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しりとりシリーズ
作者: 彩都  (総ページ数: 51ページ)
関連タグ: しりとり 
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 『ん、あぁ』

 言葉には、『言霊』という物が存在する、どんな者にも発音すると、それが本当になるという物だ、今回はその『言霊』の元──日本の日本語という物がより強く『言霊』に対して重要視されている──平仮名について話をしよう。

 うーん、まぁ、考えてみた結果、大まかに書くとして、日本語は元々中国の漢字を輸入した物だ、それを日本人が『訓読み』『平仮名』『片仮名』に分けたりした、そして『あいうえお』『かきくけこ』『さしすせそ』『たちつてと』『なにぬねの』『はひふへほ』『まみむめも』『やゆよ』『らりるれろ』『わをん』が生まれた訳だ、そして、そんな『平仮名』の会話でも見てみよう──

「うーん、此処はこうでしょー?んで、ここがー」
 頑張っている『か』に『ま』は聞いた。
「単純な問題に悩んでるのか?此処は優だろ?」
 『ろ』が現れた。
「大変だなぁ……君らは何をしているんだい?」
「いやぁ、言葉の持ち主が……『漢字テストで100点を取るんだ!』って言って……頑張って手を動かしてるんです……」
「素晴らしいなぁ!『い』ー君は私よりよく使われる『平仮名』だもんね、頑張りたまえ!ハッハッハ!」
「ハッハッハって……お前は使用回数あんまり無いもんな、『ぬ』……」
「ぬうぅ……」
 唸る『ぬ』……すると『い』が書き込みを止める、そして『い』は言った。
「只今終了しましたー、へとへとですぅー……」
「うむ、では『い』ー君は休憩した方が良いぞ!」
「存外お前から言われると、傷付くぜ……」
 『絶対にな……』と続けて言う『ろ』……

 ローカルな日本語もあるので、一概には言えないが、よく使われる『平仮名』もある様なのだ、だから日本語は難しいのだ──っとまぁ、他にも『平仮名』の話はある……お次は『ま』だ。

「大丈夫かなぁ……?これで……」
「で、どうしたんだ『ま』?何かしたのか?もしかしてされたのか?」
 『カッカッカ』と『ゆ』が笑う、すると『ま』は言った。
「単純な話ですがね──言葉の使い手殿が背中に『バーカバーカ』と書かれているので、忠告しようかと……」
「とにかくほっといて、恥をかかせる」
「ルシファーでもドン引きだよ!?普通にもうお知らせしましょう!」
 『うーん、よいしょっと……』、そう言いながら『ま』は使い手の知り合いに憑依する、そして自分の代わりに背中の『バーカバーカ』を言う。
「うわっ!?何時の間にこんなのが……有難うね」
「ねっ?これで良いでしょ?『ゆ』っ君?」
「んー……ちぇっ、つまんねーの……」
「能天気だなぁ『ゆ』っ君は……」
 ハハハ、と汗を書きながら、『ま』は笑った……

 単純にこんな感じのお話が毎日毎日行われているという……我等、研究者は『文字と会話出来る』機械を作って、話を聞いたりしているが、まだまだ面白い話や感動する話、はたまた失敗した話や怒った話等は、何時聞いても聞き飽きないから面白い、だが、そんな話を聞けるのも有限なのだ、もっともっと話が聞きたい、だが『不老不死』や『死なない体』とかは手に入れたくは無い、何故なら、『自分の肉体が滅びないのはとても怖い』からだ、あぁまぁ、そんな感じで私は『平仮名』達の会話が好き、大好きなのだ、おっと今度は誰の会話なんだろうな……?

「中々難しいゲームだなぁ……」
「あぁ?どれがだ、『く』?」
「苦しいよ、このゲーム、えーとねぇ、二次元の事を三次元でも体験出来る体験型ゲームだよ、『あ』君」
「んー?これがかぁ?案外簡単な感じに見えるぞ?本当に難しいのか?『く』ぅ?」
「うーん、初見プレイは大変だよ、とにかく水や湖では落ちないでね?溺死するから」
 楽そうに『あ』は『く』のヘルメットを被った、そして『あ』の目の前には、綺麗な、草原が見える、そしてゴブリンの様なモンスターが『あ』に近付いた。
「たぁっ!?いったぁ!?てめぇ『く』ぅぅ!聞いてねぇぞぉ!これRPGかよ!?」
「よかったぁ『あ』君もRPGに慣れる番だよ?」
「よかねぇ!逆にRPG嫌いになるんじゃねぇの、この体験型!?」
「大変でしょ?中々難しいでしょ?この棒で剣や槍の代わりになるよ、後魔法使いならこの棒は杖になるよ」
「余計な話だ!俺は逃げて、色々セットしたいんだが!?無防備のまま戦えねぇ!」
「えー?まぁ、この棒で戦って下さい」
「いや、最弱だろ!?」
「『ローリングファイアソード』だよ、攻撃力50だよ」
「良かった!名前的に結構強そうだな!他にも強い刀や剣はあるのか!?」
「かなりあるよ?『ゴッド・エンドソード』、攻撃力100000だよ」
「余計にこの武器が心配なんだけど!?『ゴッド何たら』チートか!?」
「完全にチートだよね、んで、その『ゴッド・エンドソード』が装備欄に」
 ニコニコと装備欄を見せる、確かにあった。
「単純にこの刀使わせろよ!?」
「余計だと思ってね……このRPGのゲームを買えば、あげるよ?」
「余計なら使わせた方がマシだっつーの!そして俺はこのゲームは買わん!いいな!?」
「中々こっちでもお強いなぁ」

 あぁ、俺は『あ』と『く』のこのやり取りが好きだ、だから何時も録画しては聞き流している……とまぁ、お前らもこういう会話を聞きたいなら、俺の仕事を受けてくれ……ん?この仕事の名前?そんなのは簡単だ、妄想が仕事さ。

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