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私とメアリーは、ギャリーと別れて次の部屋――マネキンや段ボールがたくさんある物置らしき部屋――で役に立つ物を探していた。
「ねぇ、メアリー。このイスであのツル折れるかな?」
「う〜ん……ムリじゃないかな。それにこのイス、床にくっついてとれないよ」
「そっかぁ……他に何かない?」
「――――あ、」
メアリーは声をあげて一つの段ボールの中ををガサガサと探し始めた。
「よいしょっと……これなんかどう?」
そう言って出してきたのはパレットナイフ。絵の具を練ったり、削ったりする小刀だ。
「これであのツル……ムリかな?」
「多分、ムリだね」
二人で大きなため息をつく。
「でも、念のため持っていこうかな……念のため、ね。良い物無かったし、ギャリーのところ戻ろっか?」
「そうだね」
私が返事をした直後、
――フッ――
と、視界が黒で塗りつぶされた。
「うわっ!? 停電!? イヴ、居るよね!?」
……何かギャリーと同じような事をやったなぁ、と思い出しつつ返事をした。
「うん、居るよ」
「よかったぁ……あ、」
――パッ――
「明かり付いた……もう、付かないと思った! さっ、ギャリーのとこに戻ろ!!」
「うん! ……え?」
私は返事をした後、入口を見た。そこには、あってはならない物があった。
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