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作者: 鳩麦白夜 (総ページ数: 101ページ)
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*33*
「うわあ……!これ、今年のトーナメント表?」
「そうだ。理事長と掛け合った結果、このようになった」
生徒会室で完成されたトーナメント表を見て花は感心したように海馬を見た。
コーヒーを飲みながら、海馬は特に感じることなく言った。
「…本命はいるの?」
「貴様に言う必要はない」
「いいじゃない!」
海馬に即答された花は悔しそうに頬を膨らませた。
「ふう〜ん……」
何かを感じ取ったのか、花はツン、と自分の対戦相手の文字に人差し指で差した。
そこには「神宮クリス」。そう書かれていた。
+++
「詰めが甘い!!」
「はい!師匠!!」
パンパン!と、空悟とクリスは道場で木刀の打ち合いをしていた。
あれから3日。
クリスは剣術の達人である空悟の教えを受け、今に至る。じゃなければ一太刀も浴びせられないまま負けてしまうからだ。
「はあああああああああッ!!!」
「………ッ!」
トンッと、クリスの木刀が空悟の脇腹を打った。
そんな彼女に空悟は満足したように木刀の動きを止めた。
「うん。素人にしてはなかなかの太刀筋だ!今の君なら琉浪人30人はたやすく切れるだろう!」
「る、琉浪人なの…?師匠……」
何となく意味が分からず木刀を握る手を止めるクリス。
「でも、まだまだだ。あと4日!みっちり修行だ!」
「よろしくお願いします!師匠!!」
ジャ…。と、2人は再び木刀を構えた。
「だが、なぜ師匠なんだ?」
「教えてくれる人は師匠なんだぞって鬼柳が言ってたから!!」
「そうか!…じゃあ、今度は手加減なしで本気で行くぞ!」
「もちろん!!」
ゴオッと、鋭い気迫とともにクリスと空悟は思い切り木刀を打ち付けた。
+++
「あら〜。これが今年のトーナメント戦?大変そうになりそう…!」
「だが私は負けないよ」
「いいねえ、自信あって……」
体育館に張り出されたトーナメント表を博と氷栗無は見上げた。
そこには、的確な相手が書かれていた。
『第一戦 天都博VS五十嵐安蘭』
『第二戦 鬼角まどかVS筧鬼柳』
『第三戦 神宮クリスVS一二三花』
『第四戦 初野茨VS更科憲章』
『第五線 氷栗無VS八神海馬』
「でも、これはあくまで一回戦だ。ここを勝ち抜かなきゃ意味がないね」
「……そうだね!頑張ろう」
強い目で博と氷栗無はそういった。