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作者: モンブラン博士 (総ページ数: 198ページ)
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私はクロノスの様子を見て、冷静に敵の様子を分析する。
彼は私の繰り出す基礎技を立て続けに食らい、その威力に動揺を隠せないでいる。
「あ、あなたは本気を出したこの私に、勝てるはずがないのです!」
その刹那、奴のスピードが増した。なるほど、これがつまり、彼が本気を出した時のスピードというわけか。
確かに、先ほどの10倍ほど早くなっているのが、よくわかる。
「これでも食らいなさい、下等生物!」
奴は先のロディ戦と同じく、手刀を振るう。
だが、ロディには通用しても、この私には通用しない。
私は彼の放つ手刀を巧みにガードして急所に命中させない。
「あなたは地味な技ばかり使うんですね?もっと派手な技を使ったらいかがですか。この私のように!」
「お前のは派手なだけで決め手にかける。
私のは地味だが確実にお前から体力を奪っている」
「フン!それがどうしたというんです。あなたは人間、私は神。その差は歴然なのですよ。たとえあなたが基礎技を何発もかけたところで、私をKОすることは、不可能なのです!」
「それはわかるさ。だから、今から戦法を変える。言っておくが、私はプロレスの技は基礎技しかしらない。だが、私には、それを補ってあまりあるものがある…それは…」
そこで私は懐からフォークを取り出した。
「悪魔の如き残虐殺法!」
「ホギャ!」
私は彼の首をスリーパーホールドで締め上げつつ、額をフォークで滅多刺しにする。
彼の額からみるみるうちに血が流れ、彼の顔が血で真っ赤に染まる。
次に私は両手にメリケンサックを装着し、敵を斬りつける。
「こんな打撃、受け止めてみせますよ!」
彼は手を血に染めつつも、私の凶器攻撃を受け止めた。
どうやら、そこそこやるらしい。
だが、私はそこですかさず、毒霧を吹きかける。モロに受けた奴は緑の霧で目をくらまし、怯む。
その隙を逃さず、観客のパイプイスを掴み、奴に殴りかかる。
「ホギャッ、ホギャッ!」
一気に優勢になったところで、私は奴にジャドウの必殺技だったコーナーポスト最上段からのニードロップを放ち、奴を失神KОで下した。
カンカンカンカン!
私の勝利が決まった直後、奴は不敵な笑みを浮かべ、立ち上がってきた。
あれだけ私の反則攻撃を受けても息があるとは…
「ホッーホッホッホ!素晴らしい残虐殺法でしたよ。では、私はこの場をさりましょうかね」
奴はまるで霧のようにその場から消失した。
私はこれは何かあるなと思いつつも、とりあえず、今は勝利の余韻に浸ることにした。