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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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*109*
ジャドウが死んだ。
俺は奴が爆薬入りのカプセルを飲み、爆死する映像を見たとき、自分の目を疑った。
そして気が付いたら、両膝をついて愕然としていた。
隣にいる星野も、呆然として画面を眺めている。
「ジャドウ…お前は最後の最後まで悪の美学を貫き通したな…」
俺たちの中でもひと際異端で、ダークヒーローを最後の最後まで貫き通した男、ジャドウ=グレイ。
奢らず、謙虚に人助けをし、自慢することは一度もなかった。
カイザーと奴と俺の3人は親友であり、よきライバルだった。
時には敵対することもあったが、その全てが俺たちを最大限にバックアップさせるための作戦だった。
「…ジャドウ、安らかに眠れ…今まで、悪の美学を教えてくれて…ありがとう」
そして俺は、生涯最高の怒りの目でウラヌスのクソガキを睨みつけた。
「このガキ!お前はこの俺が往生させて殺る!」
☆
僕は扉を抜けると、オランダはキューヘンホフ公園に出た。
僕の故郷のオランダに、どうして出たんだろう?
それにしてもたくさんチューリップがあって、いつみてもいいところだなあ〜。
なんとなくそんなことを考えていると、どこからか声がした。
「あなたがわたくしの対戦相手?フロイさんと戦うつもりでしたのに」
声をした方向を見ると、ピンクの髪、ピンクの瞳、赤いラテンドレス姿の綺麗なおねえさんが、特設されたリングの上に立っていた。
もしかして、この人、銀河太陽系8神のひとりなのかな?
「そうです。わたくしは銀河太陽系8神のひとり、火星神マールスです。話し合いならリングでしましょう。かかってきてください」
「うん。わかったー」
僕がぴょこんとリングへ着地すると、マールスさんはニコッと微笑んだ。
「この美しい地で、あなたとプロレスの対決をするのは気が引けますが、これも惑星のため。許してくださいね」
「うん!お互い一生懸命闘おうねー!」
カーン!
そして試合開始のゴングが鳴ったんだ。