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Ib ―『さよなら』の先に―
作者: 緑茶  (総ページ数: 53ページ)
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*20*

*10

 私とメアリーは、ギャリーと別れて次の部屋――マネキンや段ボールがたくさんある物置らしき部屋――で役に立つ物を探していた。
「ねぇ、メアリー。このイスであのツル折れるかな?」
「う〜ん……ムリじゃないかな。それにこのイス、床にくっついてとれないよ」
「そっかぁ……他に何かない?」
「――――あ、」
 メアリーは声をあげて一つの段ボールの中ををガサガサと探し始めた。
「よいしょっと……これなんかどう?」
 そう言って出してきたのはパレットナイフ。絵の具を練ったり、削ったりする小刀だ。
「これであのツル……ムリかな?」
「多分、ムリだね」
 二人で大きなため息をつく。
「でも、念のため持っていこうかな……念のため、ね。良い物無かったし、ギャリーのところ戻ろっか?」
「そうだね」
 私が返事をした直後、

 ――フッ――

 と、視界が黒で塗りつぶされた。
「うわっ!? 停電!? イヴ、居るよね!?」
 ……何かギャリーと同じような事をやったなぁ、と思い出しつつ返事をした。
「うん、居るよ」
「よかったぁ……あ、」

 ――パッ――

「明かり付いた……もう、付かないと思った! さっ、ギャリーのとこに戻ろ!!」
「うん! ……え?」
 私は返事をした後、入口を見た。そこには、あってはならない物があった。

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