完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
*7*
THE 2ND DAY
ぼやける視界、開ける灰色の空。
「え……」
ゆっくり体を起こすとそこはどこかのトンネルのようなところだった。私は驚いて、飛び上がる。
「ここは……?」
混乱する私に南師が近づいてくる。
「やっと起きたか」
「起きた……? 寝、てた、ってことか?」
「そうみてえだな。日付が変わってる。どうやら誰かがミッションをクリアして、そのまま俺たちは眠っちまったみてえだ」
眠っちまったみてえだ、って。それから今までずっと寝てたってこと? ミッションの制限時間以外、自由行動は許されてない、って説明会であのグラサンが言ってたな。
上から聞こえたガタンゴトンという大きい音で分かった。ここは、渋谷駅のガード下だ。ここを抜ければ渋谷駅の前に出るはずだ。
南師はメモ帳に、ペンで色々書きなぐっている。なにかを計算しているのだろうか。どうせ私が見ても、なにも分からないだろうけど。
ケータイが鳴った。ミッションメールだ。
『わらしべ長者になって、ランクSのバッジを入手しろ。制限時間は270分』
手が痛む。これはミッション開始の合図。
南師は相変わらず手を休めない。
「ちょっと、ショウ!」
呼びかけにもまったく反応しない。かなり集中しているようだ。
背中を叩くと、やっと反応した。「ミッション始まってるよ!」私はタイマーが刻まれている手の平を見せた。
「お、おお。もう準備はできたか」驚いたようで、普段の南師の気勢はなかった。
「ああ大丈夫! 昨日はダメだったけど、ミッションクリア目指して行こうぜ!」
「いや、ミッションなんざゴミだ! クラッシュ! まずはある奴を見つける」
PR