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*バッドエンドから始まる恋物語*部活編 完結!
作者: 姫凛  (総ページ数: 11ページ)
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10~

*3*

二話 変人たちとの出会い






「あれからもう一年か……」

屋上でパンを食ってるとふと丸井と出会った頃を思い出した。
あの時は入学したての一年坊主で、遅刻の常習犯だったな…。今もそんな変わらないけど。
たまたま通った近道の曲がり角で、丸井とぶつかって出会ったんだっけ。
俺からしてみれば、最悪な出会いだったんだが赤崎の奴がこれは運命だ運命だって五月蠅かったな。なにが運命だ、全然俺達は恋仲になってねぇーじゃねぇーか。まぁ、彼女なんて興味ないけど。


パン片手にフェンス下側のグランドの方を見てみると、楽しそうに女子達と喋りながら歩いてる、丸井の姿があった。
もうすっかり学校に馴染んじゃって、今じゃみんなのアイドル的存在だよな。癒し系ってやつ?とかなんとか、クラスの男共が言ってたな。

「マジでー?ミカンちょーウケるー」
「そ、そうかな…?あ…」
「…あ」

やべっ、丸井と目があっちまった。俺は咄嗟に身を隠した。いや、なんでだ?
なんで丸井と目が合っただけでこんなにドキドキしなくちゃならないんだ…?

「…ぁ」
「どうしたのっ?ミカンー」
「えっ?あ、ううん。なんでもないよ?それで?」
「あっそうそう、そんでさーウチの彼氏がさー」
「うんうん」

次に顔を上げたときには丸井はもういなかった。ふぅと安心して息が出た。

「そろそろ、教室へ戻ろう」

パンも食べ終わったしもうここにいる、意味はない。
俺は早々と荷物をまとめ屋上を出た。
教室は俺が居た屋上とは別の校舎にあるため、渡り廊下を使って隣の校舎に移動する。すると

「きゃ〜あ〜〜〜」

と何処からか悲鳴が聞こえた。何処だっと身構えていると、コロコロと何かが足元に転がって来た。
なんだ?と拾ってみるとそれは、

「オレンジ?」

何故かはわからないが、転がって来たのは美味しそうなオレンジだった。
オレンジを持って転がって来た方向に歩いていると

「あうぅ〜あと一個どこ〜??」
「ッ!!」

デカイ。あっ、いや…色々デカイ女子星徒がこっちに尻を向けかがんで何かを探している。
思わずゴクリと唾を飲む。あ、あんな…デカイ…その…胸は、初めて見た。
ボーとデカイ胸に見とれていると、

「ぐふふっ、シャッターチャンスは我々の物だっ。そこの君、どいてくれっ写真が撮れないだろう」
「はっ?」

後ろから声をかけられた。訳が分からずそのまま呆然立っていると、後ろからそこそこ背の高い男子星徒が現れた。手にはカメラが握られている。…写真でも撮るのか?って今この状況で撮る物と言ったらっ!!

「おいっ、やめろ。それは駄目だ」
「な、何をするっ!?」

俺は慌てて、カメラを持った男子星徒の腕を掴みデカイ女子星徒を撮ろうとしていたのを阻止した。

「君、自分が何をしているのかわかっているのかっ!?」
「く、確かに俺もこれはシャッターチャンスだってくらいわかる。写真をわけてもらいたいくらいだ。
だけどな、本人の了解もなく勝手に撮るのは犯罪だっ!!」
「………」

メガネの男子星徒は諦めてくれたのか、カメラを下した。
よかった、あのデカイ女子星徒の平和は守られたか。いや、別に俺が守ってやる筋合いはないんだが…。

『パチパチッ』

「…?」

シャッターチャンス事件を無事阻止し、ホッと一息ついているとパチパチと誰かが拍手する音が聞こえて来た。誰が誰の為に??

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