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■些細な嘘から始まった ■【遂に完結!】
作者: 碧 (総ページ数: 77ページ)
関連タグ: 殺人 複雑 嘘
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*紹介文/目次*
新しく小説を書いていきます碧(みどり)&碧祐と申します。
※更新遅く、駄作ですが、見逃してやってください…((殴
コメをくださると、感激して泣きます。
【碧は、名前を〈琴 〜コト〜〉にかえました!】
□■プロローグ■□
些細な嘘だった。
本当に、小さな。
それが間違いだった。
なぜ僕らはこんなことをしたのだろうか。
そう思った時はもう遅かった。
なんて辛いのだろう。僕らがこんなことをしなければ、きっと辛い気持ちにはならなかった。
ねぇ、君。この悲劇をもう一度聞いて見ないかい?
なんども、聞いて。そうしたら、やっとわかるはず。
僕らがどうしてこんなことをしてしまったのか。
まぁ、君たちには必要ないことかもね。
「ごめんなさい」
赦さないよ、絶対に、ね。
■□■□■□■□■□■□■
■登場人物■
・白咲 葵 しらさき あおい(17)女
母が世間からの重圧により自殺した事から世間を自ら避け、冷たい視線でみる悲観的少女。
ごく一般の少女。
・鈴木 一斗 すずき かずと(25)男
頭がよく、機転が良く利く人気No.1俳優。明るい。坂本の使用モデル。
・如月 霞 きさらぎ かすみ(18)女
常に明るく、世界にピッタリ寄り添うタイプ。若手人気No.1女優。彼女は、誰かの過ちにより、生まれてしまった。
・赤坂 雄一 あかさか ゆういち(30)男
白咲のクラスの担任であり、如月の父。かれの過ちにより、妻が自殺したことを、自分の二人の子は知っていない。
・美空 舞花 みそら まいか(21)女
「amanda」のオーナー。
坂本家の親戚であり、明るく穏便。
・坂本 光 さかもと ひかり(17)男
明るいお調子者。ツッコミ役。坂本財閥御曹子。
『梅次郎様』
・坂本 日子 さかもと にこ(不詳)女
光の母。一度離婚したらしい……
情報網が凄く、何でも良く知っている。赤坂、紫音となかがよく、知り合いである。
・清水 乙 しみず おつ(20)男
一斗のマネージャー。めんどうくさがりやだが、哲学好き。二人の男と関係をもっている。ある男の過ちからできた子供。
・水城 鈴 みなしろ りん(17)女
葵の数少ない親友。どMで、たまに鬱陶しい。ある人物と関係をもっている。
『ハナミズキ様』
・水城 拓 みなしろ たく(19)男
鈴の兄。優しいらしいが、いつもは冷たい態度で口数も少ない。ある人物と関係をもっている。
・白咲 紫音 しらさき しおね(41)女
今は亡き葵の母。かなり葵を大切にしていたが、ある秘密を持っている。彼女の過ちにより、子供は葵だけではない。
・坂本 寿樹 さかもと ひさき(41)男
日子の夫。沢山の人と関係をもっており、紫音と赤坂とは知り合いである。彼の過ちにより、彼の子供は光だけではないことを、日子は知らない。
第一話 >>1-3
第二話 >>4-6
第三話>>7-16
第四話>>21-24
【参照100!】番外編>>32-35
【参照200!】番外編>>46-47
【参照1000!】番外編>>125-126
第五話>>24-42
第六話>>43-67
第七話>>68-73
第八話>>74-101
第九話>>102-127
第十話>>128-135
第十一話>>136-147
第十二話>>148-149
第十三話>>150-152
あとがき>>153
(話以外の事が混ざって読みにくいかもしれません。すみません)
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~
*3*
第三話【思わぬ勘違い】
「俺は……何をしてしまったんだ」
一斗は、ぼんやりとセットへ戻ろうとしていた。
「きゃー!一斗よ」「え、ホンモノ!?」
という、女子達の声が遠く聞こえる。
俺は、皆の前で、性格までも偽っているのか。
そう思うと、罪悪感が増すのであった。
セットに戻り、あとの時間をなにでやり過ごそう……と考えていた。
清水が紅茶を淹れてくれたので、それをのみながら。
清水の紅茶は正直いうと、薄い。ほぼ水に近い。どんな淹れ方をしたら、こうなるのか謎だ。
「ん?待てよ……もしかしたら」
殺人をした後は、もしかしたらという考えがいくらでも出てくる。
もしかしたら、誰かに見つかるかもしれない。
もしかしたら、誰かに見られていたかもしれない。
『もしかしたら』には、共通点があった。
それは、必ず “誰か” が入るのである。
そんな事はどうでもよく、とにかく落ち着かない。
一斗は、橋へと引き返したーーーー
橋に到着する。
橋から下を見る。
そこには、霞の水死体が…………ない!?
ない!ない!ない!ない!何故だ?
「確か、ここに捨てた筈だ」
一斗は呟くと、周りを見回した。
霞は見当たらない。
一斗は、くまなくさがした。だが、ない。
そこにあった筈の霞が。
その時、一斗は、思い出した。
あの時にぶつかってしまった少女の事を。
名前は分からない。だが、一つ分かる事があった。
制服。すなわち、学校だ。
たしか、白虎橋の近くにある学校は、丸菜学校ぐらいであろう。
あの学校の制服は、白がベースのセーラー服だ。
こういう時には、制服は役に立つモノだ。
「よし、行くか」
一斗は呟いた……が!どう侵入したら良いモノか。
勝手に入ったら、泥棒とか色々言われるし、怪しまれる事であろう。
ならば、大きく行こうではないか。
俺は、鈴木 一斗。俳優だ。
ステージとして行けば良いんだ。
彼女が、霞を取って行ったとは限らない。
確認だ。ただ、確認するだけだ。
だが、まだ問題は一つある。
ステージとして行く『理由』だ。
人気俳優の俺が、いきなり平凡極まりない丸菜学校にステージとして行きたいなどといえば、おかしすぎるであろう。
だが、良い理由など見つかる筈がない。
頭がどんどん混乱してゆく。
複雑に意見が飛び交い、絡み合う。
分からない。どうしたら、良いのか。
とりあえず、セットに戻ろう。
………霞は?
どうしよう。確か、今から江戸時代のドラマ撮影だ!
霞が居ないとばれたら!
その時だ。
「タッタッタッ」
誰かが一斗の方へ走ってくる。
葵である。葵は、死体を橋から引き上げた時に落とした財布を取りに来たのだ。
勿論、死体は持っていない。それがいけなかったのである。
まぁ、葵が考えていた計画通りだったのだが。
「霞、生きてたのか……」
一斗が言う。
霞そっくりの葵にまんまと騙されたわけだ。
葵は、驚いた。まさか、本当に一斗が霞を殺したとは。
だが、直ぐに、
「え?私は生きてるよ」
と、猫撫で声で言った。
一斗は安心した様に、
「よし、セットへ行こうか」
と、私の手を引き出した。
「まさに、計画通り」
葵は、ニヤリと笑い、静かに呟いた。
《第三話 END》