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作者: 姫凛 (総ページ数: 11ページ)
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*9*
四話 まさかの出会い
色々考えた結果俺は――
「写真部に入ろうかな」
「ふ、男なら当然だな」
「あらあら〜」
「ハァ〜、健康男子ならではの選択だね」
写真部に入ることにした。
いや別に霧姫先輩が言うような、九条先輩がしてたような事を求めて入ることにしたわけじゃない。
むしろ逆だ。その人の許可なく勝手にアレな写真を撮るなんて、盗撮間がいな事をやめさせるために俺は写真部に入ることにしたんだ。
「さぁ、ハヤテよ!我々とエロスを追求しようではないかっ!」
「いやしねぇーよっ!!」
まったくこの人は…油断も隙もねぇ。
俺はあんたらとは違うんだ。ま、その…確かにそうゆう写真は嫌いじゃねぇーし…興味が全くないわけでもねぇけど……盗撮は趣味じゃねぇ。それは立派な犯罪だ。見過ごすわけにはいかねぇ。
「そうだよぉ〜、ハヤテくんはえっちな写真なんて撮らないよぉ〜」
おぉ、さすが玉餅先輩。まだ出会って間もないのに俺の事をちゃんと理解してくれてる。
俺の気持ちをちゃんと代弁してくれてる。ありがてぇ。
やっぱ、この人こそ“先輩”に相応しいな。
この後、お節介の邪魔野郎の霧姫先輩が健康男子とは…と語ろうとしてやがったけど、やはり男同士。腐っても男だと通じるモンがあるんだな、九条先輩が空気を読んで霧姫先輩に割り切りこの場は解散し俺を写真部へ案内してすると言ってくれた。
霧姫先輩は、話を遮られて少し不機嫌そうだったけど、まぁ玉餅先輩の前で恥かかされるよりは、何百倍もマシだ。
「写真部は南校舎の一階にあるぞ」
「へぇ〜」
霧姫先輩と玉餅先輩と別れ、南校舎の廊下を歩きながら九条先輩が説明してくれた。
俺の教室も南校舎にあるけど、全然気が付かなかったな。写真部なんて部があるなんて…。
あとから写真部の活動内湯を聞いて見ると、エロスを追求してるのはあくまで冗談的なもので、本業は写真家を目指し練習に励んだり、学校新聞の写真を撮ったりしてるらしい。
なんだ…まともな部じゃねぇーか。と安心した俺は浅はかだった。だって、エロスを追求してる時点でまともな部なわけないだろっ!
「ここだ。さ、入りたまえ」
「…ぁ、はい」
暗っ!写真部のアジトの教室は何故か真っ黒いカーテンで日差しを全面カットしてて、真っ暗に近い。一応電気スタンドとかあるけど、光弱っ!ある意味ねぇーだろっ!!つーか、目悪くなるわっ!
「部長お帰りなさい、今電気付けます」
薄暗い暗闇の中から女子の声が聞こえた。
ああ、なんだ、普通に電気あるんだ。じゃあ、最初からつけておけよっ。
パチッと電気が付き部屋が一気に明るくなった。とゆうか、一気に明るくなりすぎて一瞬目がくらんだ。
「眩しいっ!」
「大丈夫デスか?」
「あ、あぁ…」
少しして目が慣れて来たから瞼を開けると、誰かに似てるような…スラーとモデル体型の美少女と、頭が三つ?と見間違えそうなボンボンみたいな塊を頭の両サイドに付けてるチビ娘がいた。って…?部員に女?
「二人とも彼は、我が写真部の新入部員だ。仲良くな」
「ハイッ」
「……どうも」
一番にチビ娘が元気に返事した後、不機嫌そうにモデルが返事した。うっわーこいつ苦手だなー。ヒメノと同じタイプ臭がする。
俺は取り敢えず学年と名前を名乗り、軽く頭を下げた。チビ娘は良いとしてモデルはガン無視だったけどな!やっぱ好かねぇあの女。
「紹介しよう、彼女達が我が写真部の部員だ。さ、自己紹介を」
「ワタシ、桜ミオンと言いますネッ!ヨロシクお願いします、センパイッ!」
「どうも。霧姫ルカです。…で、なに?」
チビ娘は…桜か。桜色っぽい髪色だしなんか丁度良い見た目と名字だな。よし、桜餅と命名してやろう。口には出さないけどな。
あのモデル…霧姫って言うのか…あれ?霧姫?
「霧姫ーーー!!?」
「な、なにっ!?」
あ、やべ思わず声に出ちまった。
霧姫は目を丸くし驚いた後、すっげ形相で俺の事を睨みつけている。
「あぁ、霧姫は帰宅部、部長の霧姫ユウナの妹だ」
「やっぱり…」
「ふんっ」
姉妹なのに全然、性格見た目違うなー。ってゆうか本当に姉妹か?顔しか似てる部分ねぇじゃ、ねぇーか。と聞いてみたかった、無の圧力があったため止めた、俺はまだ死にたくねぇ…。
九条先輩は落ち着くまでカメラ器具すべて貸してくれると言ってくれたラッキー!でも条件付きで、九条先輩と写真家を目指す事だ。
俺、写真なんてそんなに…と言って断ろうとしたけど、押しに負けてそのまま九条先輩と桜餅、霧姫の三人にカメラの事を教わりながら写真家を目指す事となった。
でも結果は…
不合格。やっぱり俺にはカメラの再送なんてないんだ
桜餅は家の事情で母国に帰り
九条先輩は卒業してしまい
残された俺と霧姫は結局打ち解けられず
無言でそのまま写真部は解散となった
俺には―ー
夢なんて必要ないんだ
挫折END