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ポケモンストーリー コロシアム編
作者: たくと七星  (総ページ数: 36ページ)
関連タグ: ポケモン ポケモンコロシアム バトル アクション 恋愛 
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episode3「アゲトビレッジ」パート2



 二人で仲良く歩いていると町の人達が声をかける。
「ムンちゃんじゃないか、久しぶりだね!」
「あ、こんにちは!」
「隣にいるのは彼氏さんかしら?」
「ええ、もう、困るじゃないですか〜」
 恥ずかしがるムンだったが満更でもないようでヌーンを見て微笑み仲良く手を繋ぐのだった。
「あそこに大きな気があるでしょ?あの下にお祖父ちゃんの家があるの」
「木の下にたたずむ家か、風情があっていいかもしれないね」
「ありがとう、お祖父ちゃんも嬉しいと思うよ、あら?」
 すると目の前に何かが走ってきた。それはムンを見ると立ち止まった。
「ピカ?」
 黄色い丸っこい体系に横に長い三つの縞模様、赤い頬袋、そして雷型の尻尾、ピカチュウである。
「貴方、もしかして・・・!」
 何か思い出したのかムンはしゃがんで両手を広げた。
「ピッカーっ!」
 ピカチュウも何かに気付いて駆け寄ってムンの胸に飛び込んだ。
「そのピカチュウは?」
「おーい、お前、そんなに走らんでも・・・おや?」
 そこへ目が見えないほどの長い眉と蓄えた長髪に髭を生やした、穏やかながらも威厳に溢れる老人が息を切らしてやって来た。
「あの人のポケモンなのかな?」
「ああ、お祖父ちゃん!」
 老人を見てムンが明るくなって声をかけた。
「おや、お前は、ムンじゃないか、見ないうちに大きくなったな!」
 ムンを見て彼女の祖父は頷いて喜んだ。
「そちらの方は?」
「あ、あの、僕は・・」
「この人はヌーンさん、旅の途中で彼に助けてもらったの」
「そうか、ムンを助けていただいて感謝しますぞ」
「あ、ありがとうございます・・・」
 恋人のように慕う彼女の祖父に感謝されてヌーンは頬を赤くして照れた表情で首を縦に振った。
「ムンや、折角ここへ来たのだ、ゆっくりしていくといい。祖母さんもさぞ喜ぶじゃろう」
「ヌーンさん、一緒に行こう!」
 ムンに誘われ家に入ることになった。


「ムン、ここへ来るなんて久しぶりね、しかも素敵なトレーナーさんと一緒で」
 家ではムンの祖母がヌーンを見て微笑んでいた。
「いや、僕は、そんなに素敵ってほどでも・・・」
「やだヌーンさんたら、謙遜しちゃって」
「そうですよ、貴方を見ると若かった、とても逞しくて強いトレーナーだったお祖父さんを思い出すわ」
「トレーナー?」
「そうよ、私のお祖父ちゃん、ローガン祖父ちゃんは昔はとても強くてカッコいいトレーナーだったんだよ」
「そうか、じゃああのピカチュウも?」
 ピカチュウはそのローガンのポケモンなのかとヌーンが言うとムンはしっかりと頷いた。
「そうそう、あの頃は貴方ほどのイケメンで強くてね、それでいて優しい人だったの、それは今も変わらないわ」
 そう話しているとローガンがお茶を持ってきた。ピカチュウもお茶菓子の入った箱を持ってくる。
「さて、ムンや。他に話があると言っていなかったかね?」
「あ、そうだった。ヌーンさん!」
「ああ」
 ローガンに聞きたいことがあったのだ。ヌーンはミラーボに勝利した時にプラスルが持っていた三つのクリスタルを渡した。
「これは、Zクリスタル!」
「Zクリスタル?」
 ムンが言うとローガンはヌーンにクリスタルをどこで手に入れたのかを聞いた。
「ヌーンくん、このクリスタルはどこで?」
「パイラタウンで悪さをする奴等がいてそいつを倒した時に助けたプラスルが持っていて・・・」
「悪さをする奴等・・・、まさか・・・」
「どうしたの、お祖父ちゃん?」
「いや、何でもないよ。ムンはゆっくり休んでいなさい。ヌーンくん、少し話がしたいのじゃが、よろしいかね?」
「あ、はい・・・」
 そう言われてある部屋に案内された。
「ここは?」
「あの子が小さいころに使っていた部屋でな。片付けるのも名残惜しいので散らかったままじゃがそこは気にせずにいてくだされ、さて・・・」
「話しとは・・・」
「ヌーンくん、あの子について何か心当たりはあるかな?」
「心当たり?」
「ありのままを伝えてくれればよい、さあ」
「解りました」
 そう言ってヌーンはムンがここまで来た経緯をローガンに話したのだった。
「そうですか、やはり奴等に・・・」
「はい・・・」
「あの子は他の人にはない特別な力があってな。ポケモンの邪悪な心を見抜く能力が備わっているのじゃ。それを悪用しようと君が戦ったあのシャドーの連中があの子の小さい頃に突然この町にやってな。わしはこいつと力を合わせてようやくこれを退けた」
「それがそのピカチュウなんですね」
 ローガンが撫でるとピカチュウは嬉しそうにしていた。
「またあの組織がやってくるかもしれない。そのためわしはあの子をここへ引き離し、別の安全な街へと移させたのだ」
「そうだったのですか・・・」
「ヌーンさん、話は変わるがそのクリスタル、それはポケモンの技を最大限に引き出す力を持っておるのじゃ」
「これが・・・」
「左様、ポケモンの出す技のタイプと同じ色のクリスタルを使えば発動することが出来る、ただ、それにはZリングと呼ばれる道具が必要でな、それを手にすることが出来るのは・・・」
「お祖父ちゃん!」
 話の途中でムンが慌てて入って来た。
「ムン、どうしたんじゃ?」
「大変なの、ほこらを壊そうとしている人達が来てて・・・!」
「何、あのせいなるほこらをじゃと!こうしてはおれん、ヌーンくん、一緒に来てくれるか!」
「はい!」
 その頃、せいなるほこらでは、シャドーの戦闘員達があるものを破壊しようとしていた・・・。

続く・・・。

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