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*6*
(6)
「実咲、参上!」
勢いよく玄関のドアを開けるが、
今日は仕事が遅く、お母さんは
帰って来てなさそう。
ソファーにランドセルを置いて、
テレビをつける。全チャンネル
見てみたけどニュースばっかり。
テレビを消して、ソファーに寝ころがる。
宿題は秘密で休み時間に終わらせちゃったし
ゲームは弟のしか無いし公園にも児童館にも
下級生と遊んでそれはそれで楽しいけど
今は気分じゃない。
自分の部屋で絵でも書こうかな...
ピピピピ...
電話がなる。受話器を取った。
「はい、赤石です...。」
『もしもし、6年3組の加藤達也です。
赤石実咲ちゃんいらっしゃいますか?』
「たっ、達也!?なんなの...。」
『今日、調子悪いっつってたじゃん?
それ、もう大丈夫?俺、実咲のシュート
見てみたいし。』
「大...丈...夫...だけど...」
『だけどって、どうしたんだよ?』
「へっ!?そっ、それは...。」
『ま、女の悩みっちゅーものか。』
「そうかも。」
『俺な...あっ兄ちゃんがくる!ゴメン、明日ね。』
プープーと言う音であっけなく終った会話。
今日、嬉しすぎて眠れない...かも。
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