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*紹介文/目次*
こんにちは!
複雑・ファジー系ということで、
宜しくお願いします!
今日中に完結させます!
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その講演に、全世界が注目をしていた。
「皆さん本日は、大変ご多忙かつ困難な状況の中、お越しいただき誠にありがとうございます。私は仮想空間創造所リベラル社で教授を務めております、●●●●●といいます。今回の講演中では、JBとおよび下さい」
自己紹介が終わり、男が本題に入る。
「さて、地球は今現在、危機的状況に瀕しています。近年、JAXAが計画していた火星移住計画は、残念ながら失敗に終わりました。急速に進む高齢化問題・食料不足、そして米中露で起こった大規模な大核戦争を読んだ第三次世界大戦により、世界は荒廃し、大気は汚れ切りました。我々がこの世で生きる手段はもはやありません。酸素濃度は低下し、放射線濃度は日に日に増加の一途をたどっています。」
白衣を着た30代の研究員が、世界各国の首脳や、外務大臣に向かって講演をしていた。公園の内容は日本語ではあるが、翻訳アプリケーションが働いていて、自動でその国の言語に変わる。
白衣を着たその男は、名札を付けて、JBという名前であった。
「そこで、我々JAXAと業務提携を結んだ仮想空間創造所リベラル社が、ご提案するのが、新たなる移住化計画です。それがこちらです。この機械を使えば、長きにわたって人間をコールドスリープ状態にしながら、脳だけは別世界に転送することができます。その期間は、100年以上。この機械で100年もの間、国民を閉じ込め、大気と放射線が通常の濃度に戻った際に、活動を再開するのです。我々はこの計画を、異世界移住化計画と名付けました」
各国の首脳から、拍手喝采が巻き起こる。
みんな口々に、amazing, wonderful,coolとか何やら単語を発している。
「国民一人一人に、仮想ゲーム空間サーバーを用意し、一人だけの仮想空間を提供します。これで、何人もが一斉にサーバーにログインして生じるバグを回避することができ、未来永劫、誰もメンテナンスをする必要がない、完璧な居住空間としての仮想ゲーム空間ができあがったのです!」
しかし、これでいいのか。
こんなもので、人間を閉じ込めて、それでこの世界を、地球を放棄して、
お前たちは、それで生きているといえるのか。
100年間も仮想空間ということは、100年間分現実世界では年を取るということだ。
もし、100年たって現実世界に戻っても、そんなヨボヨボの人類には何もできない。何も遂げられない。全員がヨボヨボになって、死に行く地球をただ茫然と見ているだけ。そんな未来が待っているはずだ。だから、
この仮想空間は、理想郷ではない。
私は納得しない。断じてそうではない。この地球を立て直すために、尽力すべきだ。
決して、火星に移住ができないから、異世界に移住をしようという甘い話ではない、断じて。
私が変えてやる。
私がこの世界を、地球を救ってやる。
逃げるだけなんてダメだ。
救う。必ず。
そう一人の女性は、心に決めて、講演会場を出た。
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場面は変わり、99層迷宮、第七層。
少女たちは、第六層でのボスエネミー、最初の人類アダムとのバトルに何とか競り勝ち、多くの犠牲者を出しながら、この第七層までやってきた。しかし、
その少女は、第七層の入り口にようやく降り立った時、
そこに広がっていたのは、一面に広がる小麦畑と、「第八層へ」という立て札のついたおんぼろのどこでもドアのような扉だけだった。
「ふう、よしみんなここで休憩しよう!エネミーはいなそうだ。手当が必要なものには、至急手当を!」
クランのメンバーにそう告げると、彼女はその小麦畑に座り込み、一息ついた。今までの七層までの歴史を振り返っていた。一層は、陽だまりの怪物である動くヒマワリ、二層は空を司るオオタカ、三層からは強敵になり植物型のモンスターである大樹モンスター、四層は太陽と月を司る人工衛星型モンスター、五層はバハムートと呼ばれる魚に羽が生えたモンスターで、六層が最初の人類アダム。
そして、七層のエネミーは、存在せず。一面の小麦畑と、八層があることを知らせる扉のみ。
「やはり、そうなのかもしれんな」
彼女は何かに勘付き、小麦畑を覆う人口の太陽の方に目を向ける。
「プレイヤーを、探さねば」
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