、徳川は名前が多いのだろう?いや、権力者だったからだろう、その時の……というか、覚えないといけないのか、特に徳川は、じゃあ、十三代目将軍って誰だ?二代目って誰だ?分からないだろう?だから、重要な、家康、家光、綱吉等は覚えていても良い、後は吉宗とか。
 完全に覚える必要は無いのだ、それが俺の見解だった、そんな見解を話しても無駄だけど──俺はそう思いながら徳川一族の漫画を読んだ。
 だが、あまり意味は無かった、読み終わるともう夕方の六時だった、もう晩御飯か、そう思いながら、リビングへ向かった。

 大量に栄養を取って、俺は古文の勉強をした、昨日みたいに投げ出さずに、頑張ろう、因みに何故原稿用紙に書くかというと、父に見せるからだ、一応は文法が合っているかの確認だけだが。
 頑張って、俺は書く事にした、俺は苦手な物は作りたくないからだ……俺はそう思いながら、古文を頑張った──そして、書き終わった、終わった頃には深夜11時だった、おっと、こんなに熱中していたのか、そう思いながら、ベッドに寝転がった、そして、何時の間にか、睡魔に襲われた……そして、朝起きると、原稿用紙に赤い文字で『完璧だ 父より』と書いてあった、何勝手に無断で息子の部屋に入っているんだ、そう思いながら、俺は、少し喜んだ。

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