完結小説図書館
作者: 鳩麦白夜 (総ページ数: 101ページ)
関連タグ:
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~
*39*
「わあああああああああああああああ!!」
――――……そして、ついに1週間が過ぎ、トーナメント当日となった。
全校生徒はとても楽しみにしていたらしく、耳が痛いほどの歓声をとても広い第2体育館のギャラリーであげている。
『それでは、本日をもってトーナメントを開始します』
ステージにきりっとした雰囲気を持つ顔立ちの整った中年の男、鳳凰元次郎は凛々しく言い放った。元次郎はこの学園の理事長でもあるのだ。
そんな彼の言葉にさらに体育館は盛り上がった。
『今年も各部活から集められた代表は猛者ぞろいだ。……中には部活の代表ではない例外はいるが。ルールを守り、楽しんでくれ!!海馬君、あとは任せたよ』
「貸せ!」
いつのまにかステージに上がってきていた海馬はひったくるように元次郎からマイクを奪い取った。
『いいか!少なくともルール違反はするな!!これからルール説明をする!
?制限時間は5分、主に1対1で戦う。
?相手が気絶、降参した時点で勝敗が決まる。絶対に殺しはしない
?制限時間が過ぎても両者が立ち上がっているようであれば引き分けとなり、両者失格となる
これをよくその覚えの悪い頭に入れておけ!!』
海馬は高らかに宣言した。
「わわわ…!大丈夫かな、私……」
「しっかりするんだ!クリス。この一週間は無駄じゃないことを証明するんだ!」
空悟は力強くクリスの肩をゆする。
彼に促されるようにクリスも力強く頷く。
「この大会で優勝したら何があるのだ?」
『このトーナメントで優勝した暁には、部費の500万の贈呈、購買・食堂の無料免除が贈呈される!』
『スケールが大きいのだ!!』
海馬の自信たっぷりな宣言に、パンにゃは泡を吹き、気絶しかけた。
「遅れる遅れる―!!」
「あ!博!」
慌ただしく走ってくる博をクリスは呼び止めた。
「あ、クリスちゃん!大変だと思うけど、頑張ってね!」
「うん!もちろん!」
「私、1回戦からだから、また後でね!」
「頑張って!」
簡単な会話を済ませると、博は笑って体育館中央に走って行った。
そこで、戦いは始まるらしい
「……右サイド、天都博!」
「はい!」
中央に立つ審判に呼ばれ、博は元気よく返事をする。
「左サイド、五十嵐安蘭!!」
「はい!」
続けて、安蘭も返事をする。
ドキドキしながらクリスは2人を見つめていた。
「……二人とも、口頭だけでは正体わかってるけど、実際はどんなふうに戦うのかな……!?」
次の瞬間、安蘭は博にすさまじいスピードで襲い掛かった。