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*9*
「フフフフフ。あがけあがけ。今からとっても楽し~事をしてあげるわ!」
と、彼女の左腕が赤く変わり、そのまま彼女の左胸に手を突っ込み、心臓に触れた。
「ウア! ア、ア……」
「フフフ。次にこれはいかが?」
と、今度はそれに力を入れてにぎった。
「アアウウウウウ! イ……イヤ……イ……ヤ……くる、しい……」
と、彼女はもがくが、もう誰も助けに来ず、プリンセスはそのまましずかの心臓をオモチャの様に弄び、うめき声を出す」
「フフフフフフ。やはり人間の。女の子を弄ぶのは楽しいな~特に、苦しむシーンが何ともいえぬ快楽だ。フフフ。しかもあの方の一番好きだった者が裏切ったからこうなるのだ。さ~て次は……」
「空気大砲! ビックライト!」
「出木杉君。僕を大きくするんだ」
「うん! お願いだドラえもん。しずかちゃんを!」
「うん分かってる。絶対に助けるから」
「うん!」
と、出木杉がビックライトをドラえもんに当てると、ドラえもんは大きくなり、プリンセスに向かって空気大砲を撃った。
すると、当たる瞬間に、しずかを前に出した。
「あ!」
「あ~」
と、驚いていると、それは止まらず、しずかは大けが負い、グッタリとしてしまった。
「な、な、な、な、なんて事を! 直前でしずかちゃんを入れ替えるなんて! なんて卑怯な!」
「アハハハハハハ。これくらいのことで怒るなんて本当おバカさんね~。さあて、こいつはもう用済みね。もう苦しむ力もなくなっちゃったみたいだし! と、今度はスネ夫めがけて彼女を投げると、出木杉が済んででキャッチした。
「こんの卑怯者! 僕、本気の本気で怒ったぞ~~~~~~!!!」
とドラえもんは空気大砲を撃ちまくるが、全てスイスイとかわしていく。
そして、ドラえもんの前に出ると、突然どこからともなく、ブーメランが飛んできて、プリンセスを傷つけた。
「何!?」
「え?」
「なんだ?」
と、3人がキョロキョロしていると、、上空に、スレイプニールに乗ったさっきのブーメランを持った白いタキシード姿の男が現れた。
「チィ! どっかのザコアニに似せたつもりか~~~~~~~!!!!!!」
と、怒ったプリンセスが攻撃しても、全く当たらず、彼が持っていた物は、スレイプニールニ持たせると、彼は見事に空中を駆け回り、その男もかなり強いとわかった。
しかもパット分身の術を使い、プリンセスが見抜いた時にはすでに攻撃を受けた後だった。
「チィ! お前は一体誰だ! もう現実のゲートとこちらのゲートは閉じたはず。なのに何故入って来れた!?」
「貴様にいう筋合いはない! 覚悟!」
「するのはそっちだー!!!」
と、凄まじい光線の技も、全く効かず、フルートを吹くと、その音色に反応し、魔法陣と共にカードが降りて来た。
「いでよ! 神の使い手! ペガサス!」
「ヒヒーン!!」
と現れると、そのプリンセスの周りを飛び、雷を堕とし、彼女を苦しめる。
「スレイプニール一旦戻れ!」
と、彼はカードにスレプニールを戻すと、今度は、風の使い手カンヘル竜を召喚し、彼女はそのトップと真空刃を混ぜてボロボロにされ、とうとう場から、退散するしかなかった。
「逃がした様ですね。追いますか?」
「いや、あの彼女の事。また現れる可能性が高い。その前に、彼らを合流させる必要が有る」
「分かりました。彼等に伝えます」
「彼等には、召喚士志望の者もおりますが?」
「それは、彼女次第だ。さ、一旦彼女を村へ連れて行く。君は伝言が済んだら、一旦我々と合流だ」
と言うと、カンヘル竜は飛び去って行った。
そして、しずかはぐったりとなり、髪もボサボサで、挙句心臓に呪いを受けていた。
医師の診断を聞いた皆は、彼等への怒りが増した。
「酷いよ。好きだったのに、どうしてあんなむごい事を平気で出来るんだ!? 大体彼女は何なの!? ねえ、あなたなら知ってるんでしょ? あいつが何かを! 教えてよ! ねえ!」
「宇宙大図鑑によると、あれは精神の塊を切り離して作った岩場、魂の人形なんだよ」
「魂の人形? どうしてそんな 事が出来るの?」
「そこまでは僕もよくわからない。けど、これだけは言える。のび太君は、何かに操られている可能性が高い。恐らく、あのプリンセスが言っていたのが、恐らくのび太君の心のマイナスパワーが誰かに操られて作られていたのかもしれない。ですよね……ってあ~いない!」
「あれ? シートに手紙?」
「何々? 少し急用ができた為、席を外すが、必ず戻るから信じてくれ。白衣のタキシード仮面。だって」
「それってなにかのアニメでなかったけ?」
「う~ん有ったようななかったような~」
と言っていると、しずかがピクリと動いた。
