完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

時空監理局外伝 「牙組」 (完結)
作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 173ページ)
関連タグ: メイドウィン小説 仮面ライダー 時空監理局外伝シリーズ 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~ 130~ 140~ 150~ 160~ 170~

*55*

たくっちスノー
「おー、居た居た!享楽さん!」

享楽
「ん?」

たくっちスノー
「いやー、結構探したよー、何処にいるか分かんないもんだから」

享楽
「お前...あの三人はどうしたんじゃ」

たくっちスノー
「いやー、そういや自分も食べる必要ない体ってことを思い出したんすよ」

たくっちスノー
「いや、というかメイドウィンは決められたものしか食べられないし...あ、未来の話ね!」

享楽
「ほーん...」

たくっちスノー
「へっへへへ、数週間ぶりなのに今までと変わらない感じがするなぁ...自分、長いこと過ごしたのはこの世界だからな」

享楽
「...なァ、坊主」

たくっちスノー
「坊主呼ばわりですかい...まぁいいや凄い年下だし、何?」

享楽
「さっきの質問の事じゃけェ、」

たくっちスノー
「え、何?」

享楽
「局長を親父みたいな存在って言っとったなァ」

たくっちスノー
「...まぁね」

享楽
「てェ言うと、お前さんの親父は...」

たくっちスノー
「...まぁ、貴方の考えてる通りです」

享楽
「そうか」

たくっちスノー
「享楽さん、貴方には好きはありますか?」

享楽
「好きィ?好きってぇとこれけぇ?」

享楽は笑いながら小指を立てる

たくっちスノー
「ふふ、まぁそれでもあります、ありますか?」

享楽
「ああ、おったおった」

たくっちスノー
「もし良ければ...聞かせてくれませんか?」

享楽
「あいつはァ、ワシみたいな人でなしには勿体ないエエ女だった...子に恵まれんことがどんなに苦痛だったか...」

たくっちスノー
「...それでも、享楽さんがちょっと羨ましいよ、そんな人に出会えたのだから」



たくっちスノー
「監理局に来たばかりの自分には、好きなものも嫌いなものも無かった」

享楽
「てェ言うと?」

たくっちスノー
「...【好き】も【嫌い】もない、何かに心打たれた事もない、全てがどうでもよかった」

たくっちスノー
「時空を跨ぎ、色んな世界に渡っていくうちに...自分はデーリッチと出会いました」

たくっちスノー
「そりゃもう当時の自分はアレだったもんで、三回くらいボコられましたよ」

たくっちスノー
「でも...ここに来て、大事なもの、守りたいもの、憧れたもの、素晴らしいもの...【好き】というのを、なんとなく分かるようになってきた」


たくっちスノー
「だから僕はこの世界が好きなんだ」

享楽
「...」

たくっちスノー
「享楽さんから見て、いい人に見えるかな?」

享楽
「....どうやろうなァ」

享楽
「そいつも『黒影ならそう言う』んか?」


たくっちスノー
「.....いいえ」




『これは僕自身の意思です』


しばらく経つと、急いでいる様子でオルガ達がやってきた

オルガ
「あ、二人居ましたよ!」

戦兎
「お前ら何やってんだよこんな所で!」

たくっちスノー
「おいおい、そりゃこっちの台詞だよ、どんだけ寿司食ってたんだあんたら」

戦兎
「それどころじゃねぇんだよ、ここらで人が連れ拐われる事件が発生したんだ!」

たくっちスノー
「何!?」

オルガ
「桐生さんの言う『ガーディアン』も居たので、恐らくファウストによるものでしょう」

ネメシア
「そ...それで...あの、デーリッチさんが既に...」

たくっちスノー
「えっ!!?」


戦兎
「すぐに迎わないと、あいつの身に...」

たくっちスノー
「....ああ。」

たくっちスノーは体を捻り、液体を垂らし...





たくっちスノー
「ぶっ殺してやる」

偉大なるマガイモノの王が、牙を剥き...瞬く間に消えた

ネメシア
「消えた!?」

享楽
「ワシらも早急に向かうぞ」


享楽
(....しっかりやれよ、坊主。)

54 < 55 > 56