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作者: 鳩麦白夜 (総ページ数: 101ページ)
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「おいまどか、待てって!!」
「何よ、…どうせまたこの学園が物騒だから女子寮まで送るって言いたいんでしょう?バカにしないでくれる?」
これは、クリスたちが動き始める20分ぐらい前。
学校が終わり、部活も終わって帰ろうとしていたまどかにちょうど鬼柳が通りかかり今に至る。
「そういうことじゃねえって!もし、襲撃者が数人いたらどうすんだよ!…お前、女の子なんだしさ」
「……そう。なら、すごく乗り気はしないけど女子寮まで送らせてあげる。か、勘違いしないでよね!!」
「?…お、おお……」
まどかは顔を真っ赤にしながら鬼柳に指差すとずんずん先を進んでいった。
そんな彼女を理解できずに鬼柳は首をかしげながらも歩こうとしたとき…。
「ねえ」
「?あ、お前……」
突然の声に2人が振り向くと、そこにはレリクが穏やかな笑みを浮かべて立っていた。
「今僕、部活捜してるんだけど、終わっちゃったかな?…見学していきたかったんだけど」
「あ〜…。ごめん、終わっちまった…」
「…道具の見学や活動内容についてならかまわないけど…」
すまなそうに言う鬼柳を押しのけるように言うまどかにレリクは嬉しそうに笑った。
「本当かい!?……ありがとう、鬼柳。まどか」
「・・・・・・!?」
トン・・・・・。と、レリクは金色の杖を2人の首元に置いた。
すると、2人の目から光が消え、ばたり、と倒れてしまった。
「……君達には働いてもらうよ」
そうつぶやいたレリクの笑みは狂気じみていた。
+++
「ったく…。いくら俺が3年だからってここんとこ毎週講習とか…。つらすぎ」
3年棟の廊下を歩きながら憲章はため息をついた。
「……まだ、トーナメントに入り浸ってるせいかもな…。でも、海馬も…クリスも鬼柳も強かった……」
少しうれしそうに憲章は上を見上げた。
「よしっ!頑張るぞッ!……ッ!」
憲章はいきなり後ろへジャンプした。
なぜなら、謎の塊が自分目がけて襲ってきたからである。
体制を整えた憲章が前を向くと、そこには2人いた。
いや、正確にはよく知っている2人だった。
「……なんでお前らが……ッ!」
憲章は焦りながらその2人の人物を見た。
それは、鬼柳とまどかだったから。
次の瞬間、鬼柳の大砲が憲章を直撃した。
それを食らった憲章の意識は少しずつ消えて行った。