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奇想天外!プロレス物語【完結!】
作者: モンブラン博士  (総ページ数: 82ページ)
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突然、不動さんが取り乱し始めた。

なんだかよくわからないが、敵が大変な人物らしい。

ここまで取り乱す不動さんを見たのは初めてだ。

この様子にただごとではないことを俺は悟る。

次の瞬間、不動さんの行動に俺は目を疑った。

彼が降参を示す赤のタオルを持って走り始めたからだ。

俺はとっさに不動さんの腕を掴み、渾身の力で食い止める。

「ガキ、手を放せ!」

不動さんが殺気だった顔で凄む。

「どうしたんだ、不動さん。あんたがタオルをリングへ投入したら、その時点でヨハネスは負けになっちまうんだぞ!ここにきて、世界一の栄光を諦めるのかよ!?」

俺の言葉に少し殺気を抑えた不動さんは、なんとも憂いのこもった目で俺を睨み、ため息をついた。

「・・・・仕方がない。お前には分かりやすく説明してやる。このままあのガキが奴と戦ったら100%命を落とす」

な・・・100%だと・・・・マジかよ。

不動さんはうなずく。

「世界一の栄光は確かに惜しい。だが、俺たちはそれを6度も取っている。よく聞け井吹、世の中には勝利より大事なものがあるんだ。それは自分の命だ。勝利のために自分の命を捨ててみろ、愚かだとは思わんか」

「不動さん、教えてくれ、ヨハネスが戦っている奴の正体を・・・」

「いいだろう。それは・・・・」

不動さんが小声で打ち明けた正体に俺は戦慄した。

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