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■些細な嘘から始まった ■【遂に完結!】
作者: 碧  (総ページ数: 77ページ)
関連タグ: 殺人 複雑  
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*8*

第六話【始まる悲劇】

「着いた……」
私は、息がきれてしまい、フラフラだ。
その時だ。
「霞、ちょっと来てくれるかな?」
後ろから呼び止められる。私が振り向くと、そこに居たのは、柔らかく微笑む一斗であった。
「うっ、うん」
私は、一斗の後に着いて行く。
光は、居ないようだ。(実は居たのだが、葵には見えなかった。)
二人は、静かで人の居ないセットの裏へ来た。
「ここなんだけどねーーーー」
一斗は、丁寧に台本の変更点を教えてくれた。
この様子だと、私は会議に遅れたようだ。
8:00以来、時計確認してなかったな……。
どちらにしろ、教えてもらえば同じだ。
一斗は、優しい微笑みのままである。
私は、その一斗に不審を感じた。
彼は利き手である右手を体の後ろに隠し、左手でぎこちなく教えるのだ。

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