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すばらしきこのせかい アナザーエピソード 完結
作者: しろお  (総ページ数: 29ページ)
関連タグ: 南師 イナズマイレブン 
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10~ 20~

*6*

 一面が白に包まれた部屋。パーマのかかった長髪、派手な赤シャツと黒スーツをまといサングラスをかけた派手な風貌の男が、渋谷の神の前にひざまずく。
「コンポーザー様。『異端者』があらわれたとの情報が入っております」
「うん。何年ぶりかな」
「エマージェンシーコールの準備はできております。あとは発令次第です」
「……せっかく来てくれたお客様に、そんなことするわけないでしょ。もういいよ、下がって」
「はっ。失礼しました」
「…………フフフ。さてと……」
  
 





 ハチ公前を後にして、スクランブル交差点についた。人の波が群がっており、視界は歩く人ばかりで埋め尽くされている。道しるべは交差点のまわりにある大きな建物や、CMの流れる巨大電子版だけだ。
「ミッションは○死威に行くこと。ゼタ簡単だな」
「どういうことなんだ?」
 ネクのような口調で私は尋ねる。
「このラジアンが!」
「ひっ」
「どう考えてもマルシーのことだろうが! 104、ほらこっからでも見えんだろ!?」
「104か。そっかそっか」
 104。渋谷にある巨大なビルのことで、カジュアルからギャル系、B系まであるファッションの聖地と呼ばれる場所。背は高く、スクランブル交差点からでも北のほうに見える。
「そこに行くだけでミッション達成……余裕だな!」
 ネクの口調を真似するのが楽しい。
「だからお前はラジアンなんだ。罠に決まってるだろ。死神が待ち伏せして、ペットノイズを使って参加者を狩ってるんだ。やつらは参加者のソウルをポイント換算し、それを寿命に使うからな」
「えっ。じゃあ行かないほうがいいんじゃ……」
「一日目から死神は強いノイズを出せない。五日目、六日目と日を追うごとに強いものを出せる仕組みになってんだ。世の中数字でできてんだよ、ラジアン」
「ラジアンじゃない。俺はネクだ」
「わーったよラジアン。この世は弱肉強食、あたまもイマジネーションもゼタ弱いやつらは初めから死んで、頭を使えるやつは誰か強い他の参加者がミッションクリアすんのを待つ。そこらにいる野生の雑魚ノイズをぶっ倒して、経験値をプラスしていく。ミッションは俺たちを試している。優れた魂を持つ者を選別するためにな。ちなみにお前は頭もイマジネーションもゼタカス。運だけはよかったってとこだな」
「…………。待ってくれ。あんた、俺の知らないことを知ってるのに、俺の知ってることは知らないな。なんでだ? ショウ、あんたは説明会や死神のゲームのことを知らなかった」
「勘もいいみてえだな。答えを知りたきゃ計算しろと言いてえところだが、お前の頭はラジアンだから教えといてやる。ゼタ小さいときから俺はこの世界を見ていた」
「生きてるのに見えていた、ってなんで!?」
 この世界は渋谷のUG、生きてる人には見えないと、説明会ではそういわれた。南師は霊感があったのだろうか。南師は目を逸らして、少し黙ってから答えた。
「さあな」











THe 1st DAY    異端者    完

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