完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
恋愛童話 〜赤ずきん編〜
作者: メルヘン嬢 (総ページ数: 8ページ)
関連タグ:
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
作者: メルヘン嬢 (総ページ数: 8ページ)
関連タグ:
*4*
3話
ジャックから貰った花の冠を手に取り、笑う。
「ジャックさん..」
本当にありがとう。
感謝の気持ちがいっぱいでジャックの笑った顔を頭に思い浮かべる。
私は、昔から嫌われ者でプレゼントが貰えなかった。
お母様も私の事なんて思ってもいないので、貰えなかった。
私は、生きてる価値がないし、貰われる権利もない人間だ。
だけど、ジャックがこんな私にプレゼントをくれた。
初めてで、嬉しいと思った。
こんな感情になったのは、いつ頃だったかな?懐かしい。
それに、ジャックの顔を思い出すと胸がドキドキするんです。
ああ、また会いたいと思う気持ちは一体何?
あの夏の晩、お婆様に教えて貰った事を思い出す。
『赤ずきん。恋ってなんだと思う?』
『..恋?分かりませんね。』
『ふふ、恋って言うのは、またあの人に会いたいとか、相手のことを思うと胸がドキドキするのよ』
『私に縁のない話ですね。
全く、くだらないです。』
『そうかい?恋は素晴らしいの。
赤ずきんもいつか、恋というものが分かるよ』
『あっそう』
『ふふ』
お婆様の言っていた事がようやく分かった。
「これは、恋...」
また会いたい。好き。好き。
この事をお婆様に話しましょうか。
ジャックに会えた事、恋の事を。
「早く言いたいな..」
PR