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*11*
私だって想像してたのと違う! ためいきの後肩を落としていると、後ろから誰かに声をかけられた。声が小さくて、なんと言っているのかまではよく聞こえていなかった。
振り返るとそこには綺麗な少女がいた。私と、いやネクと同じくらいの背だろうか。歳は分からないがきっと同じくらいだろう。
「あの、初めまして。わ、わたし、よ、吉池ひかりって言います。参加者さんですよね?」
「え? あ、ああ」
「そうですよね!? よかった。あなたたちさっき、死神の人を倒してましたよね。ちょっと見えたんです」
「倒したのはこっちの……ああ名前言ってなかったな。俺が桜庭ネク、……あの怖い人が南師ショウ」
「ネクさんとショウさんですか! あ、佳澄さん、こっちこっち!」
「あら。あなたたちはさっきの……」
あらわれたのはおしゃれな服装をした、女子大生と言った雰囲気の女性だった。私は「どうも」と頭を下げる。
「玉木佳澄と言います。死神を倒すほどの実力を持ってるなんて、すごいよね、君たち。あ、片方は私より年上か。すみません」
南師は黒帽子のつばを押さえてずっと黙ったままでいる。
褒められたので、なぜか私が照れてしまった。
「ま、まあな」
まあ私のサイキックはマッチ一本並みの火なんですけどね……。死神倒したのだって南師ひとりだし。
「そこで、提案があるんです!」ひかりが明るい調子で喋る。
佳澄が続ける。
「あたしらはミッションをクリアする知恵とかはあるんだけど、力があまりなくて。それでお2人と組もうかな、って。どうかな。あたしたち、役に立てると思うよ? こうしてまだ生き残ってるし、今日のミッションだってかなり進めてるんだ」
もうミッションを進めてるんだ、すごいな。うん、悪くない話だね。この2人がいたらあたしも生き残れる気がする。