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鳳凰学園協奏曲-カルテット-【完結!】
作者: 鳩麦白夜  (総ページ数: 101ページ)
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*4*

プロローグ


ジリリリリ…。
薄く朝日が差す部屋の中で目覚ましが鳴り響く。


「ん〜っ」


金髪サイドテールに黄色と緑のオッドアイの少女、神宮クリスは寝惚けながら目覚まし時計を止めた。


「早く起きるのだっ!!」
「痛いっ!!」


ボフン!!と、右に悪魔の羽根、左に天使の羽根を生やしたパンダのような模様のネコ、パンにゃがロケットのようにクリスの腹に突撃した。


「今日は高校とやらの入学式なのだ!!早く行かないと遅刻するのだ!!」
「いたたっ。わかってるよ〜!キャー!!もうこんな時間!」


クリスは時計のとんでもない時間に急いで制服に袖を通し、リビングに置いてあるトーストを口にくわえ、思い切り家を飛び出した。

「おばあちゃん行ってきます!!」
「入学式始まっちゃうのだ〜!」


祖母のいってらっしゃいを聞いて、全力ダッシュ。


「…そっか。もうあの時とは違うんだよね…」


走りながらクリスは寂しそうに呟いた。
それを察したのか、パンにゃはポフン、とクリスの頭に乗った。


「気合い入れて学校に望むのだ!!」


ビシッと肉球というなの拳をつきだした。
おそらく、これがパンにゃ式の慰めなのだろう。
それに気づいたクリスはクスリと笑って両腕をつきだした。


「よーし!!頑張るぞ〜っ!!」


ちなみに、パンにゃはクリス以外には見えないため、通行人の視線を浴びたことは言うまでもない。

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