「ウ、ウウ アウ、ウウ……や、めて……こ、ないで……わ、たしは! アウ! う、く、苦しい! ウア!……アウ!!」
「た、大変だ! 呪いが発動したんだ。早くしずかちゃんに薬を」
「分かった」
と、出木杉がしずかに薬を口移しで飲ませると、グッタリとなってしまったが、またいつ体がおかしくなるか分からなかった。
一方の彼は、今回の事について話し合われていた。
なんと彼の正体は、幻想と現実の間の世界のトップエリートのアミラル・カルフレアと言い、以前フィギュアスケートで準優勝を勝ち取った程の実力を持ち、更には召喚もできる。流石に素顔で行くと、後々面倒になるので、あの格好で行ったのだった。
「ム~」
と、皆が悩んでいるその頃、豊達の方にも魔物が押しかけて来たが、彼等は自覚し強くなり、理沙も発作慣れしてのか、落ち着いていたのか、発作を起こす事なく、魔導書を使って攻撃していく。ただ、彼女はそれだけではダメだと思い、ひそかに練習していたのだ。
魔導書を使わず、魔物を撃退する魔法を!」
だが、これを使うと、相当広範囲に影響が出る為、理沙も豊もどうしようか悩んでいたが、今は一刻も早く第3の町につかねばならない。
後、1山を越えれば見えて来ると聞いた。
そこで理沙は、
「皆、先に行って、この道なりを進めば良いのでしょ? なら、私は後から合流するから、皆は行って。今から出すこの魔法は、かなりの広範囲を吹き飛ばしてしまうの。皆を巻き込みたくない。急いで!」
「り、理沙。あなた確か心臓に……」
「分かった」
「ラマース!」
「その代わり、こいつを残しておくよ。そいつは小さいけど、デカくなると、空を飛べるようになる。人一人なら十分乗れるよ! 一回試しに乗った事あるから、安心して」
「ラマース……ありがとう」
「行くよ!」
と、彼等が離れた事で、皆は理沙を集中攻撃しよう襲って来た時、あの呪文をつかった。
「デストロイドアルミルアー!」
と、凄まじい爆発音と共に、道がくぼみ、木々はなぎ倒され、そこら中の物は吹っ飛んだ。
そして、その中央に、理沙が倒れているが、どうにか生きており、ラマースから借りた召喚獣が大きくなると、彼女を載せて後を追った。
そして、山の手前まで来ると、凄まじい風が吹き荒れた。
「ウヒ~。ここ通んなきゃいけないのかよ~」
「たく、豊ってば私等より年上に癖に根性ないよね~」
と、ラマースに言われ、挙句美穂も、
「そうそう。魔法を使って戦う時は強いのにどうしてこうも違うのかしら?」
「しょ、しょんな~」
とやっていると、召喚獣が理沙を連れてやって来た。
「うわ! 早! もう追いついちゃったの?」
「言っただろ? こいつは速いって」
「さて、この風を……ん?」
と、ラマースが風に耳すますと、何かの翼か羽で羽ばたく様な音がした。
「この先、何かいるよ。でも変だ。悪い奴等じゃないみたいなんだ」
「て事は、ここに済んでる動物か何かがいるって事なんじゃないの?」
「確かにその可能性も……」
「どうやらご無事の様ですね」
「そう。無事……ってキャ~~~~~~~」
と、皆は豊の後ろに隠れてしまった
「コラーお前等! さっきは人の事ボロカス言っておきながら、何なんだよ!? これは――――――!?」
「ウフフ。面白い方々ですね。ご紹介が遅れました。私は、カンヘル竜。ある方の使いで参上いたしました」
「ある方の使いって事は、敵じゃなくて味方? でもこの世界に味方なんて……」
「ご安心を、彼女は私の召喚獣です」
「あ、アンタは?」
と、皆が聞くと、彼は自己紹介をした。
「私はアミラル・カルフレア。幻想と現実のはざまにある空間の警察の様な所にいる者です。この渓谷は確かに風がきつい有名な難所で、普段なら、カンヘル竜に止めるようには言いませんが、あなた方は急ぎの旅。
しかも、体の弱い方までいるのであれば、これ位は当然です。
しっかりとして物言いに、皆はキョトンとしていた。
この世界に来て敵も多いのにその上また別のキャラクターまで出て来て頭がちょっとこんがらがっていたのだ。
「まあ、長話になるので、とにかくこの渓谷を超えましょう。カンヘル竜、風の操作を」
「はい!」
と、カンヘル竜は、その力で、風がこれから行く場所へ流れる様にした。
風の圧力が有れば、それに乗って進む事が出来たからだ。
そして、その風に皆が乗ると、カンヘル竜は、そこまでの風の向きを操作し、皆を導いた。
その間とりあえず軽く説明する。
ここで蘇った魔王が、現実世界を自分達の理想、郷ユトウピアへ変えようとしている事を告げた。
そして、その中に、彼等が最もよく知る人物がいる事も……
その人間が、自らの中に、種がある事を知らなかった為に起きた事も話した。
彼の中に、そうなる様に仕組み、種を植え付けた者がいると言った。