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君とあの時あの場所で〜3ヶ月の恋物語〜 
作者: 秋桜  (総ページ数: 23ページ)
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10~ 20~

*15*


「――俺は!日比奈が好きだ!!」

「え?」

「だから、俺と付き合って欲しい!」

 湊谷は、日比奈を真っ直ぐ見つめて言った。

「えっと…私は、後二ヶ月しか生きられないんだよ?それに、もうここにだって来れ」

「それでもいい!俺は、別にそれでもいい。日比奈と後二ヶ月しか一緒に入れなくても、ここで会えなくてもいい」

 日比奈は、下を向いていた。

「日比奈は、俺の事どう思ってる?」

 湊谷は日比奈の顔を覗き込みながら言った。

「私は…湊谷の事…好き、だよ」

 日比奈の顔は赤くなっていた。

「マジで!?よっしゃぁぁぁぁ!!!」

 湊谷はガッツポーズをしながら言った。

「――でも、もう会えないから…」

「そしたら…俺が会いに行くよ」

「えっ病院に来てくれるの?」

 日比奈は顔を上げて言った。

「もちろん!俺、彼氏だからさ!!」

 湊谷は親指を立てて言ったが、自分が言ったことが恥ずかしくなってきたようで、だんだん顔が赤くなっていった。

「うん…。(でも、私には後二ヶ月しか…ない…)……っ!」

 日比奈の頬を、涙が流れた。そして、涙は止まらなくなってしまった。

「日比…奈?」

「ごめっん・・・。うー泣くつもりはなかったんだけど・・・ひっく・・・!」

「日比奈…」

「・・・だって、私には・・・後・・・二ヶ月しかない!」

「大丈夫だよ!」

 湊谷は日比奈を抱きしめた。

「俺が・・・俺が!日比奈の二ヶ月を何十年に変えて見せるから!」

「・・・うん」

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